年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

セブ・ボホール・マラパスクア・アニラオ他
大物からマクロ生物まで豊富なダイバーの理想郷

フィリピンダイブガイド
PHILIPPINES

フィリピンダイブガイド

セブ・ボホール・マラパスクア・アニラオ……と日本人ダイバーが大勢訪れているフィリピンは、地球上のサンゴの種の半分以上、3,000種を超える魚が集まる貴重な海域「コーラル・トライアングル」の一端を成している貴重な宝物。ジンベエザメやニタリ、ジュゴンなどの大物からフォト派に大人気のウミウシやハゼなど多様性にあふれた生物相は、世界でも屈指のレベル。ダイバーにとっては潜らずにはいられないダイビングパラダイスです。

2023年3月現在の情報です

フィリピンってこんなところ

サンゴ礁の美しさも世界トップレベル! ダイビングボートはフィリピン固有のデザインで、両サイドにアウトリガーが付いた「バンカーボート」が主流

サンゴ礁の美しさも世界トップレベル! ダイビングボートはフィリピン固有のデザインで、両サイドにアウトリガーが付いた「バンカーボート」が主流

沖縄・那覇の南約1,144kmと、日本に近い海外、フィリピン。大小7,641の島々から成り、ダイビングエリアもダイビングスポットも北から南まで点在。首都マニラのあるフィリピン最大の島、ルソン島にはスービックベイやアニラオをはじめ、近くにはジンベエザメで有名なドンソールも。ビサヤ諸島の中心となるセブ島やボホール島の周辺にもこれまたたくさんの人気ダイビングエリアがあります。ジンベエ、マンタといった人気の大物に加え、ジュゴンとの遭遇率が高い海も。マクロ生物も豊富で、世界中からフォト派ダイバーが集まるのも納得です。

一年中暑いため、水温もたいてい高く、薄いウエットスーツで十分潜れ、ストレスなくダイビングが楽しめます。
ダイバーになるためのスクールも多数あり、ダイバーデビューする方がとても多いのも特長です。

フィリピンのダイビング基本情報

亜熱帯モンスーン気候なので花や植物が多く、目にもやさしい環境

亜熱帯モンスーン気候なので花や植物が多く、目にもやさしい環境

地理・気候

7,641の島々で、群島国家としては世界で7位です。面積は日本の北海道を除いた大きさ、約30万平方kmで、赤道に近い北緯4.23度から21.2度の西部太平洋に位置しています。
島々は山がちで火山島が大半ですが、海岸線はサンゴ礁が発達。マラパスクア島やバリカサグ島のように、サンゴ礁が隆起した島々やリーフも多くあります。
北からルソン諸島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島の大きく3つに分けられ、島々は太平洋の南シナ海、フィリピン海、ルソン海峡、スールー海、セレベス海に面しており、東には平均水深6,000m超のフィリピン海溝があります。

そんなフィリピンの気候は、気温・湿度の高い熱帯モンスーン気候で、年間の平均気温は26~27℃と、朝晩も寒さを感じることがほとんどない、トロピカルな亜熱帯気候です。
雨季は6~11月、乾季は12~5月といわれますが、雨季でも海側は雨が降り続くことがほとんどなく、一日数回のスコールが降る程度。また雨季と乾季の境目があいまいになっているともいわれます。雨季は毎年熱帯性低気圧や台風が発生することもあります。
水温も年間を通してとても温かいので、3mmウエットスーツで十分ですが、寒がりな方は12~3月頃は5mmを持参するといいでしょう。

◎フィリピンのシーズナリティ

シーズナリティ

※「海のみどころ」以外のデータはセブ島のセブ・シティのものです。平均最高気温、平均最低気温、降水量については、PAGASA = Philippine Atmospheric, Geophysical and Astronomical Services Administration)データに基づいています。平均水温については、NASA のMERRA-2 Modern-Era Retrospective Analysis からのものです。

フィリピン観光省公式サイト
フィリピン観光省

島別ダイビングスポット情報

セブ島 マクタン島
Mactan Is., Cebu Is.

