ハンマーの大群、ジンベエに海底遺跡!!
日本最西端のダイバー天国 与那国島
東京の約2,034km南西に浮かぶ、日本最西端の島、与那国島は12月頃からハンマーヘッドシャークが大挙して押し寄せるエキサイティングアイランドとしてダイバーの間では大人気。海底遺跡!?と思われるミステリアスな海底景観も広がる海は、ぜひ体験していただきたいダイビング天国です。
※2020年10月現在の情報です
群れ、大物、地形、透明度……
すべてが楽しめる与那国
ハンマーリバー、そしてジンベエザメやマンタなどの超ド級の大物、バラクーダの群れ。さらに人工物なのか? はたまた自然の産物なのか? いまだに謎に包まれた“海底遺跡”。日本最西端に位置する与那国島は、世界最大級の大暖流、黒潮が日本で最初に当たる海。ほかにはないオンリーワンな魅力にあふれています!
冬から春が狙い目!
ハンマーヘッドの大群に会える海
島の最西端の岬、西崎(いりざき)沖をブルーウォーターダイブすると、ハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)と高確率で会えます。しかも潮当たりのいいときには、川のように流れる“ハンマーリバー”が目の前を通り過ぎていくことも! まるで永遠にハンマーを見ている気分になれることウケあいです。日本では夏~秋の神子元島も有名ですが、こんなスゴイ光景が見られる場所は、世界を見渡してもそうそうありません!! ハンマーヘッドは早ければ11月、例年12月頃から与那国島の西崎周辺に出始め、5月のゴールデンウイーク頃まで見られます。特に1~3月は200尾を超す超大群やハンマーリバーが狙えることが多いです。
迫力満点のハンマーヘッドの群れは、多い時は数百尾という大群で現れることも珍しくない。いかついルックスだが臆病なので、近づくときは群れと並んで泳ぐようにするといい
与那国島で見られるハンマーヘッドシャークは、アカシュモクザメ。名前のとおり、頭の先が鐘を叩くT字型の「撞木(しゅもく)」のような形をしている
ジンベエザメにバラクーダの群れ
「西崎」は大物パラダイス
ハンマーヘッドシャークの大群だけでもすごいのに、「西崎(いりざき)」ではバラクーダの群れやギンガメアジのトルネード、そしてジンベエザメも姿を見せます! また水面近くで安全停止をしていたら、カジキが泳いでいた……なんてことも。これらはハンマーのシーズン以外でも西崎周辺の「ハンマーヘッドロック」「ハンマーウェイ」などで見られるので、5~12月の与那国島にもぜひ訪れてみてください。
これを見ずして与那国島は語れない!
“海底遺跡”
ダイバーの大きさと比較すると、「海底遺跡」のスケール感がわかる。階段のようになった部分を見ていると、人が手を加えて造ったように思えてくる
与那国島を日本はもちろん、世界中で一躍有名にしたといっても過言ではないのが“海底遺跡”の存在。
島の東南側に東西250m×南北150mにわたって広がる階段状の巨岩が高さ25mに積まれていて、まるで神殿のような構造物にも見えなくない。この「神殿」の「メインテラス」のほかにも、「城門」と呼ばれる高くそびえる巨岩や「カメのレリーフ」と呼ばれる亀の甲羅状の巨岩、丸く穴の開いた「柱穴」などがあり、考古学者の調査も入り、話題になったスポットです。
かつてここに暮らしていた人たちの遺跡なのか、はたまた自然の創造物なのか、ぜひあなたも潜って、見て、推測してみてください。
ここは潜るべし!
