絶海の孤島でボニンブルーの海を堪能
世界遺産 小笠原
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貴重な自然に恵まれていることからユネスコの世界自然遺産にも登録されている“東洋のガラパゴス”小笠原諸島。
東京都に属しているにもかかわらず、はるか1,000km南の太平洋に浮かび亜熱帯気候に属します。
「おがさわら丸」が到着する父島は小笠原最大の観光地で2つしかない有人島の1つとなります。
「ボニンブルー」と呼ばれる透明度抜群の紺碧の海では通年イルカやクジラが見られる他、四季折々で固有種が見られたりとバラエティーに富んだ豊かな海となっています。
- ▼ザトウクジラの楽園、小笠原
- ・小笠原にザトウクジラが集まる理由
- ・おすすめのホエールウオッチングシーズンは1~4月
- ▼小笠原のボニンブルーに染まりたい
- ・透明度抜群! 小笠原の極上のブルー
- ▼小笠原はダイビングもおもしろい
- ・大物や群れもいろいろ
- ・ダイビング中、イルカに会えることも
- ・小笠原の固有種も見逃せない
- ▼父島の宿泊とダイビング
- ・二見港に近くて便利! ウエストイン
- ・小笠原の海を知り尽くしたパパスダイビングスタジオがガイド!
- ▼自然を満喫しよう! アフターダイブ
- ・ダイビングの合間にリクエストして行きたい、南島
- ・展望台巡りもオススメ
- ・コンビニは、ない
- ▼小笠原へのアクセス
- ・おがさわら丸で快適クルージング
ザトウクジラの楽園、小笠原
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圧倒的な存在感を誇る巨大なザトウクジラ。海面から豪快にジャンプする様子にはただただ感動
小笠原にザトウクジラが集まる理由
小笠原諸島近海には20種類以上の鯨類が出没しています。中にはハンドウイルカやハシナガイルカ、マッコウクジラなども。また、ザトウクジラも冬になると島からでも見られるようになり、ホエールウオッチングが日本で初めて開催されたのも小笠原です。
なぜこの海域に毎年多くのザトウクジラが来るのでしょう? 日本にやってくるザトウクジラの多くは夏の間、栄養分が豊富なアリューシャン列島付近の海域でたくさんの餌を食べ、栄養を蓄えています。水温が冷たくなり餌も少なくなると南下してきて、繁殖のために求愛・交尾・出産、そして子育てを小笠原など日本の暖かな海で行なうのです。
おすすめのホエールウオッチングシーズンは1~4月
早ければ12月頃から姿を現し始めるザトウクジラですが(2020年は10月に既にほかの海域で発見されていますが)、たくさんのザトウクジラが集まるのは毎年1月から4月にかけてといいます。遅いクジラたちは5月頃まで島の周りにいますが。
中でも2~3月はザトウクジラの数がピークになり、ウオッチングには最適です。オスたちが自分の力を競い合うエキサイティングな泳ぎや豪快にしぶきを上げながらジャンプするブリーチングなど迫力たっぷりな行動や、生まれたばかりの赤ちゃんクジラに泳ぎ方を教えたり、外敵から赤ちゃんクジラを守ったりするお母さんクジラのほほえましい行動が見られることもあります。
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まるで「カモーン!」といわれているような、ペックスラップ行動。長い胸ビレにびっくり!
小笠原のボニンブルーに染まりたい
透明度抜群! 小笠原の極上のブルー
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ボニンブルーと呼ばれる、透明度抜群のとことん青い海が小笠原の島々を取り囲んでいる
地球の長い歴史の中でいまだかつてどこの大陸とも接したことのない、“海洋島”でもある小笠原。東京から約1,000km南の太平洋にポツンと浮かぶ大小30余りの島々で、人が住んでいるのは北の父島と南の母島のみ。両島合わせて3,000人余りしか住んでいないため(観光客は年3万人前後いますが)生活排水の影響はほとんどなく、美しい海が残されている貴重な島です。昔、人が住んでいなかったため「無人島」(ぶにんじま)と呼ばれていたという説がありますが、発見したアメリカ人がそれを「ボニンアイランド」と訳したことから、この美しい透明度抜群の海を「ボニンブルー」と形容したといわれています。
小笠原はダイビングもおもしろい
大物や群れもいろいろ
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水温が低くなってくると遭遇率が高くなるシロワニ
いかにも凶悪なサメ!という顔をしていながら、とてもおとなしいシロワニが名物でもある小笠原。マンタや“小マンタ”といわれるヒメイトマキエイ、秋の「閂ロック」で見られるウシバナトビエイの大群などでも知られています。
夏はケータ列島・嫁島「マグロ穴」のイソマグロの大群も有名です。ほかにも大型回遊魚もカッポレやツムブリなどが突っ込んでくることも。
圧巻なのがウメイロモドキなどタカサゴの仲間たちの流れるような魚群。その美しさが大好き♪というダイバーも少なくありません。
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栄養分豊富な海では、さまざまな魚たちが群れ固まっている。
ダイビング中、イルカに会えることも
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フレンドリーなイルカ達と一緒に泳ぐことも!
