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水中写真がうまくなる!!
第26回 スローシャッターを使いこなす その2

水中写真がうまくなる!! ~プロが教える撮影テクニック~

みなさん、こんにちは。月刊『マリンダイビング』のカメラマンのはらだまです。
この連載では、水中写真の撮影機材や操作の方法、撮影のコツなどを、水中写真を始めたい、うまくなりたいという方に紹介していきます。ぜひ撮影のときに参考にしてみてください。

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背景の明るさをスローシャッターでコントロールする

背景の明るさをスローシャッターでコントロールする
ニコンD700 シグマ15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE MDX-D700  YS-01×2灯 f11 1/30秒 ISO200
撮影地:神奈川県・城ヶ島

シャッタースピードを変えて、
背景を変化させてみよう

前回のこの連載で、シャッタースピードを変えることで、背景や被写体をブラして動きを表現できることなどを解説しました。
前回の「スローシャッターを使いこなす その1」はこちら≫

被写体の動きを表現する以外にも、シャッタースピードを変えることで、背景の明るさを変えることができるので、今回はそれについて解説していきます。

背景の明るさを変える

透明度の悪い海況や、朝夕の暗い時間などにワイド撮影をすると、背景が暗くなってしまうことがあります。これはシャッタースピードが速いと起こりやすくなります。ですので、遅いシャッタースピードに設定してあげることで、背景を明るく再現することができます。

早朝ダイビングでワイド撮影をしてみたが、背景が暗くなってしまった。

早朝ダイビングでワイド撮影をしてみたが、背景が暗くなってしまった。
ニコンD700 シグマ15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE MDX-D700  YS-D1+YS-D2 f13 1/60秒 ISO400
撮影地:パラオ

シャッタースピードを変える方法

まずは、シャッタースピードを撮影者が切り替えることができる露出モードを確認しましょう。メーカーや機種にもよりますが、多くのデジカメの機種では、ストロボを使用すると、シャッタースピードは遅い速度の下限が決まっています。低速のシャッタースピードで撮って背景が明るく写ればそのままで撮影できますが、それ以上に遅いシャッタースピードが必要になるならば、露出モードをマニュアルに切り替えて、撮影者がシャッタースピードを設定して撮ってみましょう。ただし、このマニュアルモードは、露出という写真の明るさを撮影者が決めなくてはならないので、ある程度写真の知識が必要になるかと思います。水中撮影だけでなく、普段からデジカメを持ち歩いて、デジカメの操作に慣れるといいでしょう。

露出モードを普段使っているものから、マニュアルモードに変えてみよう。

露出モードを普段使っているものから、マニュアルモードに変えてみよう。

作例1 ワイド写真の背景を明るくする

ここからは作例を見ていただきます。透明度の悪い時期の海でワイド撮影を行うと一枚目のように、背景が暗くなってしまった経験はないでしょうか。これは、速いシャッタースピードのために背景が暗くなってしまった作例です。この時のシャッタースピードは、1/80秒でした。液晶画面で確認して、背景が暗いなと思ったので、今度はシャッタースピードを遅くして1/40秒で撮影したのが、二枚目の作例です。遅いシャッタースピードにすることで、背景を明るくすることができるのがわかるでしょうか。

ウミウシをワイドレンズで撮影。背景が暗い色合いに

ウミウシをワイドレンズで撮影。背景が暗い色合いに
ニコンD200 トキナーAT-X 107 DX Fisheye10-17mmF3.5-4.5(IF) DX-D200 YS-90×2灯 f6.3 1/80秒 ISO200
撮影地:静岡県・大瀬崎(2点とも)

