メキシコ(カンクン&コスメル&イスラ・ムヘーレス)特集
メキシコ リビエラ・マヤ
2015年9月24日に発売された『La SCUBA』秋号の巻頭を飾っているメキシコ。
アメリカの南に隣接するこの大国は東にカリブ海とメキシコ湾、西に太平洋、そして中央には2000~3000m級の高地がそびえる大自然の国。
今回は、バショウカジキ、ジンベエザメの基地にもなっているエリアのひとつ、リビエラ・マヤをご紹介!
ユカタン半島東海岸の驚異の自然
リビエラ・マヤ
Riviera Maya
ユカタン半島といえば、メキシコ最大級のリゾート地、カンクンで有名だが、カンクンの南から世界遺産にも登録されているシアン・カーン辺りまでを1999年、「リビエラ・マヤ」と命名。新たな観光地として開発が行なわれてきたところだ。
カンクンからも行けるセノーテダイビング。リビエラ・マヤ地区にいくつもセノーテがあるので、アクセスがしやすいのも魅力。写真は一番人気の「グラン・セノーテ」
泊まる
バンヤンツリー・マヤコバ
Banyan Tree Mayakoba
リビエラ・マヤ内の最高級リゾート地、マヤコバ内にあるラグジュアリーホテル。
カンクン空港から車で約35分、カリブ海に面していながら敷地内にはジャングルあり、水路あり、インターナショナルな大会も開かれるゴルフ場にも面している、一大リゾートで、リゾート内はカートなしには移動できないほど。
それでいて客室はわずか117。どれもがラグジュアリーで、1ベッドルームの部屋以外にも、2ベッドルーム、3ベッドルームがあってカップルだけでなく、家族や友人同士で宿泊するのにもぴったりだ。
取材班はビーチフロントの3ベッドルームを希望したが、予約が入っていてNGということで、空きのある時間帯に撮影したのみ。キッチンもあって、3室とも海が見える配置になっており、我が家より広いバスルームもあったりして、本当に贅沢。
だが、取材班にも3ベッドルームのゴルフ場に面した“3-bedroom Golf View Residence”を提供していただけた。これがまたゴージャスで、屋上に部屋専用のプールあり、広~いリビングにキッチン、マスタールームには眺めのいいジャクジーバスありと、超ラグジュアリー。
考えてみれば取材班、部屋にいるのは寝る時だけ。それはもったいない!とくたくたになっているモデルさんやカメラマンを置いて、夜中に屋上に出て泳いだり、プール(お湯みたい)に浸かりながらセルベッサ(ビール)を飲んだりと、ちょっとの間のリゾート気分を味わったのだった。
しかも頭上には満天の星。ユカタン半島はメキシコの中でも湿度は高いエリアだと思うが、それでもスッコーンと抜けた空だけに、星もキレイだった~!
3-bedroom Ocean Pool Villaの2棟あるうちの1棟(ベッドルームが1階と2階にある)
3-bedroom Ocean Pool Villaの2階のベッドルーム
3-bedroom Ocean Pool Villaからはビーチ、そしてカリブ海を望む
こちらは取材班が泊まった3-bedroom Golf View Residenceの屋上にあるプライベートな空間。プールも長さ10mぐらいある気分
バンヤンツリー・マヤコバだけでも
十分楽しい
広大な敷地に広がるリゾートだけに、客室もずっとそこにいたくなるようなたたずまいだが、リゾート内にはお楽しみの施設もいっぱい。
自然を生かしてのボートクルーズでは、マングローブの木々の間にさまざまな野生の鳥がいたり、大小のイグアナがいたりと、これまたたまらない。
さらにおいしい料理を提供してくれるレストランもいろいろ。
《バンヤンツリー・マヤコバ》から一歩も出ずにのんびりと日々を過ごすゲストもいるというのも納得だ。
マングローブの間をくねくねと連なる水路を利用して、ボートクルーズも開催されている。クルーズ中、熱帯の植物を見られるほか、バードウオッチングやイグアナウオッチングも楽しめる
あちこちに普通にいるイグアナ
海辺に立つレストラン「Sands」。タコスやアボカド料理などメキシカンフードやハンバーガーなどの軽食が食べられる
《バンヤンツリー》のシグニチャーレストラン「Saffron」(サフラン)。
その名のとおりサフランを利かせたシーフードピラフをはじめ、決して辛すぎない、おいしいタイ料理をたんといただける
こちらはチェックインの際にいただいたウエルカムドリンク。シーズンによって異なるのだろうが、ミント、キュウリなどナチュラルな野菜やハーブ、ハチミツを使った、暑~い気候にピッタリの爽やかテイスト。お替りしたくなった
中心地プラヤ・デル・カルメンにもアコモデーションあり!