ザトウクジラにも会いたいけれど、小笠原の周辺海域にはイルカもいっぱい。ドルフィンスイムツアーも開催されているけれど、ダイビング中、突然、キュンキュン鳴き声が聞こえてきた……と思ったら、目の前にイルカが現れるなんてことも! あまりにもすばしっこくてあっという間に視界から消えてしまうかもしれないけれど、運が良ければ長い間一緒に遊んでくれることも!! ボーッと生きていてはいけません。あ、違った。ボーッと潜っていてはいけません。
小笠原の固有種も見逃せない
小笠原は日本のガラパゴス!? いまだかつてどの大陸にも属したことのない、独立した「海洋島」である小笠原諸島ですが、これはあのガラパゴスも同様。独自に進化した生命がその島ならではの固有種となって生息しているのです。
海の生き物の場合、海流で運ばれ、ほかの場所でも見られることがありますが、友禅染めの模様にそっくりなユウゼンや、水玉模様がキュートなミズタマヤッコ、帯を締めているような姿が不思議なブダイのオビシメ、巨大なイセエビ、アカイセエビなどなど、小笠原には珍しい生き物がいっぱいなんです。
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チョウチョウウオといえば、鮮やかイエローカラーのものが多いなか、シブイ衣装をまとったユウゼン。日本では小笠原と八丈島でしか見られないといわれる(柏島や沖縄に流れ着くこともあるようだが)
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ニシキウミウシだと思ったら、どうも色合いがほかとは違う……。小笠原バージョンのニシキウミウシも見つかる
父島の宿泊とダイビング
二見港に近くて便利! ウエストイン
小笠原のダイビングツアーの場合、ダイビングサービスに併設された宿泊施設や近隣の宿を利用するのが便利です。
今回、小笠原ダイビングツアーを紹介してくれる《クラブアズール》では、《パパスダイビングスタジオ》をダイビングで利用するため、宿泊施設はそのそばの《ウエストイン(ウエスト本館)》を利用します。
二見港から徒歩7~8分、島で最も古い小笠原聖ジョージ教会に隣接した1986年オープンの南の島風のプチホテル。6畳和室が4室、ツインルームが1室。お部屋からもテラスからも二見港の美しい海が見渡せ、快適な日々が過ごせること間違いありません。
お食事はツアーには朝食しか付いていませんが、別料金で夕食には季節に応じた島魚、島野菜をふんだんに使った家庭料理が振る舞われます。無線LAN、エアコン完備。コイン式の洗濯機あり。
ダイビングショップ≪パパスダイビングスタジオ≫併設のホテルは≪パパス・アイランド・リゾート≫となります。
白とブルーを基調としたアーリーアメリカン風の建物で、解放感バツグンの島唯一の広さを誇るウッドデッキが人気。
レストランは地元民にも人気があり、島の食材をふんだんに使ったオリジナル料理を提供しています。
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緑に囲まれた2階建ての《ウエストイン》
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開放感たっぷりなテラスからは、二見港の青い海も見える
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開放感あふれるウッドデッキ
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全室バス・トイレ(ウォシュレット)付の清潔感のあるお部屋
小笠原の海を知り尽くした
パパスダイビングスタジオがガイド!
