快適ダイビングのススメ
「おいしい空気」でダイビングしよう!
~波左間海中公園~
ダイビングに必須の圧縮空気(※)。快適なダイビングには自分たちが吸う空気にもこだわりたいものです。今回は海にも空気にもこだわり続けている《波左間海中公園》をクローズアップします!
※近年はエンリッチド・エア・ナイトロックスなどやテクニカルダイビングで混合ガスを使用することがあり、空気も含めて「圧縮ガス」と呼ぶことが増えています。
波左間海中公園をおいしい空気で潜る
東京湾と太平洋の交わるすごい海
30年以上生きているコブダイの頼子。名前と違って、だいぶ前からオスのボスになっている
房総半島のほぼ先端、館山市の洲崎(すのさき)灯台のすぐ北の広い湾に位置するのが波左間(はさま)です。黒潮の影響を多大に受ける太平洋に面していて、北太平洋の北限ともいわれるサンゴの群落が点在していたり、南の海にいるはずのクマノミなどが年間を通して見られるなどトロピカルな面を持ちつつ、東京湾の栄養分豊富な海水が流れ込んでいるせいか、温帯域の生物もとても多く、見どころ満点なダイビング天国を創り上げています。しかも、巨大なコブダイが長い間生息していて、観察し始めた頃にいた「頼朝」に続き、30年以上前はメスだった「頼子」が頼朝亡き後、ボスとして君臨。決闘を申し込んできたコブダイにやられそうになりながらも、《波左間海中公園》代表ガイドの荒川寛幸(あらかわ ひろゆき)さんの厚い保護もあって、今なおこのエリアのボスとして君臨しています。
ほかにも、海外から視察に来るほど立派に組まれた魚礁が見事な「ドリーム魚礁」、定置網にかかったマンボウやマンタ、ジンベエザメを一時的に保護している「マンボウランド」などなど、一日じゃ足りないぐらいの見どころが多い、近くの世界的なアミューズメントパークに負けない“波左間海中公園”なのです。
※マンボウランドには常にマンボウやジンベエがいるわけではありませんので、狙いたい方は《波左間海中公園》情報をチェックしておいてください。
伝説のガイド、荒川寛幸さん
《波左間海中公園》代表で御年84歳の現役ガイド、荒川寛幸さん
通称「社長」。1938年4月20日生まれ。横須賀出身。青年時代に近所の米軍将校からダイビングを教わり、すっかり虜に。タンクやダイビング器材を借りてダイビングをスタートし、1958年以降、潜水事業に関わるようになります。護岸工事から行方不明者の捜索、さらには宝探しなどその内容はアドベンチャーそのものです。40年以上前から手伝いに来ていた波左間漁業組合でダイビング事業をスタートする話が持ち上がり、1982年に定置網の修理が縁で《波左間海中公園》を立ち上げました。1996年には「高根」に近くの洲崎神社の分社として海底神社を設置。世界唯一の海底神社としてその名を日本や世界にとどろかせています。
昨年には、定置網に入った生きたメガマウスと泳いだことでも話題になりました。
80年代から現在にいたるまで、漁業とレジャーダイビングのバランスを保ち、波左間の豊かな海を見守る現役のレジェンドダイバーです。
「高根」の海底神社
荒川さんがエントリーすると、コブダイの頼子が猛ダッシュで近づいていく
波左間海中公園基本ガイド
「高根」の砂地エリアの先では、潮が速い時にウミトサカの花園が満開に
◎アクセス
・バスで 東京駅から高速バス「なのはな1号」を利用すると8:18に館山駅着。事前予約の際に伝えておけば送迎が可能。
・電車で 8:50館山駅到着の電車に限り送迎を実施。
・車で 館山自動車道冨浦ICを目指し、降りたら「館山・洲崎」方面へ。県道257号(房総フラワーライン)を目指して道なりに。ICから約13km、約25分。
◎ダイビングスタイル
講習に利用するビーチスポットもありますが、ボートダイビングが主流。8:30~9:00頃に《波左間海中公園》の店舗に集合。器材セッティングの後、タンクを背負ってボートに乗り込み、全員がそろったら出港。スポットへは5分程度と近い。
エントリーはバックロールが普通ですが、流れがある場合はハシゴで下りてロープを伝うように指示されることも。1ダイブ30~40分。安全停止を必ずしてから浮上すること。
一日2~3ダイブで水面休息は1時間以上とります。
昼食は《波左間海中公園》に出前をお願いすることができますし、周辺の食事処に食べに行くこともできます。途中のコンビニエンスストアで用意してくることもできます。
◎主なダイビングスポット
ヒレナガネジリンボウも生息
ソメワケヤッコの子どもも
「高根」- 世界唯一の海底神社と海中鳥居があるスポット。コブダイの「頼子」に会える確率大。ほかにエアドームなどのアトラクション設備も。点在する根の周辺にカミソリウオやカエルアンコウ、砂地でヒレナガネジリンボウなどのハゼ類、ウミトサカ畑など生物の多様性もことのほか豊富です。
