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第19回 浅瀬でキラキラ写真

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ちょっとの工夫でこのうまさ 水中写真の取り方

バックナンバー

第1回 水中写真を楽しむ

第2回 シチュエーション別撮影のポイント

第3回 写真の構図の話

第4回 編集の基本

第5回 解決!ストロボ活用術

第6回 レンズの読み解き方

第7回 マクロ撮影、基礎の基礎

第8回 ワイドレンズで海の迫力を表現する!

第9回 水中写真の撮り方・アクセサリーパーツひとまとめ

第10回 イルカを撮る

第11回 ジオを撮る

第12回 旅先での陸写真の撮り方

第13回 ダイバーの撮り方

集中連載 地球の海フォトコンテスト2015 第1回

集中連載 地球の海フォトコンテスト2015 第2回

集中連載 地球の海フォトコンテスト2015 第3回

第17回 冬の海を撮ろう~ワイド編~

第18回 冬の海を撮ろう~マクロ編~

第19回 浅瀬でキラキラ写真

第20回 ピント合わせの基本

第21回 マクロ撮影でのピント合わせを上達させよう!

第22回 画面構成を考える~マクロ編~

第23回 画面構成を考える~ワイド編~

第24回 背景で写真が変わる!!

第25回 ライティングを工夫する

第26回 マンタ撮影のコツ

第27回 ウミウシ撮影のコツ

第28回 回遊魚撮影のコツ

第29回 クマノミ撮影のコツ

第30回 ウミガメ撮影のコツ

第31回 ハゼ撮影のコツ

第32回 イルカ撮影のコツ

第33回 カエルアンコウ撮影のコツ

第34回 魚群撮影のコツ

第35回 ギンポ、カエルウオ撮影のコツ

第36回 地形撮影のコツ

第19回 浅瀬でキラキラ写真

原田 雅章みなさん、こんにちは。カメラマンのはらだまです。
もうすぐGWですね、今年は長期で休める方も多いのでは?暖かい南の海でダイビング三昧の方もたくさんいることでしょう。
そんなわけで、今回は浅い水深で、太陽いっぱいのキラキラ写真の撮り方です。

浅瀬写真の代表といえば、元気に育ったサンゴ礁。いつまでも残したい地球の宝もの。
撮影地:パプアニューギニア
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浅瀬写真の代表といえば、元気に育ったサンゴ礁。いつまでも残したい地球の宝もの
撮影地:パプアニューギニア

撮影機材を準備しよう

 通常であれば、ストロボを使用しますが、今回紹介する作例は全てノーストロボでの撮影です。立てるほど水深が浅く、太陽光が強い場合は、ストロボは必要ありません。ただ、浅いといっても水深が2~3mくらいになると、青カブリの影響が出始めるので、状況によってストロボを使用する場合もあるかもしれません。
ここでは、ノーストロボで撮影をする場合を前提に機材や設定を解説します。まずは今話したストロボ。これは必要ありませんので、外部ストロボなら取り外し、デジカメのストロボ設定も発光禁止にしておきましょう。また、波のある水面付近というのは、意外と体が揺れるもの。油断せずデジカメをしっかりと保持しましょう。シャッタースピードが1/250秒程度を確保できるISO感度に設定しておくと手ブレの心配が少なく安心です。
レンズは、できればワイドレンズやフィッシュアイレンズを準備したいところです。コンデジであれば、ワイドコンバージョンレンズ(ワイコン)を取り付けて撮影すると、広がりを感じられる写真が撮れます。

ストロボの設定は、発光禁止に

ストロボの設定は、発光禁止に

デジカメのISO感度設定を高めにして、手ブレを防ぎましょう

デジカメのISO感度設定を高めにして、手ブレを防ぎましょう

一眼レフやミラーレス一眼の場合広く写せるワイドレンズやフィッシュアイレンズがおすすめ

一眼レフやミラーレス一眼の場合広く写せるワイドレンズやフィッシュアイレンズがおすすめ

コンデジでもワイドコンバージョンレンズなど広く取れるレンズを準備したい

コンデジでもワイドコンバージョンレンズなど広く取れるレンズを準備したい

浅瀬で撮る「サンゴ礁」

 サンゴ礁は浅瀬ならではの被写体です。広大なサンゴ礁をきれいに撮りたいものですね。前述のようにワイド系のレンズを準備し、ノーストロボ、手ブレしない感度にセットし、撮影しましょう。タンクを背負った状態だけでなく、スノーケリングでも撮れるのが浅瀬写真のいいところ。タンクを背負っているときは、ゲージ類やフィン先なでサンゴを傷つけないように意識しながら撮影してください。最初の写真は、水面下1メートルほどの水深でしたので、BCDに空気を入れ、浮力をしっかり確保して撮影しました。フィッシュアイレンズ特有の水平線がゆがむ効果を利用し、サンゴ礁の広がりを表現しています。
 下の写真は、水面に写るサンゴ礁を撮影しました。こういった現象は、水深が浅いことと、波がなく、水面が揺れないと撮影できます。さまざまな角度から撮影してみると面白いですね。

