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伊豆大島のダイビング情報満載!
首都圏からすぐ行ける極上アイランド 伊豆大島

首都圏からすぐ行ける極上アイランド 伊豆大島

伊豆大島は、竹芝桟橋から高速ジェットなら最短1時間45分で到着する首都圏からもっとも近いダイビングアイランド。ダイナミック地形にテーブルサンゴ、圧巻の魚群とさらに近年はハンマーヘッドの群れも登場し人気を集めています。盛り沢山の海の、旬の魅力をご紹介!

※2022年7月現在の情報です。

現地ガイド発 ハンマーヘッドの狙い方

伊豆大島の近年の話題といえば、夏~秋にかけて現れるハンマーヘッドの群れ! スポットは「ケイカイ」と「野田浜」の2カ所で、しかも水深8~12mの浅めで見られるとあってダイバーの話題をさらっています。攻略の仕方を、ベテラン現地ガイドの皆さんに聞いてみました。

※ポイントは浅めですが、潮が速いことも多いためツアー参加可能のレベル判断はショップによりさまざまです。問い合わせ時に聞いてみましょう。

「ケイカイ」に現れた群れ。写真の中だけで、ざっと20尾も!

「ケイカイ」に現れた群れ。写真の中だけで、ざっと20尾も!

~AQUAVIT 田中啓子さん

夏から秋にかけ、大島のほとんどのポイントでハンマーヘッドを見た! という声を聞くようになりました。中でも高確率のポイントといえば「ケイカイ」でしょう。登場するのは、日の出から1時間程度という限られた時間帯。ビーチエントリーで、水深8mほどの浅瀬で群れを見られるのは世界中探してここだけでは!? 通り道で静かに待っていると、次から次へとハンマーヘッドが通り過ぎます。
間近でじっくり見るコツは、とにかく泳ぎ回らないこと。ガイドの指示する場所でじっとしていれば、すぐ横を、真上を、ハンマーヘッドが通過していきます。興奮して突進したくなる気持ちを抑えて、じっとしていることがとにかく大切です。

一群が泳ぎ去っても、また群れ、群れ、群れ! 迫力に興奮(Video by Toru Furuyama)

~イエローダイブ 古山徹さん

6月末から10月末まで、「ケイカイ」と「野田浜」の間を北から南に向けて一方通行で現れます。場所だけでなく時間帯も日の出から1時間と限定なので、シーズン中は潜れば必ず会えるのが特徴。水深12m前後の根の陰で待っているとだいたい10尾前後が群れで現れ、それが1ダイブで数回来るので計30~100尾は見られます!
ここは下げ潮時に南から北へと流れますが、ハンマーも流れの中を泳ぐのは嫌なので潮流が強いほど浅い場所に近づきます。下げ潮が日の出と重なるのは若潮と長潮前後の4日間なので、その潮周りの日程を狙って来島してもらうと素敵なシーンが見られると思います。
注意点としては、追いかけ禁止、ライトは不要、シグナルフロート必須。おすすめはEN/EXに楽なストラップフィンです。

魚影の中、現れるハンマーヘッドも圧巻!(Video by Hirohito Arima)

~伊豆大島ダイビングセンター 有馬啓人さん

時期は6月後半からで、7月後半から8月中旬がピークになります。他にもハンマーヘッドが見られるポイントは国内にいくつかありますが、最大の違いはビーチダイビングで見られるという点。岸に近く、これだけのハンマーヘッドが見られるポイントは世界でも類を見ません。注意点としては、流れがあるのでしっかりと着底して待つということ。ダイバーの泡を極端に嫌うので、チームは広がらず、まとまって泡を流すようにしなければいけません。しっかり待てば、ときに何十尾もの群れに出会うのも夢ではありません!

~大島ダイビングセンター パームビーチ 石渡克也さん

例年、日の出時刻からの早朝に「ケイカイ」と「野田浜」で見られるハンマーヘッド。例年、初夏はわりと水深の浅い場所で見られますが、秋口になると沖のほうに登場エリアが変わってきます。多くのダイバーがハンマー見たさに訪れるので、大切なのはローカルルールを確認していただくこと。着底してウオッチングしますが、浮いてしまったり、追いかけてしまうとハンマーヘッドが逃げてしまうので、ぜひガイドの指示に従って潜りましょう。

