
上手くなる!水中写真
みなさん、こんにちは。カメラマンのはらだまです。
この連載では、人気の被写体ごとに撮り方のコツを解説しています。
ぜひ撮影のときに参考にしてみてください。
今回は世界中で見られるカラフルな魚の群れの撮り方です。
キンギョハナダイなどのハナダイの仲間の群れはカラフルで、花吹雪のよう
撮影地:フィリピン・サウスレイテ
今回は、ワイドに水中を彩る魚の群れの撮り方です。まずは機材を準備しましょう。魚群の撮影なので、なるべく広い範囲を写せるよう、ワイドレンズやワイドコンバージョンレンズがあると群れの大きさを写せます。同時に今回は色をしっかりと再現してあげることが重要ですので、光量が強く照射角が広い外部ストロボを用意しましょう。またISO感度が高いほうが光量が強くなるので、ISO400くらいの感度で撮影するといいでしょう(透明度や明るさなどで異なる場合があります)。
コンパクトデジカメに、ワイドコンバージョンレンズと外部ストロボをセットした例
ISO感度を高めに設定
ヨスジフエダイの群れはかなり接近できるので、フィッシュアイレンズ特有のゆがみをいかした作画作りも面白い
撮影地:パラオ
魚群といっても、種類によって寄れる群れと寄れない群れがあります。ヨスジフエダイなどは比較的接近して撮ることができるので、ワイドレンズやさらに広い範囲を撮れるフィッシュアイレンズもいいでしょう。寄りづらい種類の場合は、フィッシュアイレンズでは一匹一匹が小さくしか写りませんので、通常のワイドレンズをおすすめします。
太陽を写し込むことで、背景にハイライトが入り、印象が変わる
撮影地:モルディブ
作例のツバメウオの群れや、冒頭のキンギョハナダイの写真ですが、群れを見上げるようにして背景に太陽を入れています。太陽を画面に入れると、白から青のグラデーションのある背景になります。陸上でしたら逆光状態になるので、あまりこうした撮影はしませんが、水中のワイド写真ではオススメな撮影法です。
キンメモドキの群れを撮影。ストロボの角度に注意して撮影しよう
撮影地:モルディブ
オーバーハングや岩の亀裂などにいるキンメモドキや、根を覆うように群れるスカシテンジクダイなどもいい被写体になります。透明に近い種類なので、ストロボの当て方に注意して、しっかりと色を再現したいものです。あまり強く発光させると、白く飛んでしまうので、注意しましょう。
群れ=ワイドレンズというのが当たり前の感覚かもしれませんが、もっと狭い範囲を撮るレンズでも魚群撮影はできます。一枚目はワイドレンズで撮影した群れですが、二枚目はマクロレンズで群れの一部だけ撮影したもの。同じ群れでも印象が変わると思います。コンデジ本体や、ミラーレス一眼のズームレンズの画角などで群れ全体を撮ろうとすると、被写体から距離を取らねばならず、青カブリしやすくなってしまいますが、発想の転換で、群れの一部を切り取るという撮影スタイルもアリだと思いますよ。
ワイドレンズで撮影。群れの雰囲気や周辺環境はわかるが、一匹ずつは小さくなってしまう
マクロレンズで群れの一部を撮影。被写体の表情がよくわかる
撮影地: フィリピン・アニラオ(2点とも)
浅い水深で群れる、デバスズメダイをストロボを発光させずに撮影。やや青カブリしているが、雰囲気のある写真に
撮影地:ケラマ
浅瀬のデバスズメダイの群れは、ストロボあり、なし両方で撮ってみましょう。あえて青カブリさせることで、デバスズメダイの水色をよりイメージに近い雰囲気で撮ることができます。他の被写体では、ただの発色が悪い写真になってしまうだけですが、デバスズメダイでは、ノーストロボ撮影もおすすめです。
カラフルな魚群は、撮影していてとても楽しいものですね。僕もキンギョハナダイの群れが大好きで、ついつい撮影時間をかけて撮ってしまいます。こうした被写体は、ストロボでしっかりと色を再現して撮ってみましょう!
皆さんの疑問、質問にお答えします!!「どうしてこんな風に写ってしまうの?」、「このボタンは操作すると、写真がどう変化するの?」など質問があれば、どんどんお答えします!!
次回は、ギンポ、カエルウオの仲間の撮り方です。ユーモラスな表情をかわいく撮れるコツを解説します。ぜひ今度の撮影前に参考にしてみてください。
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皆さまのご参加、心よりお待ちしております♪
次回更新予定日 2016年8月3日