サンゴが水面近くまである、無風、べたなぎと条件が揃うとこんな写真も撮れます。撮影地:西表島
サンゴが水面近くまである、無風、べたなぎと条件が揃うとこんな写真も撮れます
撮影地:西表島

浅瀬で撮る「生き物」

 ボートダイビングでは、すぐに潜行してしまい、あまり目を向けない浅瀬にもたくさんの生き物がいます。モルディブで出会えるパウダーブルーサージョンフィッシュの群れは、サンゴの浅瀬で群れを作っています。群れを追ってサンゴ礁の奥の方まで入ってしまうと、サンゴを傷つけてしまうこともあるので、注意して撮影しましょう。生き物の撮影ではストロボは状況に応じて使い分けましょう。この作例では、あえて青カブリをさせ、青みを意識して撮影しています。
また、クラゲの写真の場合は、立てるほどの水深でしたが、透明感が出るようにストロボを発光させています。被写体に応じてストロボを使い分けてみましょう。

浅瀬で生き物を撮るときは、ストロボを発光させる、させないと両方撮ってみるのがおすすめ。撮影地:パプアニューギニア
浅瀬で生き物を撮るときは、ストロボを発光させる、させないと両方撮ってみるのがおすすめ
撮影地:モルディブ
浅瀬で生き物を撮るときは、ストロボを発光させる、させないと両方撮ってみるのがおすすめ。撮影地:パプアニューギニア
浅瀬で生き物を撮るときは、ストロボを発光させる、させないと両方撮ってみるのがおすすめ
撮影地:パプアニューギニア

浅瀬で撮る「キラキラ」

 太陽光が波で屈折し、海底に不規則な模様として写る光景は、二度と同じ形になることがなく、水中写真ならではのものです。こうした写真は、海底だけ撮ると単調になってしまうので、水面も一緒に写したり、フィッシュアイレンズでゆがませたりと変化をつけてみましょう。また、海底のどのあたりを撮影するかも大切なポイント。ゴミはもちろん、石や枯葉などがない方がよりきれいに見えるでしょう。

キラキラの波紋をフィッシュアイレンズで撮影。太陽が写っていなくても、日差しの強さを感じられる写真だ。撮影地:パラオ
キラキラの波紋をフィッシュアイレンズで撮影。太陽が写っていなくても、日差しの強さを感じられる写真だ
撮影地:パラオ

浅瀬で撮る「半水面」

 半水面写真も浅瀬ならではの写真です。水中と陸上、どこにテーマを持ってくるかが、作品作りのポイントになります。機材はドームポートやワイドコンバージョンレンズのように、レンズ面が水と接する面積が広いものの方が、撮影しやすいと思います。また、陸上を写す位置に、波しぶきがつくとぼやけてしまうので、注意しましょう。

南の島の日差しを表現するために、太陽と水面下の波紋を撮影。青だけでなく、植物を入れたりすると、より半水面写真らしさが表現できる。撮影地:パラオ
南の島の日差しを表現するために、太陽と水面下の波紋を撮影。青だけでなく、植物を入れたりすると、より半水面写真らしさが表現できる
撮影地:パラオ

使ったあとはしっかりお手入れ

 他の水中撮影でも同じですが、使ったあとはしっかりとメンテナンスしてあげるのが、長く使うコツです。真水で塩抜き後は、水滴をレンズ部分に残さないように吸い取ってあげましょう。このとき、強くこすり過ぎないように注意してください。浅瀬の写真は、防水コンデジでも撮れるので、ハウジングを使わず、コンデジでそのまま撮影という方も多いはず。使用前には電池室などのゴムパッキンをしっかりメンテナンスして、真水で水没チェックをしてから海に持って行きましょう。使用後はデジカメの表面だけでなく、細かい隙間にも水が入っているので、ていねいにメンテナンスしてください。

レンズ面の水滴は、強くこすらず、吸い取るように拭き取ること
レンズ面の水滴は、強くこすらず、吸い取るように拭き取ること
防水コンデジは、ゴムパッキンに汚れや傷、付着物などないか確認してから水中へ持って行こう
防水コンデジは、ゴムパッキンに汚れや傷、付着物などないか確認してから水中へ持って行こう

まとめ

浅瀬の明るい写真は、ダイバーでない人にも、海の気持ちよさを伝えられます。サンゴや生き物を傷つけないように注意して、キラキラの作品をたくさん撮ってくださいね。

次回は
第20回 ピント合わせの基本

 

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原田 雅章Masaaki Harada

原田 雅章 1972年3月埼玉県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業。
大学在学中に沖縄を何度も訪れ、島の風景や人々に感動しスクーバダイビングを始める。
卒業後、(株)水中造形センターに入社。
同社出版物である『マリンダイビング』、『マリンフォト』などの雑誌で活躍中。
国内は、伊豆半島、紀伊半島、沖縄各島など、海外は南の島を中心に、太平洋、インド洋、カリブ海など20ヵ国以上を撮影。
ダイビング経験は20年、約4000本の潜水経験を数える。
雑誌での取材はもちろん、各地でフォトセミナーを開催。"はらだま"の愛称で親しまれる。

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