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地球の海フォトコンテスト2021
ネイチャー・環境部門 上位入賞作品

グランプリ

錦上に花々を添える

錦上に花々を添える

西原 憲一/大阪府

ニコンD850 AF-Sフィッシュアイニッコール8-15mmf/3.5-4.5E アンティス Z-330 f5.6 1/200秒  ISO160 沖縄県・石垣島 -15㍍ 2020年9月5日

西原 憲一/大阪府マクロ好きがワイド撮影の実績も積んでいこうと考え始めたばかりの拙作です。天気、海況、透明度において好条件が重なったおかげで、白化中にもかかわらず驚異的な色彩を放つサンゴの存在感を露出できました。美しくもあり悲しくもあるサンゴたちからのサインを、グランプリ受賞という最高の機会で多くの方々に伝えることができるのは本当に光栄です。ありがとうございました。

審査員作品評

福永友保

皆さんがよく見られている被写体なんだけど、こんなに素晴らしいサンゴがあるのですね。われわれの知らない生態が見られるのは素晴らしいことです。

窪寺恒己

なんといってもコーラルの色。いろいろな色が出ていて。私も若い頃よく潜っていたんですけど、こんなにきれいなコーラルを見たことがない。まだ日本にもこんなにきれいなサンゴが残っているんだ!という奇跡に近いということで、重要な写真なんだと思います。

瀬能 宏

率直にきれいだなと思いました。きれいだというか、色とりどりという言い方を一般的にはしますよね。イコール生物多様性。環境の劣化あるいは水温上昇、白化などが問題視されていますが、こういう状況の中でもこれだけ色とりどりのサンゴが息づいているということは、多様性を象徴していますし、インパクトのある写真です。とってもいいんじゃないかと思います。閉塞している世の中を明るくするような(笑)。ネイチャー・環境部門を象徴するような写真でもあるので、悪いところばかりでなくいいところを写真を通じて皆さんに通じてもらうのは必要なことだと思います。

木村麻里子

すごい色……本当にきれいですよね、サンゴ。2016年に世界中でサンゴの白化が起きたのですが、こんなにきれいなサンゴが今もあるということはいいことですよね。フィッシュアイレンズで撮影していて、サンゴ礁をすみかにしている魚が映っているのもいいですね。サンゴを取り巻く生態系が構成されていることがわかります。何よりもこういうシーンを自分の目で見てみたいなと思いました。

準グランプリ

DINOSAUR

DINOSAUR

大平 実/東京都

オリンパスOM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED8mmf1.8FisheyePRO PT-EP14 UFL-3 f8 1/250秒 ISO200
沖縄県・ナガンヌ島 -10㍍
2019年11月10日

大平 実/東京都タイマイがカメラに噛みついた瞬間の写真です。隣で目撃したガイドさんによると、噛みついた時タイマイの口がドームポートのアーチに沿って滑っていたよ、とのことで、非常に希な機会を形にできたとホッとしています。なお、この後ドームポートに傷はないかと何度となく確認してしまいました(無事でした)。

審査員作品評

瀬能 宏

カメはお友達みたいにいいイメージとして皆さんにとらえられていますし、種としても保護動物とか絶滅危惧種になっていたりとか捕獲などが問題になっていますよね。でも一方で、カメが増え過ぎて西表島などでは海草が生えているところが壊滅状態なんです。柵を作ってカメが入って来ないようにするとか、増えすぎた分を駆除するとか、そういった議論があるのですけれども、動物愛護の観点から難しい側面もあります。背景にそういう事情があることはさておきカメの凶暴な一側面をうまくとらえている写真だと思います。写真としてもいいし、そういうタイムリーさもあり、すごくいい写真だと思います。

木村麻里子

私もこの作品を選びました。悪者というか、海草などを食べ尽くしてしまうという害について初めて聞いたのですが、確かにこの写真のカメはテレビや写真で見ているものとまた違う印象だなと思って。私は結構タイトルとセットで作品を見て「ダイナソー」ということで、確かに、獰猛な恐竜っぽさを感じました。カメも爬虫類だからなと思いました。このアングルで、こんな大口を開けているカメを見たことがありません。胃の中まで見えそう。どういう気持ちで向かってきたかはわからないのですが、願わくばファンタジー的にじゃれついているような感じなのかもとも思っています。迫力ありますよね。インパクトがあります。

第3位

季節限定、一糸乱れぬ華麗な舞

季節限定、一糸乱れぬ華麗な舞

安藤 光代/東京都

ニコンD7200 AF DXフィッシュアイニッコール10.5mmf/2.8G アンティス Z-330 f8 1/200秒 ISO400 パラオ -20㍍ 2020年2月

安藤 光代/東京都パラオの乾季の風物詩ともいわれるツノダシの群れ。普段群れない魚の群れに出会えるだけでもラッキーですが、群れの規模はさまざまなので、運良くその大群に出会えた時には本当に感動! 青い海に映える三色の大集団が一斉に向きを変えるシンクロした動きは、まさに華麗な舞でした。そんな美しさと躍動感を表現したい、伝えたいと思って撮った写真です。パラオの《ブルーマーリン》のスタッフの皆さんと一緒にまたこんな素敵な海を満喫できる日が早く戻ってきますように……。

審査員作品評

窪寺恒己

写真を見たときにああ、すごいなと思いました。バックの青い海に黒と黄色のストライプ。これが自分のところに来るんじゃなくてちょっと斜めに泳いでくる。写真として素晴らしいなと。聞くとツノダシってこんなふうに群れるのは年に1回、あるいは産卵期の行動ということで、チャンスをとらえたいい写真だと思います。

