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2023年 選ぶ!ダイビング器材シリーズ
Vol.1 マスクの選び方
メーカーいち推しのマスクはこれだ!
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スキューバダイビングを楽しめるのはダイビング器材があってこそ。ストレスなく安全に潜るには使い慣れたマイ器材が一番ですが、マイ器材を選ぶポイントは? アイテムごとに連載で毎月お届けします。第1回は、これがなきゃ海で何も見えない!という重要な「マスク」の巻~♪
マスクのはたらき
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裸眼はぼやけて焦点が合わないけれど、マスクを着けた途端、ビビッドな海中風景が広がる
Photo by Marine Photo Library
プールでも経験したことがあると思いますが、海でも淡水でも目を開けるとぼやけてほとんど何も見えません。ところが、水泳用のゴーグルと同じように、マスクを着けるとあらびっくり! くっきりと水中世界が見えますよね。
人間の目は空気があるところで、モノが見えるようになっていますが、水中では空気がないために見えにくくなるのです。でも、ゴーグルのプラスチック面やマスクのガラス面と瞳の前にある空気の層ができることで、見えるようになります。ただし、屈折率が水中では変わるので、空気中でモノを見るよりも実際よりも大きく見えることになります(約1.3倍といわれます)。
ダイビングを楽しむためにはこうしたマスクが絶対に必要となってくるのです。
マスクの決定的な選び方
違和感のない見え方
本当は水中で試せればいいのですが、店頭ではそうもいきません。各地で開催されている器材モニター会であれば、プールや海で実際に使うことができるので、購入する前にそういったイベントに参加するのが一番ともいえます。
というのも、一見マスクはどれも同じように見えるかもしれませんが、水中では視界が狭くなるために、陸上でのモノの見え方と異なるものがほとんどです。でも、モノによっては陸上とほとんど差異がないものもありますし、上下左右かなり広く見えるものもあります。人によるのでしょうが、筆者は見え過ぎて気持ち悪く感じられる製品も過去に経験したことがあります。ですので、実際に購入する時は必ず顔に着けてみて、視界の確認をすることは重要です。
鼻つまみのしやすさとフィット感
マスクの購入で最も大事なのはフィット感といわれます。
フィット感の確かめ方は、マスクの面を実際に着け、鼻で息を吸い、顔を上下左右に振っても落ちないものといわれてきました。
が、最近のマスクはスカート部の素材やデザインなどメーカーが研究を重ねてきた商品がたくさんあり、吸いつきがとてもいいので、たいていのものは落ちません。
ですので、これをしつつ、ストラップもしっかりはめます。そして、耳ぬきがしやすいかどうか、ノーズポケットをつまんでみたり、鏡で顔にしわが寄ったりしていないかなども確認しましょう。
海外製のブランドのマスクは特に鼻の高い欧米人向けにできていることもあって、つまみにくいものもあるかもしれません。
人の顔は千差万別なので、色やデザインで決めるのももちろん良いですが、できるだけ試着してみしょう。フィット感は今後のダイビングに大きく影響しますので、よく試着して納得いくまで確かめてくださいね。
ただし、お店に展示されているものは商品ですので、お化粧されている方も試着の際は必ず落としてからお願いします。
それと同時に、一眼タイプにするか二眼タイプにするかを決めます。水中での視界はどちらもほとんど変わらないと思っていいでしょう。デザインやカラーは同じメーカーでも当然違います。強いていえば、違いは二眼タイプの場合は近眼補正等のレンズがオプションで付けられることですね。
それと、他人から見た際にマスクフェイスが綺麗に見られているかなど、おしゃれに気をつかうのもマスク選びの楽しいところです。
水中写真撮影派はレンズの色やスカートの色素材もチェック!
