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STOP! 潜水事故
CASE79 レギュが外れ、パニック!

CASE79 レギュが外れ、パニック!

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE79 レギュが外れ、パニック!

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

ダイビング講習を受けていた事故者は、海洋実習の最終日、インストラクターとマンツーマンで潜っていた。講習科目のひとつ、水中でのBC脱着の実習中にレギュレーターを外してしまい、海水を誤飲。パニックとなった。
その後、医療機関を受診したところ、肺に水が若干入っており、溺水の所見がうかがえるとのことから、大事を取って経過観察入院をすることとなった。

直接の原因パニック、溺水

対処法

ダイビングの知識とスキルを身に付けるための講習。
学科、プールと講習を受け、それを実践するために海洋実習があるのはご存じのとおり。
BC脱着の練習はプール講習でも一度やっているはずなので、本来なら海洋実習でレギュが外れてもパニックにならないぐらいのスキルは身に付いているはず。でも、やっぱり海の水はしょっぱい。レギュが外れて口を開けてしまえば、海水が入り込んできて、思いのほかしょっぱいことにびっくりして気が動転することは考えられる。

テクニカルな対処法としては……、BC脱着の際にトラブルの一番に考えられるのが、レギュレーターが外れること。レギュが外れないようにするためにはどうしたらいいか。
まずBCとタンクが自分の体から離れすぎないように、レギュレーターをくわえたまま静かに脱ぐことだ。
そのためには左手をBCの袖口から抜いた後、背中側でBCとタンクを右側にゆっくりと回し、
しっかりレギュレーターで呼吸ができることを確認してから右手を抜いて、BCとタンクを回すようにして目の前に置けばいい。
勢いをつけてしまうと、レギュが引っ張られて口から外れてしまうので、静かに、慎重に。
また、手を抜く順番を間違えてもレギュが外れる原因になるので要注意。
プール講習で学んだことを忘れずに、海洋実習に臨みたい。もし忘れても、インストラクターがデモンストレーションをしてくれるので、それをしっかり見てから実践すればいい。

もうひとつ。これは講習のカリキュラムに入っていないことではあるけれど……。
水深の浅い、背が立つところで、全器材を装着し、浮力を確保しながらレギュレーターを外してみる。海水を飲む必要はまったくないが、どんな味がするか、確認しておくのもいい。びっくりするぐらいに海水はしょっぱい。そうするとレギュが万が一外れた場合も、記憶があるので、何が何でも飲まないと口が、体が覚えているかもしれない。
最も怖いのは肺に水が入る「溺水」。海水を飲まないためにも、海水のしょっぱさを味わっておくことも、十分な対策になるのではないだろうか。

関連連載:
CASE 14  初めてのダイビングでパニックに

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 2017年に実際に起きたダイビング事故例をいくつかピックアップした「潜水事故から得る教訓」特集もぜひご覧ください。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
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