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環境保護2020.12.07

日本各地の海が“砂漠化”の危機に
「磯焼け」とは?

海洋プラスチックごみや海水温の温暖化など、海が抱える問題はたくさんありますが、今、各地の海で問題となっている「磯焼け」について、皆さんはどれくらい知っていますか?

「磯焼け」とは、「浅海の岩礁・転石域において、海藻の群落(藻場)が季節的消長や多少の経年変化の範囲を越えて著しく衰退または消失して貧植生状態となる現象」と定義されており、コンブやワカメなどの海藻がなくなって“砂漠”のようになってしまった状態などをいいます。コンブやワカメなどの海藻が収穫できなくなるだけでなく、海藻をエサにしているアワビやサザエなどの生物の減少、藻場を住処や産卵の場などにしているイセエビやカサゴといった生物の減少にもつながり、漁業にとって大きなダメージに。もちろん、私たちダイバーにとっても、生物が少ない砂漠のような海は、ダイビングスポットとして魅力的でないことはいうまでもありません。

磯焼けの原因としては様々なものが考えられており、ウニやアイゴなどの海藻を食べる生物による食害、海水温の上昇や、海流の変化による貧栄養化のほか、海洋汚染によって海が濁ることにより光が不足して、海藻の光合成作用が不活発になることなども一因とされています。特に最近問題となっているのがウニによる食害。エサとなる海藻をウニが大量に食べることが磯焼けの原因になっているといわれています。ウニはエサがなくても長期間生きることができるようで、磯焼けした海底がウニだらけになっていることも。海藻が芽吹いてもすぐに食べ尽くしてしまうため、なかなか藻場が回復せず、やっかいな存在となっています。しかも、飢餓状態のウニは身が痩せているため商品にもならないとか。こうした状況から、磯焼け対策としてウニの駆除を実施しているところは多く、ダイバーが協力して実施している例もあります。最近では新たな試みとして、ウニを殺すのではなく、回収してエサを与えて育て、商品にするというものも。今後、私たちが口にする機会も増えるかもしれません。

私たちダイバーにとっても「磯焼け」は他人事ではない問題。まずはこうした現象が各地の海で起こっているということを知り、協力できるところがあれば協力していきたいですね。

※ウニなどの水中生物の駆除は、漁業者や沿岸自治体などの許可が必要となります。むやみに行なわないようにしましょう。

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