同じ絞り値で、シャッタースピードを1/40秒に落として撮影。1/80秒で撮影したときに比べると、背景の海の部分が明るくなった

同じ絞り値で、シャッタースピードを1/40秒に落として撮影。1/80秒で撮影したときに比べると、背景の海の部分が明るくなった
f6.3 1/40秒 ISO200

作例2 洞窟の光を表現する

岩の亀裂から光が射し込む風景は、ダイバーだからこそ見られる風景の一つだと思います。夏の太陽の日射しが強い時期には、ぜひ撮ってほしい風景です。こうした場合も、スローシャッターでの撮影は有効です。シャッタースピードを遅くすることで、光のにじみが広がり、暗い部分にもグラデーションが生まれます。このとき、シャッタースピードが遅くなることがあるので、デジカメを固定して、手ブレのない写真を撮れるように、普段からスローシャッターを練習しておきましょう。

ストロボを発光させず、1/50秒で撮影。光は射し込んでいるが、光の線が少し少ない感じ

ストロボを発光させず、1/50秒で撮影。光は射し込んでいるが、光の線が少し少ない感じ
ニコンD700 ニッコール18㍉F2.8 MDX-D700 f13 1/50秒 ISO400
撮影地:沖縄県・ケラマ諸島(2点とも)

同じ状況で、1/15秒に設定。光のにじみがさらに広がり、一枚目よりも明るい印象の写真に

同じ状況で、1/15秒に設定。光のにじみがさらに広がり、一枚目よりも明るい印象の写真に
f13 1/15秒 ISO400

マクロ撮影でも背景を明るく

ワイド撮影時の背景だけでなく、マクロ撮影時にも背景の明るさを変化させることができます。作例のように、被写体と背景に距離がある場合、一枚目のように背景が暗くなってしまうことがあります。そこでシャッタースピードを遅くすることで、明るい背景に変え、印象を変えることができます。一枚目は1/60秒、二枚目は1/8秒で撮影しました。こうした撮影は、作例のような被写体以外にも、ガラスハゼやピグミーシーホースのように、小さな被写体で、背景まで距離があるときなどにも使えますので、ぜひ試してみてください。

ソフトコーラルにつく貝を1/60秒で撮影。ストロボで色を再現できたが、背景が黒くなってしまった

ソフトコーラルにつく貝を1/60秒で撮影。ストロボで色を再現できたが、背景が黒くなってしまった
ニコンD200 マイクロニッコール60mmF2.8 DX-D200 YS-90×2灯 f5.6 1/60秒 ISO200

シャッタースピードを1/8秒のスローシャッターに変えて撮影。背景が黒から青に変化した

シャッタースピードを1/8秒のスローシャッターに変えて撮影。背景が黒から青に変化した
f5.6 1/8秒 ISO200

まとめ

今回は、前の回と二回に分けて、シャッタースピードを変える撮影法を解説しました。絞りで被写界深度を変えることはあっても、シャッタースピードをコントロールすることは、あまりないと思いますが、被写界深度の変化とは違う方法で、写真のイメージを変えることができます。こうした背景の変化は、水中写真だけでなく、陸上の写真でも役に立ちますので、練習してほしいですね。
次回もお楽しみに。

皆さんの疑問、質問にお答えします!!

皆さんの疑問、質問にお答えします!!「どうしてこんな風に写ってしまうの?」、「このボタンは操作すると、写真がどう変化するの?」など質問があれば、どんどんお答えします!!

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原田 雅章
原田 雅章
1972年3月埼玉県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業。
大学在学中に沖縄を何度も訪れ、島の風景や人々に感動しスクーバダイビングを始める。
卒業後、(株)水中造形センターに入社。
同社出版物である『マリンダイビング』などの雑誌で活躍中。
国内は、伊豆半島、紀伊半島、沖縄各島など、海外は南の島を中心に、太平洋、インド洋、カリブ海など20ヵ国以上を撮影。
ダイビング経験は25年、約5000本の潜水経験を数える。
雑誌での取材はもちろん、各地でフォトセミナーを開催。"はらだま"の愛称で親しまれる。

次回更新予定日 2019年8月7日

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