快適な大型ボートのあるバブルリングダイバーズ串本で潜る
紀伊半島 串本
和歌山県紀伊半島に位置する串本は、本州最南端の町。初心者から潜れるダイビングスポットは、内湾と外海に点在していて、太平洋のダイナミズムから豊かな生物相まで一日だけでも楽しめるほど。静かな入り江に面して建てられた《バブルリングダイバーズ串本》なら、整ったダイビング施設と高速44人乗り大型ダイビングボートで目の前から海へ行け、とってもラクチン♪
※2024年7月現在の情報です
串本がダイビングにいい理由
黒潮の影響が強い、暖かくて透明度抜群の海
Movie by Yukari Goto(以下、Y.G)
テーブルサンゴが広がり、スズメダイの仲間やキンギョハナダイが舞う「浅地」
写真/バブルリングダイバーズ串本
串本は本州最南端の町。世界最大級の暖流「黒潮」の影響が強く、海は水温がほかのエリアに比べると高く、透明度も非常に高いことで、ダイビングには最高。紀伊半島の南部(南紀)の中でも早くからダイバーが訪れるようになった随一の人気エリアです。
ダイビングスポットは内海エリア、外洋エリアに20カ所以上が開拓されていて、内海エリアはボートで遠くても10分足らずと近く、湾内にあるので基本的に流れがなく穏やかで、初心者でものんびり潜れます。魚影が濃く、魚や生きものの種類も豊かなため、フォト派ダイバーにも人気です。
外洋エリアは流れがあるスポットも多いので、《バブルリングダイバーズ串本》ではダイビング経験本数が最低50本以上の、中級者以上のダイバーをご案内。回遊魚の群れに会える確率が高く、大物に会える可能性もあり、ワイド好きにはもってこいです。
スジクロユリハゼのペア
写真/バブルリングダイバーズ串本
ハチジョウタツも見られる外洋エリア
写真/バブルリングダイバーズ串本
外洋エリアでは、アケボノハゼやクロユリハゼ、ハチジョウタツなど深場を好むマクロ系の生きものもよく見られます。ヤギを見ればバージバンティピグミーシーホースも見つかります。こちらもフォト派にオススメですね。
外洋スポットへはボートで約15~20分です。
施設充実で快適
《バブルリングダイバーズ串本》の店内。大きなテーブルとイスはテラスにも4セットあって、グループごとに利用できます。店内には無料のコーヒーやスープがあり、カップめんやお菓子類が有料で販売されています
写真/バブルリングダイバーズ串本
《バブルリングダイバーズ串本》はJR串本駅から白浜方面へ車で約5分の場所に位置しています。店から船まで徒歩10秒と超便利。店の目の前の堤防側に車を停められるので、マイカーでの利用もラクチンです(器材を船に積んでもらうのにも便利です)。一段高くなったところに店の施設があって、男女別更衣室やトイレ、7基の温水シャワー、ウォシュレットトイレ、冷暖房完備の休憩室、屋根付きテラスがそろっています。しかも無料バスタオルの貸し出しも再開。至れり尽くせりとはまさにこのこと。器材洗い場、干し場も広いので、ダイビング後に器材を洗って乾かしている間にログづけをしたり休憩をしたりするのにも便利です。
高速44人乗り大型ボートでGO!
ボート中央にタンク用のベンチがあるので、大勢でも快適な「ブルーモアナ」号
写真/バブルリングダイバーズ串本
串本ではビーチエントリーで潜ることはほとんどなく、ダイビングスポットへはボートでアクセスするのが普通です。内海エリアは潮岬方面への内湾沿いにあり、《バブルリングダイバーズ串本》からボートで遠くても10分以内、外海エリアのスポットはボートで西の方へ15~20分ぐらいのところに点在しています。
いずれも近いので基本的には1ダイブごとに店に戻って休憩します。カメラのバッテリー交換もできるし、トイレにも行けるのでとても便利です。
《バブルリングダイバーズ串本》のダイビングボート「ブルーモアナ」号は、ダイビング専用でスピードが速く、スポットまでの移動が速くて快適。44人乗りと大型で。トイレも付いているので、外洋エリアに遠出しても安心です。
フライングデッキに出れば最高の景色が楽しめますし、雨が降ったり強い陽射しの場合は、波除シートが設置されているので船内は快適です。
《バブルリングダイバーズ串本》は外洋へのアクセス頻度が高く、10月の3連休までの間、週末や連休は外洋便が普通にありますし、平日もリクエストベースで外洋へ出かけています。大物&ダイナミックな海が好きなダイバーにはたまりませんね。
外洋エリア「浅地」で、ガイドの近藤貫那(かんな)さんが急に後ろを指差した。振り返るとそこには巨大なハンマー! が、証拠写真程度しか写らなかったのでした(涙)
Movie by Y,G
もっと串本の海のこと
サンゴ群落の存在でラムサール条約に登録されている海
サンゴが群生する海にはアオウミガメも生息
写真/バブルリングダイバーズ串本
