洗練された文化と南太平洋のワイルドな自然が融合
タヒチの島々ダイビングガイド
南太平洋のほぼ中心に浮かぶ118の島々、タヒチ-フランス領ポリネシア。洗練されたフランスの文化と昔ながらのポリネシアの文化が混ざり合う神秘の島々を取り囲む美しいタヒチアンブルーの海には、世界中のダイバーを惹きつけてやまない、超ワイルドでエキサイティングなシーンが次々と。どの島から行こうか、悩みは尽きません。
※2024年3月現在の情報です
タヒチってこんなところ
裾礁と呼ばれるつくりのソシエテ諸島の島々。写真はボラボラ島
日本から赤道と日付変更線を越えて直行便で約11時間。太平洋南部の中ほどに散らばる大小118の島々がフランス領ポリネシア。日本ではその中心島、タヒチ島から「タヒチ」の名前で知られています。夢のような美しいタヒチアンブルーに囲まれた海はロマンティックで、高い山を抱くボラボラ島は世界で初めて水上バンガローを生んだ地でもあり、世界中のハネムーナーが憧れる夢の島にもなっています。
これらの島々はタヒチ島を含むソシエテ諸島、サンゴ礁がネックレス状になっている環礁の島々から成るツアモツ諸島、フランスの芸術家・ゴーギャンが愛したマルケサス諸島、クジラの来る島、ルルツ島のあるオーストラル諸島、そしてほとんど観光化されていないガンビエ諸島の5つの諸島に分かれています。
それぞれの諸島は島の成り立ちや文化、そして気候もそれぞれ少しずつ異なっていて、島を巡ったり、通ったりするとその違いにもおもしろさを感じると思います。
ダイビング界のレジェンド、ジャック・イヴ・クストーを生んだフランスの島々だけに、ダイビングも盛んで、主な島々にはフランス系のダイビングサービスが数多くあり、ダイビングスポットも開拓されています。
ここではタヒチのダイビング基本情報、そしてダイビングのできる島々の見どころを紹介していきましょう。
タヒチのダイビング基本情報
地理・気候
環礁と呼ばれるサンゴ礁の島。ツアモツ諸島はほとんどこのタイプ。写真はソシエテ諸島の究極のリゾートアイランド、テティアロア島
赤道の向こう側の南緯約8~27°、西経約138~151°という広大な海域に散らばる5つの諸島と118の島々、タヒチ-フランス領ポリネシア。
タヒチの首都ともいえるパペーテの街があるタヒチ島や、モーレア島、ボラボラ島など緑の古城のような山を抱く島々はソシエテ諸島。島の周りに裾礁と呼ばれるサンゴ礁が発達していて、隆起してできたサンゴの島“モトゥ”があるのが特徴です。
このソシエテ諸島の北東に浮かぶのがツアモツ諸島。裾礁の裾がさらに進化して隆起し中心島が沈降したもので、ネックレス状に小島が点々とつながっているのが特徴です。ダイバーの間ではランギロア、ファカラバ、ティケハウなどの環礁島が有名です。
ツアモツ諸島のさらに北東にマルケサス諸島があります。フランス領ポリネシアで最も赤道に近い秘境です。そしてソシエテ諸島のずっと南にオーストラル諸島、ツアモツ諸島の南東にガンビエ諸島があります。この2つの諸島はサンゴ礁が生育する南限ともいわれる南回帰線より南にあり、赤道の近い熱帯気候に分布されるソシエテ諸島、ツアモツ諸島、マルケサス諸島とは異なり温帯に近い夏も涼しい気候となっています。
なお、ツアモツ諸島は山が周辺にないため、熱帯気候といっても“海洋性気候”となります。熱帯気候には雨季と乾季がありますが、海洋性気候になると、雨季といっても一日にスコールが数回降る程度で雨が降り続くことはごく稀です。また年間を通して寒暖の差がほとんどないのも特徴です。
シーズナリティ
◎タヒチ島のシーズナリティ
※ソシエテ諸島のほかの島々もほぼ同様です。
◎ファカラバのシーズナリティ
※ツアモツ諸島のほかの島々もほぼ同様です。
