南太平洋の楽園で、ザトウクジラと泳ぐ
トンガ
野生のザトウクジラとホエールスイムが楽しめる
ザトウクジラと泳げる海として、注目を集めているトンガ。毎年7月から10月にかけて、体長15メートル、体重30トンにもなるザトウクジラがトンガ近海へやって来る。特にトンガの北の玄関で、メインアイランドのトンガタプ島の北275kmに位置するババウ島は、豊かなサンゴ礁の海が広がり、ザトウクジラの子育てに格好の環境。外敵から身を守り、子育てをするために多くの親子クジラがやって来る。透明度も高く、ホエールスイムが楽しめる。
また近年の保護活動のおかげでクジラの生息海域は広がっていて、首都トンガタプからもホエールスイム用の船が出ている。ババウ島ほどではないにしても親子クジラやヒートラン(メスを奪い合うオスの戦い)を見ることできる。
ババウ島でのホエールスイム事情
ホエールスイムができる時期は7月~10月で、ちょうど夏休みシーズン。南太平洋は日本と季節が逆なため、この時期の気温、水温は低めで20~25℃。ホエールスイム時にはウエットスーツ着用、ボートの上での防寒対策もしっかりと。
ババウ島にはホエールウオッチング&スイムのオペレーターが多く、許可を受けた船とトレーニングを受けた経験豊富な船長とガイドが私たちをクジラの世界へ導いてくれる。
まずはザトウクジラのブロー(潮吹き)を探し、時間をかけてゆっくり近づき、スイムのチャンスをうかがう。船上からは、ブリーチング、テールスラップなどザトウクジラの迫力のパフォーマンスを見ることができる。
水面に現れたザトウクジラをまずはボートの上からウオッチング
タイミングを見て、ボートから海へ。スノーケリングでクジラに近づいて観察できる
クライマックスは水中でのクジラとの遭遇
そしてクジラを見つけたら、海へダイブ。親子クジラ、それに一緒にいるエスコートと呼ばれるオス、オスだけの群れ、メスを奪い合うオスの闘い(ヒートラン)。出産、子育てなど、繁殖のためのさまざまな場面に遭遇できる。水中では一瞬で通り過ぎてしまうこともあるけれど、次第にクジラがこちらの存在を受け入れてくれると、ゆっくり泳ぎながらおなかを見せる行動をとってくれる。そして耳を澄ませば、クジラの歌(鳴き声)が聞こえてくる! 水中では体中が音に囲まれるような、不思議な感覚が味わえる。
水中でこんなに間近でザトウクジラが見られる海は、なかなかない
“青の洞窟”などクジラ以外のお楽しみも!
ババウ島はダイビングスポットもたくさんあり、ケーブやドロップオフなどの地形がおもしろい。また光りモノの群れも多く見られるので、ホエールスイム+ダイビングの両方が楽しめる。なお“青の洞窟”というスノーケリングでも十分楽しめる洞窟もある。クジラスイムの後に、ダイビングや青の洞窟でのスノーケリングを楽しむのもおすすめだ。
神秘的な美しさの“青の洞窟”。スノーケリングでも楽しめる
チャータークルーズだと、さらにトンガの海を満喫できる
ババウから行くホエールスイムは、船に泊まり移動しながらのスタイルがメイン。中には人数限定のチャータークルーズもあり、より効率よくクジラを探すことができる。船にはトイレやキッチンなども完備されていて、快適に過ごせる。
またババウ島の滞在でおすすめなのは、島内唯一プライベートビーチとプールがある《トンガンビーチホテル》。バンガロータイプの部屋は海に面していて、目の前の桟橋からホエールスイムに出発できる。
ホエールスイム&ウオッチングの拠点となるババウの港
緑豊かな《トンガンビーチホテル》