ナルスアン島「サンクチュアリ」にはルリスズメダイに似たスプリンガーズデモイゼルなどのトロピカルフィッシュが多数

ナルスアン島「サンクチュアリ」にはルリスズメダイに似たスプリンガーズデモイゼルなどのトロピカルフィッシュが多数

こんなところ

セブ島の中央東側に橋でつながる、フィリピンで最も観光化されている島。成田、大阪から直行便が出ているセブ・マクタン国際空港が島内にあり、車でホテルまで近いところは5分足らず、遠くても30~40分ぐらいと、とってもラクチン♪ 日本人が経営、または日本人スタッフが常駐しているホテルやダイビングサービスが多く、言葉に困らないうえ、お一人様から家族旅行、団体旅行まで幅広く受け入れ可能。
ダイビングも体験ダイビングやダイバーになるための講習が盛んで、なおかつベテランダイバーをも唸らせるダイビングスポットも多数。こちらも幅広いレベルに対応できるポテンシャルの高い海が魅力です。
ダイビングサービスは海岸沿いのホテル内やその周辺にあり、日帰り2~3ボートダイブを提供。マクタン島の目の前のリーフ沿いに開拓されたダイビングスポットのほか、東にある離島(オランゴ島、ナルスアン島、ヒルトゥガン島などアイランドホッピングなどでも利用)の周辺のスポットにアクセスしています。

主なダイビングスポット

●ヒルトゥガン島

ロウニンアジの群れが迫ってくるシーンは圧巻!

ロウニンアジの群れが迫ってくるシーンは圧巻!

マクタン島の南東、海洋保護区に指定されている海域で、ボートで20~30分。サービスによってスポット名が異なるが何カ所かスポットがあり、透明度のいいサンゴ礁の海でまったりトロピカルフィッシュを観察したり、中層で世界的に珍しいロウニンアジの数十尾の群れに興奮したりと、楽しみ方もいろいろ。

●マリンステーション

マクタン島の北寄りにある初心者でも安心のスポット。ガレ場からドロップオフに至るエリアにトロピカルフィッシュや甲殻類などが多数。近年はイワシの群れが固まっていることも!

セブ島 モアルボアル
Moalboal, Cebu Is.

海岸線に沿って発達したサンゴ礁。見事なサンゴの群落が見られるスポットも

海岸線に沿って発達したサンゴ礁。見事なサンゴの群落が見られるスポットも

こんなところ

セブ島では珍しく西海岸に位置する“ダイビングヴィレッジ”です。マクタン空港から車で2~3時間。
1970年代に落ち着いたビーチと自然を求めたヨーロピアンダイバーが発見、開拓したエリアで、街はかなり栄えてきましたが、海岸線は今なおのどかな雰囲気です。しかも環境保全のために海に張り出していたリゾートや飲食店などが一掃されるという徹底ぶり。
ダイビングサービスは宿泊施設併設の店が多く、日本人経営の店や日本人ガイド常駐の店も少なくありません。
目の前の海岸からバンカーボートでダイビングへ。午前1~2本、午後1~2本の一日2~4ダイブ。スポットへは数分、遠くても20分程度。モアルボアルの海岸線にある20カ所以上のスポット、もしくは沖に浮かぶペスカドール島周辺や隠れ根を潜ります。

主なダイビングスポット

●カバナフロント

モアルボアル名物のイワシ大群が壁になり、ある時はマンタ、ある時はジンベエザメのような形に固まることも!

モアルボアル名物のイワシ大群が壁になり、ある時はマンタ、ある時はジンベエザメのような形に固まることも!

イワシトルネードやイワシ玉(正確にはイワシの仲間のミズン)で有名なスポットで、この近くのスポットでもイワシ玉が見られることがしばしば。水面近くから群れているので初心者でもOK。たまにこれを狙ってニタリやジンベエザメ、イルカなどが目の前にやってくる幸運も。

●トンゴサンクチュアリ

「トブレサンクチュアリ」とともにサンゴ礁が美しいスポット。浅場ではアオウミガメとの遭遇率も9割!

●ペスカドール島

沖に浮かぶ小さな島で、「カテドラルケーブ」では神秘的な青さの中に射し込む神々しいばかりの光が味わえます。島の周りはサンゴのほか魚、海の生きものが豊富で、ワイドからマクロまで楽しめます。

セブ島 リロアン・サンタンダー
Liloan, Santander, Cebu Is.

