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新おがさわら丸で行く ボニンブルーの海
小笠原 夢の6日間

新おがさわら丸で行く ボニンブルーの海 小笠原 夢の6日

東京の南およそ1,000km。西太平洋のど真ん中に浮かぶ、有史以来一度も大陸と交わったことのない海洋島、小笠原諸島がある。
その地理的な歴史、生息する生物の珍しさは“東洋のガラパゴス”ともいわれ、
透明度の高いとてつもなく青い海は“ボニンブルー”と呼ばれる。
大海原に立ち上がる島々は海洋を巡る回遊魚や生き物たちの恰好の休憩所や餌場にもなっていて
その水中は、潜った誰もが感動する素晴らしいダイビングパラダイス。
そんな小笠原へは2016年7月新たに誕生した3代目「おがさわら丸」でのみアクセスが可能。
GWや夏には“発着便”といって「おがさわら丸」がフル稼働し、4~5日に1回、東京・竹芝桟橋を出港することもあるが、これからの季節は基本的に週1回、東京発着6日間のスケジュールで運航されている。
6日間の小笠原の旅……、どんな夢が待っているんだろう?

1日目
東京・竹芝桟橋発

11:00発だから
地方からも乗り継ぎが可能!

2016年7月に登場した「おがさわら丸」は、超エコ建造のため、低燃料で高速化が可能になり、
従来よりも1時間30分早い、24時間で東京-小笠原の父島を結ぶこととなった。
それに伴い、出発時間が遅くなり、東京・浜松町駅近くにある竹芝桟橋を午前11時に出港することに。
東京駅や羽田空港に朝1便で到着すれば、たいていの日本全国から乗り継ぎが可能な時間。
東京近郊の方にももちろんオススメだが、そうでない方もぜひ計画してほしい。

おがさわら丸の運航スケジュール

東京発 父島着 父島発 東京着
11:00 翌11:00 15:30 翌15:30

※便によっては館山や伊豆大島を経由することがあり、到着時間が多少ずれますのでご了承ください。
※出発日はこちらでご確認ください。

東京湾から太平洋へ
24時間の船旅

ダイブクルーズに参加したことのある方ならわかってくれる方も多いと思うが、
船旅というのはのんびりしていて、海況さえ悪化しなければ最高である。
寝ても覚めても海の上、という非日常的な世界もたまらないし、
見渡す限りの水平線という世界も、都会であくせく働いている者にとっては最高のプレゼント。

写真をクリックすると360°表示となり、クリックなどで動かせます。
画像提供/小笠原村観光局

「おがさわら丸」の旅では、行きに夕日と朝日、帰りも夕日と朝日を拝むチャンスがあるので、
往復で2回ずつ壮大な太陽のドラマを鑑賞できるかもしれない。
しかも、雨が降れば大きな虹のアーチも。
夜間は船外に出られないので、満天の星を眺めるのは、小笠原でするとして、
普段なかなか触れることのできない地球の営みを実際に味わってみてはいかがだろう。

「おがさわら丸」からの夕日

充実の船内

24時間もの間、「おがさわら丸」で何をしたらいいんだろう?
2016年7月に新たに登場した「おがさわら丸」には、超快適な施設がいっぱい!
客室は特等室、特1等室、1等室、特2等寝台、2等寝台、2等和室の6カテゴリーだが、
最もリーズナブルな2等和室も、横になると頭になる部分に仕切りがあり、
上には棚、壁には上着などがかけられるフックも。枕や毛布も1つ1つに設置されている。
さらに別の場所には大きな荷物置き場や給湯室、シャワールームなどもあるので、
かなり快適な船旅ができる。

貴重品をしまっておけるロッカーや、冷蔵品をしまっておける冷蔵コインロッカーなどもある。

2等和室/写真をクリックすると360°表示となり、クリックなどで動かせます。
画像提供/小笠原村観光局

特2等寝台以上にはTVもあり、伊豆諸島を超える頃までは電波も届くので、お好きなチャネルを見ることができる。
各所(2等和室を除く)に充電可能な電源があるので、携帯やプレステなどで音楽やゲームを楽しむこともできる。

