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第5回 解決!ストロボ活用術

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ちょっとの工夫でこのうまさ 水中写真の取り方

バックナンバー

第1回 水中写真を楽しむ

第2回 シチュエーション別撮影のポイント

第3回 写真の構図の話

第4回 編集の基本

第5回 解決!ストロボ活用術

第6回 レンズの読み解き方

第7回 マクロ撮影、基礎の基礎

第8回 ワイドレンズで海の迫力を表現する!

第9回 水中写真の撮り方・アクセサリーパーツひとまとめ

第10回 イルカを撮る

第11回 ジオを撮る

第12回 旅先での陸写真の撮り方

第13回 ダイバーの撮り方

集中連載 地球の海フォトコンテスト2015 第1回

集中連載 地球の海フォトコンテスト2015 第2回

集中連載 地球の海フォトコンテスト2015 第3回

第17回 冬の海を撮ろう~ワイド編~

第18回 冬の海を撮ろう~マクロ編~

第19回 浅瀬でキラキラ写真

第20回 ピント合わせの基本

第21回 マクロ撮影でのピント合わせを上達させよう!

第22回 画面構成を考える~マクロ編~

第23回 画面構成を考える~ワイド編~

第24回 背景で写真が変わる!!

第25回 ライティングを工夫する

第26回 マンタ撮影のコツ

第27回 ウミウシ撮影のコツ

第28回 回遊魚撮影のコツ

第29回 クマノミ撮影のコツ

第30回 ウミガメ撮影のコツ

第31回 ハゼ撮影のコツ

第32回 イルカ撮影のコツ

第33回 カエルアンコウ撮影のコツ

第34回 魚群撮影のコツ

第35回 ギンポ、カエルウオ撮影のコツ

第36回 地形撮影のコツ

第5回 解決!ストロボ活用術

原田 雅章 皆さん、こんにちは。カメラマンのはらだまです。
連載第5回目はストロボのお話です。陸上での撮影では、ストロボを使うときは暗いときや、室内など明るさを補うためというのがほとんどです。しかし、水中ストロボを発光させる一番の理由は、水中で光に吸収されてしまった、生き物の本来の色を再現するためです。また、被写体への当て方ひとつで写真の印象が大きく変わる要素の強い機材でもあります。今回は、そのストロボの使い方を紹介します。

どうしてストロボは必要なの?

 水中では、赤から順に色が失われていくというのはダイビングを始めるときのオープンウォーター講習で習いましたよね? だから、水中では赤い魚も黒っぽく見えるわけです。他の色も同じように青みがかった色で見えてしまいます。これを写真用語で「青カブリ」と呼びます。
そこで、活躍するのがストロボ。これは、太陽光に近い色で発光するように作られていて、水中で発光させれば、そのもの本来の色を再現できるようになります。陸上ではあまりストロボを使って撮影しないという人も、水中ではぜひ活用してほしい機材です。

ストロボを使わずに撮影したもの。肉眼で見るとこんな感じに見えていると思います。
ストロボを使わずに撮影したもの。肉眼で見るとこんな感じに見えていると思います。
ストロボを発光させて撮影した写真。カメの色がしっかり再現されています。被写体の色を表現したかったら、ストロボは水中撮影のマストアイテムでしょう。
ストロボを発光させて撮影した写真。カメの色がしっかり再現されています。被写体の色を表現したかったら、ストロボは水中撮影のマストアイテムでしょう。

ストロボは強制発光モードに設定をしよう

 陸上の撮影では、ストロボは通常「オート」に設定してあることが多いと思います。つまりデジカメが暗いと判断すれば、自動的に発光してくれるモード。陸上ではこれで問題ないのですが、水中では「オート」のままでは不都合なことがあります。例えば、浅い水中での撮影時。水深が浅いと、水中も明るいですよね。そうすると、デジカメは、ストロボを発光させる必要がないと勝手に判断してしまいます。浅い水深といえど、水を透過して来た光ですから、被写体本来の色は失われているわけで、青カブリした写真になってしまいます。
そこで、ストロボの設定を「オート」ではなく「強制発光」に設定しましょう。これはシャッターを切れば毎回必ずストロボが発光するというモード。これなら、被写体の色をしっかり再現してくれます。

ストロボが「オート」の設定のままでは、明るい水中だとストロボが発光せず、青カブリしてしまい、発色がよくない
ストロボが「オート」の設定のままでは、明るい水中だとストロボが発光せず、青カブリしてしまい、発色がよくない
ストロボの設定はデジカメにあるカミナリマークで設定を変更できる
ストロボの設定はデジカメにあるカミナリマークで設定を変更できる

トラブル解決!どうしてこうなるの?

その1 画面が雪景色に・・・

 これはプランクトンや、舞い上がった砂など海中に漂う浮遊物。ストロボの光に反射してしまったのが原因。特に、内蔵ストロボだけでの撮影時に起こりやすい現象です。ストロボの位置がレンズと近いと、浮遊物に反射した光が直接レンズに入ってきてしまうのです。
 対策としては、外部ストロボを使用して、ストロボとレンズの距離を離し、角度をつけて発光させるのが効果的。外部ストロボは、内蔵のストロボよりもパワーもあり、広範囲に遠くまで光が届くので、浮遊物の写り込みの軽減はもちろん、大物や群れなどの撮影にも役に立ちます。

写真を撮ったら、画面に白い雪のような点々が・・・。
写真を撮ったら、画面に白い雪のような点々が・・・。
外部ストロボをセットして、よりきれいな写真を撮ろう
外部ストロボをセットして、よりきれいな写真を撮ろう

その2 ストロボがうまく当たらない

 外部ストロボを使用すると、よく耳にするのが、被写体にストロボが当たっていないということ。
これは、被写体に対してストロボの角度が合っていないことが原因。カメラの設定や被写体のことは気になっても、ストロボの角度まで気が回らないという人が結構見かけます。特にマクロ撮影のときほど角度の調整が必要になるので注意したいものです。

奥まった場所に居たため、ストロボが当たらず、影になってしまった
奥まった場所に居たため、ストロボが当たらず、影になってしまった
ストロボの角度を調整し、被写体に当たるようにして撮影した
ストロボの角度を調整し、被写体に当たるようにして撮影した

水中撮影のマストアイテム、ストロボ。

 皆さん、いかがでしたか?ストロボは、色鮮やかな水中写真を撮る上で、マストアイテムと言っていいでしょう。セッティングも操作も簡単ですし、使ったときの効果が大きい機材なので、ぜひ活用してみてください。

次回は
第6回 レンズの読み解き方
についてお話します。

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原田 雅章Masaaki Harada

原田 雅章 1972年3月埼玉県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業。
大学在学中に沖縄を何度も訪れ、島の風景や人々に感動しスクーバダイビングを始める。
卒業後、(株)水中造形センターに入社。
同社出版物である『マリンダイビング』、『マリンフォト』などの雑誌で活躍中。
国内は、伊豆半島、紀伊半島、沖縄各島など、海外は南の島を中心に、太平洋、インド洋、カリブ海など20ヵ国以上を撮影。
ダイビング経験は20年、約4000本の潜水経験を数える。
雑誌での取材はもちろん、各地でフォトセミナーを開催。"はらだま"の愛称で親しまれる。

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