遠征ではホワイトサンドが美しいスミロン島に出かけることも

遠征ではホワイトサンドが美しいスミロン島に出かけることも

こんなところ

セブ島最南端。マクタン空港から車で3~4時間。またはマニラから空路ドゥマゲッティに飛び、そこからフェリーで渡るコースも。
リロアンは「渦巻く場所」という意味の地名で、海は潮通しがよく、生物相が濃いのが特長。
ダイビングスポットは島の周りの近場スポットのほか、ボートで1時間ほど北東にあるスミロン島、1時間半ほど南東に行ったアポ島にあります。一日3ボートが基本。ジンベエザメと泳げることで有名なオスロブに遠征することも。
点在するリゾートにダイビングサービスがあり、日本人経営の店もあります。

主なダイビングスポット

●イラク

一度は見てみたいエビの仲間、フィコカリスシムランスも見つかります!

一度は見てみたいエビの仲間、フィコカリスシムランスも見つかります

セブ島のほぼ南端にあり、流れのないときを見計らって潜ります。エビ、カニ、ウミウシやカエルアンコウ、ジョーフィッシュといった魚の種類が豊富でおもしろい生態も見られるのでフォト派に人気。黒・青・黄色と3タイプのハナヒゲウツボに会えることも!  近くの「マヌリバ」も同様。

●スミロン島

スミロン島にもダイビングサービスのあるリゾートホテルがあり、滞在して潜ることもできます。周囲はサンゴ礁からドロップオフに至るダイビングに理想的な地形で、いくつかダイビングスポットが開拓されている。ウミガメやさまざまな魚、生物が。ジンベエザメやカジキなど、思いがけない大物が現れたり、リロアンから潜りに行く時にイルカが水面に現れることも。

セブ島 マラパスクア島
Malapascua

マラパスクア島の南東にある隠れ根、モナドショールで早朝遭遇率が高いオナガザメの仲間、ニタリがマラパスクア名物

マラパスクア島の南東にある隠れ根、モナドショールで早朝遭遇率が高いオナガザメの仲間、ニタリがマラパスクア名物

こんなところ

マラパスクア島といえば世界でも珍しいニタリとの遭遇率が高いことで有名。小さな島はのどかで快適なこともあり、世界中のダイバーが集まっています。セブ島北端のマヤ港(マクタンから車で3~4時間)からボートで20~30分に位置。南北に約2.5km、東西約1kmの小さな島。
島の南のバウンティビーチ周辺にダイビングサービス併設の大小のホテルが集まっていて、早朝のニタリダイブ、午前2ダイブ、午後1ダイブに加え、サンセット、ナイトもできます。
ダイビングスポットは島の周りにも多数あるほか、ニタリに会える「モナドショール」のほか、ガトー島、カガヤンシリオに開拓されています。

主なダイビングスポット

●モナドショール

マラパスクア島に行ったら絶対に外せないスポット。島からボートで約30分、南東に行ったところにある岩礁で、朝暗いうちに出発して日が昇る頃にニタリのクリーニングステーションへ。だんだん明るくなってくる海中でニタリを待ちます。現れたらラッキー。定められたラインから出ないようにして着底(膝立ち)してウオッチングを。尾の長い美しいシルエットとまん丸の目をよく見てみてください。水深20m以上を潜るため、アドバンス以上向き。

●ガトーアイランド

マラパスクアから西へ約1時間半に位置する島で、トンネル状の「ガトーケーブ」が人気。運が良ければ穴の出口付近でホワイトチップリーフシャークが泳いでいるシーンに会えます。周辺は色鮮やかなソフトコーラルが群生。カエルアンコウ、ウミウシなど人気生物のパラダイスです。

●マラパスクア島

島の周りにはダイビングスポットが20カ所以上あり、砂地、サンゴの根など環境はさまざま。ニシキフウライウオ、カエルアンコウ、ニシキテグリやウミウシ、甲殻類など生物も豊富です。

セブ島 その他

北のリロアンではブルーバードリボンゴビー、タンザクハゼなどが見られます

北のリロアンではブルーバードリボンゴビー、タンザクハゼなどが見られます

こんなところ

セブ島にはマクタン島から橋を渡ってアクセス。上記以外にもリロアン(マクタン空港から車で約30分。南のリロアンとは違うので北リロアンともいわれる)、空港から約1時間のサン・フェルナンドにある、セブ唯一のウミガメ産卵保護区に指定されている《プルクラ リゾート》、西のバディアン島(モアルボアルのすぐ南)など、ビーチリゾートホテルを拠点にしたダイビングも可能です。
リロアンは泥砂系の生物が豊富で、ミミックオクトパスやブルーバードリボンゴビーなどレアな魚、生物も多く、フォト派にオススメです。

ボホール島 パングラオ島
Panglao Is., Bohol Is.

