写真家・高砂淳二が魅了された
海と自然の絶景 in サイパン
2019年11月29日より、スカイマークの東京(成田)~サイパンの直行便が就航し、ぐっと身近になったサイパン。日本からわずか3時間半でアクセスできるこの楽園に、素晴らしいシーンが陸にも海にも数多く存在することをご存じですか? 世界中の美しい自然を撮り続けてきた写真家・高砂淳二さんをも魅了した、サイパンのさまざまな絶景を高砂さんのコメントと共に紹介します。
※2020年2月現在の情報です。
高砂淳二プロフィール
たかさご じゅんじ。自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。
ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。世界中の国々を訪れ、海の中から生き物、虹、風景、星空まで、地球全体をフィールドに撮影活動を続けている。
著書は、「PLANET of WATER」(National Geographic),「night rainbow ~祝福の虹」「ASTRA」「虹の星」「夜の虹の向こうへ」「Children of the Rainbow」「LIGHT on LIFE」「free」「BLUE」「life」(以上小学館)、「Dear Earth」「そら色の夢」「南の夢の海へ」(以上パイインターナショナル)、「クジラの見る夢 ~ジャックマイヨールとの海の日々~」(共著・七賢出版)ほか多数。「太平洋島サミット記念写真展"PACIFFIC ISLANDS"(コニカミノルタ・プラザ)」 、ザルツブルグ博物館、渋谷パルコ、阪急百貨店など、写真展多数開催。
高砂淳二がすすめる
サイパンの
絶景フォトジェニックポイント
マニャガハ島
ザ南の島、という趣の、サイパンにあるマニャガハ島。僕が33年前に初めて仕事で撮影に行った南の島でもあり、とても思い出に深い場所でもあります。砂浜はどこまでも白く、その外側にはエメラルドグリーンの明るいブルーが広がり、さらにその外側は濃いブルーの海へと続いています。島にいるだけでその美しさを味わうことはできますが、パラセールで上空から見ると、周りを囲む砂浜、その周りに広がるエメラルドグリーンの浅瀬、美しいサンゴのリーフ、そして水平線まで続く大海原までと、すべてを一望することができます。その美しさは、まるで地球そのものを見ているような感覚です。
タポチョ山
標高475mの、サイパンの最高峰です。天気のいい時にはマニャガハ島まではっきりと見え、またその周りに続くサンゴのリーフとエメラルドグリーンの美しいラグーンが目の前に広がります。太陽が真上に上ったころには、ラグーンや紺碧の海に光が強烈に差し、タポチョ山のまわり360度に広がる海が、本当のマリアナブルーを見せてくれます。
バンザイクリフ
太平洋戦争当時、多数の日本人たちが、“万歳!”と叫んで身を投げた、見るたびに戦争の悲惨さを痛感させられる崖が、バンザイクリフです。しかしその崖は、外洋のうねりがドーンと打ち付ける迫力のある崖で、その絶景が悲惨な歴史とともに心に強く迫ります。ここから見える水平線を眺めていると、自然への想い、平和への想いなど、いろんな想いを込めてシャッターを切りたくなります。
禁断の島
ラウラウ湾に浮かぶ小さな島。トレッキングしてすぐ手前まで行って、洞窟やタイドプールで楽しむことも可能です(タイトル写真参照)。しかし僕は、近くまで行かずに、遠く水平線まで見渡せる高い場所から眺めるのが好きです。打ち寄せる波、飛び交う鳥などを眺めながら、その深いブルーを堪能して撮る。それが心地いいのです。やはりそんな気持ちになるのが、“禁断の島”といわれる所以かもしれません。ちょっと人を寄せ付けない雰囲気を持っています。
バードアイランド