串本といえば高緯度にもかかわらずテーブルサンゴが広範囲に群生していることで、世界的にも注目されています。その種類は90種以上にも上ります。本州では最も多いサンゴの海といえます。
この貴重な環境より平成17(2005))年には串本沿岸海域が国際的に重要な湿地、ラムサール条約登録湿地として認定されています。私たちダイバーはこれからも大事な環境を守っていかなければなりませんね。
里山の豊かな自然と黒潮に育まれている海
マンボウの姿も年に何度か目撃されています
写真/バブルリングダイバーズ串本
クシハダミドリイシなどテーブル状になるサンゴが群生
写真/バブルリングダイバーズ串本
本州最南端に位置する串本は、古くから黒潮の影響を多大に受けてきたことで知られています。気候も温帯にありながら亜熱帯に近いといわれ、水温も夏は29℃以上になることもしばしば。冬でも16℃を下回ることはほとんどない、暖かな海です。そのせいか、サンゴも多数生息していますが、生息する魚種も1,300種以上とかなりの数に上ります。
串本周辺の海には紀伊半島の緑豊かな森林からいくつもの川を通して栄養分豊富な水が流れ込んでいます。海の豊かさは山や川など陸の自然の豊かさに比例するといわれますが、串本の海はまさにそれを体現しています。
串本の代表的なダイビングスポット
主な外洋スポット
キビナゴのものすごい群れも見どころ
写真/バブルリングダイバーズ串本
「浅地」でヒレナガカンパチに超接近! しかもダイバーの周りを群れがぐるぐると回ってくれました
動画/バブルリングダイバーズ串本
串本を代表する外洋スポット「浅地」をはじめ、《バブルリングダイバーズ串本》からボートで15~20分ぐらいの外海にスポットがいくつもあります。水深40mぐらいの海底から立ち上がる巨大な根では、岩と岩の間をスイムスルーするなど地形も楽しめます。
根のトップにはテーブルサンゴの群生やもふもふのウミトサカの群生などがあり、キンギョハナダイやスズメダイの仲間たちが大乱舞。中層にはカンパチ、ヒレナガカンパチ、ツムブリなどの回遊魚が。タカサゴの仲間やタカベの群れなども圧巻です。潮の流れが速くなることもあり、中級以上のダイバー向きです。
人気No.1の「浅地」では神秘的な地形ダイビングも楽しめます
写真/バブルリングダイバーズ串本
主な内海スポット
ウミトサカに群れるキンギョハナダイ
写真/バブルリングダイバーズ串本
カゴカキダイの群れの奥にアカヒメジの群れが重なり、青い海に映える景観に
写真/バブルリングダイバーズ串本
内海スポットには「住崎(すみさき)」といわれる潮岬半島西の岬の周りに開拓された、その名も「住崎」と、「備前(びぜん)」「グラスワールド」「サメのヒレ」などと、湾の中ほどにある「中黒礁(なかぐるみ)」などがあります。多くのダイビングサービスが利用しているので、迷子にならないようにガイドについてしっかり潜るようにしましょう。
最もポピュラーな「住崎」はブイがいくつかあってコース取りはいろいろ。砂地に大小の根が点在していて、最も大きな根は「カゴカキの根」ともいわれ、カゴカキダイの群泳が見ものです。春にアオリイカ、夏にアオウミガメの姿も。
「備前」のクロホシイシモチやキンメモドキの群れる根にはアザハタの姿も見られ「アザハタの根」とも呼ばれています
写真/バブルリングダイバーズ串本
「住崎」のすぐ南に位置する「備前」も砂地に大小の根が点在していて、魚や海の生きものたちのオアシスになっています。砂地にはヤシャハゼやホタテツノハゼ、ネジリンボウなど人気のハゼが見られることもありハゼ好きにはたまりません。冬から初夏にかけてはウミウシやエビ・カニ類の宝庫となります。
夏頃から南からやってくる季節来遊魚も増えてくる。擬態上手なカミソリウオの姿も。「グラスワールド」にて
写真/バブルリングダイバーズ串本
「中黒礁」に現れたオオモンカエルアンコウの幼魚
写真/バブルリングダイバーズ串本
期間限定「アンドの鼻」
普段は漁業のため潜水禁止ですが、秋から冬にかけて期間限定でダイバーに解放されることがあります。とても魚影の濃い根にキンメモドキが群れていて、その中に潜んでいるアザハタが群れをまとめてくれるのでとてもフォトジェニックです。ほかにもヒレナガネジリンボウやヤノダテハゼ、ホタテツノハゼなどハゼ好きにはたまらないアイドルも!
串本へのアクセスニュース!
2025年にはさらに近くなります!
車派ダイバーは既にご存じでしょうが、高速やバイパスが延びたおかげで、串本へは大阪から車で3時間、名古屋から4時間と日帰りで訪れることができます。来年春には、さらに大阪-串本が高速道路でつながり、早く、便利になります!
電車利用も可能で大阪からJR特急「くろしお」利用で、串本駅まで乗り換えなし、約3.5時間と便利です。
東京方面からは、勝浦行きの夜行バスを利用すると便利です。JR勝浦駅から串本駅までは約40分。
写真・情報提供/バブルリングダイバーズ串本
文/後藤ゆかり(マリンダイビングWeb)