仲間と一緒であれば、話したり、持って行ったトランプなどで遊んだり、
TVやゲームを楽しんだり、読書をしたりしながら、時々海を眺めに外に出たりしているうちに、
意外にもあっという間に時間は過ぎていくのであった。

特1等室/写真をクリックすると360°表示となり、クリックなどで動かせます。
画像提供/小笠原村観光局

特2等寝台/写真をクリックすると360°表示となり、クリックなどで動かせます。
画像提供/小笠原村観光局

食事はレストランChichi-jimaがオススメ

「おがさわら丸」では乗船日の昼、夜と、下船日の朝の3回、食事の時間がある(自由に決めればいいのだが)。
レストランは1カ所「4デッキ」に「レストランChichi-jima」があり、朝昼晩と決まった時間にオープンする。
明るくて爽やかなインテリアで、カフェテリア方式になっていて、空いている席に座ればいい。
船の食事だからなぁとあまり期待していなかったのだが(失礼!)
いずれもとても美味しく、値段も思った以上にリーズナブルだったので、ついつい3食ともお世話になってしまった筆者であった。

写真をクリックすると360°表示となり、クリックなどで動かせます。
画像提供/小笠原村観光局

「特選しょうが焼きスペシャル」1,280円。厚みのある豚肉はジューシーで生姜の香りもたっぷりで大満足。ちなみにレストランでは生ビールが530円、瓶ビールが630円

朝食時、定食ではなく、好きなものを単品でそろえていったら、なんと1,060円になってしまった。欲張り過ぎたと反省

展望ラウンジHaha-jimaや
コンビニ、自販機もある

行きではなく、帰りに小笠原で知り合ったダイバーの方々と長居してしまったのが、
終日開放の「7デッキ」にある「展望ラウンジHaha-jima」。
その名のとおり、ガラス張りの窓から雄大な景色が眺められるため、「あ、虹だ!」と
みんなで見に行ったり、「夕日だ!」と言っては夕日を眺めに行ったり(すみません、かなり迷惑な客だったかも!?)
ビールやお酒を飲みながら、充実した時間を過ごすことができた。
軽食もあるので、食事をこちらで取りたい人もOK。

ほかにも船内にはコンビニ的な売店があったり(21:30以降、朝7:00までは閉まっているので注意)、24時間買える自販機もあり、カップラーメンや冷凍食品などでご飯をすますこともできる。

写真をクリックすると360°表示となり、クリックなどで動かせます。
画像提供/小笠原村観光局

「6デッキ」にある売店「ショップドルフィン」では、あったかいコーヒーや冷たい飲み物、スナック菓子からオリジナルグッズまで買える

「4デッキ」にある自販機コーナー。飲料やアイスのほか、カップ麺なども販売されていて、熱湯の出る給湯機も設置されている。至れり尽くせりだ。

2日目
父島着。午後は2ダイブも可

11:00に父島に到着~♪

朝日を眺め、朝食を食べた後、また二度寝をして……とのんびりしているうちに、
島影がいくつか見えてくる。最初は小笠原諸島最北端の聟(むこ)島列島が。
ここはダイバーの間では超憧れの、“ケータ”とも呼ばれる列島で、
ユネスコ世界自然遺産にも登録されている北之島に始まり、次に聟島、まさに針のような針之岩、そして媒(なこうど)島、嫁島と続く。

嫁島を過ぎてから20分ぐらいしてからだろうか、最終目的地の父島とその周辺の島々が見えてくる。

ついに到着! ということで、荷物を持って4デッキに集合し、順番に並ぶ。旅客定員はなんと894名!
見ると、港には出迎えの人たちで大にぎわい。ダイビングサービスや宿の看板を持った人たちがたくさんいる。
いち早くお目当ての看板を見つけ、近づくと「お帰りなさーい!」の声。
初めてのゲストにも我が家に帰ってきたかのようにこう声をかけているのだという。
そりゃ「ただいま~♪」と答えるしかないでしょ(^^)。

父島の二見港に到着! 出迎えの島の人たちと観光客でごった返す

早速ダイビングに出かけ
ボニンブルーの洗礼を受ける

せっかくの小笠原。滞在中にできるだけたくさん潜りたい!
ということで、昼食は売店でおにぎりやお弁当を買ってきて、ささっとすませ、
すかさずダイビングに出発!

