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《NANA》&《三陸ボランティアダイバーズ》に聞く
水中トランシーバー「ロゴシーズ」の魅力

ロゴシーズⅡ

「Logosease(ロゴシーズ)」は、山形カシオ株式会社が超音波通信技術と骨伝導の仕組みを駆使して独自開発した水中トランシーバー。10年余り前に発売され、話題を呼びました。2023年4月にはダイブコンピュータと同様の音声アラート機能を備えた「ロゴシーズ」が登場。ファンダイブはもちろん、海洋保全活動の現場でも活躍中です。ヘビーユーザーの《NANA》&《三陸ボランティアダイバーズ》にお聞きしながら、その魅力を探ってみました。

※2025年7月現在の情報です。

ダイビング情報を音で知らせる
安心&便利な「ロゴシーズ

縦幅83.5mm×横幅45.2mm、厚さ39.5mm、プラスチック部品の一部は植物由来の材料を主原料にしたエコフレンドリーな優れもの。カラーはブラックとイエローの2色 写真/山形カシオ株式会社

縦幅83.5mm×横幅45.2mm、厚さ39.5mm、プラスチック部品の一部は植物由来の材料を主原料にしたエコフレンドリーな優れもの。カラーはブラックとイエローの2色 写真/山形カシオ株式会社

手にした瞬間に驚く、このコンパクトサイズ。背面には水深や潜水時間、深度などを表示するパネルを装備 写真/山形カシオ株式会社

手にした瞬間に驚く、このコンパクトサイズ。背面には水深や潜水時間、深度などを表示するパネルを装備 写真/山形カシオ株式会社

進化した水中トランシーバー「ロゴシーズ」の最大の特長は、音声アラート機能。本来、ダイブコンピュータでチェックするN D L(無減圧潜水時間)や安全停止の知らせ、浮上スピード警告などの全てを音で知らせてくれます。背面には潜水時間、平均水深や最大深度などを表示するパネルも装備。500本までのダイブログが記録できて(それ以降は上書き)、ログ付けにも便利。データをパソコンに取り込むこともできます。「ロゴシーズ」は、初期モデルより送受信有効範囲が拡大。バッテリーの持続時間も約5時間に伸びて3ダイブする日も安心。ナイトロックス対応でますます便利になっているのです。

多彩な機能がダイバーをサポート
人気ダイビングショップ《NANA》の場合

「ロゴシーズ」を初期モデルから愛用している《NANA》の永橋さん。「海の中で情報が入ってくるのは便利でありがたいです」 写真/ダイビングショップNANA

「ロゴシーズ」を初期モデルから愛用している《NANA》の永橋さん。「海の中で情報が入ってくるのは便利でありがたいです」 写真/ダイビングショップNANA

「離れた場所にいる他グループのスタッフに、あの生物がここにいるよと伝えることができるんです」とは、葉山&三浦にある人気ダイビングショップ《NANA》の永橋さん。「ロゴシーズ」には3つのチャンネルがあり、最大3グループまで通信が可能。警告音を連続して発信できるホイッスルモードも装備。「海況が悪く、水中で迷ってしまったスタッフがピー、ピーという警告音で無事に戻ることができました。他グループのお客様がこちらに合流してしまった際などもすぐに伝えることができます。天候が急変した際は、船にある陸上機から知らせが入るので安心ですよ」と、ダイバーを心強くサポート!

首都圏からも好アクセスな、神奈川県の葉山と三浦に店舗がある《ダイビングショップNANA》。洗練されたおしゃれなショップでは、ダイビング前後の時間も気持ち良く過ごせます。1ガイドにつき4人までの少人数制で、安全対策もバッチリ。オーナーの佐藤 輝さんは水中写真も凄腕なので フォト派ダイバーにもとことん寄り添ってくれます。

海洋保全活動でも大活躍!
《三陸ボランディアダイバーズ》の場合

三陸の海では漁師とダイバーが協力して藻場の再生活動を続けている。水中に持ち込む物が多い現場では軽量コンパクトな「ロゴシーズⅡ」が活躍中! 写真/山形カシオ株式会社

三陸の海では漁師とダイバーが協力して藻場の再生活動を続けている。水中に持ち込む物が多い現場では軽量コンパクトな「ロゴシーズ」が活躍中! 写真/山形カシオ株式会社

「ロゴシーズ」は、海洋保全活動でも活躍しています。長年、震災現場でのボランティア清掃や藻場の再生活動を続け、数々の賞も受賞している《三陸ボランティアダイバーズ》の佐藤さんも愛用者のお一人。「私はロゴシーズの初期モデルを 2016年から使っています。東日本大震災の後に三陸の海での海中清掃に使わせてもらったのがきっかけでした。ダイビングでも使用していますが、ここでは海中清掃や藻場保全活動に漁師が船を出してくれているので、陸上機との併用でも便利に使わせてもらっています。特に海中清掃ではガレキの引き上げの際は両手が塞がるので、船上と音でコミュニケーションが取れるのは助かりました」

コンパクトでハンズフリーだから
藻場再生の現場に最適!

