【新連載】
マレスのスポーツリブリーザー
mares HORIZON

某テレビドラマでにわかに話題となっているリブリーザー。でも、リブリーザーって何？　使用するのは難しいのでは？　初心者でも使えるの？などなど、わからないことも多いのではないでしょうか。ここでは昨年Maresから「スポーツリブリーザー」として発売され、2022年から本格的にデリバリーが始まるmares HORIZONの魅力、使い方などを連載で紹介していきます。

▼なぜMaresがHORIZONを発売？
▼新しいスポーツリブリーザーmares HORIZONって何？

なぜMaresがHORIZONを発売？

新しくてカッコいいダイビング器材の誕生

最先端で画期的なダイビングスタイル

イタリア生まれで、洗練されたデザインと革新的な技術で世界的に人気のあるダイビング器材メーカーのMares（マレス）が、以前より準備を進めてきた新しいカテゴリー「スポーツリブリーザー」の全容が明らかになってきました。器材、メンテナンス、そしてインストラクターの教育も含め準備が整い2022年のダイビングシーンでは最先端で画期的な商品を目にする機会が増えるでしょう。
マリンダイビングウェブでは、数回にわたり特集を組んでいきますので、これから大いに期待したい「スポーツリブリーザー」にご注目ください。

Maresが「スポーツリブリーザー」を販売する理由と新しいカテゴリーの提案

Maresはイタリア北部の地中海に面したラパロ（Rapallo）に本拠地を構え、グループのスポーツ総合メーカー「HEAD」のウォータースポーツ事業の主力企業です。日本では「HEAD」の現地法人である「HEAD Japan株式会社」のダイビング事業部が取り扱いしています。
HEAD Japan株式会社の代表取締役、関口千人さんによると、
「近年レジャースポーツは新しいカテゴリーが横に広がりを見せており、消費者の趣味・嗜好の変化を長期的に考慮した新しいセグメントの開発にも取り組んでいます。テクニカルダイビング、フリーダイビングもこの広がりの一つであり、Maresはこの分野でも成功を収めていますが、さらに開発の目的である安心、安全の追求と快適を求め、CCR（Closed Circuit Rebreather）の専門メーカーであったrEvo社のMaresグループ化を進め、新たにSCR（Semi-closed Circuit Rebreather）の開発に着手しました」
つまり、テクニカルダイビングではなく、より安心、安全、快適な「スポーツブリーザー」として、レジャーダイビングとしても使用できるmares HORIZONを広め、定着を目指す挑戦といえます。

新しいスポーツリブリーザーmares HORIZONって何？

HORIZONで潜るメリット

従来のシングルホースタイプ・レギュレータとは違い、空気を供給・排気するホースがセカンドステージの左右に付いているのがリブリーザーの特徴

リブリーザーというのは、簡単に言ってしまえば、一般に私たちが使っているシリンダー（タンク）から供給されるガス（空気等）を吐き出すというのではなく、吐いたガスを循環させて「Re＝再びBreath＝呼吸をする」ことのできるシステムのことです。
mares HORIZONのターゲットは、テクニカルダイバーだけでなく一般ダイバーにも簡単にリブリーザーを楽しんでもらいたい、という目的で開発されたものです。
まずはそのメリット、特長をいくつか挙げてみましょう。

○静か
○排気の泡がほとんど出ない
○ダイブタイムの延長
○軽量
○喉が渇かない、渇きづらい

などなどがあります。

静かで泡が少ないから魚が逃げない！

呼吸音もほとんどしないし、泡もほとんど出ないので、魚が見事に逃げない

リブリーザーの最大の特長は、呼吸音が静かで、吐いたガスの泡が外に出ないことです。HORIZONはSCR（Semi-closed Circuit Rebreather）といって、同じリブリーザーでも高度なトレーニングを必要とするCCR（Closed Circuit Rebreather）とは違い少量の泡は出ます。しかし、それもほんのわずかなので泡が出ていても生物や魚は逃げません。
そして長く潜れる特長は、フォト派ダイバーにも絶好のシステムです。
吐いた息はユニット内で循環して二酸化炭素が吸収され、その過程で温まった潤いをもったガスとなるので、喉が渇きにくく自然な呼吸ができるのも快適なダイビングには欠かせません。

