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感動いっぱいの海の世界へようこそ!
ダイビングの始め方&楽しみ方
徹底ガイド

地球の面積の約7割を占める海。そこには非日常の感動がいっぱい詰まった世界が広がっています。どこまでも広がる青のグラデーションの中でユニークな生き物たちが泳ぎ、海底一面を覆う生き生きとしたサンゴの上をトロピカルフィッシュが舞い泳ぐ……。皆さんは、そんな海の世界を覗いてみたいと思ったことはありませんか? その願いを可能にしてくれるのが「スキューバダイビング」。水中で呼吸をしながら、魚たちと同じ目線で、360度広がる青の世界を自由自在に楽しむことができます。
どうすればダイビングを始めることができるのか、安全に&快適に楽しむためにはどうすればいいのか、このページで詳しく解説しますので、しっかりと読んでダイバーデビューしてくださいね♪
どうやってダイビングを始める?

ダイビングを始めるにあたり、「どのようなものなのか、ちょっと試してみたい」という方は、体験ダイビングに参加するという方法もありますが、本格的にダイビングを楽しもうと思ったら、講習を受け、Cカード(ライセンス)を取得する必要があります。というのも、ダイビングの舞台となる水中世界は、普段私たちが生活している陸上生活とは環境が異なり、安全に楽しむためにはさまざまな知識やスキルを身につけなければならないからです。Cカードは「Certification Card」の略で、日本語にすると「認定証」。下に紹介するPADI、NAUI、SNSIなどのダイビング指導団体による講習プログラムを受講し、ダイビングを楽しむうえで必要な知識とスキルを身につけた証として発行されます。まずは講習を受けてこのCカードを手に入れることが、ダイバーとしての第一歩となります。
どこに行けば
ダイビングを始められる?
Cカード(ライセンス)取得のための講習は、ダイビング指導団体から認定されたインストラクターによって開催されます。個人で活動しているインストラクターもいますが、多くはダイビングショップに所属しており、そのスタッフとして講習を開催しています。ですから、「ダイビングを始めたい!」と思ったら、ダイビングショップに講習を申し込むのが一般的。ダイビングショップには、街中にある「都市型ダイビングショップ」や、海のそばにある「現地型ダイビングサービス」などがあり、提供しているサービスの内容やお店の雰囲気もショップごとに異なっています。自分に合ったショップでダイビングを始めれば、講習はもちろん、その後のダイビングライフも快適に楽しむことができますので、「どのショップで講習を受けるか」が重要。単に料金の安さや見た目などだけで選ぶのではなく、しっかりと考えて選ぶようにしましょう。
Cカード(ライセンス)を
取得するための講習の内容は?
Cカードを取得するための講習は、「学科」+「実技」で構成されており、ダイビング指導団体によって認定を受けたインストラクターによって開催されます。
学科講習は、ダイビングに必要な知識を身につける場。テキスト(マニュアル)を読み、DVDなどの映像を見ることで、陸上と水中の環境の違いや、ダイビングに必要なスキル、万が一のトラブルの際の対処法など、数多くの知識を身につけます。レクチャールームでインストラクターが指導するスタイルのほか、最近ではパソコンやスマホなどで受講できる「Eラーニング」が用意されていることも。短時間で知識を詰め込むのではなく、自分に合ったペースで確実に理解していくことがおすすめです。

学科講習でわからないことがあっても、インストラクターが丁寧に教えてくれるので安心
実技講習は、プールや湾内の浅瀬などコンディションの穏やかな場所でスキルの練習をする「限定水域講習」と、そこで身につけたスキルを海で実践する「海洋実習」の2ステップ。「限定水域講習」では、ダイビング器材のセッティングの仕方や浮力のコントロール方法といった基本スキルのほか、水中で呼吸ができなくなってしまったときの対処法など、万が一のトラブルの解決方法も学びます。そこで身につけたスキルが、実際の海でも問題なく実践できるかを確かめる場が「海洋実習」。スキルの確認をしながら海の世界を楽しみ、条件を満たすとダイバーとして認定され、Cカードが発行されます。