パングラオ島のスポット「カリパヤン」にはトウアカクマノミも棲息

パングラオ島のスポット「カリパヤン」にはトウアカクマノミも棲息

こんなところ

セブ島の南東に位置する大きなボホール島。その南西端にある小さなパングラオ島が「ボホール島」として観光の中心となっています。大小のリゾートホテルにたいていダイビングサービスも併設されていて、宿泊一体型のダイビングが楽しめます。国際空港が2018年11月に開港し、アクセスもラクに。
ダイビングスポットは、パングラオ島の周辺のほか、ボートでわずか30分のバリカサグ島、50分のパミラカン島への遠征ダイブも。特にバリカサグ島はダイバーに人気で、海洋保護のため一日に潜れるボート数とダイバー数が制限されていますので、潜るには事前に予約しておくことが必要です。
ダイビング本数は基本、一日3ボートダイブ。早朝からナイトまでメニューいろいろ。

主なダイビングスポット

●バリカサグ島

「ダイバーズヘブン」と呼ばれるスポットの浅瀬はウミガメの宝庫。運が良ければすぐ目の前で見られるので、ツーショットも撮れるはずです

「ダイバーズヘブン」と呼ばれるスポットの浅瀬はウミガメの宝庫。運が良ければすぐ目の前で見られるので、ツーショットも撮れるはずです

パングラオ島の西にあるサンゴが隆起してできた島。ドロップオフの棚にサンゴ礁、ウミガメ、壁周辺でギンガメアジやツムブリなど大型回遊魚もしばしば登場します。カエルアンコウ、ハナヒゲウツボ、ウミウシといった人気生物が豊富で1ダイブがあっという間。潜るには事前申請が必要。島にリゾートとダイビングサービスがあり、滞在もできます。

ボホール島
Bohol Is.

「ターシャ」と呼ばれる手のひらサイズのメガネザルの仲間。ボホール島の固有種で現在は保護されています

「ターシャ」と呼ばれる手のひらサイズのメガネザルの仲間。ボホール島の固有種で現在は保護されています

こんなところ

セブ島からフェリーで島の南にあるタグビララン港に到着する以外は、パングラオ島からチョコレートヒル見学やターシャツアーで訪れるか、タグビララン市にショッピングなどで出かけるぐらいしかなかったボホール島ですが、海岸線にいくつかダイビングエリアが開拓されています。また、北東部のリラでは、オスロブのようにジンベエザメが餌付けされている施設があって、朝6時から昼までジンベエザメとスノーケリングができます。その近くにもダイビングエリアが開拓されていて、ジンベエダイブも夢ではないかもしれません。

ネグロス島 ドゥマゲッティ
Dumaguete, Negros Is.

こんなところ

ドゥマゲッティはセブ島南からリロアン海峡を経た、ネグロス島南部にある海辺の街で、大学などもあることから“学園都市”として有名です。
ダイビングサービス併設のホテルが点在し、周辺の海のほか、ダーウィンやアポ島やスミロン島、シキホール島に遠征することも。
ドゥゲッティ沿岸はマクロ生物が豊富で、沿岸のサービスで1日3本+αが可能。

主なダイビングスポット

●アポ島

「コゴン」ではこんなギンガメアジの群れに会えるかも

「コゴン」ではこんなギンガメアジの群れに会えるかも

ドゥマゲッティからボートで約1時間。「コゴン」ではギンガメアジの群れが狙えたり、「チャペル」では広大なサンゴ礁にウミガメが寝ているところに会えたりと見どころ満点です。

ネグロス島 ダーウィン
Dauin, Negros Is.

人気のマクロ生物多数! ミナミハナイカのおもしろい生態も見られるかも

人気のマクロ生物多数! ミナミハナイカのおもしろい生態も見られるかも

こんなところ

ドゥマゲッティから南へ車で約30分。海辺にダイビングサービス併設のリゾートが点在、沿岸でのマックダイブが世界で注目を集めていて、フォト派ダイバーが大集合することで有名です。
目の前の沿岸スポットは1ダイブごとに潜るスタイル。アポ島などは日帰り遠征。1日3ボートが基本ですが、4本も5本も潜るダイバーも多いそうです。

主なダイビングスポット

●ダーウィンノース、ギナアマン

ダーウィンの目の前の海はダラダラとしたスロープが続く遠浅の地形で、魚影が濃く、正直言ってどこもオススメ。「ダーウィンノース」「ギナアマン」はカエルアンコウ、ウミウシなど人気者が多数おり、被写体に刺さっているフォト派ダイバーも多数。

レイテ島 サウスレイテ
Southern Leyte, Leyte Is.

