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【短期連載】
水中ライトでダイビングも水中写真も10倍楽しい!
第2回:水中ライトで楽しむマクロ撮影!

水中ライトでダイビングも水中写真も10倍楽しい!

水中ライトで照らされた色鮮やかな海を見て、感動した人は多いと思います。マリンダイビングWEBでは「水中ライトを使うとダイビングがもっと楽しくなる!」をテーマに、光の基礎知識や水中撮影のポイントを特集する、第2回目。
海の中は実はとってもカラフル! 水中ライトの光をあてると、驚くほど美しい世界が広がります。今回はマクロ撮影でのライトの効果的な使い方をお伝えします。

※2024年12月の情報です。

1.ライト撮影のススメ

ライトのみで撮影したカクレクマノミとイソギンチャク。幻想的な色彩に。

ライトのみで撮影したカクレクマノミとイソギンチャク。幻想的な色彩に。

水中では、水深が深くなるにつれ赤い色から失われていきます。そのため、肉眼で見ると青被りして、「写真やテレビで見る水中映像とは、イメージが違うな。」と思ったことがあるダイバーは多いと思います。目の前の光景から青被りを取り除き、本来の色彩を見るにはライトの使用がおすすめです。特に写真や動画を撮る際には、ライトの光を使うと仕上がりが格段に良くなります! 水中ライトブランド《RGBlue》のメーカー 《株式会社エーオーアイ・ジャパン》にご協力いただき、水中での光についてお話ししていきます! 水中で光を使いこなして、素敵な作品を撮影しましょう。

2.ライトを使った撮影方法

ライトを使った撮影方法

ライトは手軽に狙ったところを照らすことができるので、写真や映像を始めたばかりの人にも使いやすいアイテムです。一方で「ストロボで撮るのとあまり変わらない気がする。」「ライトを当てると生きものが逃げてしまうから、難しい。」という声も。今回は効果的なライトの使い方を、RGblueのライトを使った作例を交えてお伝えします。

(1)光を正面から当てる

(1)光を正面から当てる

一番オーソドックスな使い方です。特にマクロ撮影では画面全体がカラフルになり、可愛い写真に仕上げることができます。ストロボよりも柔らかい光なので、ふんわり優しい作品に仕上げたい時に特におすすめです。撮りたい被写体に光を当ててから撮影を始めるので、小さな生きものも見失いにくいです。

(2)光量を下げて、青みを残す

(2)光量を下げて、青みを残す

ライトは光量の調整がしやすいので、わざと弱くして青被りを残すこともできます。水の青みを残して撮ると、海らしさが出ます。

(3)被写体を後ろから照らす

(3)被写体を後ろから照らす

被写体の後ろから光を当てることで、シルエットのように撮ることができたり、透け感を強調して撮ったりすることができます。近くの岩などに立てかける、トライポッドを使うなど、設置場所の自由度が高いのもライトの魅力です。

(4)光を横や斜め上から当てる

(4)光を斜めから当てる

「光と影」を強調したい時は、斜めから照らすのも効果的です。この写真はラッパウニの放精放卵というちょっと特殊な環境ですが、もやもやした煙のようなものを立たせた作品にするために、ライトをやや斜めから当てています。

(5)ストロボと併用する

(5)ストロボと併用する

手前のオルトマンワラエビにはストロボの光を弱く当て、背景にあるオレンジのイソギンチャクはトライポッドにつけたライトでライティングしています。光が当たっていないハエモノがシルエットのようになり、不思議な雰囲気の作品に仕上がりました。

3.ライト撮影におすすめの生物と撮影のポイント

作品を美しく仕上げてくれるライト。生きものや環境に合わせた使い方のポイントをご紹介します!

おすすめの生きもの①:ウミウシ

おすすめの生きもの①:ウミウシ

「海の宝石」と言われるうみうしは、とってもカラフル。動きもゆっくりなので、ライトでの撮影もしやすいです。強い光を当てると嫌がって逃げてしまうので、優しくそっと照らすようにしましょう。

おすすめの生きもの②:卵

おすすめの生きもの②:卵

柔らかいライトの光を当てることで、質感を出しながら卵の反射を抑えて撮ることができます。卵のツヤ感やキラキラ感が出ますね。

おすすめの生きもの③:はえもの(イソギンチャクや海藻など)

おすすめの生きもの③:はえもの(イソギンチャクや海藻など)

魚のように動き回らないので、どんなライティングにするか、じっくり考えながら撮ることができます。ライトの位置を変えるだけでなく、思い切ってスローシャッターに挑戦するのもおすすめです。

番外編:赤ライト

生きものの繁殖行動を観察する時には、赤ライトがマスト。海の生きものたちにはライトの赤い光は認識されにくいので、光を当てた時のストレスを軽減し、自然な姿を観察することができます。RGblueのライトには、オプションアイテムで赤色のフィルターがあるので、生態観察に興味のある人は使ってみてくださいね。

イシガニの仔魚放出のシーン。赤ライトを点けて観察し、その瞬間を待ちました。

イシガニの仔魚放出のシーン。赤ライトを点けて観察し、その瞬間を待ちました。

通常のライトでは目が細くなってしまうタコ。弱く赤ライトを当てて撮ると、実は大きく丸い目をしていることがわかります。

通常のライトでは目が細くなってしまうタコ。弱く赤ライトを当てて撮ると、実は大きく丸い目をしていることがわかります。

4.まとめ

今回はライト撮影の魅力やポイントについてお伝えしました。水が澄み、透明度も上がってくるこれからの季節はライトでの撮影に特にオススメ。水中ライトを使うと、写真撮影の幅がぐっと広がります! ライティングを工夫することで、オリジナリティのある作品を撮ることができるので、ライト撮影にぜひ挑戦して見てください。特にRGBlueのスーパーナチュラルカラーは自然光に極めて近く、色の再現性が高いのでおすすめです。前回の記事では、ライトの機材の種類について詳しく特集しているので、そちらもぜひ読んでみてくださいね。

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協力/株式会社エーオーアイ・ジャパン
ライター/斉藤利奈(文・写真)