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現地ガイド直伝!
東伊豆・富戸ダイビングの夏から秋の見どころ

東伊豆・富戸ダイビングの夏から秋の見どころ

伊豆半島の東海岸にある富戸の海は、ダイビングスタイルの多彩さと生き物の豊かさが魅力! 全国のダイバーからも支持を集め、「マリンダイビング大賞2024」の「ベスト国内エリア部門/沖縄以外」では堂々の1位に選ばれました。今回はそんな富戸の夏から秋の見どころを、人気の現地ダイビングサービス2店にたっぷりご紹介いただきます。

※2025年7月現在の情報です

東伊豆の人気エリア富戸でダイビング

東京から車でも電車でも3時間弱と好アクセスな海

富戸の海の大きな魅力は、ビーチ・ボート・ドリフトと、一日で様々なスタイルのダイビングが楽しめるところです。

根強い人気を誇るビーチスポット「ヨコバマ」と「脇の浜」はそれぞれに砂質が異なり、見られる生物も違ってきます。

さらにボートスポットも見逃せません。砂地が広がる「ボラ前」、ソフトコーラルが見事な「マエカド」、ウミガメとの遭遇率が高い「ツナキリ」、トビエイが乱舞がする「ゴロダイ」、魚影が濃い冬期限定「ヨコイソ沖(ピラミッド)」、ドリフトダイビングで潜る冬期限定「レイポイント」など、期間限定スポットを含めると10カ所以上も多彩にそろっていて、何度通っても新しい発見があります。

すべてのスポットは港から5〜10分ほどの場所に点在しているので、海況に合わせた柔軟な対応も可能です。

さらに、出会える生き物の数と種類の多さも富戸ならでは。今シーズンは、伊豆では珍しいヤシャハゼのペアが2組も越冬しました。その貴重な姿は、本特集のメインビジュアルにも登場しています。

快適な施設でビギナーも潜りやすい!

スーツの着脱時にも便利な「温泉丸」

スーツの着脱時にも便利な「温泉丸」

富戸にリピーターが多い理由は、使いやすい施設とストレスフリーな環境で快適にダイビングが楽しめるから。エントリー&エグジット口にはコンクリートのスロープと金属製の手すりが設置されていて、ビギナーはもちろん、機材が多めのフォト派ダイバーも安心です。

ダイビング後には、船を改造した「温泉丸」の天然温泉にスーツのまま入れるのも富戸ならではの楽しみ!

また、リアス式海岸として知られる城ヶ崎海岸の北側に位置していて、入り組んだ海岸線が波や潮流をやわらげてくれるため、海況は比較的穏やか。遠浅で深場から浅場まで水深がとりやすく、ビギナーからステップアップを目指す講習生まで、多くのダイバーがスキルアップしやすい環境が整っています。

富戸ダイビングの夏から秋の見どころ

密度の濃い生き物たちのおかげで四季折々の変化が楽しめる富戸の海。今回は現地の人気ダイビングサービス《ドルフィンウェーブ》と《スキューバプロショップ富戸》に、夏から秋に出会えるおすすめの見どころ7選を教えていただきました。各サービスから提供された画像・動画とともに、スタッフのコメントを交えて紹介していきます!

1、名物「富戸ホール」が特段と美しい時期に

富戸の二大ビーチスポットの一つ「ヨコバマ」は、あらゆるコース取りができるのが特徴です。その中に「富戸ホール」と呼ばれる地形スポットがあります。頭上から射し込む光のシャワーが幻想的で、陽射しの強い夏場にはその美しさが特に際立ちます。満潮時かつ海況が穏やかなときにしか訪れることができない、特別な場所です。

撮影/ドルフィンウェーブ 本田智康

「ヨコバマ」からエントリーして右手に進むと「富戸ホール」に到着。幻想的な空間にうっとりしながら、没入感あるダイビングを楽しめます。「光に照らされて浮かび上がるダイバーのシルエットがきれいな時期です」と《ドルフィンウェーブ》 本田さん。ダイバーを被写体にして撮影にトライするのもおすすめです。水深が浅いので浮き上がりには注意しましょう。

