年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

ダイバーが見たい海の世界が集結
生き物いきいき! サンシャイン水族館

ダイバーの見たいが集結 サンシャイン水族館

東京・池袋、地上から約40mにもなるビルの高層階にある《サンシャイン水族館》。屋上では、都会のビル群に囲まれた空を飛んでいるかのようなペンギンに出会えます。他にも工夫を凝らした展示方法や技術がたくさん。生き物が暮らすありのままの環境を再現した展示からは、生き物が本来あるべき姿が伝わってきます。誰よりも海が好きで、海の景色を知っているダイバーだからこそ見るべきな、海中世界に会いに行きましょう。

※2024年3月25日現在の情報です。

サンシャイン水族館は「天空のオアシス」

ペンギンにアシカにアザラシまで! ここは本当に都心なの⁉︎

高層ビル群をバックにいきいきと泳ぐペンギン

高層ビル群をバックにいきいきと泳ぐペンギン

日本初の都市型高層水族館《サンシャイン水族館》。東京・池袋のサンシャインシティ、ワールドインポートマートビルの地上から約40mにもなる高層階にあります。都会のビルの屋上にいるとは思えない空・光・水・緑に満ちた屋外展示空間「マリンガーデン」が広がっています。南国リゾートに来たかのような景色はまさに「天空のオアシス」!
そこではカワウソやペンギン、アシカ、ペリカンなど、こんな都心で出会えるとは思ってもみなかった生き物たちと出会うことができます。

ペンギンが空を飛んでいるかのような展示方法が話題に!

「天空のペンギン」水槽は幅約12m。ペンギンを下からも観察できます

「天空のペンギン」水槽は幅約12m。ペンギンを下からも観察できます

マリンガーデンにある世界初の展示方法「天空のペンギン」水槽では、南アフリカに生息するケープペンギンがお出迎え。目の前ではビルが立ち並ぶ空を飛び交うように泳ぐペンギンの姿が。また、頭上では空を羽ばたくように泳ぐ姿も観察できます。ペンギンが鳥類であったことを思い出す、悠々と泳ぎ回る姿を見ているのは気持ちが良いですよ。
その横には「草原のペンギン」エリアも。野生のケープペンギンが棲む南アフリカ・ケープタウンには砂浜が広がり、近くには草原もあります。そんなありのままの環境をイメージした展示からは、生き物たち本来の暮らしが伝わってきます。

日中のキラキラとした陽射しが降り注ぐなかで観察するのも良いですが、温かなオレンジ色の光に包まれたサンセットタイムの雰囲気の良さはまた格別ですよ。

計算された展示技術の数々

ドーナツ型水槽「サンシャインアクアリング」でアシカを観察するなら昼間を狙いましょう。夕方にはアシカはプールに戻ってしまいます

ドーナツ型水槽「サンシャインアクアリング」でアシカを観察するなら昼間を狙いましょう。夕方にはアシカはプールに戻ってしまいます

同じくマリンガーデンにあるドーナツ型水槽「サンシャインアクアリング」では、かわいらしいアシカの姿も♡ 見上げてみると手を伸ばせば届きそうな距離で、空を飛ぶように泳いでいます。すぐそばのアシカの水槽では、のんびりと過ごすアシカの様子も観察できます。
特徴的な展示技術には、随所にこだわりが詰まっています。例えばこれらの屋外展示では、空を広く見せるために周囲に建つビルの位置が計算された水槽配置がされています。

ダイバーが見たい海の世界を切り取った空間

キラキラに輝く南国の海

高層ビルの10階に約240トンもの水量を誇る大水槽「サンシャインラグーン」

高層ビルの10階に約240トンもの水量を誇る大水槽「サンシャインラグーン」

もちろん、屋内展示も見逃せません。大水槽「サンシャインラグーン」は、南国の海で浅瀬に広がる白い砂地をイメージしてつくられています。約45種1,500点もの生き物が暮らす水槽には、カラフルな魚たちや大きなエイが泳いでいます。見ているだけで南国リゾートでダイビングをしている気分になれますよ!

敷地面積が狭く、水量にも制限があるビルの高層階だということを忘れてしまうような光景ですが、これも高い展示技術が用いられているからこそ。水槽の形や照明の濃淡、光の屈折を利用した視覚効果など、臨場感や奥行き感が出るための工夫が施されています。

無数のクラゲに囲まれて、とっておきのリラックスタイムを

優雅に漂うクラゲを見つめていると、都会の喧騒から離れて心落ち着くひとときを過ごすことができます

優雅に漂うクラゲを見つめていると、都会の喧騒から離れて心落ち着くひとときを過ごすことができます

クラゲを鑑賞する6つの水槽で構成された「海月空感(くらげくうかん)」。そのなかの一つの「クラゲパノラマ」水槽は、日本最大級の横幅を持つ湾曲展示水槽です。水流や照明、音、香りといった空間全体にこだわりが詰まっていて、暗い海の中で無数のクラゲに包まれる没入感を体感できます。

ふわふわと漂うクラゲは見ているだけで癒し効果抜群。あっという間に時間が過ぎていくはずです。ダイビング中にはあまり見ることのない光景だからこそ、《サンシャイン水族館》に見に行きたくなってしまうのです!

水族館の裏側を知ればもっと海・生き物が好きになる!

館内ではさまざまな体験イベントを随時実施しています(有料)。「探検ガイドツアー」では、普段見ることができない水族館のバックヤードを飼育スタッフの解説付きで巡ることができます。「サンシャインラグーン プレミアムエサやり体験」では、自分で選んで混ぜて作ったエサを大水槽の上から魚たちにあげることができます。
水族館の裏側、飼育スタッフの想い、海の生き物についての豆知識を知ると、これまでとは違った角度からダイビングを見ることができるはず。もっとダイビングが楽しくなります!

