水中と水上で通信可能な超待望のシステム
GARMIN Descent S1 Buoy

ダイビングの安全を最優先したモノづくりで知られるGARMINから、ダイバーが願ってやまなかった“水上で水中と通信できる”夢の安全システムが登場!「Descent S1 Buoy(ブイ)」と名づけられたこの機種がいかに素晴らしいか、神奈川県の葉山で実際に使用してきました。
※2025年11月現在の情報です
水上と水中で連絡がとれる夢のDescent S1ブイ
無理だと思われていた水中・水上通信が可能に!

「Descent S1 ブイ」を水面に浮かべておくと、水中からも船上に連絡できるようになります!
GARMINから斬新かつ画期的な夢のシステム「Descent S1 Buoy(以下、S1ブイ)」が登場しました! これまで残念なことに、水中にいるダイバーに水上、船上から連絡が取れれば良かった、逆に水中から水上に連絡を取れれば助かったかもしれない……といったダイビング事故がありました。でも、電波が水中には届かない理由から、私たちダイバーは、水上と水中で通信することは基本的に不可能だと諦めていました。それがナント! GARMINの「Descent S1ブイ」は、水面に浮かべておくことで、水中にいるダイバーと水面(船上)にいるキャプテンやボートスタッフがコミュニケーションをとることできるのです! こんなワクワクさせてくれる宇宙未来的なシステムがついに誕生したとは!! 何十年ぶりの大快挙ともいえる新商品を、たっぷりご紹介します♪
画期的な機能を可能にする最新技術搭載のモノたち
水上と水中をつなぐシステム
GARMINは、これまでできなかった水上と水中の通信を、どのように可能にしたのでしょう? 必要なアイテムをまず紹介します。

「Descent S1ブイ」。サイズ203☓135mmとサッカーボールぐらいの大きさで、意外とコンパクトで軽い。税込¥407,800

「GARMIN Descent Mk3i」51mmシリコンバンド(税込¥248,000 チタンバンド付は¥278,000)。これと43mm(税込¥218,000)バージョンであれば、T2トランシーバー対応で、メッセージのやり取りができます
写真/GARMIN

GARMINの「Descent T2トランシーバー」(税込¥77,000)
写真/GARMIN
2023年に登場してダイバーをあっと驚かせたスマートダイコン「GARMIN Descent Mk3i」と「Descent T2トランシーバー」。全員がこのセットを装着していれば、水中で最大8人が仲間との距離、水深、残圧を共有できて、簡単なショートメッセージを送受信できるようになった、あのダイブコンピュータシステムです! 送受信はあらかじめセットされているテキストメッセージのやり取りとなりますが、ガイドがゲストに注意を促したり、何かトラブルに陥ったときに助けを求めたりすることができ、安全安心なダイビングを実現化しました。さらに今回登場した「Descent S1ブイ」が加わったことで、1基で最大8人のダイバーを、水上からトラッキングすることができるようになったのです。
Subwaveとは

S1ブイの活用イメージ
画像/「GARMIN Descent S1 Buoy」のWebサイトより
水中にいるダイバー同士のコミュニケーションを可能にしたのは、「Descent T2トランシーバー」に備えられたGARMIN独自の「Subwave(サブウェーブ)」ソナーテクノロジーです。これを「Descent S1ブイ」にも搭載して、水面に浮かべることにより、水上から水中のダイバーの位置が把握でき、コミュニケーションが取れるようになったのです。科学の超発展的な進歩だと思いませんか!?
「Descent S1ブイ」とは、水上で使用するスマホ/タブレット、水中で使用するDescent Mk3iとT2トランシーバーと、それぞれペアリングしておくだけでOKです。
船だけでなくビーチダイブにも使用可能!
上の活用イメージでは船のイラストが描かれていますが、ボートダイビングだけでなく、使い方によってはビーチダイビングにも使えます。S1ブイにウエイトを付けておいたり、防波堤から水面に浮かべれば、Mk3iとT2トランシーバーを装着しているダイバーとの通信が可能になります。
ちなみに、S1ブイと水上で利用するスマホ/タブレットの最大距離は60mです。安全第一のダイビングを目指すには最高のシステムだと思いませんか?
実際にS1ブイを浮かべて潜ってみました!
今回はボートダイビングで「Descent S1ブイ」を使ってみました。ボートからライン(ロープ)でS1ブイを浮かべておき、エントリーすると、ダイブコンピュータMk3iの画面にS1ブイとの距離が表れました!
S1ブイから最大100mまでSubwaveに接続
S1ブイと水中のダイバーの通信範囲は、水平方向で100m、つまりブイを中心に直径200mで接続可能。一方、スマホ/タブレットからブイは60mまで通信範囲。一般的なファンダイビングなら十分な距離感です。水中で動きまわっても、手元の画面にS1ブイとの距離が表示されていて安心!
なお、S1ブイの充電1回の稼働時間は約15時間。ファンダイブなら1日2~3本連続使用しても、充電切れの心配はありません。

