ベストシーズンに潜ろう
パラオでMUSTな海
パラオはマリンダイビング大賞2023でも上位にランキングされた世界最高の海。ダイビングサービスの《アクアマジックパラオ》ガイドの堀義雄さんが12月頃から始まるといわれるパラオのベストシーズンに皆さまに来てほしい!と、その魅力を教えてくれました。予習してベストシーズンのパラオに行きましょう♪
※2024年9月の情報です
パラオのベストシーズンとは
12月~3月といわれるけれど、前後に延長!?
シーズン初めから狙える「ぐるぐるマンタ」
写真/堀義雄(アクアマジックパラオ)
パラオは日本の真南約3,000km、赤道の近くの太平洋のただ中に位置する、ダイバーにとって絶好の海です。「マリンダイビング大賞2023」では海外エリア部門で1位に選ばれましたが、常に上位の常連。季節は四季のある日本と違って6~10月の雨季と11~5月の乾季の2つ。しかも雨季は天候が悪い日が数日続くこともありますが、基本的には晴れていて、雨も一日に数回スコールが降る程度。乾季もスコールはありますが、ダイビングスポットが並ぶ南西には影響がほとんどなく、特に12~3月はベストシーズンと呼ばれます。このベストシーズンにパラオを潜っていただきたい!ということで、人気ダイビングサービス《アクアマジックパラオ》のチーフガイド、堀義雄さんが、この時期の海の見どころを教えてくれました。ぜひ予習して、ベストシーズンに潜りましょう!
マンタ祭りを狙いたい!
シーズン前から始まる「マンタ祭り」
パラオといえば、会いたい大型魚や魚群がたくさんいますが、中でもダントツなのがマンタ! 特にこれからのシーズンは「ジャーマンチャネル」の海面付近で餌をむさぼる「ぐるぐるマンタ」が狙えます。「例年は12月頃からだったのですが、近年は10月頃から見られることもある」と堀さんは言います(※)。年を越してぐるぐるマンタは2月頃まで見られているようなので、ぜひ狙いたいもの。
ただし、海面のマンタは、ガイドさんの指示を海中でちゃんと見て、中性浮力を保ってウオッチングすることが重要です。(※2024年は9月30日に既に始まりました!)
初心者でも大丈夫!
中性浮力が苦手、水中でバランスをとるのが難しいという方もご安心を! パラオの「ジャーマンチャネル」には着底してマンタウオッチングができる場所があります。「クリーニングステーション」と呼ばれる、サメやマンタなど大型の魚たちがベラやチョウチョウウオなどクリーナーと呼ばれる魚たちに体の掃除をされにやってくる場所です。水深も10m台の場所もあるので、オープンウォーターダイバーでも大丈夫なんです。ここでも“マンタ祭り”の頃には次々とマンタが現れて、大興奮!な状態になることもあるんですよ。
この季節ならではのMUSTで観たいシーン
超ド級の迫力!「季節モノ」
ボディのイエローが青い海に美しく映えるツノダシの固まり
写真/堀義雄(アクアマジックパラオ)
撮影/堀義雄(アクアマジックパラオ)
12月頃から「ブルーコーナー」から「シアスコーナー」にかけての辺り、満月周りに合わせて外洋スポットに普段は単体で過ごしているツノダシたちが集まり始めます。その数、数百数千といった感じで、ボディのイエローカラーが青い海の中に流れて行く様子はこの世のものとは思えない美しさです。
なぜツノダシは群れるのか?
ツノダシがこの時期群れ集まるのは、おそらく産卵のためだろうと考えられていました。けれど、産卵行動がなかなか観察できなくて、集まる理由はお預けになっていたのですが……。
《アクアマジックパラオ》ではその瞬間を目撃しちゃったのです! ドロップオフの棚付近を泳いでいたツノダシたちが一斉に水面に向かってダッシュで浮上していく様子がわかりますよね。この後、放精放卵が確認されたのです。
普段群れていない魚たちがある時期、群れ集まって産卵行動を行うのは海では常識となりつつありますが、それにしてもこんな生命の神秘の瞬間に会えるかもしれない、と思うと、パラオのベストシーズンに行ってみたくなりますね。
ツノダシの群泳行動は年を越して3月頃まで見られることもあります。
ミヤコテングハギの大集合も見もの!
ツノダシよりやや遅れて、新月周りに合わせて同じ外洋のドロップオフに集まってくるのがミヤコテングハギ。体全体が黒っぽくて一見地味ですが、一回り体も大きく尾の付け根のオレンジ色の斑点と背ビレの黄色がチラチラ見えて、とても幻想的な美しさ。こちらもパラオのベストシーズンにぜひ会いたい群れなのです。
群れを狙うサメたちがリバー状に!