石灰岩の無人島で、岩に無数の穴があいているため、たくさんの海鳥たちがその穴を巣作りに使って暮らしています。貴重な鳥たちの楽園であるため上陸はもちろん禁止されていますが、その島影や鳥たちが行き来する姿を眺め、海やサンゴ、魚や鳥などに想いを馳せ、自然の繋がりを感じながらシャッターを切ります。シロアジサシやシラオネッタイチョウは、そのまぶしいばかりの白いボディが、海の青に映えます。
高砂淳二が魅了された
サイパンの絶景ダイビングスポット
オブジャンビーチ
木々の隙間から見えるオブジャンビーチは、浅瀬に見える色とりどりのサンゴとその間を埋め尽くす真っ白な砂、そしてその向こうに続く深いブルーのグラデーションが、まるで一服の絵のような世界を作り上げています。海に入っても、ちょっとひんやりとする透明な水が体をシャキッとさせてくれ、どんどん深みへと行きたくなってしまいます。スノーケリングでも明るく美しい上、スクーバダイビングで潜っても透明度が高い上に魚影が濃く被写体に事欠きません。
グロット
世界的に有名なダイビングスポットである、サイパンのグロット。急な階段を下りていくと、次第に外海と繋がった、神秘的なブルーを湛えた池のようなものが見えてきます。その周辺からは、自然に感じる畏怖のようなものや、怖いけれどもついつい惹きつけられてしまうような不思議なものを感じます。水の揺れ動く様や、下から突き抜けてくるブルーも何とも言えずフォトジェニックです。もちろんダイビングをしての水中写真の被写体としてもピカイチで、マリアナブルーを写すなら、お勧めナンバーワンです。
ラウラウビーチ
ビーチからエントリーできるダイビングスポットです。海中では、山あり谷ありの変化に富んだ地形を楽しむことができ、大小のサンゴの山がとても印象的です。ラウラウビーチでは、なんと言ってもアジの大群が圧巻です。向こうが見えなくなるほどのアジの群れが、あっちに行ったりこっちに行ったりと、まるで巨大な雲が海中で移動をしているようにも見えます。これがビーチエントリーのスポットなのか、と度肝を抜かれてしまうほどのスポットです。
ちょっと足を延ばして・・・
ロタホール
サイパンからスター・マリアナス航空で約30分。ロタ島の人気スポットであるロタホールは、水中洞窟の中では特にフォトジェニックなスポットです。透明度が高く、深いブルーを湛えるマリアナブルーが、洞窟の天井に空いた穴から水中まで降り注ぎ、身も体も、心底ブルーに染まる感じがします。異次元な雰囲気を醸し出す暗い洞窟の中にいるだけで感動しますが、そこに光のシャワーが入ると、昔の映画『未知との遭遇』のワンシーンを思い出します。何時間でもいられるほど、素敵なスポットです。
高砂淳二が感動した
サイパンの絶景ネイチャー
星空
車で少し走れば、絶海の孤島であるサイパンの上に広がる夜空は漆黒そのもの。無数の星々だけでなく、天の川が当たり前のように夜空に現れます。木々と星との組み合わせでも良し、遺跡と星との組み合わせや、崖に打ち付ける波と星との組み合わせでも、神秘的な夜のサイパンの姿を撮影することが可能です。
ラグーン
特に美しいのは、マニャガハ島のまわりに広がるラグーンです。飛行機から眺めることもできますが、パラセールで飛んで空から眺めるのが本当にお勧めです。南の海のエメラルドグリーンは、どうしてこんなにも心に響くのだろう、と心から不思議に思うほどです。タポチョ山に登って眺めるのもお勧めです。
青空
海の青と同時に、マリアナでは空の青も美しいです。ラグーンとの対比で見る空のブルー、フレームツリー越しに見る空のブルーとのコントラスト、ヤシの葉を太陽の光が突き通し、その明るいグリーンとの対比で見る青空など、空の青さだけでなく、まわりの自然が青空の美しさをさらに盛り上げてくれます。
(写真はロタ島のものです)
夕日
サイパンの空気は、必ずしもカラッとしているとは限りません。雲が湧き、時にはスコールが降り、空気が湿っぽいこともあります。そのため夕方になると、雲があれば雲が焼け、また空気中に溶け込んだ水分や靄なども浮遊しているので、それが絶妙な夕焼けを創り出したりします。サイパンの夕焼けは、ビールを2倍も3倍も美味しくするんですよ(笑)。