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レンズにUV加工をした商品も。写真はさらに低反射加工もなされている
写真/GULL
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フレームやスカート部分がクリアなタイプは光が多く入ってきて被写体が見えにくくなるので、プロのフォトグラファーは光を遮断するブラックシリコンのスカートを好む人が多い
写真/GULL
マスクのタイプは主に2つ
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ガラス面が一つの「一眼」タイプのマスク
Photo by TUSA
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ガラス面が左右2つにある「二眼」タイプのマスク
Photo by GULL
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一見一眼タイプのマスクに見えますが、両サイドにもガラス面があるのでマルチタイプ
Photo by mares
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顔全体をおおうフルフェイスタイプのマスク。レギュレーターで呼吸できるよう口に穴が開いています
Photo by GULL
ところで、ダイビング用のマスクは、ゴーグルが目だけをカバーするのに対して、水中で鼻に水が浸入しないように鼻までを覆う形になっています。スノーケリングの道具として「水中メガネ」と呼ばれたりしますが、メガネとは異なり鼻まで確実にカバーしているためダイバーの間では「マスク」と呼んでいるのです。
マスクのタイプはガラス面が1つの「一眼」、メガネのようにガラス面が2つの「二眼」、さらに上下や左右にもガラス面のある「マルチ」、顔全体を覆う「フルフェイス」の4つのタイプがあります。
ファンダイビングで一般に多くの皆さんが使っているのは一眼と二眼の2つのタイプです。
マスクの部分名称
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写真/2点ともGULL
レンズ
ダイビング用に使われているのは万が一、衝撃で割れても飛び散らない強化ガラス(Tempered Glass)。紫外線をカットするUVプロテクトレンズや、特に透明性が高いガラスが使われているものも。
ストラップ
マスク装着後、顔から外れないように後頭部にかけて使うパーツ。フレーム横に付いているバックルで、長さの調節が可能。ここにカバーを付けて、髪の毛が絡まないようにすることもできます。
スカート
固いフレーム周りにあるソフトな部分。マスクのガラス面と顔を立体的につなぎ、空間を作るとともに浸水しないようシールドする役割があります。長持ちするシリコン製が主流で、カラーはクリア(透明)がスタンダードですがブラックやホワイトもあります。顔に跡がつかないように工夫されたものも。
バックル
ストラップの長さを調整するための部品。ワンタッチで簡単に調節できるよう、各社工夫を凝らしています。
フレーム
ガラスを固定する役割を持つが、少しでも視界が広くとれるよう各社こだわって設計。色やデザインもさまざま。
ノーズポケット
鼻をカバーする部分。マスククリアや耳ぬきのときに鼻をつまみやすいよう、日本人向けに設計されたマスクも少なくありません。
一眼マスクのメリット
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写真/TUSA
ガラス面が一枚で中央にフレームがなく、視界が広く感じられます。顔の表情がよく見えるため、安全面でインストラクターにも人気ですし、お洒落を気にする女性にも人気。ただ二眼に比べて内容積が広く、マスククリアの際に息む量がやや多く必要となります。
二眼マスクのメリット
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写真/GULL
見た目は顔がしまって見えることもあり、こちらのほうが似合うという意見も多数。二眼タイプよりも内容積が小さくマスククリアがしやすいため、初心者にオススメするインストラクターも多いです。また、近視、遠視などで視力補正が必要な方には、矯正レンズ(オプティカルレンズ)と交換したり貼りつけることが可能なので、便利です。
2023年、ダイビングメーカーいち推しのマスクはこれだ!
