
上手くなる!水中写真
みなさん、こんにちは。月刊『マリンダイビング』のカメラマンのはらだまです。
この連載では、水中写真の撮影機材や操作の方法、撮影のコツなどを、水中写真を始めたい、うまくなりたいという方に紹介していきます。ぜひ撮影のときに参考にしてみてください。
構図の基礎を覚えて、ワンランク上の写真を目指そう!
撮影地:フィリピン
写真や絵画のように、立体の対象物を四角く決められた範囲に二次元的に収めるには、工夫が必要です。もちろん、ただシャッターを押しても写真は写ります。しかしそれでは記録であって、作品ではありません。作者が画面のどの位置に被写体を配置し、どこまでの範囲を写す、写さないを考えるのが構図です。今回はそうした基礎となる構図を解説していきます。ぜひ実際に撮るときも意識してみてください。
被写体を画面のどの位置に配置するかで印象が変わってくる
撮影地:ケラマ諸島
読んで字のごとく、画面中央に被写体を配置した構図。まわりがすっきりと処理されていれば、シンプルでインパクトのある構図になります。オートフォーカスでピントを合わせて、そのままシャッターを押すとこういった構図になりやすいです。
日の丸構図
画面中央に被写体を配置。周囲と色やピントの合い具合を変えることで、被写体が目立つように
撮影地:八幡野
ワイド撮影でも、画面中央に被写体をまとめると日の丸構図になる
撮影地:パラオ
この構図は、四角い画面内に対角線状に被写体を配置する構図です。水平や垂直に画面を二分するのではなく、斜めに配置することで不安定さが生まれ、動きや奥行きを表現することができます。
対角線構図
イソバナの上にいた被写体を画面内で斜めになるように配置。画面全体で色を統一した
撮影地:ケラマ諸島
ワイドレンズを使い、被写体を対角線上に配置。画面奥から手前までの遠近感が出た
撮影地:パラオ
こちらも読んで字のごとく、画面内に三角に見えるように被写体を配置した構図です。山型になるので、安定感のある構図と言えるでしょう。また逆三角形になると、不安定感のある印象を与え、動きやアンバランス感のある構図となります。
三角構図
被写体が山型だったので、正面から撮影。漢字の「山」にも見える
撮影地:メキシコ
魚群もギュッと固まっていると三角形のような形になることも。群れの形の面白さを表現したい
撮影地:パラオ
被写体を天地もしくは左右で対称になるように、正面や真上、真下から撮影した構図です。 人工物や建造物であれば比較的簡単に撮れます。自然写真ではなかなかそういったシーンに出会うことが少ないかと思いますが、チャレンジしてみてほしい構図です。
シンメトリー構図
被写体を正面から撮ることで、シンメトリー構図に近い状態で撮影
撮影地:インドネシア・レンべ
人工物はシンメトリー構図で撮影がしやすい被写体の一つ。正面に移動して、ノーストロボで撮影
撮影地:ニューカレドニア
デジカメの画面表示の一つに格子線を表示させる機能があります。これを表示させて撮影すると、被写体を配置するバランスや大きさを確認しながら撮影ができるので、おすすめです。また、陸上撮影でもとても有効な機能で、水平や垂直なども確認できるので、傾いた写真をチェックできます。
格子線を表示させて撮ると、画面内での被写体の位置などを考えながら撮れるので、便利な機能だ
今回は構図の基礎を解説しました。もちろん、このような構図に被写体を絶対に配置しなくてはいけないというわけではなく、自分の好きなイメージでどんどん写真を撮ってほしいと思います。ただ、基礎がわかっていれば、応用もできるというもの。いろいろ試してみてください。
次回は水中写真の構図のヒントを解説します。被写体をどの位置に配置するか、どんな大きさで写すかで印象が変わります。次回もお楽しみに。
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次回更新予定日 2017年10月4日