港を出てすぐ、どこまでも澄んだ群青色の見たこともないようなブルーの世界に引き込まれる。
これぞボニンブルー!

「バラ沈」から「沖バラ」へというコース取りで潜る。「沖バラ」の沈船にはスカシテンジクダイがびっしり!

「北一ツ岩」では、ブルーの海に映えるノコギリダイやアカヒメジの大群がすぐ目の前に!

ウェザーステーションへ

どうせなら夕日も見に行こう!
ということで、歩き始めたところで、これからウェザーステーションへ行くというダイビングガイドさんにバッタリ。車で連れていってもらうという幸運に恵まれる。
ウェザーステーションは大村海岸の集落から徒歩15分ぐらいの丘の上にあり、
西に向いているので夕日の眺めが抜群なのだ。
たまたま空は晴れていて、美しい夕日、そして、その後に続く壮大な夕焼けを目の当たりにした取材班だった。

ウェザーステーションからの夕日。
訪れるたびに違う夕景に心を打たれる

高台にあるウェザーステーション。冬はここからでもザトウクジラのブリーチングや潮吹きが見えることがある

初めての小笠原の夜は・・・

夕食はたいてい宿泊に含まれているので(素泊まりも可能だが)、宿で食べるのが普通。
だいたい6時頃から夕食タイムなのだが、この日は夕日を眺めに行ってしまったのでちょっと遅らせてもらう。
たいていのダイバーは、夕食後、「ログづけに行ってきます!」とダイビングサービスへ行き、そこでちょっと(!?)飲んだりして帰ってくるのだった。

3日目
終日ダイビング
ケータも狙える

10月頃まではケータ遠征が可能

東京発着6日間の小笠原(父島)の旅では、丸々ダイビングができるのは中2日間。
4月頃から10月末頃までは、海況が安定している時期なので、遠いといわれる北のケータ方面や南の母島方面へも遠征しようと思えばできる。
ケータ列島の中でも一番近い嫁島で父島から約50kmなので、ボートで1時間半ぐらいはかかる。
母島へも約50kmなので、同様だ。
なお、母島へは協定があり、潜れる日や日数が決まっているので、行くのはかなり希だ。

ケータ方面へ行く日もダイビングサービスによってある程度決まっていて、
この日に行くか、次の日に行くかとなっている。

嫁島の「マグロ穴」は、写真左側のトンネルの下あたりがそのスポットとなっていて、体長1mぐらいありそうな巨大なイソマグロがトンネル穴の周りを行ったり来たりしている

シロワニ、大型回遊魚の群れや
イルカが狙える!

ケータといえば、やっぱり大物。
一番近い「嫁島 マグロ穴」でも、大型回遊魚が狙え、
水温があったかい9月頃まではイソマグロの大群が常連。
水温が低くなると、深場にいたシロワニが。人食いザメのジョーズみたいな顔をしているが、性格のおとなしい、かわいらしい(いや、巨大だが)サメだ。

また、行き帰りや嫁島周辺などではハシナガイルカやハンドウイルカなどイルカの仲間が結構頻繁に出現。
ハンドウイルカはもちろん、ハシナガイルカもその気になれば一緒に泳げたりするのが魅力だ。

時間の関係で2ダイブを設定していることが多いが、時間が許せば3本目も潜りたい。

ある年の10月に撮影した「嫁島 マグロ穴」のイソマグロの群れ

でっかいカッポレも編隊を組んでぐるぐる

海底にはネムリブカが眠っていることも

コワモテの巨大なサメ、シロワニが襲ってくる……ことはなく、姿を現すことも。 夜行性で夜食事をとるのだが、人間を襲うことはない

ナイトダイビングにも出かけたい

ダイビングサービスによっては、ナイトダイビングも開催しており、
話題のライトトラップを開催しているところもある。
特に小笠原はライトトラップを早くから開催しており、
不思議な夜の生態をプロフォトグラファーたちが押さえてきたところ。