パラオの「ブルーコーナー」は、“水中世界のピラミッド構造を目の前で見られる”ことでも知られています。つまり自然界の弱肉強食の世界が目の前で繰り広げられるというわけです。海の世界でピラミッドの頂点に立つのはサメやクジラといわれていますが、ここではグレイリーフシャーク(和名オグロメジロザメ)が最大の強者となっているようで、特にこの時期は集まったツノダシやミヤコテングハギたちを集団で襲い、捕食するのです。弱者にとってはひとたまりもありませんが、会いたかったサメが、しかも群れで見られるのがこの時期。時にはサメリバーが見られることもあって大興奮です。
こうした熾烈な自然界の生態系は、「ブルーコーナー」だけでなく、その西側の「シアスコーナー」で繰り広げられています。
イレズミフエダイの壁のような群れも見に行きたい!
この時期のパラオでもうひとつ狙いたいのがイレズミフエダイの壁のような大群です。場所は遠征で行くペリリュー島の「イエローウォール」が狙い目。遠征費用、州税が別途かかるのでハードルは高いのですが、パラオのエキサイティングシーンを見ていただくには不可欠です。イレズミフエダイには黄色と水色のラインがあって、集まって泳ぐとまた美しい! 彼らが群れ集まるのも産卵が目的とされています。産卵シーンを見るのは普通激流になるのでさらにスキルが必要となりますが、「イエローウォール」だと比較的流れが弱くて見やすいのです。
No.1人気スポット「ブルーコーナー」
リクエストNo.1のバラクーダ大群
「ブルーコーナー」の人気者、ブラックフィンバラクーダ
写真/堀義雄(アクアマジックパラオ)
パラオの人気No.1のダイビングスポットといえばガイドもゲストも間違いなく「ブルーコーナー」と答えると思います。魚影が濃く、自然界ならではの生態系が観察できる、最もパラオらしいスポットだからでしょう。潮流がかかると半端ない速さ、強さなので、基本的にはドリフトダイビングの経験のある中級以上のダイバー向けですが、《アクアマジックパラオ》では、「それぞれ個人に合わせた的確なアドバイスやスキルアップにて『ブルーコーナー』に潜っていただいております」ということで、初心者でも潮の時間帯を見て「ブルーコーナー」を潜ることができるようにしています。
バラクーダのトルネード!?
中でもパラオらしく、「ブルーコーナー」らしいと人気なのがブラックフィンバラクーダ(和名が付きましたね、タツカマス)の大群! 体長1m以上の銀鱗のバラクーダが何十何百と群れ集まって、ダイバーの目の前で壁になったり、ぐるぐる回り出してトルネード状になる様子は圧巻です。「バラクーダの群れは潮加減によって出現する場所も変わるため、何度会っても違った群れを演出してくれるのも醍醐味です」と堀さん。ぜひ連れて行ってもらってくださいね。
ギンガメアジの大群も見事!
バラクーダと並んで銀鱗系で人気なのがギンガメアジの群れ。バラクーダより体長は短いものの、体高があるので、それが群れ集まると大迫力! しかも個体の数が多いことが多く、群れの形がまるで生きもののようにいろいろと変わるため、見ていて飽きません。「『ブルーコーナー』では上げ潮の時のほうが群れの迫力はありますが、下げ潮でも棚上で見られるので、初心者の方も期待できます」と堀さん。これはぜひリクエストを!
「ブルーコーナー」にはほかにも人気者のナポレオン、グレイリーフシャーク、ホワイトチップリーフシャークなど大物がいるほか、銀鱗系では巨大なロウニンアジ、ヨコシマサワラ、オオメカマス、インドオキアジなど様々な回遊魚が常連です。また、棚の上やドロップオフの壁にはいろいろな種類のハナダイやチョウチョウウオ、スズメダイ、ベラたちなどの群れが海中をにぎわわせています。浅瀬の棚ではモンツキカエルウオの姿も見られるかもしれませんよ♪
神秘の「ブルーホール」も見逃せない
暗い洞窟に射し込む光のアートと冒険気分を楽しもう
「ベストシーズンにぜひ潜ってほしいのが『ブルーホール』です」と堀さんが推すのは、パラオの地形スポットとして人気の「ブルーコーナー」のすぐ北側のスポット。棚の上に4つの穴があってそれがつながる大きな海中洞窟に光のシャワーやスポットライトが降り注いでいるのです。特に天候が安定してくるこの季節には、その美しさも倍増!
