シリーズDive Indonesia Vol.4
バリの向こう側にある海中天国
ロンボク
Lombok
まだ日本から海外に潜りには行けない日が続きますが、コロナ禍が収束したら出かけたいのがインドネシア。
北アメリカ大陸ほどもある広大な海域に散らばる17,500余りの島々にはたくさんのダイブエリアも。
最終回となる第4弾は、おなじみバリ島のすぐお隣にある秘境的な島、ロンボク島のダイビングシーンをご紹介します!
※2021年5月現在の情報です
ロンボクで見るべきシーン
ロンボク島南東にもダイビングスポットが開拓されつつある
ロンボクに行く前に知っておきたいこと
今や世界でも屈指のリゾートアイランドとなっているバリ島には世界中から観光客が訪れていますが、当初から開拓に力を貸していたヨーロピアンが、観光化が進み混沌とした雰囲気から逃れてよりのんびりしたプライベート感を求めて1980年代頃から開拓し始め、今なお“秘境”のような雰囲気を保ち続けているのがロンボク島です(ここでは「ロンボク」と記しています)。バリ島の向こう側(経由地でもあるジャカルタやシンガポールからすれば東側)に位置する、東西56km、南北25kmの小さな島。とはいえ、インドネシア第二の活火山・リンジャニ山(3726mと富士山より高い)がそびえ、風光明媚な景観が自慢です。
いい波が立つことからサーファーの間でもよく知られています。
そんなロンボクでダイビングというと、もともとは北西にある小さな離島、ギリ・アイル、ギリ・メノ、ギリ・トラワンガンの3つの島々で始まったため、ダイビングというとそちらを指すことも多かったのですが、現在はこのギリ3島に加えたスンギギビーチを含む島の北部、そして近年新たに開拓されたセコトン、サウス・ギリ、ベロンガス・ベイなどの南部の大きく分けて2つのエリアでダイビングができるようになっています。
インドネシアのインドネシア観光クリエイティブエコノミー省の関係者に伺ったところ、「どちらもビギナーダイバーにもベテランにもオススメですが、もし初めてロンボクに行くのであれば、北部のギリ島を選んだほうがいいでしょう」とのこと。
ちなみに、ギリ(Gili)というのはインドネシアの言葉で、「小さな島」という意味。南部のサウス・ギリ(South Gilis)もいくつかの小さな島を指しています。
Google mapより抜粋
カメ、サメ、マンタほか大物が狙えるギリ
絶滅危惧種といわれるタイマイもよく見かける
トラワンガン、アイル、メノのギリ島でダイビングをするのであれば、ハイライトとなるのはウミガメ(アオウミガメ、タイマイ)、ホワイトチップリーフシャーク、ブラックチップリーフシャーク、マンタやマダラトビエイといえます。サンゴ礁が隆起してできた島々だけに、そうしたサンゴ礁の大物も遊びに来てくれるのですね。
ハンマーの群れが狙えるベロンガス・ベイ
さらに経験のあるダイバーであれば、南部のベロンガス・ベイで、ハンマーの群れやバラクーダの群れも狙えます。
「ただし、潜降がスムーズにできる、中性浮力がしっかりとれる、流れがあっても問題ないというスキルが必要です」と、現地のダイビングガイドさん。経験を積んで、出かけたい。
ロンボクのダイビングスポット
各エリアのMUSTスポットは押さえたい
北部のギリ周辺で15以上、南部で10以上のダイビングスポットがあるといいますが、ダイビングサービスのオリジナルも入れると相当数あると思われます。
最低限オープンウォーターダイバーを取得していれば潜れるけれど、前述したようにいくつかのスポットではアドバンス以上が求められたり、最低100本以上の経験が必要だったりします。またギリ島はダイバーになる方のスクールも盛んなので、暖かくて、透明度も良く、海洋生物も豊富な海で講習を受けることもおすすめです。
