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STOP! 潜水事故
CASE44 ダイビング中、呼吸困難

CASE44 ダイビング中、呼吸困難

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE44 ダイビング中、呼吸困難

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

ある年の12月、午前1ダイブ、午後1ダイブの予定で
事故者はインストラクター引率の下で1本目のダイビングを開始した。
エントリーして25分、水深18mで魚の観察をしていたところ、
事故者が呼吸が苦しいと訴えたことから、インストラクターが介助しつつ浮上。
海面に浮上してからも息苦しいと訴えたので、
仰向け状態で水中マスクを外して海岸まで曳行することに。
曳行中、事故者は微弱ながらも呼吸していたのだが、
陸上に引き上げた後、意識を喪失し、心肺停止状態となった。

現場に駆け付けたスタッフがAEDを取り付け、除細動を実施したところ、呼吸を再開。
水中で呼吸が息苦しいと訴えてからわずか23分後、到着した救急隊に引き渡され、
救急車内で意識レベルⅠまで回復し、ドクターヘリで救命センターに搬送された。

ダイビング中に心筋梗塞を発症したもので、2週間の入院治療と診断された。

直接の原因心筋梗塞

対処法

事故者が「苦しい」と訴えてからのインストラクターや周囲の対処は素晴らしかった。
一歩間違えれば死に至った可能性もあるのだが、命をとりとめ、無事に蘇生でき、
本当に良かったと思う。

でも、心筋梗塞はなぜ起きてしまったのだろう?

季節は12月だったので、まず水温の低さが心臓に負担をかけてしまったことが考えられる。
次に事故者は60歳以上のシニア、男性だったのだが、
生活習慣病との関係はなかっただろうか。
高血圧、脂質異常症(メタボ)、糖尿病などなど、ある日突然、心臓や血管にダメージを与える
重篤な疾患にかかる可能性がある症状を持っていたとすれば、それが今回の事故の引き金になったかもしれない。

この方はダイビング後25分して、息苦しさを訴えたので
水温の低さが即、関係したわけではなさそうだが、
まず水温の低い時期にダイビングをする場合は、徹底した保温を心がけること。
そして、ダイビングをする前に顔に水をかけるなどして、
水温にならしていくことも大切だ。

また、普段から定期的な健診を受け、
生活習慣病がある方は、食事や運動など、普段の生活習慣を見直して、
疾患の予防をすることが一番。
とはいえ、なかなか生活は変えられないもの。
ダイビングをする時だけでなく、日頃から、
強い意志を持って、健康な体を維持する、または戻すよう努力しよう。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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