
「マリンダイビング」2018年3月号
近頃、ダイブクルーズでさまざまなダイビングエリアに潜りやすくなったインドネシア。その中でもまだほとんど日本人が訪れていない秘境が、東ティモールのアロール島周辺。野生のジュゴンと接近遭遇できることから、注目を集めている。好奇心旺盛なジュゴンは、自分からダイバーに寄ってきてくれることも!
ジュゴンの遊泳速度は時速3kmほど。ダイバーを警戒していないアロール島周辺のジュゴンは、至近距離まで接近することが可能だ
人魚のモデルともいわれるジュゴンは、体長3m、体重450kgほどの大きさの海洋哺乳類。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種として指定されていて、なかなか会うことができない。まして水中で遭遇できる場所はごく限られたエリアしかない。インドネシアの海をカバーするダイブクルーズ「シーサファリ」号では、2017年に4航海の調査ダイビングを行なったが、なんとジュゴンとの遭遇率は100%だったそうだ。これは行くしかない!!
ダイビングの合間には、サンデッキでくつろぎのひとときが過ごせる。写真は「シーサファリ7」
「シーサファリクルーズ」はすべての船がインドネシア伝統の帆船のピニシ船。ゆったりと帆を張るその外観は、冒険気分を盛り上げてくれる
ジュゴンがすむアロール島周辺へは、「シーサファリ」号のクルーズ船で向かう。「シーサファリ」号はコモドやラジャアンパットなど、インドネシアのさまざまなエリアのクルーズを催行しているが、2018年には5月、6月、11月、12月にアロール島方面のクルーズを7本予定している。
真っ赤な体色が海の中でひと際目を引くボロカサゴ。愛嬌ある顔立ちでフォト派に人気のある魚だ
視界を覆いつくす魚群も見どころのひとつ
クルーズの拠点となるのは、アロール。インドネシアの玄関口・ジャカルタ空港から国内線で向かう。6泊7日のクルーズではアロール港から乗船し、マウメレ島までの海域を潜りながら移動していく。この海域では、バラクーダなどの魚群、ウミガメ、そして手つかずのサンゴ礁にはマクロ生物も盛りだくさん。ボロカサゴなど、フォト派ダイバーの被写体に恰好の生物も見られる。船の上からはイルカの群れに遭遇することも(!!)。未知の魅力にあふれたインドネシア・アロール島~マウメレ島クルーズでは、ジュゴン+αの素晴らしい海を堪能できるに違いない。