夜の海に現れる、不思議な色形をした生き物たちをぜひ見てみたい。

ライトトラップで撮影したヤツデイカ。体長1cmぐらいと小さくて体が透明

ナイトツアーにも出かけたい

ナイトダイビングは最終日にして(または別の機会にして)、
陸のナイトツアーに出かける手もある。

“東洋のガラパゴス”といわれる小笠原とあって、陸にも不思議な生物や生態系が多く、
いくつかは夜行性のため、暗くなってから見ることができるからだ。
ナイトツアーは各ツアー会社(ダイビングサービスでも開催している会社はある)が週に何度か開催しており、それに合わせて予約・申し込みをすれば一人3,000円ぐらいで参加できるもの。
当日の申し込みでも大丈夫なので、現地に行ってから決めればいいのがありがたい。 (雨天中止の場合もある)。

暗闇に光るキノコ、グリーンペペや、ワサワサと動き出すオガサワラオオコウモリなど、
ほかでは見られない固有種も。
晴れた日は満天の星も超感動モノだ。

光るキノコ、グリーンペペを発見! テンションが上がる

取材時はアオウミガメが産卵にやってきていたのだが……。これからの時期は孵化したこどもが夜の浜を海に戻るところが見られるかも!?
(写真は産卵後、許可を得て撮影したものです)

4日目
終日ダイビング
島周りでイルカやクジラも

午前中に2ダイブして……

最終日は午前中に2本潜って、ダイビングの合間には南島に上陸。
そして午後、マッコウクジラを探しに南へ……なんてスケジュールはいかがだろう?
小笠原の海と生き物を満喫できることウケ合いだ。

南島に上陸する関係で、ダイビングも島の南部へ。
夏の終わり頃から秋にかけては「閂ロック」という南島の近くでウシバナトビエイの何十尾もの群れが見られることもある。
昨年は9~10月に大当たりして、多くのダイバーが目撃している。
また、小笠原ならではの固有種、ユウゼンをはじめ、いろいろな魚たちに会ってこよう!

昨年10月に撮影されたトビエイ&ユウゼン
Pictuered by Yoshikazu Tanaka, Deep Blue

昨年12月の島周りで会ったイルカたち
Pictured by Masahito Kubota, Fish Eye

昨年も大当たりだった、「閂ロック」のウシバナトビエイの群れ

「閂ロック」ではギンガメアジの群れも見もの

島の南部にはこんな素敵なビーチも。ジニービーチを眺めながらランチや休憩も

ジニービーチの近くには、赤い岩がハート形になっている“ハートロック”という名所もある

南島に上陸!

ダイビングの合間に、世界遺産にもなっている父島の南西に浮かぶ南島に上陸することも。
完全に保護されているエリアのため、資格のある公認ガイド同行でないと行けないのだが、
ダイビングガイドで公認ガイドでもある人もいるので、たいてい行けちゃうのだ。
とはいえ、一日の上陸人数は100人まで、上陸時間は2時間以内といった自主ルールが設けられているので、それは守らなくてはならないが。

南島は石灰岩上に発達した“沈水カルスト地形”といわれる地形で、海水面が下がっていた氷期に形成されたカルスト地形が、氷期が終わり海水面が上昇することによって冠水したもので、
同様のものは国内では宮古島の「通り池」がそれに当たるといわれる。
この地形の成り立ちは、小笠原諸島の成立を知る上でも重要とされ、2008年には国の天然記念物にも指定され、保護されているのだ。

さて、南島に上陸して驚かされるのは、扇池の美しさ!
(ダイビングツアーは扇池の沖からエントリーし、泳いで上陸するが、一般のツアーはサメ池側にボートで近づいて、岩山を上ってから扇池へ下りることになる)
透明度の高い海と、真っ白な砂とのコントラストに加え、島に植生する緑が独特の景観をもたらしてくれる。