GULL
MANTIS LVR(マンティスLVR)
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見た目は顔がしまって見えることもあり、一眼タイプよりも似合うという意見も多数。二眼タイプなので内容積が小さくマスククリアがしやすいため、初心者にオススメするインストラクターも多いです。また、近視、遠視などで視力補正が必要な方には、矯正レンズ(オプティカルレンズ)と交換することが可能なので、便利です。
◎カラー/ブラックシリコン:7色、ホワイトシリコン:6色
◎メーカー希望小売価格/税込み23,100円
◎お問い合わせ先/株式会社キヌガワ
TUSA
ParagonS(M1007S)
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3層構造のタフなフレーム、UVとHEV420の有害光線を防ぐミラーレンズ「Paragon(パラゴン)」シリーズに待望の一眼レンズ仕様「ParagonS」が加わっています。「Paragon」でも人気のメタルパーツを採用し、徹底的に細部にわたってデザインされたカッコいいフレームデザインが光っています。
「FitⅡ」技術で強い剛性力のスカートが実現。ストラップの装着角度を5段階に調節が可能なので、ベストな装着位置を確保できる上、ストラップの3D形状のおかげで、すべてにおいてフィット感に優れています。
◎カラー/ブラックシリコン(M1007SQB):8色、ホワイトシリコン(M1007SQW);1色、M1007S Limited Edition:1色
◎メーカー希望小売価格/税込み25,300円(Paragon S LIMITED EDITIONは税込み27,500円)
◎お問い合わせ先/株式会社タバタ
フリーダイヤル:0120-989-023
AQUALUNG
ニーナマスク
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顔の凹凸が比較的少ないアジア人ダイバーに向けたジャパンオリジナルデザインの二眼マスクです。フレームサイズ160×80㎜とコンパクトながら広い視野を実現。またシリコーン製スカートで卓越したフィット感が得られます。衝撃に強いテンパードガラスレンズを使用し、オプチカルレンズ交換(左右別レンズ)が可能です(レンズオーダー度入れ加工対応:別料金)。曇り止めフィルムも付いています。
◎カラー/全14色
◎メーカー希望小売価格/税込み11,000円
◎お問い合わせ先/日本アクアラング株式会社 お問合せフォーム
Bism
MF-VEIL
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「MF-VEIL(MFヴェイル)」は小顔な方に最適な一眼マスクです。Bismオリジナルブレンドシリコーン採用で顔にフィットします。瞳とレンズの距離が近い小容量設計のためマスククリアも容易です。マスクバンドカバー(黒と白のリバーシブル)も標準装備。
◎カラー/5色(パールホワイト完売)
◎メーカー希望小売価格/税込み12,100円
◎お問い合わせ先/株式会社ビーイズム
代表TEL:03-5640-8126
mares
I3 Sunreise(アイスリーサンライズ)
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「アイ3サンライズ」マスクは内容積を最小限に抑え、並み外れた視界の広さを提供する3眼マスクです。広いフロントガラスに加えて、2つのサイドガラスが追加されていることで素晴らしく周囲の視界を確保できます。またシリコンスカートも日本人のために特別に設計されました。
◎カラー/3色
◎メーカー希望小売価格/税込み18,150円
◎お問い合わせ先/HEAD Japan株式会社マレス事業部
購入したらしておくこと
曇りを減らすフィルムが便利
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写真/TUSA
製品によっては曇り止めのフィルムが同梱されているものもありますが、別に購入する方法もあります。その名のとおり曇り止めの効果が抜群です。購入後自分で貼るか、お店で貼ってもらえそうであればお願いするといいでしょう。携帯の保護フィルムを貼るような感じで、空気が入らないようにしてぴったりと貼るのがコツです。
曇り止めを念入りに
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購入後はすぐに曇り止めをしておきましょう。もちろん使用する際は毎回必要です
Photo by Marine Photo Library
購入したてのマスクのガラス面は、油膜が付いているので、買ったらすぐに曇り止めをするのが鉄則です。スカートも一緒にしておくのがオススメです。
メーカーが発売している曇り止めのほか、多くのダイビングインストラクターが使っているのはチューブ型の歯磨きです。油膜を取るという意味では中性洗剤も便利です。これをガラス面とスカートに塗って指の腹で(爪を立てないようにして)全体的にゴシゴシこすり、こすり残しのないようにします。それが終わったら、曇り止めの液や歯磨きなどとともに水槽やバケツなどに水を入れて一晩浸けておくといいでしょう。
その後、乾かしますが、水滴のムラができることもあるので、ガラス面は軟らかい布で拭き取ってから乾かすといいですよ。
また、実際にダイビング行く前の晩にも念入りに曇り止めをして(上記と同様に)おきましょう。
マスクの着け方ワンポイント
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マスク着用の際に、このような形になるようにしてマスクを用意します
Photo by Marine Photo Library
マスクをスムーズにカッコよく着けるコツを覚えておきましょう。
まずマスクを片手に持ちます。ストラップがねじれないようにして垂らし、もう一方の手を下から入れてストラップの後頭部に当たる面に甲を当てます。
このまままずマスクのスカートを顔に当て、ストラップは手のひらをおでこから後頭部に滑らすようにしてかければいいのです。
あとは、マスクの中に髪の毛が入ったりしていないか確認。ストラップの長さを調節して、ダイビングに臨みましょう。
(デスク/後藤ゆかり)