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水中写真がうまくなる!!
第32回 
デジカメのメンテナンスを
もう一度おさらいしておこう

水中写真がうまくなる!! ~プロが教える撮影テクニック~

みなさん、こんにちは。月刊『マリンダイビング』のカメラマンのはらだまです。
この連載では、水中写真の撮影機材や操作の方法、撮影のコツなどを、水中写真を始めたい、うまくなりたいという方に紹介していきます。ぜひ撮影のときに参考にしてみてください。

  • 「水中写真を撮ってみたい」「水中写真をきれいに撮りたい」という方はクリック!ゼロからわかる基礎ガイド上手くなる!水中写真
キラキラの海に還るまで、もう少しだけがんばりましょう

キラキラの海に還るまで、もう少しだけがんばりましょう

こんなときだからこそ、
メンテナンスをしよう!

 未だ海に潜りに行けない日々が続いている人も多いでしょう。潜れるようになったら、あの海に潜ろう、あの生き物を撮りに行こうと思いを馳せていることでしょう。海でのトラブルがないように、今のうちにデジカメをしっかりとメンテナンスしておきましょう。

撮るときにトラブルがないように、しっかりとメンテナンスしておこう

撮るときにトラブルがないように、しっかりとメンテナンスしておこう

電池残量を確認しておこう

 電池は、自然放電といって、使っていなくても徐々に残量が減ることがあります。急に明日使うからといって充電をしても、なかなか満充電にならないことも。ですので、使わない間に、一度充電しておきましょう。そうすると、電池にトラブルがないかわかりますし、予備電池を補充するなど、余裕のある準備ができます。

久しぶりに充電してみると、思った以上に残量が少ないときがある

久しぶりに充電してみると、思った以上に残量が少ないときがある

エアブロアを用意しておこう

 海に行けないこの間に、ぜひ手に入れておいてほしいメンテナンス道具があります。それはエアブロアという写真用品で、空気の力でホコリやごみを吹き飛ばす道具です。写真を撮る人なら、必ず持っていてほしい道具なので、準備しましょう。あまり小型のものだと空気の勢いが弱いので、写真のような大きさのものがおすすめです。

エアブロアは、写真を撮る人なら必ず持っていたいメンテナンス道具だ

エアブロアは、写真を撮る人なら必ず持っていたいメンテナンス道具だ

Oリングをきれいに掃除しよう

 水没しないために、Oリングのメンテナンスは大切な作業です。まずはOリングを外し、Oリングの収まっていた溝を綿棒できれいに掃除します。ここに、古いOグリスや砂粒など残っているので、Oリングだけでなく、溝もきれいにしてください。
 次に、Oリングに残っている、塗布した古いグリスを拭き取りましょう。ティッシュペーパーなどでできますが、毛羽立つようなものはホコリなどが残ってしまい、なおさら水没する可能性が高まるので、注意しましょう。

Oリングの収まる溝を掃除する。ここは綿棒などを使ってきれいにしよう

Oリングの収まる溝を掃除する。ここは綿棒などを使ってきれいにしよう

Oリングに残ったグリスを拭き取る。ホコリや砂粒が残っていないように集中して掃除すること

Oリングに残ったグリスを拭き取る。ホコリや砂粒が残っていないように集中して掃除すること

Oリングに新しいグリスを塗る

 きれいに掃除したら、新しいグリスを塗り直します。グリスは米粒程度の量で十分ですので、指で全体に塗り広げましょう。このとき、目視と指先の感覚で、砂などが残っていないか、確認しながら明るい場所で行なうのがおすすめです。

Oリングに塗るグリスの量は、米粒程度で十分。塗りすぎは砂が付きやすくなるので注意

Oリングに塗るグリスの量は、米粒程度で十分。塗りすぎは砂が付きやすくなるので注意

グリスは、明るい場所で、目と指先で確認しながら薄く広げていく

グリスは、明るい場所で、目と指先で確認しながら薄く広げていく

フタを閉める前に、最後の確認

 Oリングの掃除が終わったら、元の溝に戻します。このときねじれやたわみがないように注意しましょう。そして、ハウジング内にシリカゲルなどの除湿剤を入れます。これがないと、水中でハウジング内が高温になると、結露してしまい、ハウジング内が曇ってしまいます。コンデジやミラーレス一眼のユーザーは、必ず入れましょう。
 最後にもう一度Oリングに汚れがないか確認してフタを閉じます。このとき、除湿剤やストラップなどが挟まっていないか注意して閉じます。ここまでできたら、一度電源を入れ、シャッターレバーや、ズームボタンなどが作動するか確認してください。何かひっかかる感じや、空回りしているということがあれば、フタを開け、再度セットしてみましょう。
 また、今回は事前のメンテナンスですが、実際に海に持って行くときは、ここまでのセットを前日までに完成させるのがベストです。除湿剤は、吸湿に時間がかかるので、前日のうちにフタを閉め、ハウジング内の湿度を下げておくのがいいでしょう。

除湿剤はハウジング購入時に付属しているので、それを使おう。消耗品なので、予備があるかもチェックしておくこと

除湿剤はハウジング購入時に付属しているので、それを使おう。消耗品なので、予備があるかもチェックしておくこと

フタを閉じる前に、Oリングを確認し、ストラップなど挟み込んでいないか確認して閉じる。動作確認も忘れずに

フタを閉じる前に、Oリングを確認し、ストラップなど挟み込んでいないか確認して閉じる。動作確認も忘れずに

まとめ

 今回は、海に行く前にやっておいてほしいメンテナンスをおさらいしました。何か月もデジカメを触っていないなんて人もいるのではないでしょうか。海に行ったら動かないなんてトラブルがないように、もう一度チェックしておきましょう。次回もお楽しみに。

原田 雅章
原田 雅章
1972年3月埼玉県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業。
大学在学中に沖縄を何度も訪れ、島の風景や人々に感動しスクーバダイビングを始める。
卒業後、(株)水中造形センターに入社。
同社出版物である『マリンダイビング』などの雑誌で活躍中。
国内は、伊豆半島、紀伊半島、沖縄各島など、海外は南の島を中心に、太平洋、インド洋、カリブ海など20ヵ国以上を撮影。
ダイビング経験は25年、約5000本の潜水経験を数える。
雑誌での取材はもちろん、各地でフォトセミナーを開催。"はらだま"の愛称で親しまれる。

次回更新予定日 2020年8月5日

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