再生活動で蘇った三陸の見事な藻場では、両手が使えてコードレスの「ロゴシーズⅡ」が活躍 写真/山形カシオ株式会社

再生活動で蘇った三陸の見事な藻場では、両手が使えてコードレスの「ロゴシーズ」が活躍 写真/山形カシオ株式会社

「ロゴシーズ」の装着は小さなボディをマスクに取り付けるだけ。送受信モードの切り替えは通常タッピングで行いますが、タッピングしなくても母音を強く発音することでモード切り替えができるV O X機能が搭載され、まさにハンズフリーで会話ができます。「初期モデルからすでに軽くコンパクトで、小さい電話みたいな印象でした。フードの上に装着しても音声は良く聞こえます(※)藻場の再生活動では、高さ12mにもなるアカモクや7〜8mのアマモ林での作業もあり、有線の水中トランシーバーは使えないのでコードレスは助かります。また、藻種の袋や調査用のカメラなど、持ち物で手がふさがるため、ハンズフリー機能は本当に便利です」※より良く会話するために専用フードの装着を推奨しております。

透明度や海況の悪い日も
ダイバーの作業をサポート!

初期モデルから愛用してきた佐藤さんに「ロゴシーズ」にバージョンアップして便利になった点をお聞きしました。「透明度の悪い日など、深度や潜水時間、N D Lを音で教えてくれるのは助かります。また、「ロゴシーズ」は前方向での会話しかできませんでしたが、「ロゴシーズ」はアンテナが横向きになったことで、より広範囲に送受信ができるのはうれしいですね。ここでは水中に濁りが入ると、ほんの2、3m先が見えない時があります。手元を見るのがやっとという状況下で、ここに植える、この辺り、終了、といったメッセージを音で伝えられるのは作業がスムーズに行えて助かっています」

《三陸ボランティアダイバーズ》は三陸沿岸地域の復興や藻場再生活動を続けるダイバーのネットワーク。海洋環境保全、調査、ボランティアダイビングを展開中です。深刻な磯焼けを食い止めるべく、活動に参加したいダイバーの皆さん、三陸なら毎週土日と祝日に藻場再生活動に参加できます。お問い合わせ、申し込みはこちらから!

ダイバーを音でサポート、録音もできるから
写真や動画撮影にも便利!

撮影に夢中になっても、ロゴシーズⅡが安全潜水の情報を音で知らせてくれる! 写真/山形カシオ株式会社

撮影に夢中になっても、ロゴシーズが安全潜水の情報を音で知らせてくれる! 写真/山形カシオ株式会社

一度使うと手放せないと人気の「ロゴシーズ」。たとえば水中撮影で目の前の被写体から目を離したくないが水深や潜水時間が気になる時など、「ロゴシーズ」本体を2回タップすれば水深や無減圧潜水時間を「音」で教えてくれます。また、ボイスレコーダー機能ではダイビング中の自分の声やグループの会話を266分まで録音可能。臨場感あふれる動画を記録に残したい、ネットにアップしたい方にもぴったりです。環境によりますが、最大100m先まで会話ができるので、スノーケリング中に「足がつった」「そろそろ(海から)上ろう」といったメッセージを離れた相手に知らせることもできて、海での利用価値は無限大!

愛用者に聞いた
「ロゴシーズ」使い方のコツ

多機能なだけにいろいろと難しそうに思われがちですが、ロゴシーズの装着は骨伝導マイクとスピーカーを顔の側面に密着するようにマスクに付けるだけ。ダイブプラン設定時やログ確認時などは本体の両サイドにあるボタンを同時に押せば起動。水に浸かれば自動でトランシーバー機能が働き、さらに圧がかかればダイブモード(音声アラート機能)が作動します。あとはダイビング中に本体をタッピングすることで送受信モードやダイブコンピュータ機能、警告音など様々な機能を使えます。ダイビング前に陸上で操作を練習しておくと安心です。「陸上で一度練習すればコツはつかめます。高い、または低い声でゆっくり簡潔に話すと良いですね。うちにはロゴシーズを持参されるお客様も多いですが皆さんすぐにマスターされていました」とは《NANA》)の永橋さん。《三陸ボランティアダイバーズ》の佐藤さんも「マスクの左右どちらにも装着できるので、レギュレーターからの排気泡がかからない方に取り付けています。話し方は訓練すれば誰でもできます。少し高めの声ではっきり話すのがコツですね」

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協力・写真提供/山形カシオ株式会社、ダイビングショップNANA、三陸ボランティアダイバーズ
ライター/西川重子