白い砂浜を歩いてみると、無数に貝殻のようなものが落ちているのに気づく。
同行した公認ガイドが説明してくれるが、これはヒロベソカタマイマイという貝の半化石。
既に生存しているものはいない絶滅種だが、貝殻は別。非常に貴重なのだ。

ほかにもいろいろな動物や植物を紹介してもらいながら、サメ池の眺められる丘へ登ってみるのもいいだろう。
なので、泳いで渡る時はブーツを履いていくか、サンダルを持っていくようにしよう。

南島の扇池

扇池前の真っ白なビーチを歩いていくと、ある一体にこんな貝殻のようなものがいっぱい!
ヒロベソカタマイマイの半化石なのだ

午後はマッコウクジラ探し

12月頃、いや11月の半ば頃からはザトウクジラが極海からやってくるが、
夏から秋にかけてはマッコウクジラがこの海域でよく見られる。
父島の南に行くと、すぐに水深1,000mを超える海となっていて、
マッコウクジラが食事をするのにもってこいの環境だからだ。

マッコウクジラは水面に現れると、呼吸のためのブローを数回行ない、たま~に水面でのんびり日向ぼっこをしていることも。
また、子どもを連れている母子クジラもいて、観察が楽しい。

ハクジラのため、闖入するダイバーに敵意を持って近づいてくることもあり、
万が一のことを考えて一緒に泳ぐサービスはしていないけれど、
完全に潜降した後に潜ってみると、海中でマッコウクジラが出すギリギリギリというクリック音が聴こえしたりして、それはそれでおもしろい。

また、同じ海域にはイルカもとても多く、
ボートと並走してくれるイルカは、きれいなジャンプを見せてくれるイルカも。
運が良ければ一緒に泳げることもあるので、いつでも行ける準備をしておくことも大切だ。

きれいにヘッドファーストで潜降していくマッコウクジラ。尾を一瞬持ち上げるタイミングを見逃すべからず

ボートと並走するイルカの背中に何かが! 大きなコバンザメが付いていた。これは珍しい

5日目
午前中はダイビングも可

出発まで2ダイブできる!

新しい「おがさわら丸」になり、父島の出港が15:30となったため、
出発前にゆっくり2ダイブができるのが魅力。
器材を持って帰りたい! でも濡れたまま持って帰るのはイヤという方は、潜らずにドルフィンウオッチングツアーや島内ツアーに参加してもいいが、
ダイビングサービスによっては、器材は次の便までに乾かして送るというサービスを行っていて、
最後まで海を楽めるようになっている。

ダイビングスポットは遠征することはないので、島周りとなるが、
これまでの2日半で潜らなかったスポットにも連れて行ってもらえるので、
最後の最後まで潜り倒しちゃおう!

ツバメウオの群れをはじめ、いろいろな生物に会える「赤岩」

「駆潜艇」と思われる第二次大戦時のレックが、湾内に

お昼は島寿司を注文!

ダイビング後は島での最後のランチ。
食べ物にこだわる方向けに《フィッシュアイ》では、島名物の島寿司(サワラのしょうゆ漬けをすし飯で握ったもの)の折詰を名店《島寿司》から取り寄せてくれるなど、
ダイビングサービスによってサービスもいろいろあるようだ。
ほかにも二見港に近い中心地にはいくつもの飲食店があり、出港日の昼は、しっかり営業。
島寿司はもちろん、魚介料理のおいしい店やオシャレなカフェなどいろいろあるので、
出発ギリギリまで、小笠原を満喫しちゃおう。

名物の島寿司の折詰

島寿司がおいしく食べられる店、その名も《島寿司》

お土産も忘れずに!