ダイビングはバディとの助け合いが基本。協力し合えば安全に潜ることができます

マスクの中に水が入ったら「マスククリア」で水を排出。いざというとき慌てないよう、しっかり練習しておきましょう
Cカード取得にかかる費用は?
ダイビングを始めるときにやはり気になるのが「金額がいくらかかるのか」ということ。例えば同じ「オープンウォーターダイバー」のCカードを取得するための講習でも、ダイビングショップによって金額が異なるので、疑問に感じる人が多いようです。
注意したいのは、広告やホームページなどに表示されている講習料金には、Cカードを取得するまでのすべての費用が含まれていない場合があるということ。Cカードを取得するための講習には、以下の費用がかかります。
- ●指導料
- ●教材費
- ●施設使用料
- ●器材レンタル料
- ●タンク・ウエイト レンタル料
- ●補習料金
- ●交通費
- ●宿泊費
- ●食費
- ●Cカード申請料
広告などに表示されている講習料金が安くても、そこに含まれている項目が少なければ、追加料金がいろいろとかかって、結局は割高になってしまうことも。また、講習料金が安くても、器材購入を強要されたり、安全管理が疎かだったりするようでは、気持ちよくダイビングを楽しむことはできないでしょう。講習料金の安さで選ぶのではなく、内容がしっかりとした、自分に合った講習を選ぶこと。それが長くダイビングを楽しんでいくコツといえます。
ダイビングに必要な道具は?
海の世界を楽しむ上で、ダイビング器材はなくてはならないもの。水の中で息をするための「レギュレーター」、水中ではっきりと物を見るための「マスク」、浮いたり沈んだりと浮力を調整するための「BC」など、いろいろな器材を上手に使いこなすことで、快適にダイビングを楽しむことができます。ダイビングに必要な器材には、以下のようなものがあります。

マスク
水中でものを見るのに必要不可欠なのがマスク。鼻まで覆う作りになっており、水中で圧力がかかった際、鼻から息を吐くことでマスク内の圧平衡ができます。目の悪い人は度付きのレンズを入れることも。
スノーケル
水面に顔をつけたまま呼吸をすることが可能。潜降する場所まで水面移動する際、タンク内の空気を節約できるほか、万が一のエア切れの際にも、水面で安全に呼吸することができるなどのメリットがあります。
フィン
水中で効率的に移動するために必要で、水中での動きやすさや快適さは、このフィンによって決まるといっても過言ではありません。その推進力はなんと素足の約4倍! 自分の脚力に合ったものを選ぶことがおすすめ。
レギュレーター
水中で呼吸するために必要不可欠な器材。タンクの中に入っている高圧のガス(空気)を、まわりの水圧に合わせて呼吸できる圧力にまで自動的に調整する仕組みを持っています。最近は軽量・コンパクトなものも多くなってきています。
BC
水中で浮力をコントロールするために欠かせない器材。中に空気を入れたり出したりすることで、浮いたり、沈んだり、浮きも沈みもしない「中性浮力」の状態をとることができます。
ダイブコンピュータ
海の中で自分が現在潜っている水深や、あと何分潜れるのかなど計算してくれる優れもの。潜水時間や水深を記録しておくログメモリー機能もついています。1人1台持つことが基本です。
ウエットスーツ、ドライスーツ
ウエットスーツは、水着の上から着用する、体の保温と保護を目的としたスーツ。体とスーツの間に入った水が体温で温められ、それが断熱材の役割を果たすので、体を保温することができます。一方、ドライスーツは、スーツの中に水が入らないように首と手首の部分がしっかりとシールされており、ブーツはスーツと一体になっています。体が濡れないぶん保温力もあり、国内で1年中ダイビングを楽しむうえでの必需品です。
ダイビングを始める際に
よくある疑問・不安は?
ダイビングは事故の多いレジャー?
海上保安庁の発表によると、毎年30~50件ほどのダイビング事故が発生しており、10~25件が死亡・行方不明となっています。ダイビング人口や実施回数などから考えると、他のレジャー・スポーツと比べて、決して事故率が高いレジャーというわけではないのですが、水中という特殊な環境ゆえ、事故が起こると死亡・行方不明につながりやすい傾向があります。「知識・技能不足」や「ダイバーの不注意」で発生している事故が多いので、Cカード取得講習で知識とスキルをきちんと身につけ、確実に実践できるようにしっかりと練習しておきましょう。
泳げなくてもダイビングはできる?
インストラクターがサポートする体験ダイビングであれば、泳げなくても参加することは可能ですし、ダイビングの講習に申し込むこともできます。ただし、ダイバーとして認定されるには、一定の泳力が必要。各ダイビング指導団体によって泳力の規準が設けられているので、講習中にそれをクリアする必要があります。とはいえ、インストラクターの中には泳ぎが得意な人も多く、講習中に時間をとって泳ぎを教えてもらうという手も。まずはダイビングショップで相談してみましょう。
持病があるけれどダイビングはできる?
ダイビングは水中という陸上とは異なる環境でのレジャーなので、特に呼吸器系、心臓系の病気、高血圧、不整脈などは医師の判断をあおがなければいけません。また、アレルギーなどで鼻がつまりやすいなどの症状がある場合、耳ぬきができない可能性もあるため、無理をしてのダイビングは禁物。花粉症用の薬を飲んで症状が治まっている場合でも、薬の成分がダイビング中に飲むのには適さないものもあるので、医師に相談してみることをおすすめします。
目が悪くても大丈夫?
水中では光の屈折率が陸上と異なるため、物が近く/大きく見えます。そのため多少目が悪いくらい(視力0.5~0.6より上)であれば、特に心配する必要はないといわれています。それより視力が悪くても、ダイビングのマスク(2眼タイプ)には度付きのレンズ(オプティカル・レンズ)が用意されており、左右それぞれの視力に応じて入れることができるのでご安心を。コンタクトレンズをしたまま潜ることも可能ですが、ダイビング中にマスクの中に水が入ってきた際に流れてしまう可能性があるので注意が必要です。
サメに襲われない?
映画『ジョーズ』の印象などで、すっかり「危険な生き物」というイメージが定着してしまったサメですが、世界に約500種いるといわれるサメのうち、人への危害に関与しているのはわずか10種ほど。そのほとんどが外洋性のため、通常のダイビングを楽しむ海域で出遭うことはまずありません。ダイビング中に出会うサメの多くは非常に臆病な性質で、ダイバーの気配を感じると泳ぎ去ってしまいます。こちらからサメに危害を加えよう(むやみに追いかけたり、触ろうとしたり)としない限り、サメの被害に遭うことはまずないでしょう。