試用レポートをしてくれた《ダイビングショップNANA》の永橋麗良さん
S1ブイとの距離は水平方向
ところで、撮影時、S1ブイを船上から浮かべて潜ったときに、私たちは水深20m近くにいるのに、ダイブコンピュータに表示される画面には「3m」としか表示されません。データが間違っているのかなと思ったら、表示される距離は垂直方向ではなく、水平方向だったのです。これをあらかじめ知っておくと、水中での自分の位置も把握できていいですね。

画面の上の青い文字が、S1ブイとの距離を示しています。S1ブイから3mのところにいます。S1の方角も表示されます

画面上の青い表示を見るとS1ブイから21mの所にいることがわかります
船上(水面)のボートクルーとも通信

船上にいるスタッフから「何か見つかりました」というメッセージが届きました。本当は「何か見つかりましたか?」という意味だったそうです

ニシキフウライウオやムレハタタテダイの群れが見られた永橋さん。「OK」とスタッフに返信しました
今回、S1ブイの試用レポートに登場していただいたのは、《ダイビングショップNANA》のぱーこちゃんこと、永橋麗良さん。水中でS1ブイとの距離が表示されたときも驚いていましたが、「本当に船の上からメッセージが来た!」と水中で大喜びです。
水上と水中で通信できるなんて!「マリンダイビングWeb」の「STOP!潜水事故」担当ライターで、数々の漂流事故やロスト事故の事例を見てきた筆者には世紀を超えた、感涙ものの驚きでしかありません。いつか将来的に願いが叶えばいいなと思っていましたが、本当にできるものなんですね♪
水中でのロストや漂流にも役立つ
ペアリングしたダイブコンピュータ「Descent Mk3i」と「Descent T2トランシーバー」を装備していれば、画面にS1ブイの位置が表示されるということで、ダイビング前のブリーフィングで、「万が一はぐれた場合は、S1ブイの下の水深5mに集合」というルールにしました。通常は水中ではぐれた場合、水面に浮上して集合するものですが、S1ブイ下であれば頭上を通る船舶を気にしなくてもいいですし、安全停止をしながらの集合となりますから一石二鳥。
今回の撮影時、水中のかわいらしい生きものに夢中になって、筆者は永橋さんとはぐれてしまったのですが、再会を果たしたのでした。

S1ブイの下で、はぐれた筆者もガイドの永橋さんと再会できました!
水上からダイバーの状況を把握できる安心感
つぎに、船上から水中のダイバーをどのようにトラッキングしているのか、撮影時のスマホ画面を例にご紹介します。
最大8人のダイバーの状況が一目瞭然

スマホを使って水中のダイバーの様子を見たり、メッセージを送ったりすることができます
写真/後藤ゆかり

最大8人のダイバーの水深や残圧などのデータがチェックできます

エアが約70bar未満になったダイバーは黄色、約35barになったダイバーは赤色で表示されます
写真/後藤ゆかり
これまでにこんな素晴らしいことができたでしょうか!?
「Descent S1ブイ」を水面に浮かべることで、Descent Mk3iとDescent T2トランシーバーを装備したダイバーの残圧、深度(水深)、S1ブイからの距離、予想される残りの水中滞在可能時間といったデータを最大8人まで見ることができるのです。科学の進歩にひれ伏すばかりです。
なお、水上でデータを表示するスマホ/タブレットは、GARMINのダイブアプリ「Garmin Dive App」をあらかじめダウンロードして、S1ブイとペアリングしておくだけでOKです。
漂流を防止できるマップ

S1ブイ、水中ダイバーの位置情報が相対的にわかります
写真/後藤ゆかり
これまでのボートダイビングでは、ボート上のキャプテンやボートクルーが、ダイバーを見失わないようにダイバーたちが吐く泡を見てその位置を把握していました。しかし、係留してのダイビングの場合、船に戻ってくるという約束事があるので、ボート上の担当者が泡をずっと見続けていなかったり、ダイバーが遠くまで行くと泡が見えなくなったりもしていました。
その点、S1ブイを使えば、手元のスマホ/タブレットで水中ダイバーの位置情報が表示されます。水中にいるダイバーもS1ブイの位置がわかるわけですから、漂流事故は限りなくゼロに近づくはず。ドリフトダイビングでも上手く利用して、事故をなくしたいですね。
いかがでしょう? 安全ダイビングを徹底して追及しているGARMINが満を持して発売した「Descent S1ブイ」がいかに役立つかおわかりいただけたのではないでしょうか。
今回の撮影でボートキャプテンも「これはスゴイ! 津波や大地震など何かあって船に戻ってほしいときも、これなら呼び戻せますしね」と大絶賛。お値段は決して安いものではありませんが、今後、絶対に使用したいエマージェンシーグッズのひとつになる予感。船1隻に1基、ビーチでも使える「Descent S1ブイ」をぜひご利用ください。
ダイバーの皆さんもダイビングをするならGARMINのS1ブイを利用しているダイビングショップ、ダイビングサービスを選ぶのが安全への近道になるはずです!!
お問い合わせ先
ガーミンジャパン株式会社
〒354-0036 埼玉県富士見市ふじみ野東1-7-6
TEL:049-267-9114
E-mail:jp_Info@garmin.com
協力/葉山ダイビングセンター、ダイビングショップNANA
撮影/佐藤輝(ダイビングショップNANA)
ライター/後藤ゆかり












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