リビエラ・マヤの中心地は、コスメル島への定期フェリーの発着地でもある街、プラヤ・デル・カルメン(Playa del Carmen)。
ローカルな雰囲気もありつつ、観光客向けのレストランやお土産店の並ぶストリート(5番街)もある、そして海辺にはビーチも広がる魅力的な街だ。
ここにはビーチリゾートホテルからちょっとしたゲストハウスまでアコモデーションがいろいろ。
日中は遊びまくって、アフターはグルメ&ショッピングを楽しみたい!というアクティブ派にオススメのエリアだ。
街のド真ん中にある《Hotel Lunata》はカメラマンの石川肇もオススメの、雰囲気のあるシティホテル
《Hotel Lunata》の入り口から中庭へ行こうとしたら、かわいい番頭さんがお出迎え
ダイビング
やっぱりセノーテでダイビング♪
リビエラ・マヤのあるユカタン半島は石灰岩から成る大地。
とてつもなく長い年月をかけて浸透した雨水が地下水系を形成し、さらに陥没した穴が洞窟(セノーテ)を形成。ユカタン半島にはそんなセノーテが5000ぐらいあり、リビエラ・マヤにも数百ものセノーテがあるといわれる。
中でも総延長約153kmにも及ぶサック・アクツン水系には「グラン・セノーテ」をはじめとするダイビングスポットがいくつか開拓されている。
リビエラ・マヤを訪れるからには、セノーテで潜らない手はない。
グラン・セノーテ
Grand Cenote グラン・セノーテ
海岸線に遺跡があることで有名なトゥルムの北西約4kmに位置する、人気No.1のセノーテ。
プラヤ・デル・カルメンから車で1時間程度と近く、スノーケリングでも楽しめるため、たくさんの人が集まっている。
どこまでも見渡せる透明度の高い水、天井から垂れ込める鍾乳石、そして神秘的な光の束が幻想的な世界へといざなってくれる。
ダイビング器材を背負って、奥の入り口へと向かう石川カメラマン
水底も透けて見えるEN/EX口
淡水にすむアカミミガメ(Trachemys scripta)
チャック・モール Chac-Mool
プラヤ・デル・カルメンから車で10分ほど。とても近いながらも、その美しさではリビエラ・マヤでも随一のセノーテ。
2つの大きなドームでは、光のカーテン、エアドームと神秘的な世界を堪能できる。
また海水と淡水が混ざり合う“ハロクライン”現象が見られるところもある。
最大水深12mと、ビギナーからでも楽しめる。スノーケリング可能。
ドス・オホス Dos Ojos
プラヤ・デル・カルメンの南約48km、シェルハの南約1kmに位置する、ここも有名なセノーテ。
「2つの目」を意味するスポット名で、確かに「目」のように丸く開いた2つの穴が陸上から見られる。
水中では光が射し込む神秘的な景観や鍾乳石が垂れ込める不思議な景観が楽しめる。進行方向だけでなく、時々後ろを振り返ってみるといい。
また、西側には「バットケーブ」と呼ばれる、エアドームのあるエリアもあり、コース取りはいろいろ。水深は浅く、ビギナーでも楽しめる。スノーケラーもOK。
プラヤ・デル・カルメン沿岸でリーフダイブ
プラヤ・デル・カルメンの沖は、ベリーズ方面まで連なる世界第2といわれる広大なサンゴ礁が広がっている。500種以上の魚、350種以上の甲殻類などが生息する海の楽園である。
ボートで25分以内に20カ所以上のダイビングスポットがあり、ウミガメをはじめ、さまざまなカリブ海の固有種なども楽しめる。沈船スポットもあるのでバリエーションたっぷり。
基本的に午前2ダイブまたは午後2ダイブのいずれかの半日ツアーに参加して、半日はのんびりくつろいだり、街で遊んだりすることができる。
コスメルダイビングも射程距離
リビエラ・マヤの中心地、プラヤ・デル・カルメンのすぐ沖に浮かぶコスメル島へのダイビングツアーも開催されている。
フェリーで島に渡り、そこで2ダイブする日帰りツアーとなる。
透明度の良さ、カリブ海ならではの固有種ウオッチング、意外に多い魚影に満足のいくダイビングが味わえるはず。
プラヤ・デル・カルメンのダイビングサービス
日本からのダイビングツアーに参加するのがラクチンだが、個人手配で潜りに行くことも可能。