ジンベエザメのスイムで話題になったエリア

ジンベエザメのスイムで話題になったエリアも

こんなところ

セブ島の東、太平洋側にある大きなレイテ島の南部は、サウスレイテと呼ばれダイビングが盛んです。マニラから国内線でレイテ島のタクロバン空港へ飛び(約1時間20分)、空港から車で約3時間。
レイテ島南部をえぐるソゴド湾に、ジンベエザメがよく現れることから観光化が進み、ジンベエスイムで有名になったエリアです。でも、海中は生物相が厚く、通常のダイビングも十分楽しめます。
午前2本、午後1本が基本。ジンベエスイムはスノーケリングで行います。
ダイビングサービスは宿泊併設一体型が主流です。

主なダイビングスポット

●ナパンタオ

長さ100mほど続くダイナミックなドロップオフの壁にサンゴがびっしり。何万、何十万というキンギョハナダイやパープルビューティが群れる様は圧巻。カスミアジの捕食シーンも迫力があります。

ルソン島 アニラオ
Anilao, Luzon Is.

キンギョハナダイの大乱舞が見事な「ソンブレロ」

キンギョハナダイの大乱舞が見事な「ソンブレロ」

こんなところ

マニラ在住のダイバーが週末訪れるダイビングフィールドとして発展。生物相のおもしろさ、フォトジェニックな写真が撮れることから世界中のダイバーが注目しています。アニラオはマニラ空港から車で約3時間南下した半島状のエリアで、ほとんど一周、ぐるりとリゾートが建てられています。たいていのリゾートホテルがダイビングサービスを併設、ボートが目の前から出発するため、とってもラクチンです。
ダイビングスポットは周辺に50カ所以上! サンゴ礁、ドロップオフ、砂地など変化に富んでいるのも魅力。
ダイビングスタイルはボートで、午前2本、午後2本の1日4ダイブ。ほかに早朝、サンセット、ナイトも盛んです。

主なダイビングスポット

●キルビスロック

ドロップオフの先でルソンハナダイやハゼ好きにはたまらないハゼ類、壁にウミウシ、カエルアンコウ、甲殻類など多数。

●シークレットベイ

泥砂の海底が広がり、ミミックオクトパスやクマドリカエルアンコウ、ゴルゴニアンシュリンプなど人気のマクロ生物のオンパレード。1ダイブでは足りません。

ルソン島 ドンソール
Donsol, Luzon Is.

こんなところ

ジンベエスポットとして有名。ルソン島の東南にあるソルソゴン県の漁村で、古くから漁網にジンベエザメがかかることから始まったといいます。
ジンベエスイムをするにはダイブショップでレクチャーを受けることに。
シーズン中はジンベエザメとの遭遇率が高いのですが、流れがあるところを泳ぐので、中級者以上向き。
マニラ空港からレガスピへ国内線で約40分(またはバスで約10時間)。そこから車で約1時間半で到着。 ジンベエスイムは午前、午後の1日2回。

主なダイビングスポット

●マンタボウル

ジンベエスイムはドンソール沖の海域で行うがスイムだけなので、ダイビングをするなら、「マンタボウル」でマンタを狙ってみては?(ジンベエとシーズンがほぼ同じ)。

ルソン島 その他
Luzon Is.

こんなところ

フィリピン最大の島で、ダイビングエリアは少なめ。アニラオに行く途中にあるバタンガス、かつてアジア最大の米軍基地のあったスービックベイのほか北に向かって何カ所かダイビングサービスやリゾートのあるエリアがあります。

ロンブロン島
Romblon Is.

こんなところ

ロンブロン島は地理的にはビサヤ諸島に属していますが、ルソン島とパナイ島、ミンドロ島に挟まれた海域の中央に位置しています。ここがダイビングで有名になったのは、タイガーバタフライ(クロスジウロコウミウシ)をはじめ、ウミウシの仲間が種類も数もとても多く棲息しているため。世界のウミウシファンが訪れています。

ミンドロ島 プエルトガレラ
Puerto Garela, Mindoro Is.