多くのダイバーの憧れの存在となっている、世界最大のサメ「ジンベエザメ」。とても穏やかな性格で、エサはプランクトン。海を悠然と泳ぐその姿に感動すること間違いなしです。
Cカード取得は
ゴールではなくスタート
大切なのは、Cカードを取得することは「ゴール」ではなく、ダイバーとしての「スタート」ということ。Cカードを取得することを目的(ゴール)にしてしまうと、「なるべく安く簡単に手に入れたい」と考えがちです。ただし、安くて簡単にCカードを取得したとしても、不安や疑問を持ったままでは、その後ダイビングを楽しむことができず、結局は海から遠ざかってしまうことに。Cカードはあくまでもダイビングで海の世界を楽しむための「パスポート」であり、そこからどのようにダイビングライフを楽しんでいくかが重要です。ダイバーになると、以下に紹介するようなさまざまな楽しみが待っています。ぜひ皆さんも、しっかりと海を楽しめるダイバーになって、感動の世界を楽しみ続けてください。

数えきれないほどの魚の群れに、周囲360度を囲まれることも! 海の中でしか体験できない感動があなたを待っています!
ファンダイビングで国内外の憧れの海へ
Cカードを取得してダイバーになれば、世界中の海が遊びのフィールドに! 週末などに気軽に行ける国内の近場の海から、憧れの海外リゾートまで、国内外に魅力的なダイビングエリアはたくさんあります。「マリンダイビングWeb」で紹介しているエリア情報を参考に、ぜひ潜りに行きたい海を見つけてくださいね。
水中撮影を楽しむ
ダイビングの楽しみ方の中でも人気なのが「水中撮影」。水中には、陸上にはない風景や生き物が数多く存在し、ユニークな写真を撮ることができます。水中という環境ならではの撮影テクニックもいろいろとあるので、「マリンダイビングWeb」の水中写真ページも参考にしてみてください。
ステップアップして楽しみの幅を広げる
講習を受けて最初に取得するCカードは、「潜れる最大水深は18mまで」「潜っていいのは日中のみ」などの制限があります(ダイビング指導団体によって異なります)。その幅をさらに広げていけるのがステップアップ(継続教育)コース。目的や興味に応じて、ダイビング指導団体ごとにさまざまなコースが用意されています。いろいろなステップアップコースを受講して、ダイバーとしての経験と楽しみの幅を広げていきましょう!