伊豆大島 スーパービーチ「秋の浜」徹底ガイド
東京からジェット船ですぐ行ける伊豆大島。生物豊富なビーチスポットの中でも、特に人気の高い「秋の浜」を徹底解剖します!
東京から1時間45分とめちゃめちゃ近い!
伊豆大島へは船で行くパターンが一般的。《東海汽船》が東京・竹芝桟橋から運航しており、日中のジェット船(高速船)と夜発の大型船の2種類がある。 おすすめはジェット船。なんと、東京から1時間45分で到着してしまうのだ。しかも、1日に数便あるのでスケジュールが組みやすい。ほかに熱海からも運航 している。
こちらがジェット船。全長約30m、2階建ての小柄な船に自動販売機、トイレが完備されている。船に航空機メーカーの航空技術を組み合わせ、“海のジェッ ト機”として海面を最高時速80km で進む。前後の水中翼で海面から浮き上がって航行するため、本当に揺れが少なく、船酔いの心配もなし!
ジェット船は手荷物重量制限あり!
ジェット船では、3辺の和が120㌢以上、もしくは重量が20km以上の荷物については、1個につき1,000円の手荷物料がかかる。ダイビングバッグであ ればほとんどが対象となるので、チケットを購入するときに申請しよう。重量がわからなければ事務所に行くと判断してくれる。
ちなみに、1人につき手荷物は2個まで。それよりも大きい物は持ち込み不可だ。
メインはビーチダイブ
伊豆大島ではビーチとボートの2種類があるが、メインはビーチスポットとなる。ボートダイブをする場合は地元の漁師さんにお願いすることになるので、事前申し込みが必要。
ただし、ビーチといってもあなどってはいけない。伊豆大島は海底300~400mからそびえたつ火山の島であり、沖は一気に落ちるドロップオフとなっている。そのため、ダイナミックな地形が楽しめたり、魚影が濃かったりと見どころたくさん。深海の生物がたまに見られることもある(GWにはアカグツの目撃情報も!)
ビーチは全部で6カ所。階段のあるところやスロープが用意されているところなどがあり、エントリーしやすい。ただし、「トウシキ」はゴツゴツした岩場を通ってエントリーするので、足場には注意しよう。
これからはニタリや季節来遊魚が到来!
9月~11月頃までは水温と気温が安定する時期。水温は23~25度を保ち、ウエットスーツでも快適に過ごせる。
また、伊豆大島で見られる超大物のニタリ(しっぽが長いサメ)の「秋の浜」での出現率が高くなったり、ミナミハコフグやニシキフウライウオなどの季節来遊魚がきたりと一層にぎやかに。もちろん、中層でのイサキやタカベなどの群れも常連だ。つまりはこれからがベストシーズンとなる。
「秋の浜」徹底解剖!
「秋の浜」とは?
6カ所あるビーチスポットの中で、もっとも人気があり、リピーターからの支持が高いのが「秋の浜」だ。エントリーしてすぐの岩場、沖の砂地、ところどころにあるガレ場……など、さまざまな環境があるため、それぞれにすむ豊富な生物が観察できるのが特徴。
また、スポット自体が広いので、いくつものコース取りが可能。そのため何度潜っても飽きることがないのだ。
秋の浜で見られる生物
ニタリ
尾ビレが長~いサメの仲間。世界的に見てもなかなか遭遇できないサメだが、運が良ければ出会えることもでき る。今年もすでに目撃情報があり、目撃した《さいとうダイビングサービス》の斎藤さんによると「今まで中層を泳ぐのは見たけれども、水底から自分に向かっ てくるのは初めての経験でした! 大物運の強いお客様のおかげかな?」とのこと。秋に期待できるかも!
コケギンポがたくさん!
岩場の穴にはコケギンポがたくさん。しかもここのコケギンポは人を恐れず、体をいつも出しているので写真にも撮りやすい。
右下のチシオコケギンポは、昨年和名がついたばかり。目の下が血潮のようになっているのが由来だとか。
透明度の良い水中
9月に入ると、透明度がアップする。良いときでは20mくらい見えるというからスゴイ。エントリー/エグジット付近は水深が浅く、太陽が射し込むとこんなにキラキラした水中になる。リゾートダイバーだから関係ないわ、なんて思っているあなた、大間違いですよ!
沖に密集する巨大トサカ
沖のほうに行くと、水深30m付近に砂地が広がり、女性の身長ほどある大きなトサカやイソバナがたくさん。まわりにはキンギョハナダイなどが点在し、フォトジェニック。
クダゴンベ
フォト派に大人気のクダゴンベ。一度いるとしばらく見られるので、ガイドにリクエストしてみよう。ただし、かなり深くなるのでダイブコンピュータをこまめに見て、無減圧潜水を徹底しよう。
カエルアンコウの仲間
イロ、クマドリ、オオモンとさまざまな種類のカエルアンコウが健在。カイメンに擬態していることが多いので、自分で見つけるのは難しいカモ。じっとしているので撮影向き。
クマノミ
ビギナーにもベテランにも人気のあるクマノミ。成長したものは黒っぽくなってしまうのだが、幼魚のうちはまだ色がありかわいい。水温が低いと越冬することができないクマノミだが、ここでは一年中いるので見てみよう。
エントリー/エグジットもしやすい
「秋の浜」は岬の先端からジャイアントストライドでエントリーする。手前の駐車場でセッティングをし、器材を背負って岬までいき、岬でフィンを履いてエントリーしよう。
●エントリー方法
カメラを持っているときは、片手でカメラをもち、上に上げてエントリーすると衝撃が少ない。片方の手はしっかりマスクをおさえよう。
●エグジット方法
まずは水中でフィンを両足脱いでしまう。
エグジット用のはしごが岬の左右についているので、よじ登って上がろう。
脱いだフィンは、片手にまとめてはしごをのぼる。このとき、カメラをそのまま持っているとはしごにガンガンぶつかってしまうので、先に腕にカメラを通し、その後でフィンを通すと、フィンが壁となってぶつからずにすむ。
トイレとシャワーも完備!
駐車場の隣にトイレとシャワーもあるので、冬のドライスーツの時期でも安心。 普通は1本ごとにダイビングサービスに戻るが、3本潜るときは続けて2本潜るときがある。