そもそもHORIZONって何？

mares HORIZONのコンパクトなユニット

水中世界との共生を目指し、“誰でも安全、快適”を目標に開発されたmares HORIZONは、これまでのダイビングの常識を覆す画期的なユニットです。
一般的に使われているダイビングユニットは、オープンエアサーキットと呼ばれる圧縮ガスを充填したシリンダー、レギュレータを基本とし、シリンダーから供給されるガスを吸って排気する“オープン”なものです。HORIZONは、イタリア生まれの世界的に有名なダイビング器材メーカーmaresが、リブリーザー界随一のメーカーともいわれるrEVOと共同で開発した、画期的なレジャーダイビング用リブリーザー（SCR）です。
安全で軽量、準備が簡単という明確なコンセプトに基づいて誕生したHORIZONは、驚くべき性能と最高の技術を備えた新しい器材です。

高さ54cm、幅40cm（+シリンダー）、厚さは22cmで重さは13kgと、これまでのリブリーザーとは比べものにならないほどコンパクトで軽量なので、誰でも手軽に身につけることができ、ダイビング中も快適に過ごせること請け合いです。

スポーツダイバー、レジャーダイバーでも利用できるリブリーザー

ダイビングを極めたいというスポーツダイバーはもちろん、ほとんどのオープンウォーターダイバーも使用できる！

HORIZONで潜るためには、「SSI HORIZON SCR DIVERコース」を受講する必要があります。「SSI HORIZON SCR DIVERコースは」各指導団体のオープンウォーターダイバーレベルから受講が可能ですが、それに加えて、下記のスペシャルティとダイビング経験が必要となります。
○エンリッチドエアナイトロックス40％スペシャルティ　※1
○ディープダイビングスペシャルティ　※1
○24ダイブ以上のダイビングログ記録
○HORIZONディーラーで講習を受ける　※2

※1　SSIに承認された認定機関（または連盟）のものでもよい
※2　「HORIZONディーラー」とは、「HORIZON SCR DIVERコース」を実施し、HORIZONを販売できるディーラー（下記のダイビングスクール）

SSI以外の指導団体のカードホルダーの方でもディープダイビングSPとエンリッチドエアナイトロックスSPを受講し、24ダイブ以上の経験があるダイバーであれば、HORIZON SCRダイバーの講習を受けることが可能です。

SSIがHORIZON講習を開催する理由

Maresの新しい開発に対してしっかりとしたSSIの教育が連動

「HEAD」グループのウォータースポーツ事業には、Mares（ダイビング器材）、Zoggs（スイミング関連）、Liveaboard（リゾート予約システム）とSSI（ダイビング指導団体 SCUBA SCHOOLS INTERNATIONAL）があります。
HEAD JAPANの関口代表（前出）によれば、
「器材のMares、教育のSSIは常に新しい開発に対してしっかりとした教育の場もグループ内で形成されており、Mares、SSI共に共通するダイビング事業には大きな強みがあり、早い段階からmares HORIZONの教育と育成の方法などが打合せされていました。日本導入計画はもう少し早いタイミングが計画されていたもののコロナ禍での渡航中止も重なり、時間をかけての導入に切り換えました」
とのこと。Maresの開発したHORIZONだからこそ、発売と同時にSSIが講習を開催できるのは必然のことなんですね。

※SSI（SCUBA SCHOOLS INTERNATIONAL）
1970年に始まって以来、世界で130か国、3500拠点、30以上のサービスセンターを持ち、40か国以上の言語での教材を提供する、世界でも数少ない国際ISOの承認を受けたダイビング指導団体

HORIZON講習を開催しているSSIダイビングスクール

簡単なセッティングで快適なダイビングが可能になるHORIZON、興味がわいてきたのではないでしょうか？
体験したい！　講習を受けたい！という方は、HORIZON講習を開催しているSSIダイビングスクールにお問い合せください。まだ始まったばかりですが、これから日本各地で受講できる場を増やす活動を行なっています。3月初旬現在のスクールは以下の5軒。ぜひ連絡してみてください。