伊豆大島ってこんなところ

伊豆諸島のいちばん北に位置する、周囲52km、面積約91㎢の伊豆諸島中最大の島です。中心には標高758mの活火山、三原山がそびえ、山頂部には巨大なカルデラが。割れ目噴火の跡や黒い砂漠、波打つようにうねる地層など独特の景観が見られ、2010年には島全体が日本ジオパークとして指定されました。目の当たりにできる生きた地球の姿は、迫力たっぷり! ダイビングだけでなく、ぜひ陸の見どころも巡ってほしい魅力的な島です。
海はバリエーションの豊かさが特徴で、その最たる魅力が冒頭でも紹介したハンマーヘッドでしょう。浅瀬で群れが見られる(しかも高確率!)場所は、世界でもレア。この幸運は、享受しに行かないと損です。ほかにも溶岩により生まれたダイナミック地形、生物も回遊魚からマクロな人気者まで豊富で、多様なシーンを楽しめます。
透明度もよく、20m超えもザラ。“ここは東京都……?”と、コバルトブルーに輝く海に潜りながら感動に浸れます。

大島一周道路で見られる、通称「バームクーヘン」と呼ばれる地層切断面

大島一周道路で見られる、通称「バームクーヘン」と呼ばれる地層切断面

伊豆半島に近く、富士山を望む伊豆大島。極上のサンセットも!

伊豆半島に近く、富士山を望む伊豆大島。極上のサンセットも!

ダイビング基本情報

大島のダイビングポイントは、漁協との取り決めにより開放された北岸の「秋の浜」「野田浜」「ケイカイ」と西岸にある「王の浜」、南岸の「トウシキ」の計5ポイントのみ。いずれもビーチエントリーで潜ります。ショップによっては、水中スクーターを使ってその周辺まで潜ることもあります。
高速ジェットで午前中着いたらダイビングショップの車に出迎えられ、お店に行き申込み。その後、早速海へ向かうのがよくあるスケジュールパターンです。1ダイブ後は海辺でランチを取りつつ休憩し、午後は別のポイントへ。2ダイブ目を潜り、宿には16~17時頃に戻ります。希望により、3ダイブやナイトダイビングもOKです。
そして翌朝は、シーズンなら日の出を狙ってハンマーヘッドダイビングへ! 午後発の高速ジェットに乗るまでさらに2ダイブも可能で、1泊2日でも十二分に楽しめるのが伊豆大島の魅力でもあります。

「秋の浜」のエントリー口。「毎年ガイド総出で作り変えるハシゴも見どころ」と田中さん

「秋の浜」のエントリー口。「毎年ガイド総出で作り変えるハシゴも見どころ」と田中さん

信頼をテーマに造られた野田浜のBuddy’s Bell(バディーズベル)

信頼をテーマに造られた野田浜のBuddy’s Bell(バディーズベル)

イチオシ! ダイビングスポット情報

現地ガイドが推すポイントは?「ぜひお連れしたい」という各所の魅力を教えてもらいました。

秋の浜

「ビギナーからベテランまで、みんな大好きなスーパービーチ。魚種魚影は大島№1、ニタリも常駐。群れあり、大物あり、ドン深な地形ゆえ深海からの使者との奇跡の出会いもあり愛おしいポイントです」~AQUAVIT 田中啓子さん
「なんといっても意外性があります。温帯に位置する伊豆大島にあって、これだけレアものが出現するポイントも珍しいです。マクロはもちろん、ニタリなどの大物も狙えます!」~伊豆大島ダイビングセンター 有馬啓人さん

冬~春にかけて、イワシとイサキの群れがごっちゃになって圧巻!

冬~春にかけて、イワシとイサキの群れがごっちゃになって圧巻!

エントリーすると、水中にはガイドが作ったハシゴが

エントリーすると、水中にはガイドが作ったハシゴが

王の浜

「相模湾にある島なので基本は伊豆半島や房総半島と同様の生物がいて雰囲気も同じですが、サンゴが群生し、アオウミガメも多く見られます。黒潮の枝流が直撃するため水温と透明度は高く、南国チックな海を堪能できます。また、島内で唯一海藻ケヤリが群生し、ほかの地域と違い黄色いのも特徴」~イエローダイブ 古山徹さん
「沖に大きな根がいくつも張り出し、そこに大きなテーブルサンゴが並んでいます。秋には壁の亀裂やサンゴに季節来遊魚が集まってきて、華やかに。カメとの遭遇率も非常に高いです」~伊豆大島ダイビングセンター 有馬啓人さん

まるで花火かタンポポのような海藻ケヤリ(ケヤリモ)。フォトジェニック!