透明な海
マリアナの海は、世界的に見てもブルーがとても美しく透明度が抜群に高いです。絶海の孤島である上に、世界最深のマリアナ海溝があるからかもしれません。しかも、ビーチからエントリーできるダイビングスポットでも、海に入ったとたんに、スコーンと50mほども向こうまで見えるというのは、世界広しと言えどもなかなかないものです。マリアナブルーは、地球の宝なんですよ。
フレームツリー
フレームツリー(flame tree)は、英語で“炎の樹”、日本名でも“火炎樹”と呼ばれます。4~7月に咲き誇るその真っ赤な花びらの色はサイパン、北マリアナ諸島の青空に本当によく映えるので、ついつい見つけるたびにカメラを向けてしまうほどです。日本統治時代に数多く植樹されたと言われ、兵隊さんたちはその花を桜の花にみたて、“南洋桜”と呼んで日本を懐かしんでいたと聞きます。夜に、星々と一緒に見て撮影するのもお勧めです。
このように、数えきれないほど美しいシーンに出会えるサイパン。中でも「マリアナブルー」の海は、上記のように高砂淳二さんが「地球の宝」というほどの素晴らしさで、ダイバーであれば絶対に体験したいもの。ぜひ皆さんもサイパンを訪れて、今回紹介したサイパンの絶景すべての美しさを体感してみてください。
サイパン基本情報
日本から南へ約2,400km。北マリアナ諸島に属するサイパンは、年間平均気温27度の常夏の楽園。水温も通年26~28℃と温かく、まさにダイバーズ天国といえます。
ダイビングだけでなく観光や陸の遊びを楽しみたい人にもうってつけで、大型のリゾートが海辺に並び、目の前には美しいホワイトサンドビーチ。のんびりとリゾート気分を味わうのにも最適なロケーションです。
時差も日本時間+1時間とほとんどなく、小さな子連れのファミリーにもおすすめ。初めての海外ダイビングにも最適のエリアといえます。
ダイビングスタイル
ビーチダイブもボートダイブもどちらも楽しめるサイパン。フィッシュウオッチングでミクロネシア固有種をはじめとするバラエティ豊かな生物相を楽しむもよし、ダイナミックな地形を楽しむもよし、様々な水中シーンを楽しむことができます。1日2ダイブが基本ですが、1ダイブ追加したり、早朝ダイブやナイトダイブをオプションで提供しているショップもあります。ダイビングスポットは島を取り囲むように点在。海況が良ければテニアン島周辺に足を延ばすことも可能です。
アクセス
待望の東京(成田)~サイパン間デイリー直行便を、2019年11月29日よりスカイマークが運航。行きは成田発10:15でサイパン着15:00。帰りはサイパン発16:35で成田着19:30(土曜のみサイパン発17:05/成田着20:00)。およそ3時間半でアクセスすることができ、サイパンを目いっぱい遊べるスケジュールとなっています。
そのほか国内各都市から、ユナイテッド航空を利用してグアム経由で、アシアナ航空・チェジュ航空などを利用して韓国(ソウル仁川、プサン)経由でアクセスすることも可能です。
~トラベルインフォメーション~
■国名:北マリアナ諸島
■ビザ・パスポート:90日以内の観光目的の場合、ビザは不要。ただし、滞在が45日~90日となる場合は、ESTAの取得が必要になります。
■時差:日本より1時間遅い。
■言葉:公用語は英語、チャモロ語、カロリニアン語。英語が一般的ですが、主要なホテルやダイビングサービスには日本人スタッフがいるので、特に心配いりません。
■気候:熱帯性気候で、年間平均気温は27℃。雨季の7~11月は南の島特有のスコールが降りますが、すぐに晴れて青空に変わることがほとんど。1日に数回降る程度です。
■通貨:USドル。現地でも日本円から両替可能。また日本円で支払いができる店も多い。
■電圧とプラグ:120V、60Hz。プラグは日本と同じAタイプ。精密機器や長時間の使用には、変圧アダプターが必要。