【連載】デジタル一眼を始めよう!
~基本と水中写真の楽しみ方~
第10回 ワイドな海を切り取ろう!

秋の連休や冬休みはいつもより少し遠出をしてワイドな海を楽しみたい!と計画している人も多いのではないでしょうか。最近「本格的な機材で、ワイドを撮ってみたい!」という声を聞くことが増えました。今回は、OM SYSTEMから発売されているOM-1 Mark IIでのワイド撮影についてご紹介します!
※2025年10月の情報です。
1. OM-1 Mark IIでワイド撮影!

ワイドセッティングの例(写真提供/株式会社フィッシュアイ)
OM-1 Mark IIでワイド撮影をするには、どんなレンズやアクセサリーが必要なのでしょうか?ワイド撮影の際には、まず広角のレンズが必要です。レンズ本体やカタログに「●mm」という表記があり、ここで画角の広さを知ることができます。この値が小さければ小さいほど広角になります。OM-1 Mark IIのワイド撮影におススメのレンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6Ⅱ」の3本です。それぞれのレンズに特徴があり、撮りたいシーンや求める作品のテイストによって選びましょう!
※水中撮影で使うためには、レンズそれぞれに合ったポートが必要です。OM-1 Mark IIの水中ハウジングAOI-UH-OM1 II用のドームポートにはガラス製とアクリル製のものがあります。
ポートの素材と特徴ガラス製のポート:画質にこだわりたい人向け。高価で重量があるものの、光学性能が非常に高いのが特徴です。またアクリルよりも強度があるため、傷がつきにくい点も魅力。 |

(写真/むらいさち)
2. ワイド撮影で使うレンズを選ぼう!
①M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO

一眼カメラで水中のワイドを撮影する際に最もポピュラーなレンズがフィッシュアイレンズです。広い画角が得られるだけでなく、画面周辺が歪曲して躍動あるダイナミックな写真が撮れるので、魚群や大型海洋生物の撮影に人気のレンズです。役立つ”裏技”としてはフィッシュアイ補正撮影という機能がOM-1 Mark IIにはあり、このレンズを魚眼効果のない超広角レンズとしても使用できます。画角は35ミリ判換算で11mm、14mm、18mm相当、ファインダーや背面モニターで補正効果を確認しながらの撮影が可能で、このレンズ1本で4つの異なる画角で撮影を楽しめます。
フィッシュアイ補正撮影の詳細はこちら

歪曲した描写がサンゴの広がりを感じさせる。(写真/奥山政夫)

DLP-11-OD OMDマウントガラスドームポート (AOI)
②M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO

「広い海を、広く写したい」という願いを叶えてくれるレンズです。フィッシュアイのように像が歪曲しないため、見た目に近い広がりを写すことができます。ズームができるため、1本のレンズで様々な切り取り方ができます。最短撮影距離が20cmと短いので、ポートギリギリでもピントを合わせることができます。逆光にも強いので、水中に広がる斜光を入れた撮影や太陽光を活かしたもばっちり。広角側での水中景観の撮影はもちろん、望遠側で水中スナップもおススメです。ズームを効果的に使えば、生物にストレスを与えにくい点も魅力です。また、水中だけではなく、陸の撮影にも使いやすいのがこのレンズ。日中のリゾートや自然風景、建物などの撮影はもちろん、明るいレンズなので星空や天の川の撮影にも◎です!

画角からはみ出てしまいそうなクジラの親子も、このレンズならバッチリです!(写真/むらいさち)

ハナゴイの群れの密度や奥行きもしっかり表現してくれます。(写真/むらいさち)

DLP-11-OD OMDマウントガラスドームポート (AOI)
③M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6Ⅱ

広角のズームレンズで、小型軽量、他の2本に比べるとお財布に優しいお値段も魅力。荷物が多くなりがちなダイビング旅行にピッタリです。ズームが効くので、初めての広角撮影にもおススメ。

DLP-03P PENマウントガラスセミドームポート(AOI)※PENシリーズ用に作られているため、OM-1シリーズのハウジングで使用するためには、PEN/OM-D変換アダプター(AD-LP-01)が必要です。
④M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

小型・軽量さと画質の高さを両立している点が魅力のレンズです。最短撮影距離(ピントが合う被写体とセンサーの最も近い距離)が、ズーム全域で23cm。ポートギリギリまで寄って撮影することができるので、ワイドマクロのような写真にもチャレンジできます!防塵防滴性も高く、本格的な撮影をしたい人にオススメです!

DLP-11-OD OMDマウントガラスドームポート (AOI) ※別途、エクステンションリング22 が必要です。
3. ワイド撮影に必要なアクセサリー
ストロボ(フラッシュ)とアーム
自然光の撮影もナチュラルで美しいですが、水深が深くなるにつれ色が失われていく水中では、生物が持つ色を出すにはフラッシュ(ストロボ)など人口光が必要です。また、ワイド撮影では、レンズとフラッシュ光で浮遊物がハレーションを起こす可能性があるため、長めのアームを使うのがおススメです。(ハレーションが起きたら、アームを後ろに引くと写り込みが消えます!)

UCS-Q1-RC ウルトラコンパクトストロボ RC(AOI)。OM SYSTEM製カメラと組み合わせで自動調光に対応している。ワイド撮影が初めての人も安心!

AMC1-BB-SLR カーボンアーム01(AOI)。撮影シーンに応じて長さを選ぶことができます。ワイド撮影には最も長い35cmのものはもちろん、2本繋いで長さを出すのがオススメ。
4. まとめ
水中でワイド撮影に必要なアイテムをご紹介しました。筆者は撮影したい写真の雰囲気や環境によってフィッシュアイレンズと広角ズームを使い分けています。フィッシュアイレンズに比べると、広角ズームを使っている人は少なめですが、たとえばクルーズなど「どんな水中環境が広がっているのかよく分からない」という時に、水中景観と生物の撮影、どちらにも使いやすい広角ズームはおススメです。使うシチュエーションや撮りたい写真をイメージしてレンズを選び、お気に入りの1枚を撮影しましょう!
写真提供/むらいさち
協力/OMデジタルソリューションズ
ライター/齋藤利奈














bigblueのマーカーライトと「やまと木綿空ごこちタオル」(4色1セット)をプレゼント!