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STOP! 潜水事故
CASE1 ダイビング中に息苦しくなり意識不明に

CASE1 ダイビング中に息苦しくなり意識不明に

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE1 ダイビング中に息苦しくなり意識不明に

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

 ガイド1名に4名のダイバーがついてダイビング。 開始して20分ぐらい経った頃、水深15m付近で1名のダイバー、有井かずこさん(仮名・50歳代)がガイドに「苦しい」と合図を送ってきた。ガイドは有井さんに近づき、レギュレーターに異常がないかどうかを確認したが、特に異常は認められなかった。有井さんの息苦しさが止まらなかったため、ほかのダイバーとともに水深10mほどに上がってそこで待機の指示を出し、ガイドは有井さんを連れて水深5m付近へ。 有井さんは苦しいとはいうものの落ち着いた様子だったので、そこで安全停止を3分間行ない、安全停止後、ゆっくりと浮上した。

 浮上後、有井さんの口から細かい泡が吹き出されたので、すぐに船上に引き上げたところ、有井さんの意識が朦朧となり、呼吸が徐々に弱まっていき、ほどなく停止した。ガイドが人工呼吸を行なったところ、自発呼吸を再開。その後、酸素を吸入させながら港へ。 呼んでおいた救急車に引き継いだ。 有井さんは入院をしたものの命に別状はなく、1週間以内に無事退院。

直接の原因体調の急変

対処法

水中で息苦しくなったら、止まって深呼吸。 不安な気持ちは事前に克服。

このケースは毎年、海上保安庁に報告される事故事例に頻繁に出てくるもの。 突然、海の中で具合が悪くなり、息苦しくなって呼吸ができなくなり、パニックに至り、ひどい場合は死に至るケースも実際に起こっている。 体調の急変は、人間なら誰でも考えられること。特に40歳以上の中高年層は気をつけなくてはならないと、『マリンダイビング』で潜水医学ページを連載している大岩弘典先生(医学博士)も警告している。

 実際に潜っていて「息苦しくなる」のは、レギュレーターの調子が悪くなるよりも、体調が急変して過呼吸気味になり、酸素が欠乏して意識不明に至るほうが多い(息苦しいと感じた瞬間にレギュを疑う人が多いのだが、たいていの場合、レギュは正常に動く)。 体調の急変に加えて、疑われるのは「不安感」。ほかの人の泳ぐペースが速すぎたり、透明度が悪かったり、水温が低かったり……。そのような不安を実際にダイビング中に感じないですむように、ガイドは泳ぐペースを考えなければならないし、潜るスポットやコース取りも考えなければならない。寒さ対策についてもダイバーに助言すべきだ。だが、そうはいってもダイビングはやはり自己責任で潜るもの。不安要素は事前に吹き飛ばすか、ガイドに相談してクリアにしておいたほうがいいし、物理的な対処ですむものは(たとえば防寒)必ず対処しておくべきだ。

 次に、「息苦しい」と感じたら、まずはどこかつかめるところを探してつかまり(海中の岩でも、ガイドやバディでもいい)、深呼吸。しばらく深呼吸をすれば、息苦しさはなくなるもの。それでもダメなら、ガイドやバディに伝えて、ゆっくりと浮上しよう。浮上後もできるだけ深呼吸をするように心がけて安静にしておこう。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
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TEL:045-228-3066
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