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【連載】デジタル一眼を始めよう!
~基本と水中写真の楽しみ方~
第9回 マクロレンズで小さな生物を撮ろう!

デジタル一眼、始めよう!

透明度が上がってくる季節になりました。小さくて可愛い生きものたちも増え、水中写真がますます楽しいシーズン到来です。今回は、OM SYSTEMから発売されているマクロレンズを使って、広い海に暮らす小さな生きものを撮影する方法についてお伝えします! 今回の作例は水中写真家・むらいさちさんが実際にOM-1 Mark IIとマクロレンズを使って撮影。作品を見ながら、マクロレンズの使い方、魅力をお伝えします!

※2025年9月の情報です。

1. マクロ撮影とは

マクロレンズ(マイクロレンズ)を使用することで、小さな被写体にグッと寄り、肉眼では見えないような細部まで写真に写すことをマクロ撮影といいます。通常のレンズでは近くに寄った際、ピントが合わなくなりますが、マクロレンズを使用すると近くのものにもピントを合わせることができます。クマノミやウミウシ、卵など小さな生きものたちを綺麗に写すには、マクロレンズを使った撮影がオススメです!

OM SYSTEM OM-1およびOM-1 Mark II用の水中ハウジング。UH-OM1 II (AOI)

OM SYSTEM OM-1およびOM-1 Mark II用の水中ハウジング。UH-OM1 II (AOI)

2. OM SYSTEMのマクロレンズ

OM SYSTEMのマクロレンズ

OM SYSTEMが発売しているマクロレンズは、「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」の3種類あります。同じ位置から撮影した場合、「○mm」という表記の数字が大きければ大きいほど被写体を大きく映すことができます。
※水中で使用する際は、レンズごとに適合するポートが必要になります。

ハウジングはカメラ本体を覆うもの。レンズを覆う部分をポートといいます。

ハウジングはカメラ本体を覆うもの。レンズを覆う部分をポートといいます。

3. 60mmマクロレンズの使い方と魅力

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

初めてマクロレンズを購入するダイバーに、最もオススメなのがこの「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」です。クマノミやウミウシといった人気の生き物たちの多くは、このレンズがあればOK!速く、正確なオートフォーカスは、動きのあるシーンもしっかり撮れます。ふんわりにもシャープにも撮ることができるので、イメージ通りに仕上げることができますよ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro用のポート。FLP-03P PEN/OM-Dマウントフラットポート(AOI)

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro用のポート。FLP-03P PEN/OM-Dマウントフラットポート(AOI)

(写真/むらいさち)

(写真/むらいさち)

<むらいさちさんのコメント>

60㎜(35㎜判換算120㎜相当)マクロレンズは僕の常用しているレンズです。びっくりするほど小さく軽いので、取り回しが良いです。F値はF2.8と明るく、しっかりボケてくれます。OM SYSTEMが得意としている防塵防滴性能も高く、過酷な環境の水中ではとても心強いですね。オートフォーカスもインナーフォーカスで静かでとても速く、動きの速いクマノミやスズメダイの幼魚もしっかりと捉えてくれます。

4. 90mmマクロレンズの使い方と魅力

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO

先ほどご紹介した60mmマクロよりも、小さなものを撮るのにより適したレンズです。わずか数ミリ・米粒サイズのダンゴウオの幼魚や魚の卵など肉眼で見るのも難しい被写体を撮影することができます。コンバージョンレンズ無しでこれらの生き物が撮れるのは、このレンズならではです!

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO 用のポート。FLP-08 OM-Dマウントフラットポート(AOI)

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO 用のポート。FLP-08 OM-Dマウントフラットポート(AOI)

(写真/むらいさち)

(写真/むらいさち)

<むらいさちさんのコメント>

90㎜(35㎜判換算180㎜相当)マクロレンズは、使う前はちょっと望遠すぎて抵抗があったのですが、実際使ってみると、最短撮影距離が0.224mととても近く、60㎜マクロとそこまで違和感なく使えました(60㎜マクロは、最短撮影距離0.19m)。そして、ダイバーにはうれしいレンズ単体で撮影倍率を4倍にできるので、作例のホテイウオの幼魚(5㎜)も、レンズの前にクローズアップレンズを付けなくて、この大きさに撮影できました。これは革命ですね。

5. 30mmマクロレンズの使い方と魅力

M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro

M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro

60mmや90mmのように、「小さなものを大写しにする」というよりは「小さな被写体にしっかり寄りながらも、背景や環境を含めて写す」というのに適したレンズです。また、オートフォーカスが早く求愛や産卵などといった生きものの生態行動を撮影する際にも、オススメです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro用のポート。FLP-04P PENマウントフラットポート(AOI)

M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro用のポート。FLP-04P PENマウントフラットポート(AOI)

6. まとめ

水中には小さくて可愛い生きものがたくさんいます。生きものに寄って撮影するマクロ撮影は、海の透明度にかかわらず楽しめるのも魅力。特にこれからの秋から冬にかけてはウミウシやダンゴウオが日本の海で見られるシーズンになります。マクロレンズを通して、広い海に暮らす小さな生きものたちとじっくり向き合うダイビングを、ぜひ楽しんでくださいね。

<むらいさちさんのイベント情報!>

『ぼくらの南極DAIARY』出版記念トークショー
日時:2025年10月1日(水)19:00から
会場:大阪駅周辺を予定(詳細未定)
会費:3000円
詳細・お申し込みフォームはこちら

【OM SYSTEM ゼミ サテライト撮影会 OMシリーズ】
日時:2025年11月8日(土)
会場:ダイビングショップNANA
参加費:8000円(別途ダイビング代・漁業協力金)
※OM SYSTEM/オリンパスの一眼カメラ限定。レンタルあり(先着順)
詳細・お申し込みはこちら

【OM SYSTEM ゼミ サテライト撮影会 TGシリーズ】
日時:2025年11月9日(日)
会場:ダイビングショップNANA
参加費:8000円(別途ダイビング代・漁業協力金)
※OM SYSTEM/オリンパスのTGシリーズ限定。
詳細・お申し込みはこちら

OMデジタルソリューションズ

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写真家むらいさち×ガイド村井智臣 Wむらいによる『ぼくらの南極DIARY』書籍発売!

写真提供/むらいさち
協力/OMデジタルソリューションズ株式会社
ライター/齋藤利奈

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