プエルトガレラには沈船スポットもいくつかあって、沈船そのものがオアシスに。大きなオオモンカエルアンコウの姿も

プエルトガレラには沈船スポットもいくつかあって、沈船そのものがオアシスに。大きなオオモンカエルアンコウの姿も

こんなところ

マニラから近いこともあって、古くからダイビングが盛んだったのがここプエルトガレラ。サバンビーチ、ムリエ、ホワイトビーチの3エリアにダイビングサービス併設のホテルがあり、サバンビーチが最大のダイブエリアといわれています。ムリエには日本人経営のホテル&サービスがあります。
ダイビングスタイルはボートが主流ですが、サバンビーチではビーチダイブも可能です。

主なダイビングスポット

●キャニオンズ

プエルトガレラ代表ともいえる美しいスポット。ソフトコーラルが群生する根にキンギョハナダイが大乱舞する様はまさにフォトジェニック。流れがあればロウニンアジやイソマグロなどの大型回遊魚も回ってきます。水深がやや深めなのでアドバンス以上の方向き。

アポリーフ
Apo Reef

こんなところ

ミンドロ島とカラミアン諸島の間にあり、アニラオやプエルトガレラ発のダイブクルーズ、ブスアンガ、コロンからの日帰り遠征でアクセスできます。ダイナミックなドロップオフにバラクーダ、ギンガメアジなど大型回遊魚が群れ、ハナダイの群れが海底を彩ります。たまにマンタも出現。

ブスアンガ
Busuanga

リゾートのハウスリーフではギンガメアジの群れも見もの

リゾートのハウスリーフではギンガメアジの群れも見もの

こんなところ

ジュゴンに会える海として有名。ブスアンガ島北部にあるダイビングサービス併設のリゾート滞在が一般的。
ブスアンガへはマニラから国内線でコロン空港へ40~50分。空港から車で約30分、港からボートで約30分。
ダイビングスタイルは一日3ボート。近海でジュゴンを探したり、フィッシュウオッチングを楽しみます。リゾートの桟橋周辺はギンガメアジ大群が見事ですよ。アポリーフに遠征することもできます。

コロン
Coron

こんなところ

ブスアンガ島の南側にあるコロンという街がダイバーの拠点に。沖にコロン島がありますが、滞在は街側が便利です。太平洋戦争時の沈船・沈んだ飛行機があり、欧米人にはレックダイビング、テクニカルダイビングで有名。
マニラからブスアンガ島のコロン空港へ40~50分。空港からリゾートの送迎(車)で30~50分。
ダイビングは午前2本、午後1~2本。サービスによってはアポリーフやジュゴン狙いで北へ遠征することも。
ダイビングスポットは多数。汽水湖「バラクーダレイク」の幻想的な雰囲気も味わいたいですね。

パラワン島 エルニド
El Nido, Palawan Is.

こんなところ

エルニドは桃源郷のような不思議な景観と、水上コテージのある隠れ家リゾートで人気沸騰。同じく北に浮かぶアプリット島も高級水上リゾートとして人気です。エルニドの街も観光化が進み、宿泊施設やサービスが増えています。
ダイビングスポットが多数開拓されていて、魚影も濃いのが特徴。「サウス・ミニロック」というスポットが有名ですが、どこを潜っても楽しいといわれています。一日2~3ボートダイブが基本。
マニラからエルニドへは国内線で約1時間15分。空港からは車で。リゾート島へは専用ボートで40~50分。アプリット島へは約2時間30分。

パラワン島 ホンダベイ
Honda Bay, Palawan Is.

こんなところ

毎年5月から7月にジンベエザメが集まる海域で、近年はジンベエザメスイムのツアーが開催されています。ダイビングリゾートがあり、ダイビングも可能。
パラワン島の中心地、プエルトプリンセサから約10km北にあるエリアで、リゾート以外にはほとんど何もありません。トゥバタハリーフへのダイブクルーズでホンダベイを潜るコースを設定している場合も。