2、アオリイカの命つなぐ産卵行動に立ち会える

毎年春、ビーチスポットに設置される産卵床には、5月から8月中旬頃にかけて多くのアオリイカが集まり、産卵行動が観察できます。メスをめぐってオス同士が争ったり、体色を変えてアプローチしたりと、命をつなぐドラマをダイバーの目の前で繰り広げます。その後も、産み付けられた卵やハッチアウト、赤ちゃんの姿まで観察できて見応えたっぷり。産卵床がある場所は水深10mほどと浅いので、ビギナーダイバーでも楽しめます。

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

「ヨコバマ」に沈められた産卵床に集まるアオリイカ。「画像はメスをめぐってオス同士がバトルしている所。触腕を大きく広げて威嚇し合っています。もともとメスとペアを組んでいたオスが勝つことが多いですが、ときには相手に奪われてしまうことも……」と《スキューバプロショップ富戸》山口さん。命をつなぐための熱い戦いです。

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

こちらも同じく「ヨコバマ」にて。「メスが産卵しようとしているところをオスが体を張って守っている所です。いつ他のオスが割り込んでくるかわからないため、気が抜けない緊張感が漂っています」と《スキューバプロショップ富戸》山口さん。見守るこちらまで思わず息をのむような光景です。

3、海の中は恋の季節♡ 魚たちの繁殖期

アオリイカだけでなく、さまざまな魚たちが繁殖シーズンを迎える夏。多様なスポットに多彩な生き物が集まる富戸では、生き物たちの生き残るための知恵と工夫が詰まった生態行動を数多く目撃できます。そんな瞬間を逃さず紹介してくれるのが、日々海を観察している現地ガイドたち。生きものたちのわずかな変化にも気付き、私たちにその魅力を伝えてくれます。

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

「夏のサンセット・ナイトダイブで狙いたいのがコブヌメリの産卵シーン。ヤマドリが絶滅しかけているので、代わりにコブヌメリの産卵を『ヨコバマ』に見に行きました」と《スキューバプロショップ富戸》山口さん。オスは背びれを大きく広げてメスに求愛し、OKが出るとペアで浮上して産卵します。この動画はまさにその瞬間をとらえたもの。メスのお尻から卵が放出される様子がはっきり映っています。卵を水中にばらまくのは、生存率を高めるための戦略だと考えられています。1ダイブ中に何度も見られることが多いので、動画と写真の準備をお忘れなく!

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

「『ヨコバマ』でクマノミの産卵シーンを狙っていたところ、ちょうど立ち会えたときの動画です。メスが岩肌にお腹をこすりつけながら、卵を産みつけている様子が映っています。近年はイソギンチャクの数が減少していて、クマノミも将来的には姿を見られなくなってしまう可能性があります」と《スキューバプロショップ富戸》山口さん。今のうちにぜひ見ておきたい光景ですね。

4、アサヒガニと浅場で遭遇率アップ

富戸の夏の人気生物の一つがアサヒガニ。8月ごろまでは浅場に姿を見せ、ダイバーの心を鷲掴みにしています。普段は砂地に潜み、数ミリだけ出ている目が発見の手がかり。見つけるのは素人には至難の業です。出会いたいときは現地ガイドにリクエストを!

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

カニなのに前に歩いたり、お尻から砂に潜ったりと、特徴的な動きが大人気のアサヒガニ。「動画は『脇の浜』にいたアサヒガニ。ユニークな動きが良くわかります」と《スキューバプロショップ富戸》山口さん。見れば見るほどクセになる、愛嬌たっぷりの人気者です。

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

こちらも「脇の浜」にて。「富戸名物となっているアサヒガニですが、2匹がすぐ近くに並んでいるのは珍しい!」と《スキューバプロショップ富戸》山口さん。生き物との出会いが多いからこそ、レアなシーンと遭遇しやすい富戸の海です。