南の島らしく、シーズン表を見てもわかるとおり、タヒチ島(ソシエテ諸島)もファカラバ(ツアモツ諸島)も、日中の最高気温が26~30℃、最低平均気温は20℃を下回ることがなく、年間を通して暖かいところです。雨季は湿度も高く、ムワッとした感じになることもありますが、貿易風のおかげで快適なことに変わりないでしょう。ちなみにツアモツ諸島の年間日照時間は最大で1年に3,000時間近く、世界最長クラスです。
なお雨季、乾季の変わり目は年によって変動があります。雨季でも雨というよりはスコール的なものが多く、雨が上がれば晴れ間がのぞいています。
海の中は四季のある日本のような変化はあまりないのですが、ツアモツ諸島では6~7月頃にハタが産卵のために大集合したり、雨季にハンマーヘッドシャークやマダラトビエイの群れとの遭遇率がアップしたりと、生き物の産卵行動が活気づくシーズンはあります。
また、7~11月頃は南半球は冬ですので、南極海方面で暮らしているザトウクジラが北上してきて、オーストラル諸島のルルツ島やソシエテ諸島のモーレア島などでホエールウオッチングが盛んになります。
タヒチのダイビングサービス事情
タヒチでダイビングをする場合、日本などと同じようにダイビングサービスを利用することになります。島々にダイビングサービスがあります。ホテルに併設されているサービスも多いですが、ほかのホテルの宿泊客でも潜れることが多いので、ご安心を。自分のホテル内にある場合は徒歩でサービスに集合しますが、その他はたいてい送迎があります。
日本人ガイドや日本語が話せるガイドがいるダイビングサービスもコロナ禍以前はありましたが、今後は要確認ですね。
Cカード提示は絶対必要になりますので、忘れないようにご注意を。デジタルカードでももちろんOKです。
どこでも器材レンタルは可能です。ウエットスーツもありますが、半そで半パンのショートジョンタイプのものしかない場合もありますので、自分のスーツを持っていくことをオススメします。また、店にもよりますがシリンダー(タンク)がスチール製でとても重いタイプのものもあります。ウエイト調節は確実に行ってください。また、シリンダーのバルブ部分の径が大きいタイプもあり、トラベルタイプの軽量レギュレーターはファーストステージが合わない場合もあります。ご注意ください。
なお、ヨットタイプの船でダイブクルーズを開催している会社もありますし、チャーターベースでクルーズのできるヨットもあります。
ゾディアックタイプのボートが多い
フランス領だけにタヒチにはゾディアックタイプのボートが多い。写真はランギロアの《TOP DIVE》のボート
エントリーはずりずりとお尻を下げてから。左右のバランスを取るために一斉にエントリーするのが掟。写真はタヒチ島の《フルイドダイビングセンター》のもの
《フルイドダイビングセンター》にはおなじみのスピードボートもある
戦前、フランスの海軍空挺部隊がU型のフロートを備えたインフレータブルボートの開発を依頼したのがフランスのゾディアック社。戦後はマリンレジャーにも使用できるタイプのボートが次々と開発され、社名からタヒチの島々では「ゾディアック」と呼ばれ、ダイビングサービスに導入されているのです。
日本などでも見られるタイプのボートを利用している店もありますが、このゾディアックタイプのボートを利用しているダイビングサービスが多いのです。
このボートは左右バランスをとるために、ダイバーは左右均等に乗船するのが鉄則。乗船の際にボートクルーの指示をちゃんと聞いて乗るようにしてください。
また、エントリーも全員で一斉に潜ります。声がかかったら遅れないようにしましょう。
なお、昔はラダーがなくて女性などには大変だったのですが、今はたいていのゾディアックにラダーが付いていますので、ラクチンに。順番にボートに上がりましょう。
1日のスケジュール
透明度の高い、青~い海がタヒチの特徴
たいていの島々ではダイビングサービスまたは港から遠くてもボートで15分程度のスポットに行くので、1ダイブごとに帰ってきます。