トゥバタハリーフ
Tubbataha Reefs

「デルサンレック」で会えたブラックフィンバラクーダの群れ

「デルサンレック」で会えたブラックフィンバラクーダの群れ

こんなところ

スールー海のほぼ真ん中に位置する南北2つの大きな環礁で、その貴重性からいち早く世界遺産に登録されています。毎年3~6月のみ訪れることができ、しかも登録されたダイブクルーズ船でしかアクセスできません。
海中はドロップオフスポットが多く、リーフそのものが漁礁になっているかのように魚影が濃いのが特徴です。マンタがよく現れるスポット「エアポート」があるほか、たまにジンベエザメも姿を見せます。深場にはハンマーヘッドシャークがいることも。サンゴやソフトコーラルも豊富で、ウミガメも多い、まさに楽園の海といえます。
クルーズ中は朝から夜まで一日4本+αが基本。
マニラからパラワン島のプエルトプリンセサ空港へ約1時間15分、ここからダイブクルーズのみでアクセス。片道8~10時間。

パナイ島 ボラカイ島
Boracay Is., Panai Is.

こんなところ

ボラカイ島は、ドイツのBMW社が行う世界の人気ビーチ投票で何度も1位に輝いたホワイトビーチアイランド。約4kmにわたって続くホワイトビーチに大小のホテルが点在。ダイビングサービスや飲食店もたくさんあります。
ダイビングスポットは島の周りにあるほか、離島遠征も。白砂にサンゴの根が点在するスポットを中心に、沈船、隠れ根、ドロップオフもあります。ボートダイビングが主流で、一日午前1~2本、午後1本が普通。
ボラカイ島へはマニラから国内線でイロイロ島のカティクラン空港か、カリボ空港を目指します(約1時間)。カリボ空港到着後、車で約2時間のカティクラン港へ行き、そこからボートで約15分。

ミンダナオ島 ダバオ
Davao, Mindanao Is.

こんなところ

ドゥテルテ元大統領の出身地として観光化が進んでいるミンダナオ島南部。 ダイビングエリアとしては新しいですが、ダバオの街や海沿いにサービスが数軒。ダイビングスポットはダバオの沖に浮かぶ島々の周辺に開拓されており、ウミウシなどが豊富なマクロの宝庫が多く、フォトジェニックです。
マニラから国内線で約2時間。

ミンダナオ島 カミギン島
Camiguin Is., Mindanao Is.

こんなところ

ミンダナオ島の北約10km、ボホール島の南約50kmに浮かぶ小さな島で、手つかずの海と、ダイビングで出かけるホワイトビーチは絶品。20カ所以上のダイビングスポットが開拓されており、サンゴ礁の広がりが見事でカクレクマノミやウミウシなど人気者も多数。回遊魚の群れも見られます。
ダイビングサービスはほとんどがリゾートホテルに併設。ダイビングスポットにはボートで10~50分。 セブのマクタン空港から国内線で約50分と近いのも魅力です。

ミンダナオ島 シャルガオ島
Siargao Is., Mindanao Is.

こんなところ

ミンダナオ島北端の北シャルガオ州の沖に浮かぶシャルガオ島は、コンデナスト社が選ぶ“アジアで最も美しい島”の1位に選ばれたこともあるサンゴの島。ホワイトビーチが美しく、サンゴ礁の海は絶品。太平洋側はサーフィンのメッカで、毎年9月に国際大会が開かれています。

フィリピンの島々への旅 基本情報

◎日本からのアクセス
日本の各都市からマニラへ、成田・大阪からセブへ直行便があります。所要時間はマニラへ約4時間。セブへ5時間。
※フライト情報は時期により変更します。最新の情報をチェックしましょう。

◎宗教と人
国民の約90%がキリスト教徒。マレー系をはじめとする多民族国家。

◎言葉
フィリピン語(タガログ語のほかさまざま)。英語も通じます。

◎時差
日本より1時間遅い。日本の正午は現地では午前11時。

◎入国時の注意点
30日以内の滞在ならビザは不要。パスポート有効期限は到着日+6カ月。

◎通貨
フィリピン・ペソ(P)。1P=約2.44円(2023年3月現在)

◎両替
空港や市中の銀行、両替所、大型ホテルのキャッシャーなどで日本円から可能。

◎電圧とプラグ
220Vですが、プラグは日本と同じ。変圧器付きの電化製品のご使用を。

◎服装
一年を通して夏物でOKですが、ショッピングセンターやホテル内では冷房が効きすぎていることが。カーディガンやストールなど羽織るものを用意しておきましょう。

フィリピン観光省公式サイト
フィリピン観光省

写真/マリンフォトライブラリー
デスク/後藤ゆかり