たくさんのダイビングサービスやショップが街の中に点在していて、飛び込みで申し込む客も少なくないとか。日本人ガイドのいるサービスもあるので、心強い。
DIVE MIKE ダイブ・マイク
プラヤ・デル・カルメンの中心地「5番街」にほど近いダイビングサービス。
親日的なガイドがていねいに案内してくれる。
http://www.divemike.com/dm/
Yukatek Divers ユカテックダイバーズ
PADI5スターゴールドパームリゾートでテクニカルダイビングも開催している本格的な店。
街の中心地にありアクセスもラクチン。
http://www.yucatek-divers.com/english.html
Iguana Divers イグアナダイバーズ
ラパスやカンクン、モルディブなどでガイドとして活躍していた松永達也さんが2015年4月にオープンさせたダイビングサービス。
プラヤ・デル・カルメン、コスメル、セノーテのほか、カンクン方面のダイビングもアレンジ可。
http://www.iguana-divers.com/
遊ぶ
海だと思ったら、偉大なる淡水のラグーン!
世界遺産シアン・カーン
プラヤ・デル・カルメンから車で南へ約2時間、5,290km²もの広大なエリアに広がる湿地帯。
その貴重な自然からユネスコの生物圏保護域に指定され、さらに1987年にはメキシコ初の世界自然遺産に登録されている場所。
「シアン・カーン(Sian Ka’an)」とは古代キチェーマヤ族の言葉で“天空の根源(Puerta de entrada al Sitio Donde Nace el Cielo)”という意味で、地図の写真の矢印のところにあるラグーナ(Laguna Muyil)からボートに乗り、葦の茂る細い水路を通って、Laguna Churry a xcheへ(このとき筆者は海に出たのかと思ったのだが、違った)。さらにマングローブや葦の茂る水路を通って、海岸線に沿って広がるラグーナへ。
ここでライフジャケットを着け(この場合、ライフジャケットを履く感じ)、水路をドリフトするのが面白い。シアン・カーン内にはワニやジャガーがいるけれど、この水路にはいないのでご安心を。
ほかにも、トレッキングして自然観察するコースもある。
シアン・カーンの案内板
こんな水路をドリフトして楽しむことができる
ドリフトの後はボードウォークをしながら船着き場に戻るのだ
一日いても足りないほど見どころいっぱい!
シカレ海洋公園
プラヤ・デル・カルメンから車で30分もかからないながらも、広大な敷地内にできたテーマパーク。スノーケリングや海水浴も楽しめる上、メキシコの歴史を知るホースライドショーやシアターでのショー、メキシコにすむ動物が点在するエリアなど、子どもから大人まで遊べるエンターテインメントがいっぱい!
サッカーの根源といわれる“火の玉”ゲーム。古代マヤの人たちが楽しんでいたといわれる
メキシコの各地方の伝統衣装や歌、踊りが楽しめるショーも
海辺にたたずむマヤの遺跡
トゥルム遺跡
1984年の米映画『カリブの熱い夜』の舞台となり、当時非常に話題となったのだが、カリブ海に面した珍しい遺跡として、人気の観光地となっている。
マヤ文明は紀元前3000年頃から栄えていたが、このトゥルムは紀元後1000~1500年頃に栄えていた地で、スペイン人がトゥルムを発見してここに文明があることを知った、非常に重要な地ともいわれる。
広大な敷地内には宮殿や神殿などさまざまな構造物があるので、ガイド付きのツアーで訪れたい。
海を臨む高台に立つ“風の神殿”
海をバックに立つ、トゥルム最大の建物“中央神殿”
トゥルム遺跡のほぼ中央にたたずむ大宮殿(柱の家)
プラヤ・デル・カルメンの街歩き
カンクンほど都会ではないが、歩いて回れるほどよい大きさが魅力の海辺の街、プラヤ・デル・カルメン。リビエラ・マヤの中心地となっている。
海岸と平行して南北に連なる「5th Avenue」が街歩きにオススメのストリート。両脇にお土産店や飲食店がズラリと並んでいて、水着やリゾートウエアを現地調達するにもちょうどいい。
5番街にはブティックが集まるショッピングセンターもいくつかある
5番街の南区の真ん中辺りにある、海に面した公園。以前来たときにはなかった人魚の像が!