サンゴも大物・大群も!「ウーロンチャネル」
実は隠れ人気No.1スポット
パラオのベテランガイドさんらがこぞって「『ブルーコーナー』はさておいて、ここがおもしろい!」と口をそろえるのが、マラカル島エリアからボートで約40分と、「ブルーコーナー」などのゲメリスエリアより少し近い「ウーロンチャネル」。チャネルの外側はやはりドロップオフになっていて、グレイリーフシャークなどのサメの群れやギンガメアジなどの銀鱗の回遊魚の群れがひしめき合っています。「ギンガメの群れが比較的浅い所に群れているので、魚群とサンゴに光が入り、より輝いている群れを楽しめます」と堀さん。ナンヨウツバメウオが群れていることもあり、ちょっと雰囲気が違うのもおもしろいところ。海況が許せば滞在中一日はウーロン方面へも行けるよう、堀さんにリクエストしてくださいね♪
チャネルスイムがたまらない!
「『ウーロンチャネル』では潮の時間帯を狙って、最初は外洋側のドロップオフで大物&魚群三昧、中盤からサンゴ礁の間にできた水路(チャネル)を潮の干満に合わせてドリフトダイビング。途中にはキャベツコーラルの大群生もあって見どころ満点!」堀さんが太鼓判を押す、「ウーロンチャネル」の潜り方。ぜひトライしてみて!
サメに魚群は「シアスコーナー」
外洋の秘密最終兵器スポット!?
パラオではダイビングの日数をできるだけ多く取りたいもの。ここに挙げているだけで、潜りたいスポットがたくさんありますよね? ちなみに、マンタの「ジャーマンチャネル」もプラスしなくてはいけませんから、最低でも3日間は必要です!
中でもパラオの秘密最終兵器スポット的な存在が「シアスコーナー」です。「ウーロンチャネル」や「グラスランド」の北側に位置する外洋スポットで、「ブルーコーナー」のように外洋に突き出したリーフの棚に潮が当たり、「メアジの大群に大型のサメや回遊魚が追い回す様子が見応えたっぷり」と堀さんも太鼓判を押しています。
大型のサメやシルバー色に光る回遊魚の群れ、それにマダラトビエイやツバメウオの群れが回ってくることも。やや平均水深が深いので、中級以上のダイバーに特にオススメです。
劇的な魚群の泳ぎにも期待!
「『ブルーコーナー』に比べるとダイバー数が少ないせいか、魚たちの動きがここではワイルドなのも魅力です」と堀さん。撮影していただいたグレイリーフシャークの群れも迫力たっぷりですよね! ほかにも予想を超える動きをしてくれる回遊魚たちに会えることもあります。ぜひ狙ってみてください!!
見どころいっぱい「グラスランド」
予想外の出来事が待っている!?
近年「グラスランド」は、早朝のカンムリブダイの大産卵ショーで知られるようになっていますが、ここは不思議なスポットで、ほかにも大物や魚群と次々に出会えます。浅瀬のサンゴ礁も見事ですし、水深13mぐらいから沖に向かって広がる真っ白な砂地が、パラオらしい濃いブルーの世界とはまた異なっていて、楽しめます。さらに沖に行くと、草原(グラス・ランド)に珍しいアナゴの仲間たちがゆらゆらと姿を現していることも。時折マンタも姿を見せてくれます。
アクアマジックパラオのこと
世界最高クラスの海に負けないおもてなし
ダイビングサービスの目の前からボートで出航できて、超ラクチン
写真/アクアマジックパラオ
頼れるチーフガイドの堀義雄さん
Photo by Marine Photo Library
《アクアマジックパラオ》は、2024年で創業30年、パラオ独立と同い年となってます。 世界最高クラスの海に負けないような「おもてなし」がモットーです。ビギナーやブランクダイバーも大歓迎、パラオが初めての方もフォト派もベテランも楽しませてくれることで知られる人気のお店です。ホテル送迎はもちろん、10歩歩くかどうかのめちゃくちゃ目の前からボートで出航し、殿様ダイビング並みかそれ以上に手取り足取りケアしてくれるので、とにかくラクチンなのです。シニアや女性にもやさしいお店といえます。もちろん、海の中でもパラオの魅力を漏らさずご案内! パラオを海でも陸でも楽しみたい方に、ぜひおすすめです! 毎日の海情報やお得情報をホームページやSNSで発信していますので、今のパラオの状況が知りたい方はぜひアクセスしてみてください。
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ライター/後藤 ゆかり(MDWデスク)