
DIVINGスタート&スキルアップBOOK 2015
みなさん、こんにちは。カメラマンのはらだまです。
第4回は画像処理のお話です。フィルムで撮影していた時代は、撮影時に失敗した写真は、ほとんどと言っていいほどボツでした。ところが、デジタルになった昨今では、撮影後の処理によっては、復活する写真もあるのです。
画像処理なんて聞くと難しそうという方も、PCにもともと入っている簡易式の画像処理ソフトや、デジカメを購入した時に付属しているソフトだけでも、失敗写真を救済することができるんです。今回は、基礎的な画像処理についてお話しましょう。
デジカメで撮影して、あとで見てみたら画面に小さくしか写っていなかった・・・という経験のある方も多いと思います。
ここでは、トリミングという画像処理を練習しましょう。
今回はPCにあらかじめインストールされている画像処理ソフトを利用しました。
キンギョハナダイを撮影したが、小さくしか写っていない
トリミングしたい範囲にカーソルを合わせて「切り取り」をクリック
指定した範囲だけが切り取られる
切り取った部分を、画面と同じ大きさに拡大
ポイント
トリミングは、比較的簡単な画像処理なので、PCにあらかじめインストールされている画像閲覧ソフトや、デジカメに付属するソフトでも行える作業です。ここで注意したいのは、オリジナルの画像を加工するのではなく、必ず画像をコピーして、コピーした画像で作業を行なうこと。万が一、失敗してもオリジナルを残しておけば安心です。
また、保存するときも「別名で保存」をするようにクセをつけておくと元の画像を使いたいときにも慌てずに使えますよ。
せっかく撮った水中写真を、あとから見てみるとなんだか青っぽい……。ストロボの光がきちんと被写体に当たっていなかったのが原因です。
これも画像処理ソフトを使って加工してみましょう。
せっかく撮影したのに、青カブリしてしまっている
マリンパネルから色調を選択する
画面で色調を確認しながら選択して、最後に保存を行なう
ポイント
「Photoshop」などプロユースのソフトだと画像の色を変えるのは、レベルや色調の補正などさまざまな要素が複雑に起因するので難しいですが、このソフトは、希望の色調をクリックするだけなので、比較的容易に色調を変化させることができます。
デジタル一眼レフやミラーレス一眼では、レンズ交換の際にホコリがデジカメ内に入り込み、それが撮像素子に付着し、撮影した画像に黒くぼんやりした輪郭で写り込んでしまうことがあります。
対策としては、撮像素子をきれいに保つこと。また素早いレンズ交換をすることも大切です。それでも画像に写り込んでしまった場合は、画像処理ソフトを利用しましょう。
撮像素子状にホコリが付き、画面に写り込んでしまった例。画像処理ソフトで消してみよう
「スポッティングツール」を使用し、黒いホコリを囲み、周囲となじませていきます
画像処理をした写真。ホコリの写り込みがなくなっています
ポイント
使用するソフトや、機種などによって、操作方法、呼称は異なるかもしれませんが、基本的には、周囲と同じ色調になじませていくか、同じような色調の別の部分から、コピーした情報に置き換えるというものが、ホコリを消す基本的な作業内容です。
画像処理の大前提
画像処理は、あくまで最後の手段だと思ってください。こうした画像処理は、本来撮影時にしっかりと対処しておけば済むことです。画像の加工を繰り返すと、画質が粗くなったり、劣化することもありますので、できることならあまり後処理の必要のない撮影を心がけましょう。
今回で16回目となる「地球の海フォトコンテスト」。今回の締め切りは来年2014年1月20日(月)に地球の海フォトコンテスト事務局に必着!!
毎年多くの方々にご応募いただき、4月4,5,6日に開催される『マリンダイビングフェア2014』では、会場内で全入賞作品を一挙展示。
ジャーナリズム的要素の強い「地球環境部門」、アート性を表現する「自由部門」のほか、水中写真を初めて5年以内の方だけが対象の「ビギナー部門」や、陸上の風景写真の部門「ビーチフォト部門」の計4部門。
今まで撮った写真や、この年末年始に撮った写真ももちろんwelcome!!
みなさんのアツい作品をお待ちしています!!。
締め切りは2014年1月20日(月)必着!!
次回は
第5回 解決!ストロボ活用術
です。お楽しみに!
1972年3月埼玉県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業。
大学在学中に沖縄を何度も訪れ、島の風景や人々に感動しスクーバダイビングを始める。
卒業後、(株)水中造形センターに入社。
同社出版物である『マリンダイビング』、『マリンフォト』などの雑誌で活躍中。
国内は、伊豆半島、紀伊半島、沖縄各島など、海外は南の島を中心に、太平洋、インド洋、カリブ海など20ヵ国以上を撮影。
ダイビング経験は20年、約4000本の潜水経験を数える。
雑誌での取材はもちろん、各地でフォトセミナーを開催。"はらだま"の愛称で親しまれる。