
2014年6月号
三宅島は東京の南海上175km、伊豆大島の南57kmに位置する伊豆諸島のメインアイランドのひとつ。直径8kmのほぼ円形をした島の中心には雄山という活火山があり、火山島ならではの壮大な地形が陸上から海へと続いている。
火山活動によって造り出された水中のダイナミックな地形や、世界最北限とされるテーブルサンゴの群生、そしてアフターダイビングには体を温めながら夕日を望むことのできる温泉など、三宅島にはダイバーを魅了する火山島ならではの魅力がたっぷり!!
三宅島への足《東海汽船》の大型客船が6月27日から新しい船に変わった! 現在の「かめりあ丸」に変わる新船として、東京~三宅島~御蔵島~八丈島を結んで運航される。画家の柳原良平氏によるカラーリングは、大胆なイエローオーカーとオリーブ色のツートンカラー。
往路は東京・竹芝桟橋を22時30分に出港し、寝ている間に三宅島に到着(翌朝5時着)。復路は三宅島を13時35分に出港し、竹芝桟橋には19時40分着。
金曜の夜に東京を出れば日曜の夜帰るまで、たっぷり1日半の三宅島滞在を楽しめる。
「橘丸」は従来に比べ低振動、低騒音を実現し、快適な船旅を提供。2名定員個室の特等席(10室)や特一等貸切ルーム(5室)を用意していて、夫婦およびグループなどの個室需要にもしっかりと対応している。乗降口からのエレベーターや車いす対応のトイレなどバリアフリーへの対応もバッチリ
2014年4月2日から調布飛行場より《新中央航空》の飛行機便が、1日3便の間隔で運航。 船が苦手な方、仕事が忙しくて長い休みが取れない方でもたったの50分で南国の楽園・三宅島へ。この夏は三宅島へLet's go!!
三宅島到着間近には、空から雄大な島の風景を眺めることもできる
「8月頃までは生まれたばかりの赤ちゃんイルカと会えます」とのこと。"胎児皺"という赤ちゃんならではのシワがついた小さなイルカと遭遇できるチャンスあり!」
(動画/コメント:東京ダイビングセンター/粕谷健治さん)
三宅島からボートで約45分、御蔵島の周辺には野生のミナミハンドウイルカの群れがすんでいる。保護されているため、彼らは人間を恐れず、とてもフレンドリー。タンクは使わず、スノーケリングで一緒に泳ぐことができる。海況が穏やかになり、水温も高くなる夏は、ドルフィンスイムのベストシーズンだ。
ビーチエントリーで潜れる「富賀浜」には、テーブルサンゴの大群生が広がる。実はここはテーブルサンゴの群生の北限地点。《スナッパー ダイビングセンター》の野田さんいわく、「テニスコート2面分はある」というサンゴ礁のスケールの大きさを、自分の目で確かめたい。
三宅島で毎年6月の風物詩として人気なのが「メガネ岩」でのダイビング。巨大な3つのアーチと複雑な地形が楽しめるこのスポット、今年は5月31日から6月29日までの土日のみ潜ることができる。火山島特有の壮大な地形が堪能でき、アーチの下にはさまざまな魚が群れているのが見られる。 期間限定の海なので、潜りに行くなら今しかない!
シマアジの捕食シーンは、ド迫力! 生物相の厚い三宅島の海では、食物連鎖の決定的シーンが目の前で繰り広げられる。動画で撮影すると、群れが形を変えながら泳ぐ様子がよくわかり興味深い。 ほかにもアオリイカやハナイカなどイカの仲間の産卵、口内保育するジョーフィッシュなど、これから夏にかけては産卵・子育てなどのシーンも見どころのひとつ。クマドリカエルアンコウやニシキフウライウオなどの南方からお季節来遊魚もお見逃しなく‼!
アオリイカの産卵はこれからの時期盛んになる。オス同士のバトルや小さな卵から生まれたばかりの赤ちゃんイカまで、観察すればするほどおもしろい
水温が上がり始める初夏には、キュートなクマドリカエルアンコウも姿を見せる。フォト派の被写体に最適のモデルだ
口の中いっぱいに卵を入れて子育てするジョーフィッシュ。写真の卵からはすでに小さな目が透けて見えていて、もう少しすると誕生の瞬間が見られる
ハナイカの産卵、ふ化シーンも夏の三宅島では見られる。ハナイカは水中で泳ぐ動きがおもしろいので、じっくり観察したい
「6月は『メガネ岩』が解禁されているので、ぜひ潜っていただきたいです。1ダイブでアーチが3つ見られて、ダイナミックな地形を楽しめます。また産卵シーズンに入り、スズメダイやネンブツダイなど普段あまり注意して見ないお魚も、観察してみるとおもしろいですよ。水温が23℃を超えてくるとカンパチやヒラマサなどの回遊魚も登場します。動画でご紹介した『富賀浜』のサンゴの群生もぜひ見ていただきたいです」
(スナッパーダイビングセンター/野田博之さん)
「夏になると、黒潮の影響で水温も透明度もアップしてきます。カンパチやシマアジが増えてきて、エサとなるキビナゴやイワシの子供も増えてきます。海況も穏やかで北限のテーブルサンゴの群生『富賀浜』、キンギョハナダイのすごい数の群れが見られる『カタン崎』などいろいろなスポットが楽しめます。またアフターダイブは噴火の後に溶岩流が流れて、学校が埋まった場所など火山島ならでは景観を見に行くのもおもしろいですよ。遊歩道があるので、歩きやすいです」
(東京ダイビングセンター三宅島/島崎隆さん)
メガネ岩
5月31日、6月の土曜、日曜限定スポット。伊豆諸島最大のアーチがあるビッグスポットで、3つのアーチがあるダイナミックな地形を楽しめる。ふだんダイバーが入っていないため魚影が濃く、イサキやタカベ、回遊魚もやってくる。
大久保浜
三宅島を代表するビーチスポットで、テーブルサンゴや砂地などバラエティに富んだ環境。カスザメ、初夏のアオリイカ、季節来遊魚、ウミウシなどのマクロ生物といろいろな生物が見られる。最大水深18㍍でビギナーから楽しめる。
学校下
ジョーフィッシュのコロニーがあるほか、マクロ系生物が多く、ハタタテハゼなどのハゼの仲間も見られる。ニタリなどのレア物が出現することもある。
釜の尻
年間を通してウミガメとの遭遇確率が高いスポット。テングダイやユウゼン、タテジマキンチャクダイなど、三宅島らしい生物を豊富にウオッチングできる。
伊ヶ谷・カタン崎
キンギョハナダイなどの魚影の濃さはトップクラス。夏から秋にかけてはシマアジやカンパチなどの大型回遊魚も登場。透明度も高いことが多い。
富賀浜
テーブルサンゴの大群落がある人気のスポット。中性浮力をしっかりとって、サンゴを傷つけないように気をつけて潜ろう。ウミガメや回遊魚もしばしばやってくる。
キンギョハナダイの群れは「伊ヶ谷・カタン崎」でよく見られる