まるで花火かタンポポのような海藻ケヤリ(ケヤリモ)。フォトジェニック!

テーブルサンゴが生える海をカメが泳ぎ、まるで南国

テーブルサンゴが生える海をカメが泳ぎ、まるで南国

野田浜

「最大でも水深12~13mぐらいの、ビギナーから楽しめるポイントです。溶岩で形成されたアーチがあり、くぐると天井にはカラフルなソフトコーラルが。そして抜けた先にはとてもきれいな砂地が広がっていて、透明度がいいときにはただ眺めているだけで癒されます」~大島ダイビングセンター パームビーチ 石渡克也さん

“映える”と人気のバディーズベル越しに富士山が

“映える”と人気のバディーズベル越しに富士山が

「野田浜」~「ケイカイ」にかけて。ツバメウオもよく現れます

「野田浜」~「ケイカイ」にかけて。ツバメウオもよく現れます

シーズナリティ

4~6月

水温15~21℃/ドライスーツ
水温が徐々に上がり、ニタリやアオリイカの群れが見られるようになる季節です。

4~6月
4~6月

「はえもの天国! 個人的にはカギケノリの草原を見ていただきたいです」~田中さん
「王の浜の海藻ケヤリが出始める時期。春濁りが少なく、春でも透明度が高いのも特徴」~古山さん
「ウミウシが多く見られるように。ウデフリツノザヤウミウシなど人気種も増え、ときにはクチナシツノザヤウミウシも見られます」~有馬さん
「運がよければ秋の浜でソウシカエルアンコウを目撃できます。6月にはアオリイカの産卵が」~石渡さん

7~9月

水温20~27℃/ウエットスーツ
ハンマーヘッドの最盛期。イサキやタカベの群れに加え、回遊魚も増え海は濃密になります。

7~9月
7~9月

「どこに潜っても楽しい季節。マクロ、ワイドなんでもアリ。フォト派ダイバーに人気のケヤリモは王の浜にもたくさん生えてます!」~田中さん
「早朝のハンマーが特徴。トビウオやシイラの幼魚、ナンヨウツバメウオの幼魚など人気浮遊系生物が流れ着く時期でもあります。黒潮が接近しやすく透明度15m以上の日が多いです」~古山さん
「季節来遊魚が増えてきます。今年はすでにホタテツノハゼも!」~有馬さん
「どのポイントも水温・透明度ともに安定してきます。群れも大きくなり圧巻!」~石渡さん

10~12月

水温18~27℃/ウエット&ドライスーツ
初秋はハンマーがまだ見られ、回遊魚も登場。イサキやアオリイカの群れ、季節来遊魚と盛り沢山。

10~12月
10~12月

「季節来遊魚が定着するフォト派に人気の季節。11月と12月はライトトラップのベストシーズンなので、深海魚やレアな稚魚などがじゃんじゃか登場します。透明度も15mは見える日が多い」~古山さん
「この時期に狙うならニタリ。年によっては頻繁に目撃されます」~有馬さん
「夏場に見られ始めた季節来遊魚に加えて冬の生物も見られ、魚影が一番濃くなります」~石渡さん

1~3月

水温15~18℃/ドライスーツ
話題になっているのがイワシの群れ。透明度もよく、地形をからめたワイドな写真が撮れます。

1~3月

「ここ数年はイワシのトルネードやザトウクジラが見られています!」~田中さん
「2月に登場するイワシの大群がここ3年の見どころ。クダウミヒドラやハナヤナギウミヒドラなど、写真映えするはえものもたくさん見られます。透明度は20m超の日が多いです」~古山さん
「一昨年からマイワシの群れが現れるように。何千万尾(それ以上?)いるのかわからない密度で見られます」~有馬さん
「マクロ生物が中心。1月は透明度がよいので、ワイドの画も狙いやすいです」~石渡さん

アクセス

伊豆諸島の中で最も首都圏に近いとあって、複数のルートでアクセスできます。
便利なのは高速ジェット船。竹下桟橋から最短1時間45分、熱海から最短45分で到着するので、午前便に乗れば午前中に早速潜れる手軽さです。また竹芝桟橋を夜遅く出発する大型客船もあり、こちらは最短約6時間で早朝着。いずれも東海汽船が運航しています。
空の便もあり、調布飛行場から新中央航空が運航。所要時間は約25分です。数ダイブした場合、少なくとも18時間は飛行機搭乗できないので、行きは飛行機、帰りは船を利用するプランもいいでしょう。

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