5、魚影が一段と濃くなり賑やかに

夏から秋はクロホシイシモチやネンブツダイ、キンギョハナダイなどの魚の群れが日に日に濃くなり、水中が一層賑わいます。ボートスポットには、魚礁にカラフルなヤギやソフトコーラルがびっしりと繁茂しているので、その周りを魚たちが群れまくる光景も圧巻です。

撮影/ドルフィンウェーブ 本田智康

撮影/ドルフィンウェーブ 本田智康

「ヨコバマ」のテトラポッドで撮影されたもの。エントリースロープを下って左手に進んだ、堤防近くのエリアです。水深が最大でも10mぐらいにも関わらず、季節によってさまざまな魚たちが群れています。そしてその群れの大きさもものすごく大きい! 「クロホシイシモチとキンメモドキ。根につく魚たちなので近寄ると一度は離れていきますが、またすぐに戻ってきます。360度ぐるりと魚に囲まれるシーズンの到来です♪」と《ドルフィンウェーブ》本田さん。

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

「『ヨコバマ』に群れまくりのミナミハタンポ。普段は暗い場所に隠れていることも多いのですが、この日は外に出てきているタイミングに当たりました」と《スキューバプロショップ富戸》山口さん。何が起こるかわからない、それが自然相手のダイビングの醍醐味ですね。

撮影/ドルフィンウェーブ 中川巌

撮影/ドルフィンウェーブ 中川巌

「マエカド」で撮影。港から約5分という近さにありながら、ドロップオフにタカベやイサキなどの群れがカーテンのように広がるダイナミックなスポットです。「まだ小さなイサキたちですが、これからどんどん成長していきます。群れが大きくなると、まるで壁のように視界を埋め尽くし、向こうにいるダイバーの姿が見えなくなることもあるほど。これからの変化が楽しみ!」と《ドルフィンウェーブ》本田さん。

6、小魚の群れを狙う大型回遊魚も

イサキやタカベなど小魚の群れに向かって、カンパチやワカシ(ワラサ)などの大型回遊魚がアタックする様子は大迫力。水中のジオサイトとしても注目される海底地形の中で、それらを間近で観察できるダイナミックなボートダイブもおすすめな時期到来です。

撮影/ドルフィンウェーブ 本田智康

「玉のように固まって逃げ回るタカベと、その隙をついて狩りを仕掛けるカンパチに『ヨコバマ』で遭遇しました」と《ドルフィンウェーブ》本田さん。海の中に広がる生態系を感じるシーン。動画からもその迫力と緊張感が伝わってきますね。

7、季節来遊魚が続々と増えていく

ニシキフウライウオ、ハタタテハゼ、ナンヨウハギ、カミソリウオなど、黒潮に乗って運ばれてくる南方系の生き物が続々と増えていく時期。海の中はカラフルになって一期一会な出会いにも期待大で、マクロ派も大満足の海に! 秋以降も引き続き増えていくので見逃せません。

撮影/ドルフィンウェーブ 中川巌

撮影/ドルフィンウェーブ 中川巌

「ペアで仲良く並ぶフリソデエビに『ヨコバマ』で会いました。かわいらしい見た目とは裏腹に、実は驚くほどの怪力の持ち主です。こんなに大きなヒトデを軽々と持ち上げる姿も!」と《ドルフィンウェーブ》本田さん。フリソデエビはヒトデを好んで食べると言われています。ヒトデから決して手を離さない姿に、小さな体でたくましく生きる強さが感じられますね。

撮影/ドルフィンウェーブ 石原郁美

撮影/ドルフィンウェーブ 石原郁美

「ミナミハコフグのコミカルな動きはずっと見ていても飽きません。『ヨコバマ』にやってきた小指の爪の大きさほどの小さな子。広い海のいったいどこからやってきたのか神秘的ですね♪」と《ドルフィンウェーブ》本田さん。羽ばたくように一生懸命に泳ぐ姿は、数多くやってくる季節来遊魚の中でも特に人気を集めています。リクエストも多く、出会えるとダイバーから歓声が上がるほどのアイドル的存在です。

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

撮影/スキューバプロショップ富戸 山口敬大

「ニシキフウライウオは、富戸の三大アイドルの一つ。ペアでヤギ類に寄り添う姿が印象的で、メスはお腹に抱えた卵を孵化するまで大切に守ります」と《スキューバプロショップ富戸》山口さん。「ヨコバマ」で撮影されたこの画像でも2匹が並んでいて、お腹の卵もうっすらと確認できます。

宿泊・ダイビングは、ここで決まり!