帰る前までにお土産も忘れずに。
小笠原の商店は夕方5時とか6時頃閉まってしまうところが多いので、ダイバーはダイビングから帰ってのんびりしているとあっという間。
計画的に動いて、最終日前までに買っておくか、
最終日に猛ダッシュして買うか。頑張って♪

アクセサリーや雑貨など、小笠原の思い出になるような素敵なものも多く、女子にも人気だが、食べ物や飲み物好きな筆者は、JAに走った(笑)。

なお、小笠原ではダイビングサービスは現金で支払いをすることになるので、東京から現金をしっかり持っていくか、小笠原の郵便局のATMで現金を引き出すか。
郵便局のATMを利用する方はやはり時間が限られている(平日9:00~17:30、土日9:00~17:00時)のでご注意を。

JAで見つけた、小笠原のレモンを使ったレモンソーダ(左)、小笠原のレモングラスを使った小笠原レモングラスティー、小笠原のパッションフルーツを使った小笠原パッショネード。JAで入手したもの。どれも素朴で爽やか

母島で無農薬で作られることからとっても人気の「ママヤの手作りレモンジャム」。《lululani(ルルラニ)》にて

硫黄島の島唐辛子を使用した「島唐辛子のおせんべい」。《lululani》にて

和紙で作られたモービル。どれもこれも欲しくなる。《わしっこ屋》にて

最終日ではないけれど、《Barクレヨン》では、小笠原母島産のさとうきびから作られたホワイトラム「無人酒25°」を飲んでみた。さとうきびの甘さが香る、風合い豊かなラム酒で、父島の商店でも買える(1,800円ぐらい)

“お見送り”に見送られ、涙の出港

大太鼓が鳴り響く二見港。
できるだけ長く島にいたくて最後の最後まで粘ってみても、乗船の時はやってくる。
15時30分。汽笛とともに「おがさわら丸」は岸壁を離れる。
島の小学生たちの「いってらっしゃーい」の声。
手を振る島の人たち。楽しかった日々を思い返すとなお、島を離れがたくなるのだが、
船が動き出すと、今度は向こうの岸からダイビングボートが1隻また1隻と向かってくる。
最後の最後まで、小笠原の人々はゲストを感動させることを忘れない。
大きな「おがさわら丸」に近づいてきたと思ったら、船のデッキからジャンプするダイバーたち。
次々とダイビングボートが近づいてきては、ジャンプ!を繰り返してくれる。

これを見たら、小笠原にまた帰りたくなってしまうじゃないか。

小笠原のダイビングサービスがこぞって海に出て、「おがさわら丸」で帰るゲストを見送ってくれる
船から“お見送り”を見るには、6デッキ、7デッキ、トップデッキの右舷側に集まれ!

そして、最後にお別れのジャンプ!

お見送りの様子はこちらの動画でも!
動画提供/小笠原村観光局

思い出に浸りながら船旅

行きと違って、帰りの「おがさわら丸」はにぎやかだ。
というのも、現地で知り合ったダイバーがあちこちで、宴を繰り広げているから。
風に吹かれてデッキにあるテーブルで、「7デッキ」の「展望ラウンジHaha-jima」で、
みんな小笠原の日々を思い出しては笑い、涙し、しゃべっている。

そんなふうにしてあっという間に夜は更けていくのであった。

6日目
15時30分 竹芝桟橋着

早朝、伊豆諸島が近づいてきて、再びTVが見えるようになり、
携帯の電波が届くようになる。まだまだ都会はその先なんだけど、
なんとなく、さびしい気分に……。
やがて、八丈島が見え、御蔵島や三宅島が見え……、伊豆大島まで来ると、もうすぐだ。
広げた荷物をまとめているうちに東京湾に入り、あっという間に竹芝桟橋に到着。

夢の6日間よ、いつまでも……。

15:30着だから
地方へもその日のうちに帰れる!

現実的な話に戻って、「おがさわら丸」は15:30に到着するので、
都内や近郊の方は渋滞に巻き込まれずにすむし、
地方の方も東京駅や羽田空港に行けばまだまだ便がある時間帯。
その日のうちに帰宅できるのはありがたい。
ぜひ関東以外の方も、小笠原の素敵な海へどうぞ!

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