優秀賞

最終選考まで残った作品に授与されます

薄暮に集う

環境大臣賞/優秀賞
薄暮に集う

松尾 怜/和歌山県

オリンパスOM-D E-M1 MarkⅡ LUMIX G FISHEYE 8mmf3.5 PT-EP14 D-2000+D-200 f8 1/50秒 ISO1600 三重県・銚子川 -0.3㍍ 2020年12月12日

このたびは素晴らしい賞を頂き、驚くとともに大変うれしく思います。この作品の被写体であるアユは秋から冬の夕方、下流域の早瀬に産卵のため集まります。薄暮時のいわゆる”マジックアワー”を水中写真に取り入れたいというアイデアは以前から温めており、今回、夕方に産卵するアユの生態ともマッチする形で表現できたのではないかと思います。

審査員作品評

福永友保

遠くに山脈を見て、画面の右隅に夕暮れの残っている時間帯……。大自然の中に自分がいるという感じを写真を見る人に実感させる、計画的に全体を作り上げた、素晴らしい作品だと思いました。

木村麻里子

バックが山というのは珍しいですよね。半水面の写真は今までもありましたが、山並みがあるのは初めてですし、川もきれいに映っています。環境省的にいうと森・里・川・海なんですが(笑)。陸上の生態系は海に至るまですべてつながっていて、陸上のものが流れ流れて海に流れていくものなので、一つだけを見るのではなくて、すべてつながっているものとして大切にしていこうと。環境省的には森・里・川・海がつながっている、そういうことを考えさせられるいい写真だと思いました。

日差しの中で

日差しの中で

河田 啓奨/沖縄県

ニコンD750 AF-Sフィッシュアイニッコール8-15mmf/3.5-4.5E ネクサスD750 自然光 f8 1/400秒 ISO800 沖縄県・石垣島 -2㍍ 2021年1月13日

審査員作品評

瀬能 宏

これは構図的におもしろいなと思って。あと水面から見下ろして撮っているのと、カメとマンタが同時に写っていて、タイミング的にいいな、写真としても構図がいいなと思いました。ツーショットという意味でも珍しい状況ではないでしょうか。

木村麻里子

妙に印象に残っている写真です。放射状に光が被写体に向かっているのもあいまって、際立っています。

せいくらべ

せいくらべ

木元 伸彦/東京都

ソニーα7RⅢ SEL30M35 ノーティカムA7RⅢ Z-330 f8 1/200秒 ISO200 静岡県・大瀬崎 水面下 2020年12月9日

審査員作品評

瀬能 宏

葉っぱが水面に映っているので、水面下で撮っているのですね。リュウグウノツカイの写真はこの年末から年明けにかけて大瀬崎などでブームになっていて、みんなが撮影しているのですが、大きさや泳ぐ姿勢が読み取れるような写真があまりないのです。ストロボを当ててパッと撮っちゃうと背景が真っ黒な中に写真だけになってしまって、しかもどちらが上でどっちが下かわからなくなっちゃうし、正確にはわかりづらい。でもこの写真は水面が写っていることで、リュウグウノツカイがどういう角度か泳いでいるかが明確にわかりますし、葉っぱが浮かんでいることで大きさがわかって、小さいリュウグウなんだってことがよくわかります。それから尾ビレと背ビレとが糸みたいに引いているというのはクラゲの擬態だといわれているのですが、1枚の写真でリュウグウノツカイの生態がいろいろ読み取れる写真なので、ネイチャー部門としては整っています。

生命(いのち)のスタート

生命(いのち)のスタート

小谷 明日香/沖縄県

ニコンD850 沖縄県・沖縄本島・恩納村

審査員作品評

窪寺恒己

これはダンゴイカの仲間なんですけど、交接中です。沖縄で撮られたということなのですが、種類まではわからないのですけれど、このバナナの房みたいに見えているのは精子が入っている精莢(せいきょう)というもので、これをメスに渡そうとしている非常に珍しい写真です。ダンゴイカの仲間の生態写真として、私としては一押しです。こんな大きな精莢嚢を持っているのかと驚きです。イカの場合、小さな精莢があって、後ろに精莢嚢を持っているんですけど、拡大して見たしたところ、バネのような螺旋状になっていますから間違いない。ピントがバシッと決まっていて、やっぱりグランプリものです。

捕食

捕食

米本 俊一/東京都

ニコンD850 AF-S VRマイクロニッコール105mmf/2.8G ネクサス N FX D850 Z-330 f4.5 1/250秒 ISO100 沖縄県 -10㍍ 2020年8月10日

審査員作品評

瀬能 宏

ウミウシの仲間が魚の目の前にあって、食べる瞬間なのか、吐き出したか、この写真からはわからないんですけれど、撮影者のコメントによって口から吐き出した写真であることがわかりました。その説明があることで、ウミウシの仲間が餌にならない、毒を持っているっていうことがわかります。瞬間をとらえるということ自体も技術的に難しい。よほどうまくタイミングが合わないと。ロクセンスズメダイなので、水面近くを泳いでいるわけじゃないですか。波当たりが強く、まったく足場がないところで中性浮力をとりながら撮影された写真で、僕としては順位がもっと上にいくと思っていましたけど(笑)。

エリア賞

特にダイバーに人気の高いエリアで撮影された作品が対象。今回は伊豆諸島賞をネイチャー・環境部門の作品が受賞。

夏の御蔵島

伊豆諸島賞
夏の御蔵島

川野 敬彦/千葉県

ニコンD850 フィッシュアイレンズ アンティス f11 1/320秒 ISO1100 東京都・御蔵島 -5㍍ 2020年8月16日

イルカは気持ち良さそうに光のカーテンの中を泳いでいました。

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