今回紹介した2つのダイビングサービスは、それぞれに個性がありながらも、初心者からベテランまで安心して楽しめる体制が整っています。富戸の海をより深く味わいたい方に、心強い味方になってくれるはずです。

また、せっかく富戸を訪れるなら宿泊するのがおすすめ。ダイビングサービスに併設されている宿や、貸別荘《AZUR 伊豆高原 plateau》で時間に追われず、ゆったりとしたダイビングの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

ダイバー向け貸別荘
AZUR 伊豆高原 plateau(アジュール プラトー)

〒413-0231 静岡県伊東市富戸1148番1
Instagramhttps://www.instagram.com/azur.izu/
MAP:https://maps.app.goo.gl/UPuD5RSVtj5zxA4z5

sirene

sirene

plateau

plateau

伊豆にて貸別荘を経営する「AZUR 伊豆」。「AZUR 伊豆富戸 sirene」に続くダイバー向け別荘の第2弾「AZUR 伊豆高原 plateau」が、大室山の麓の伊豆急別荘地に7月末にオープンしました。ダイバー向けに屋外シャワー、器材洗い場、充実した充電設備のほか、今回は露天風呂やB B Qガスグリルもあるので、アフターダイビングも充実。定員は8名で仲間とリビングでくつろげます。

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公式LINEはこちら

海のすぐそばで居心地の良いダイビング
スキューバプロショップ富戸

静岡県伊東市富戸985-2
TEL:0557-51-7844
E-mail: spro-futo@bj.wakwak.com

2024年にオープンしたシーテラスではハッピーアワー(アペロ)も開催!

2024年にオープンしたシーテラスではハッピーアワー(アペロ)も開催!

富戸の海が目の前、エントリー口までは徒歩10秒という抜群の立地にあるお店。リフレッシュコースやファンダイブ、各種スペシャルティコースまでメニューも充実。経験豊富で親しみやすいスタッフが、ビギナーからベテランまで一人ひとりに寄り添ってサポートしてくれます。全室オーシャンビューのクラブハウスに宿泊も可能で、いつも笑顔が絶えないワイワイとした空間が広がっています。

ー 2025年、夏から秋にかけてのイベント ー
・8月9日(土) BBQイベント
・8月10日(日) 按針祭、船上花火鑑賞
・8月30日(土) ナイトダイビング

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お客さまの休日を最高な一日にします!
ドルフィンウェーブ

静岡県伊東市富戸912-32
TEL:0557-51-6627
E-mail: info@dolphinwave.net

笑顔のすてきなスタッフが待っています!

笑顔のすてきなスタッフが待っています!

ダイビングすることを日常に!という想いのもと、豊富な経験と知識、ゲストとの交流を大切にするガイドがそろいます。ビギナーからベテランまで同じように海の中を楽しめるガイド力が素晴らしく、ビーチのマクロだけでなくボートのワイドまで幅広く対応。宿併設でアフターダイブのイベントも定期的に開催しています。ウエットスーツを含めたフル器材レンタル無料サービスも実施中!

ー 2025年、夏から秋にかけてのイベント ー
・8月16日(土)・17日(日)には冬期限定ボートスポット「ピラミッド」、「レイポイント」が臨時開放
・8月30日(土) 富戸では数少ないナイトダイビングの開催
・9月15日(祝月)以降は限定ボートスポット「ピラミッド」が開放

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※五十音順

画像・情報提供/スキューバプロショップ富戸、ドルフィンウェーブ、AZUR 伊豆高原 plateau(順不同)
ライター/新井夏海

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