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STOP! 潜水事故
CASE18 ナイトダイビングで帰らぬ人に

CASE18 ナイトダイビングで帰らぬ人に

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE18 ナイトダイビングで帰らぬ人に

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者は友人とともにナイトダイビングをしていたが行方不明に。その後、発見されたが、既に死亡しており、潮流の速い海底でなんらかの原因によりレギュレーターが外れ、溺死したものと推定される。

直接の原因バディ不遵守 器具の不備・取り扱い不注意 技量の未熟 気象・海象の不注意

対処法

 詳しいことがほとんど公表されていない事故なのだが、短いレポートの中に、問題点がありありであることがわかるだろう。

バディシステムの崩壊

 二人で潜っていて行方不明になるというのは、ちょっと考えにくい。お互いがお互いのことを気にし合っていたら、そうそう行方不明にはならないはずだ。
でも、透視度が悪い、流れが速い、お互いがカメラを持って撮影していた……といった要素があれば、簡単にバディとはぐれることになる。特にナイトは視界が悪くなるため、撮影などのために少し離れるといっても、大甘にみてお互いの水中ライトの光が見える範囲で行動をすべきではないだろうか。

 筆者が警察なら、生き残っているバディが殺人を犯したのではという線も疑う。たぶん疑われたのではないだろうか。

海況の問題

 事故者が見つかったのは「潮流の速い海底」だった。
そもそもナイトダイビングをするのに適したスポットなのだろうか?
筆者も取材で激流ナイトを体験したことがあるが、バディとともに行動しないとすぐに流されてバディが見えなくなってしまう。流れのあるところでのナイトダイビングは相当危険だ。
海なので潮の流れが突然速くなることもなくはないが、基本的にナイトダイビングをする場合は、流れがほとんどないところですべきではないだろうか。

パニック

 事故者が発見されたとき、「レギュレーターが外れていた」とのことだが、これは何を意味するのだろう?
これまでの事故で見られるのは、レギュレーターを外すという行為が「①ストレスによる息苦しさ」 「②レギュレーターから海水が浸入」 「③エアが来ない」 という3つの要因が主だ。
この事故の場合、残圧の有無が不明なのだが、おそらくエアはあったのだろうと思われる。そこから考えると「①ストレスによる息苦しさ」か「②レギュレーターから海水が浸入」によりパニックになったことが考えられる。

 何度も書いているけれど、何があってもどんなことが起こってもレギュレーターは絶対に外さない。
パニックにならないように、何かあったら、そこにとどまって、深呼吸して、落ち着くまで待つ。このことを肝に銘じてダイビングをしていただきたいと思う。

 以上のことから、
① バディダイビングを徹底する
② ダイビングスポットの海況判断を確実に行なう
③ 何が起こってもレギュレーターは外さず、落ち着いて行動する
を守って、ダイビングに臨んでいただきたい。

ダイビングで死んではいけない。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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