「マンボウランド」- 定置網にかかったマンボウやジンベエザメなどを保護しているところ。いるときにはダイバーも一緒に泳ぐことができます。
魚礁についたソフトコーラルに身を寄せるミノカサゴ
「ドリーム」- 一辺2.5mの枠型コンクリートを4段積み重ねた人工漁礁。荒川さんが設計、設置。トンネルをくぐるような冒険的なダイビングが楽しい。付着したソフトコーラル類も多く、すみかにしている生物も多数。
「ドリーム」の魚礁の模型。こんなに計画的に設置されている魚礁は世界でも稀なのだそうだ
コケギンポの仲間
「タイヤ魚礁」- タイヤを何百と積み上げた大きな魚礁。ほかのスポットではなかなか見られないサクラダイ、アカオビハナダイ、カシワハナダイ、スジナガハナダイなどがついています。
「ニューパラダイス」- 砂泥地に小型のコンクリートブロックが点在。ソフトコーラルがびっしり付いていてまるでパラダイスです。ピカチュウウミウシ、ニシキフウライウオといった人気者が集まる傾向があります。
施設も充実
広い敷地に、集合するお店(休憩できるラウンジあり)のほか、テラス、更衣室、シャワー室などが点在しています。カメラ専用水槽、器材洗い用の水槽、干し場なども充実。またあったかいお風呂もありますので、ダイビング後に体をあっためるのにも最高です。
屋根付きのテラスもあって、スーツのまま水面休息もできる
■波左間海中公園
〒294-0307 千葉県館山市波左間1012
TEL:0470-29-1648
FAX:0470-29-1647
E-mail: o_hasama@mvc.biglobe.ne.jp
おいしい空気で安心ダイビングを!
画像提供/東亜潜水機
レジェンドガイド・荒川さんが語るおいしい空気
2年前に新しく導入した《東亜潜水機》のコンプレッサー「YS-85」の前で
《波左間海中公園》では創業以来ずっと自社でタンク(シリンダー)を充填してゲストに提供しています。
「ゲストに安全でおいしい空気を提供するのは当然のこと。私はほぼ毎日潜っていますので、自分の安全を確保するためにも必要なこと。《東亜潜水機》のコンプレッサーは近年縁があってようやく導入したのですが、質が良くて本当に気に入っています」
と言う荒川さん。実際、吸った圧縮空気は喉が渇き過ぎることもなく、当たり前だけど無味無臭、でも吸うと気持ちいい、おいしい空気です。
「でも、私たちにとって何よりもいいのは、充填スピードの速さ。昔は遅かったので一人で夜中、ひどいときは早朝までずっと充填し続けていたものですが、この新しいコンプレッサーはぴゅっと充填できちゃう。業者にとってはありがたいばかりです」
1本目のダイビング後、スタッフの鈴木さんが使用済みのタンクを充填していたけれど、本当にあっという間に終わっていました。しかも、みんなが休憩をしているテラスやラウンジの近くで行なっているのに、音が気になりません。これはスゴイ発展! 高い技術も大事ですね。
パワフル、静粛・低振動、コンパクト。全モデルに独創の技術が息づいています
YS-85V
大量の高圧ガスの使用に適した大型モデル
YS-85
幅広い分野で活躍するベストセラー
YS-75
実用性の高さが魅力のスタンダードモデル
YS-55
経済性に優れたコンパクトモデル
YSシリーズは、あらゆる不活性ガスを対象とした、水冷給油式コンプレッサー。ゆとりの吐出量と扱いやすさで圧倒的な納入実績を誇る、高圧コンプレッサーの決定版です。
長年大きな支持を得ている理由のひとつに、騒音・振動を抑え、滑らかな運転を実現する静粛・低振動性能があります。
また、ゆとりの吐出量を持ちながら、サイズが小さいこともYSシリーズの魅力です。
さらに、誰にでも扱えるわかりやすい操作を基本理念として開発されており、メンテナンスは一段と容易になっています。
用途に応じて動力ユニットや運転制御が選べますので、自由なシステムが構築できます。
全国の消防署、海上保安庁等の官公庁やダイビングショップ、大学等の各種研究機関、メーカーで幅広く活躍していることでも、その高機能・高性能、使い勝手の良さを証明しているといえます。
圧縮されたガスのエネルギー配分を安定させるレイアウトにより、静粛・低振動が実現
コンパクトなので設置スペースを問いません
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東亜潜水機株式会社 東京工場
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