ギリ島にしても、南部のセコトンやベロンガス・ベイにしても、そのエリアの見どころスポットは押さえられるようにしたいですね。
ギリ島はマンタを目指そう
現地ガイドはギリ・トラワンガンの北西にある「シャークポイント」をオススメしています。水深35mぐらいから立ち上がる根が複雑に入り組んでいて、潮流がかかることもあって魚群がすごいですし、ホワイトチップリーフシャークやエイの仲間などとの遭遇が。ウミガメもとても多く、竜宮城のようだからです。
「マンタポイント」は流れもたまにありますが、とてもリラックスして潜れる地形です。一年中マンタが出現しますが、特に遭遇率がいいのは2~6月(さらに言えば3~5月)といわれています。一尾のみならず、時には10尾以上のマンタがぐるぐる頭上を回ってくれることもあるというから興奮モノですね。
ギリ・トラワンガンは美しいサンゴ礁の島。この島の南西に「マンタポイント」はある
ベロンガス・ベイでは大物狙い
前述したように、南部のベロンガス・ベイはハンマーヘッドシャークの群れを狙えることで人気です。
スポットは「マグネット」。今やインドネシアのTOP10ダイブスポットに数えられるビッグスポットです。
湾から沖に出た岬の外洋側にある、水深80m辺りからそびえる根が舞台。毎年8月頃から10月末にかけてハンマーヘッドシャークの群れが見られるようになるのです。
ほかにもマダラトビエイの群れやバラクーダの大群も。セコトンからも日帰りで行けるスポットですので、中級レベル以上の方にオススメです。
また、ベロンガス・ベイの「ギリ・サラン」ではモブラの大群が現れることもあり、こちらもビッグスポットとして人気です。
ベロンガス・ベイには「カテドラル」というシマシマ模様にウミヘビが見られるスポットもありますよ。
ロンボクのダイビングスタイル
ダイビングサービスは48!
南北にダイビングエリアがあるロンボクですが、合計48のダイビングサービス(オペレーター)があります。日本語を話せるスタッフはほとんどいませんが、日本人ダイバーの受け入れはウエルカムなお店が多いので、気軽に訪れたいものです。
一日のスケジュール
ギリ島ではダイビングスポットまで遠くても30分程度(目の前のハウスリーフも立派なスポットだったりしますし)。1ダイブごとに島に戻るリゾートダイブスタイルです。一日2~3ダイブといったところですが、ナイトダイブも可能です。
一方、セコトンやベロンガス・ベイ周辺のダイビングサービスでは、午前2ダイブ、昼は島に戻って、また午後1ダイブといった一日3ダイブとなります。
シーズナリティ
一年中がベストシーズン
ヘビーな雨さえ降らなければ、ほとんど透明度が落ちることもなく、ロンボクは一年を通してベストシーズンといえます。
北部のギリ島の観光のハイシーズンは7~8月と12~1月。この時期は普通であればゲストで混み合いますので、予約は早めにしたほうがいいでしょう。
ベロンガス・ベイは一年中とはいえ、ハンマーなど大物が狙える6~10月(または11月初旬)がダイビングのベストシーズンといえますね。
アフターダイブ情報
アクティビティや観光名所
ロンボクにはたくさんの見るべきディスティネーションがあります。トレッキングが好きであれば、リンジャニ山のマウンテンビューを楽しめるコースがオススメですよ。
サイクリングでGunung Sari-Lingsar Templeを回ったり、トラディショナルな村を訪れて文化やローカルな人たちの暮らしを垣間見るのもいいのではないでしょうか。
ヴィレッジツアーでは伝統的な建築物を見ることも
スパイシーな料理が格別
ロンボクはスパイシーな料理が食べられることで有名です。特に有名なのはAyam Taliwangというスパイシーなソースをかけたチキンのグリルまたは揚げたもの。多くの飲食店で食べられる焼き鳥、Sate Rembigaも有名です。