与那国島のダイビングスポット
西崎(いりざき)
◎最大水深:25~30m ◎流れ:ときに強い
島の最西端の岬「西崎」の沖に広がる、ハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)との遭遇率が高いスポットです。沖のブルーウォーターでは運が良ければ、次から次へハンマーの群れが流れてくる“ハンマーリバー”が見られることも。12~5月頃が狙い目です。ちなみに「ハンマーヘッドロック」「南の根」などいくつかのダイビングスポットを総称して、「西崎」と呼んでいます。
時にはどういう意味があるのか、体を真っ黒にした個体が混ざっていることもあるハンマーヘッドシャークの群れ
この夏も現れてダイバーを喜ばせてくれた、世界最大の魚類、ジンベエザメ。ハンマーシーズンにふと現れ、ハンマーどころじゃなくなる!なんてこともあるんだとか
バラクーダの群れはオールシーズン狙える。一度居つくと、しばらく同じ場所にとどまるので、ゆっくり近づけば写真も撮りやすい
遺跡ポイント
◎最大水深:5~25m ◎流れ:ときに強い
「海底遺跡では?」といわれている人気スポット。「神殿」「メインテラス」「城門」などと名付けられた見どころがいっぱいあります。カメを模したレリーフやモアイ像のような巨石も。自然の創造物との声もありますが、未だ謎に包まれています。太古の昔にロマンを馳せながら、潜ってほしいスポットです。流れがときに強いことがあるので、要注意。
広いメインテラスの周囲には、階段状になった岩がある
Wアーチ
◎最大水深:30m ◎流れ:ときにあり
与那国島には意外にもたくさんの地形スポットがあります。透明度抜群の与那国島だけに光と青のイリュージョンが素晴らしいです。
「Wアーチ」はその名のとおり2つの穴があり、横穴から中に入っていくと、ふわっと射し込む藍の光が幻想的。アーチ内は水深20m以深と深くなっているのでNDLはくれぐれも注意してください。岩壁にはウコンハネガイなどのレアものも見つかるほか、アーチを出るとイソマグロや大きなツムブリが回ってくることもしばしば。
与那国島の沿岸にはいくつもの地形スポットが開拓されていて、とても神秘的
ハンマーシーズンのダイビングスタイル
ブルーウォーターダイブとは
西崎でのハンマーダイブは基本的に外洋をドリフトするブルーウォーターダイビングとなります。
ブルーウォーターダイビング(ブルーウォーターダイブ)とは、中層を中性浮力を保ちながら泳ぐもので、流れがあってもなくても素早く潜降できること、中性浮力がとれること、ゆっくりとした安全な浮上ができることなどがダイバーに求められます。万が一はぐれたときのために、セーフティフロートなどのエマージェンシーグッズも必携です。
ダイビングスケジュール
訪れてびっくり!なほどハンマーシーズンは混み合う与那国島。来シーズンはコロナ禍にあり、予定変更の可能性もありますが、《サーウェスヨナグニ》の場合、一日9航海!となります。3グループに分かれて、1グループ目は1・4・7航海目、2グループ目は2・4・8航海目、3グループ目は3・5・9航海目のボートに乗ることに。
1航海目は朝7時半スタートとして、3グループ目の9航海目は15時半スタートに。どのグループもだいたい午前2本、午後1本の一日3ダイブとなります。ダイビング時間は長くて40分(安全停止を含めた時間)。ハンマーダイブは水深20m前後がメインとなるため、深く潜り過ぎると3本目は潜れなくなります。ご注意を。
与那国島の宿泊情報
島の中心地、祖納や港のある久部良がオススメ
大型ホテルがほとんどなく、ハンマーシーズンは宿を取るのも大変な与那国島。ダイビングサービスで所有している場合もあるので、パッケージツアーを利用せず個人手配をする方は、ダイビングサービスに予約するときに宿泊も一緒にお願いするといいでしょう。
ダイビングサービスが島の中心地の祖納(そない)や港のある久部良(くぶら)にあるので、サービス近くに宿を取ると便利です。
サーウェスヨナグニが同経営のホテル
《ホテル入船》と別館
《サーウェスヨナグニ》から徒歩1~2分のところには同経営となる老舗ホテル《ホテル入船》があります。和室、洋室があり、アメニティも整っていて何かと便利。食事もおいしいので1泊2食付きがオススメです。また、テレビドラマ『Dr.コトー診療所』の舞台になった比川浜の近くに《Irifune Annex Bamboo Villa》という隠れ家風・別荘風の別館があり、オーシャンビューの贅沢な与那国ライフが味わえます。
《ホテル入船》は祖納の中心部にある白い3階建ての建物が目印
アフターもおもしろい!
与那国島 陸の見どころ
日本最西端の島、与那国島。日本で最後の夕陽が見える西崎の展望台や、島の南東海岸線に突き出た立神岩(たちがみいわ)、天然の展望台・ティンダハナタなど、絶景スポットが多くあります。ダイビングの後は、レンタカーを借りて島内をブラブラすると楽しいです。
与那国島の南東部にそびえる立神岩。高さ30mもあり、「神の岩」として信仰されていたという
西崎には、「日本最西端の碑」がある。日本で最後に沈む夕陽を眺めに行こう