開催日時等の詳細情報は水族館公式ホームページをご確認ください。

生き物たちがいきいきと暮らせるように

海がない都心にある水族館だからこその工夫

生き物たちがいきいきと暮らす姿を見ていると、なんだかパワーが湧いてきます

生き物たちがいきいきと暮らす姿を見ていると、なんだかパワーが湧いてきます

ビルの高層階にある《サンシャイン水族館》。水槽の中の海水はどこから来ていると思いますか? なんとほぼ毎日、伊豆諸島の八丈島近海から海水が運ばれて来ているのです。海水は地下の貯水槽に蓄えられ、屋上にポンプで運ばれます。その後、海水のろ過装置や生き物ごとに水温調節をする熱交換器などを経て、水族館内の水槽へ行き渡ります。非常に大掛かりですが、このおかげで都心の水族館が実現しているのですね。

スタッフの生き物たちへの愛情もたっぷり

1日に作るエサの量はなんと、約100キロにもなります!

1日に作るエサの量はなんと、約100キロにもなります!

《サンシャイン水族館》で使用しているエサの種類は約70種。生き物の状態を考慮しながら不足しがちなビタミンやカルシウムのバランス調整や、配食の組み合わせを変えています。エサの大きさも生き物それぞれの口の大きさに合わせて調餌しているという細やかさ。生き物たちが自然界と同じように元気に暮らせる工夫や努力がされています。

日本初や世界初の試みがたくさん!

各自お気に入りの水槽の前で就寝できる「夜の探検隊」。子どもたちから大人気のイベントでした

各自お気に入りの水槽の前で就寝できる「夜の探検隊」。子どもたちから大人気のイベントでした

《サンシャイン水族館》がこれまで行なってきた企画や展示には、日本初のものがたくさんあります。1993年に飼育スタッフの発案で始まった、水族館に泊まって夜の生態活動を観察する「夜の探検隊」もその一つ。また、2013年にサービスを開始したARアプリを用いたナビゲーションシステム「ペンギンナビ」は世界初の企画でした。2013年6月に開催されたカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルの2部門で銀賞・銅賞を受賞しています。

ずっと見ていても飽きない表情、動きをするチンアナゴ

ずっと見ていても飽きない表情、動きをするチンアナゴ

「流氷の天使」と呼ばれるクリオネ

「流氷の天使」と呼ばれるクリオネ

生物の展示では、1979年のガーデンイール(チンアナゴ)の展示、1987年のパンダイルカ(イロワケイルカ)の展示が日本初。1994年にクリオネを特別公開し、日本で初めてのクリオネの補食シーン「バッカルコーン」の動画撮影に成功しました。最近では深海のアイドル、メンダコの国内最長展示期間を更新しました。
常に進化を続け、私たちのココロを動かしてくれる発見がある《サンシャイン水族館》から今後も目が離せませんね!

※夜の探検隊は現在実施しておりません。
※ペンギンナビはサービスを終了しています。
※パンダイルカ、メンダコは現在展示していません。
※時期により展示生物が変更となる可能性がございます。

サンゴ礁を守るためのプロジェクトの実施

サンゴプロジェクトとは?

沖縄の海に広がる美しいサンゴ礁 photo by Marine Photo Library

沖縄の海に広がる美しいサンゴ礁 photo by Marine Photo Library

サンゴ礁は美しいだけでなく、自然や人にたくさんの恩恵を与えてくれています。しかし近年、温暖化や環境汚染などさまざまな影響によりサンゴ礁は減少しています。

《サンシャイン水族館》では沖縄県恩納村の協力のもと、2006年から「サンゴプロジェクト」を実施して、サンゴ礁再生のための活動を行なっています。サンゴの展示やイベントを通して沖縄やサンゴに興味を持ってもらうことが、「サンゴ礁の抱えている問題を解決する一歩」になると考えています。

恩納村と手を取り合い活動を続ける

サンゴが産卵するタイミングはかなり限られていることもあり、その様子はとても神秘的

サンゴが産卵するタイミングはかなり限られていることもあり、その様子はとても神秘的

恩納村の海域での活動の様子

恩納村の海域での活動の様子

《サンシャイン水族館》の水槽で育て、殖やしたサンゴを沖縄の海へ還す「サンゴ返還プロジェクト」と、沖縄の海で育てたサンゴを産卵により殖やす「サンゴ礁再生プロジェクト」。2つの活動を軸に、その現状や成果を報告しています。

「サンゴ礁の再生~恩納村の海から~」水槽

「サンゴ礁の再生~恩納村の海から~」水槽

《サンシャイン水族館》ではサンゴプロジェクトの始動時以来、恩納村産サンゴの常設展示・飼育をしています。これは、恩納村産サンゴのDNAを保管する役割も担っています。また、多くの方にサンゴやサンゴが多く生息する沖縄に興味を持っていただくきっかけとして《サンシャイン水族館》のあるサンシャインシティで、沖縄県にスポットを当てたイベント「沖縄めんそーれフェスタ」を2009年から開催しています。
失われつつあるサンゴ礁の再生を願って、引き続きサンシャイン水族館ではサンゴプロジェクトを推進していきます。

サンシャイン水族館のサンゴプロジェクトについてはこちら≫

写真提供・取材協力/サンシャイン水族館
ライター/新井夏