世界が羨むハンマーヘッド天国
与那国島
ダイバーのサメ好きは世界共通。中でも頭が金づち形のサメは大好物。
そんな金づち頭のハンマーヘッドシャークが1尾のみならず群れで、しかも時には流れる川のように登場することで日本でいち早く開拓された与那国島の“西崎”は、12月頃から5月初旬頃まで狙えるハンマー天国です!
※2022年1月現在の情報です。
ハンマーヘッドシャークの季節
2022シーズンもハンマー群れムレ!
丸太のように胴の太いハンマーヘッドシャークが大群を成して登場
11月頃から今シーズンも既に与那国島ではハンマーヘッドシャークが現れている模様。大爆発した時は上の写真のような大迫力。体長2m超のぶりっぶりと丸太のようなハンマーヘッドシャークが青い水中の彼方から群れを成して姿を現す様子には、ゲストだけでなくガイドも大興奮なのだとか。こんなシーンが見られる与那国島。凄すぎですね。
運が良ければGWにも! ハンマーシーズン
「ハンマーリバー」と呼ばれるほど群れ群れになるハンマーも珍しくない
与那国島の冬~春にハンマーヘッドシャークが見られることがわかったのは1980年代。以来、リサーチが続いているわけですが、なぜこの時期にハンマーが集まるのかは、まだ推測の域を超えていません。回遊説も浮かび上がったりしましたが、与那国で見られるハンマーヘッドシャークは通年島の周囲にいて、水温が高い時はもっと深場で効率良く捕食しているのではないかと考えられています。秋が過ぎ、水温が冷たくなるにしたがって、餌も水深が浅いところに移動。ハンマーヘッドシャークたちも浅場の、ダイバーが見られるところまで上がってきているのではないか?と考えられているようです。ちなみに水温23℃ぐらいがハンマーヘッドシャークとの遭遇率が高いという説もあります。
水温は一定ではありませんから、ラニーニャ現象といわれる今シーズンはもしかしたら、水温がなかなか上がらず、遅くまで、つまりGW頃までハンマーが見られるかもしれませんね。
ハズレをなくすコツ
ほかの人は見ているのに自分は見られなかった……をなくすために
集まるダイバーも多ければ、グループも多くなり、残念なことにこのグループは見られたのに、こっちのグループは見られなかった……なんてこともあるわけです。グループ全体が見られなかったなら仕方はありません。
「3日間潜ってくれれば、1日は見られます」
今回、協力してくださった《サーウェスヨナグニ》の真謝正太朗さんはこう言っています。
でも、同じグループにいたのに一人だけ(もしくは2~3人だけ)見られない……なんてこともなくはありません。それだけは避けたいですよね。
これをなくすためには、ハンマー狙いのダイビング中はガイドから目を離さない。できればガイドのちょっと後ろ、5mぐらい上を泳ぎ続ける。この2点がポイントになります。
もちろん、自分でもハンマーを探してもいいのですが、最初は周囲に何もないブルーウォーターでどこを見ていればいいかわからないと思います(一度か二度、ハンマーリバーに当たると、見たほうがいい場所がなんとなくわかってくるかもしれませんが)。それならば、見るべきものは先頭に立って探してくれるガイドさんを見ていたい。ガイドさんが見つけて指をさした方向に必ずハンマーはいるのですから。しかもガイドさんの近くにいれば、ほぼ同じ方向が見られます。でもガイドさんから10m以上離れていたら、指をさしている方向がずれて見えることだってあるのです。ガイドさんの近くに泳ぎ着いた頃にはハンマーが逃げてしまっている可能性もあります。
そうならないためにも、できるだけ近くにいてください(ただし、ブリーフィングでも紹介されますが、ガイドさんより浅いところ、できれば5mぐらい上を泳ぐことは必須です)。
ガイドさんが見つけてくれてGOサインが出たら、前に出てもいいことになっています
ハンマー以外もビッグな与那国島
遺跡ポイントは外せない
エントリーして「城門」をくぐった後に出てくる「二枚岩」と呼ばれている巨岩
ハンマーヘッドシャークより先に与那国島の海を有名にしたのが、まるで神殿や都市が海底に沈んだかのような巨岩の構造物群。「遺跡ポイント」と呼ばれ、探検・調査が進められましたが、現在はダイバーや半潜水艇での観光客が見て楽しんでいます。
何よりも壮大な巨岩が織りなす海中地形と、テラスや階段や水路、丸穴など人工的に造られたかのような地形を巡る旅の楽しさといったら! ぜひ皆さまもその目で確かめてみてください。
ちなみに「遺跡ポイント」は島の南側にあり、ハンマーと同じ時期がシーズンです。
バラクーダやギンガメアジの大群も!
日本でもこんなブラックフィンバラクーダの群れに会えるなんて!
ハンマーヘッドシャークは、日本で一番最西端に位置する岬「西崎(いりざき)」の沖合で見られます。ここにもダイビングスポットはあって、ストンと落ちたドロップオフの壁や深いですが、隠れ根が点在し、潮当たりがいいせいか魚影も濃いのです。ハンマーを狙っているのに、中層にギンガメアジやブラックフィンバラクーダの大群が壁になったり渦巻いたりしていることも! まるでパラオかどこか海外を潜っているような気分になります。
運が良ければ頭上をカジキが走っていたり、巨大なイソマグロがこれまた大きな群れを作っていたり……。
ハンマー以外にも与那国島の海はすごいシーンが期待できちゃうんです。
特にGW頃はこうした大型回遊魚の魚群との遭遇率が高いでしょう。
与那国島はどんな島?