午前1ダイブ、午後1ダイブの場合もありますし、島によっては午前中に2ダイブしてしまう場合も。その場合もいったん島に戻ってきますのでトイレの心配はご無用です。
家族とのバカンスを大事にするフランス人や欧米人客が多く、3本目を潜るゲストはあまりいないこともあり、1日2ダイブしかしないダイビングサービスも少なくありません(ツアモツ諸島のランギロアやファカラバは、ダイビング目当てのゲストが多いので、1日3ダイブが普通です)。
海洋状況
タヒチの島々の透き通った海には、他では見られないほど多様な色、大きさ、形を持つ1,000種類以上の海洋生物が生息しています。他にはないその多様な生態系のために、国内外の科学者はポリネシアの海域を「地球で最も豊かな水槽」と比喩し、2000年にこの海域は「排他的経済水域(EEZ)」に指定され、野生生物の保護区として流し網漁などが禁止されています。また、世界自然保護基金(WWF)からも高い評価を得ています。
島別ダイビングスポット情報
島の上や桟橋、ボートから見ただけでも美しいタヒチアンブルーの海。外洋とリーフ内の海の色の対比も素晴らしいものがありますが、水中に入ればその美しさにさらに感動することは間違いありません。 タヒチの島々でダイビングができるのは10島ほど。また、クジラに会えるルルツ島ではダイビングではなくスノーケリングスイムとなります。
ランギロア - Rangiroa
ランギロア空港のあるアバトル島。水上バンガローがたくさんある《ホテル キアオラ リゾート&スパ》はハネムーナーにも人気
タヒチのパペーテから国内線の直行便で約1時間。周囲177km超、世界で2番目に大きな環礁に240の小さな島々がネックレス状に連なっています。「大きな空」という意味の島名のごとく高層ビルも鉄塔などもなく、ひとたび海辺に出れば大きな空と海、水平線には緑の平らな島々も見え、爽快感たっぷりです。
空港のあるアバトル島とその東に浮かぶティプタ島に村があり、ホテル、ダイビングサービスはアバトル島にほとんど集まっています。
「ティプタパス」は人懐っこいイルカに会えることでも近年有名です
「ティプタパス」は大型回遊魚やサメも多く、巨大なバラクーダの群れに会えることも
ダイビングスポットは、アバトル島の西側の水路「アバトルパス」と、アバトル島とティプタ島の間の水路「ティプタパス」。潜り方によってスポット分けをしているダイビングサービスもあります。このほかラグーン内にも「アクアリウム」などのスポットがあります。
●ティプタパス
潜る頻度はおそらく最も高い超人気スポット。ハンドウイルカと泳いだり、外洋に向かうアウトの流れの時に水路でオグロメジロザメやカマストガリザメなどの大型のサメやナポレオンフィッシュ、外洋側でバラクーダやギンガメアジなどの回遊魚の群れを狙ったりします。時々マンタが現われることも。12~3月にマダラトビエイが群れで現われるのですが、それを狙ってグレートハンマーヘッドシャークが見られることも。9~11月はバショウカジキの目撃例もあります。
●アバトルパス
アバトル島の西側にある水路。アウトの流れの時にギンガメアジのトルネードや大型バラクーダの大群が狙えるほか、棚の上でカマストガリザメやオグロメジロザメが見られることも。7~10月はマンタとの遭遇率がアップします。ハタタテダイなどトロピカルフィッシュの個体がどれも大きいのも特徴。
●アクアリウム
ラグーン内にあり、真っ白な砂地とソーダ水のようなブルーの海とのコントラストが気持ちいいスポット。サンゴの根が点在していて、チョウチョウウオの仲間をはじめ、トロピカルフィッシュが多数。ホワイトチップやブラックチップリーフシャークもやってきます。水深が浅いので初心者や体験ダイビングにもピッタリです。
ファカラバ島 - Fakarava