《クラブアズール》の小笠原ダイビングツアーで利用するのは、現地の海も島も知り尽くしたプロフェッショナルなスタッフたちが集まる老舗ダイビングショップ《パパスダイビングスタジオ》。旬の海を案内してくれるほか、オプショナルとしてホエールウオッチングや南島ツアー、トレッキング、ナイトツアーなどを開催。また同系列のお土産店やオシャレなカフェなども充実。全身オイルトリートメントマッサージなどリラクゼーション施設もあります。
お客様のご希望に合わせて、≪KAIZIN≫≪小笠原ダイビングセンター≫≪ウラシマン≫≪マリンコンダクターエスコート≫etcの手配も可能です。
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大型ボートで快適なダイビング♪
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街中にあるダイビングショップは白くてオシャレな建物
自然を満喫しよう! アフターダイブ
ダイビングの合間にリクエストして行きたい、南島
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目の覚めるような真っ白なビーチとその先に広がるエメラルドグリーンの扇池
父島の南東に浮かぶ南島は、国立公園特別保護地区に指定されており、認証された東京都自然ガイドが同行しないと上陸ができないうえ、一日最大100人までしか上陸が許可されていない貴重な島(年末年始を除き、10月末~2月初旬に入島禁止となることがあるのでご了承を)。
それだけに扇池前の白砂は美しく、エメラルドグリーンの海は超絶フォトジェニック。行けるのであればぜひ行きたいところの一つです。
展望台巡りもオススメ
ダイビングサービスのある二見港周辺の街には夜遅くまで営業しているレストランやバー、居酒屋などもあるけれど、数はさほど多くなく、キャパシティも小さいため、混み合う時期はすぐ満員になるため、予約しておいたほうがいいでしょう。でも、どこも個性的でオススメです。
飲食もいいですが、自然あふれる小笠原ではやはり自然をたっぷり味わいたいものです。
《パパスダイビングスタジオ》では、手軽に参加できるショートトレイルから、父島南端のハートロックの上に昇る本格的な一日コースなどのトレッキングツアーをご用意。冬にはザトウクジラも見つかるかも!
また、バイクなどをレンタルして(原付バイクの事故が多いようなので、くれぐれもご注意を)展望台巡りも楽しいです。
さらに、同じく《パパス》では夜の島を巡るナイトツアーも開催。不思議な生物を見にぜひ参加していただきたいです。
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ナイトツアーでは運が良ければ、光る植物、グリーンペペが見られるかも!
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街を歩けば至るところにザトウクジラや小笠原の生き物たちが
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起伏に富んだ父島はドライブやツーリングで展望台巡りも楽しい
コンビニは、ない
ところで、何か欲しいものがあってもコンビニエンスストアにいつでも行けるという都会に住んでいる人が多いと思うけれど、小笠原にはコンビニエンスストアというものは、ない。ありません。たいていのお店は18時、19時に閉まってしまうため、3ダイブして帰ってきてシャワーを浴びて買い物に……というのは現実的ではありません。
でも! 街の中にある《佐藤商店》が朝7時からなんと夜中12時または1時までオープン。ありがたいことです。
ですが、品物はおがさわら丸で運ばれてくるため、入港日や翌日は品数豊富でも、次の入港日近くになると品薄に……。さらに欠航となると、棚からモノは消えていきます(どのお店も同様)。食事などは宿で食べるように手配しておいて、おやつやスナック類は持参しておくといいでしょう。
ATMは銀行と郵便局にありますが、やはりオープンしている時間が短いのでご注意を。
小笠原へのアクセス
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東京と小笠原・父島を結ぶ唯一の定期便
おがさわら丸で快適クルージング
空港建設の話題が出ては消える、世界自然遺産の小笠原諸島・父島。空路はなく、訪れるにはすべて海路となります。ここへ唯一定期的に便を出しているのは、2016年夏に3代目の新艇として登場した「おがさわら丸」。全長150m、全幅20.4m、1.1万tの客船で、旅客定員は892名。2代目が所要時間約26時間だったのが、23.8Knotとなり、24時間で東京・竹芝桟橋と小笠原・父島の二見港を結んでいます。
船内にはレストラン、ラウンジバーのほか、シャワー、トイレ、自動販売機コーナーなどが充実。快適な船旅が味わえます。
客室は特等室から2等和室まで6カテゴリーあり、予算とご希望で選べるようになっています。ただし、混雑時はすぐに満席になってしまうため、予約はお早めに。
現在「おがさわら丸」では任意によるPCR検査(検査費無料)を実施しております。ダイビングショップやホテル、飲食店等で陰性証明書の提示が必要となる場合もありますので、安心・安全に旅行を楽しむために受検しましょう。