公園の隣には真っ白な教会が
足をクリーニングしてくれるお魚が水槽内に! ユニークなお店がいっぱい
大きなヒップがイスのバー(ここは《Fat Tuseday》という人気店)
さまざまなテキーラを置いている店も。試飲もさせてくれる
南北に連なる5番街。東西に走る道との交差点ごとにこんなカワイイ標識があるので、今いる場所がわかるようになっている
公園には屋台がいくつか出ている。マンゴーやスイカ、オレンジといったフルーツはめちゃくちゃオススメ。チリパウダーをかけていただくのがメキシコ流
マリアッチをはじめ、音楽を奏でる“流しの”ミュージシャンがここそこに
ブランコがイスというバーや
お土産の定番、テキーラのチョコ。人気のテキーラ「Jose Cuervo(ホセ・クエルボ)」入りのチョコは特にオススメ。お土産店で買える
街角のレストランはたいていオープンエア。流行っている店はいつも混み合っている
海に近いので、水着で海から上がってくる人たちも
食べる&飲む
定番メキシコ料理から
流行りのアンガスビーフまでさまざま
日本料理もユネスコの世界文化遺産に登録されたが、それより一足早く登録されたのがメキシコ料理。私たちがメキシコ料理というと「タコス」「超辛いハラペーニョ」をイメージしてしまいがちだが、野菜や果物、魚介類や肉類など日本に比べてはるかに豊富な食材を使ったさまざまな料理があり、リビエラ・マヤでも店選びに困るほどたくさんの飲食店がある。
マヤコバ内のリゾートにもたくさんのラグジュアリーでおいしいレストランがあるが、ここではプラヤ・デル・カルメンの店をいくつかご紹介!
SUR STEAK HOUSE
スール・ステーキハウス
メキシコではアルゼンチン産のお肉、アンガスビーフを出す店が大流行中。
ここプラヤ・デル・カルメンでも新しくできたのが店がまえもオシャレな「スール・ステーキハウス」。
ジューシーでおいしいお肉を食べるなら間違いなし!
イケメンのカマレロ(ウエイター)が運んできたのは新作「トマホーク」。1kgの骨付きステーキだ(普通サイズもあるのでご安心を)
カメラマンの石川肇、1kgの「トマホーク」にかぶりつきます! 美味しすぎて意外にペロッと食べられた
ソーセージもめっちゃおいしい
Los Aguachiles
ロス・アグアチレス
タコスを食べるならこの店! ということで、連れてきてもらったのが5番街Norte(北区)の中ほどにある大通り、Constituyentes通り沿いにある、昔ながらの家づくりのこのお店。
シーフードタコスは1枚29.50ペソ(約200円)とお手頃で超美味。一品料理は1000円以上のものもあるが、ボリュームたっぷりなので、シェアして食べたい。
カジュアルな雰囲気なので、気取らず入れるとあって、食事どきはいつも混み合っている
3種のシーフードカクテルは159.50ペソ。エビ、魚、イカやタコなど、セルベッサ(ビール)のおつまみには最高!
ah@cacao
アー・カカオ
カカオが生まれたマヤの地。リアルなチョコレートを食べたり飲んだりすることができるうえ、ボディ用のオイルなども販売。チョコレート好きにはたまらない店。
5番街とConstituyentes通りが交わる辺りに店はある。
小さなカフェ風の店内。ファストフード店のようにスナックやドリンクを注文でき、ボディオイルやソープなど、店内の商品を購入することもできる
メキシコNo.1人気のスナック
TAKIS(タキス)
メキシコで最も人気のスナックに選ばれたこともある「Takis(タキス)」。ちょっぴり辛い「original」のほかにメッチャ辛いハラペーニョ味など、何種類かのテイストがある