独特の空気が漂う日本最西端
与那国島は沖縄県の八重山諸島(宮古列島を除く先島諸島)に属しています。日本最西端に位置しており、日本で最後に夕日が沈む島としても有名です。
八重山諸島にはサンゴ礁が隆起してできた島や広大なラグーンを持っていたり、マングローブが群生している汽水域などもありますが、与那国島は断崖絶壁で、200m級の山もあり、人でたとえれば、南国の人というよりは孤高の人といった感じ。でも、島人はとても親切で、居心地満点。自然もダイナミックで、ほかでは味わえない感動を味わうことができるでしょう。
そんな島でのアフターダイブは、レンタカーで島めぐりをしたり、日本最西端の碑がある西崎で夕日を眺めたり、はたまた集落を散歩したりしてもいいかも。まあ、夜はダイビングショップに集まって、ほかのゲストたちと海の話をするのが一番楽しかったりするわけですが……。
与那国島の宿泊事情
ダイビングサービス経営ホテルが便利
与那国島には3つの集落があって、主に観光客が泊まるのは、空港に近い祖納(そない)か、主要港に近い久部良(くぶら)。ダイビングサービスもほとんどがこの2つのエリアに。ダイビングサービスに近いところに宿泊したほうが何かと便利なので、ダイビングサービスと経営を同じくするホテルか、その近くのホテルを紹介してもらって泊まるのがいいでしょう。
《クラブアズール》では、祖納にある《サーウェスヨナグニ》と経営が同じ《ホテル入船》を利用しています。海もダイビングサービスも近く、集落にはスーパーマーケットやお土産屋さんもあって便利です。
ホテル入船をご紹介!
まだ与那国島にホテルと名のつく宿泊施設がほとんどなかった頃、島の中心地、祖納に誕生した洋室もある《ホテル入船》。老舗だけに改装もしながら、居心地のいい空間を提供してくれています。同経営の《サーウェスヨナグニ》へは徒歩1~2分。祖納の港や浜にも近くてゴキゲンです。
1階の食堂では朝・夕食をオプションで食べられます(《クラブアズール》のツアーでは朝食とダイビング中の昼食付き)。
・客室:洋室(シングル、ツイン)、和室(1~3名様から7~9名様までパターン)
・客室設備:洋室はバス・トイレ・エアコン・テレビ・電話付き。和室はエアコン・テレビ・電話付き。全室にバスタオル、フェイスタオル、歯磨きセット、シャンプー&リンス、石鹸、ドライヤー
・館内施設:Wi-fi(無料)、洗濯機&乾燥機(有料)など
白いオシャレな建物が目印
フロント
グループでも一人で行っても楽しめる、アットホームな雰囲気の食堂
コロナ対策もしっかり
ツインの洋室。落ち着いた風合いのインテリアにまったり
与那国島のダイビングサービス
精鋭のガイド陣が集う島
与那国島には数軒のダイビングサービスがあり、ほとんどが祖納、久部良に店舗を構えています。夏はのんびりとした雰囲気ですが、ハンマーシーズンになるとどのお店もゲストでいっぱい! 朝から晩までにぎやかな雰囲気です。
冬のハンマーシーズンの海は、島陰になるとはいえ海は荒れ気味で、水中も時として非常に流れています。そんな中、ゲストの安全を第一にガイディングすることはとても大変なはず。しかもハンマーは外せません。とてもハードルの高い仕事なだけに、常駐しているガイドも、冬の時期に働いているガイドも強者ぞろい。とても頼りになる存在なのです。
とはいえ、訪れるダイバーも、器材セッティングはもちろん、スムーズな潜降、中性浮力、時間や水深の自己管理など自分でできるスキルが必要です。ちょっと自信がないなという方は空いている時期を狙ったり、与那国島に行く前にスキルアップしておくことをお勧めします。
サーウェスヨナグニをご紹介!
与那国島の海のパイオニアである創立者の新嵩喜八郎さんがいち早くスタートさせたダイビングサービス。現在は息子さんの真謝正太朗さんが中心となって、日本人ダイバーのみならず海外からのダイバーも案内しています。今回、記事協力をしてくださった安江昌幸さんは普段は沖縄本島で自身のダイビングサービスを運営、ハンマーシーズンは《サーウェス》で主力ガイドとして頑張っています。
スゴイのは、多い時は一日9航海と早朝から夕方までがっつりハンマーを狙ってくれること。《クラブアズール》のハンマー狙いのツアーでも一日3ダイブ込み。ハンマーに飽きたらほかのスポットへも連れて行ってもらえる可能性大!(ただし、ほかのゲストのリクエストがあるとずっとハンマー狙いにもなりますので、ご了承を)。
楽しいガイド陣が皆さまを迎えてくれる!
鮮やかなイエローとエメラルドグリーンをあしらったダイビング専用ボートは、まさに新艇
ダイブデッキが広くて快適! 船尾でEN&EXすることに