年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

Marine Diving web

  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE

STOP! 潜水事故
CASE24 マスクに海水が浸入して大パニック!

CASE24 マスクに海水が浸入して大パニック!

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE24 マスクに海水が浸入して大パニック!

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者(20代男性)は、インストラクターに引率され最大水深17mでダイビングを行なっていたが、ダイビングを終えて水深10mから浮上しようとした際、マスク内に海水が浸入しパニック状態になってもがきながら急浮上を始めた。インストラクターが制止しようとしたが、止まらず、それどころか浮上中にマスク、レギュレーターを外して海面に浮上。直後に意識を失った。
船に収容し、人工呼吸と心臓マッサージを継続しながら病院に運んだが、死亡が確認された。

直接の原因パニック、空気塞栓症(エアエンボリズム)、溺水

対処法

 以前「CASE2 マスククリアができずパニック!」でマスククリアができずパニックに陥り、急浮上をした例があったが、よく似ている事故である。そして冷静に考えれば、こんなことで事故を起こすべきではないという結論に至るはずだ。
CASE2の方(仮名・井本さん)は命をとりとめたが、この20代男性は残念ながら生きながらえることはなかった。
何が違うのかというと、井本さんは急浮上の途中でインストラクターに取り押さえられ、それでもふりほどいて急浮上となったのだが、取り押さえたインストラクターがハンドサインでひたすら息を吐けと伝えた。その結果生き残ることができたのかもしれない。
一方、この20代男性は、インストラクターの制止を聞かず、ひたすら急浮上をしてしまったことが大きな違い。しかもマスクもとり、レギュレーターも外してしまったのだから、少なからず海水を飲み込んだはずだ。

「私はそんなことはしない」

 この事故を他人事ですませてしまう人もいるかもしれない。
けれど、この事故者のように、マスクに浸水したときに自分がどうなってしまうか、わかっていない人も多いのではないだろうか。

 そこで大切なのが、危機に対する対処法をしっかりと知っておく、スキルを身につけておく、ということ。

 水中でダイビングをするわけだから、私たちダイバーは当然、マスクに水が入ってくることを想定しておかなければならない。マスクだけでなく、レギュレーターにだって入ってくるかもしれない。
水の浸入を避けることももちろん大事だが、水が突然入ってきたときに、落ち着いて対処できるようにしておくことが必要というわけだ。

 マスクに水が突然入ってきたら、マスククリアをすればいいだけ。浸水ということに一瞬驚くかもしれないが、入ったものは抜くだけ。講習で学んだ要領でマスククリアをしよう。お風呂で練習すればマスターできるはずだ。

 マスククリアの要領については、「CASE2」のところで書いたので、そちらをご覧ください。
CASE2 マスククリアができずパニック!

 ところで、事故者はダイビングを終えて浮上を始めたときに、マスクに浸水したとある。
何が起こったのかは定かではないが、浮上中にどこかにぶつかった、もしくは誰かとぶつかったことでマスクがズレたのかもしれない。または何かを見て大笑いをしたときにマスクがズレたのかもしれない(死ぬ前に少しでも笑える出来事があったのかと考えたほうが幸せなのだが・・・)。
いずれにしても、マスクの浸水の原因は、ぶつかる、ズレる、なので、ダイビング中は誰かとぶつからないように周りをよく見ておくことが大切だし、顔の表情を大きく動かさないように注意しておくことも必要。

 そして、パニックになったら急浮上を考えそうになっても、いったん動きを止めて、深呼吸。
このことを常に忘れないでいてほしい。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
Email: info@danjapan.gr.jp
https://www.danjapan.gr.jp/

〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町4-43
A-PLACE馬車道9階

DAN JAPAN
  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE
トップページへ戻る

バックナンバー