サメ好きなフランス人ダイバーに大人気のファカラバは、サメ天国
パペーテから直行便で約1時間10分。ツアモツ諸島でランギロア島に次いで大きな環礁の島がファカラバ島です。美しいラグーンと深いブルーの外洋に囲まれた小さな島々の中でも空港のあるロトアバ島にリゾート、ダイビングサービスをはじめ素朴な民家やパン屋、レストランなどが点在。のどかな雰囲気に平和のありがたさを感じずにはいられません。南のテタマヌヴィレッジにある教会はサンゴ石で作られていてフォトジェニックです。
ファカラバはユネスコの生物保護区にも指定されている島で、その主な理由は多様性あふれる豊かな生態系が繰り広げられているため。北と南にそれぞれ水路があり、ダイビングスポットになっています。特に北の「ガルアエパス」はツアモツ諸島というよりはポリネシアの島々で最大の水路で、世界屈指のビッグスポットといわれるほど。
ギンガメアジは個体が大きく群れの密度もハンパではない
●ガルアエパス
環礁の北にある幅約1.6kmもの水路で、「アリババキャニオン」と呼ばれる、流れのないシェルターのようなところで待っていると10尾以上のオグロメジロザメの集団やギンガメアジの群れをはじめとする大型回遊魚が目の前を行き交います。このシェルターにリーフフィッシュも逃げ込んでくるので、迫力たっぷりです。大きなマンタもよく見られます。水深は最大でも21mぐらいと深くはありませんが、流れが激しくなることもありますので、ドリフトダイブの経験がある中・上級者向けのスポットです。
6~7月はリーフの棚に産卵のためにハタの仲間が大集合。それを狙ってオグロメジロザメも集まってくる
●トゥマコフアパス
環礁の南にある水路で、幅は狭いけれど、こちらもオグロメジロザメやブラックチップリーフシャークなどのサメ天国。リーフフィッシュも多く、マンタが現われることも。近くのテタマヌ村の雰囲気のせいか、太古の海そのままといったワイルド感がたまらない野生の海です。
ティケハウ島 - Teikehau
島随一の大型リゾート《ル・ティケハウ・バイ・パールリゾーツ》には贅沢な水上バンガローがあり、宿泊したゲストの評判もとてもいい(現在休業中)
ツアモツ諸島のリゾートアイランド、マニヒ島(以前はダイビングサービスがあり、最高のダイビングスポットもあるのですが、残念ながら今はサービスがありません)に近い、小さな環礁島。パペーテから直行便で約55分。サンゴが砕けてできたピンクサンドの砂洲や純白のホワイトサンドビーチに縁どられたかわいらしい島が並ぶ、まさに天国のような島です。水上バンガローのあるリゾートが1つと小さな村があるだけで、静けさが漂い、自然を満喫するには最高です。
ダイビングサービスはリゾート内にあるのみ。環礁唯一のパスの周辺にダイビングスポットが開拓されています。
写真はファカラバで撮影されたものですが、ティケハウの「トゥヘイアバパス」でもマンタの遭遇率は高い
●トゥヘイアバパス
環礁に1つしかない水路。マンタ、バラクーダ、ギンガメアジの群れなどダイバー垂涎の大物との遭遇率がとても高いのが魅力です。水深も最大で30m未満ですが、大物やたいていのリーフフィッシュは10m台で見られます。流れがあっても、逆らって泳ぐ必要もないので、初心者も楽しめます。
タヒチ島 - Tahiti
マリーナにはヨットやスピードボートが並ぶ。写真はタヒチ島南側の“タヒチイチ”にあるマリーナ
タヒチの中心地パペーテには観光客もよく行くマーケットがある
国際空港やタヒチの経済・政治の中心地、パペーテのあるフランス領ポリネシア最大の島。ほかの島に比べると都会的で自然からかけ離れているイメージがありますが、パペーテの街を抜けて車で10分も走れば自然あふれるワイルドな景観が。山高い内部には神秘的な滝や透き通った水をたたえる小川に、熱帯植物が密生するエリアも。海もサンゴ礁に囲まれていて、内海と外洋にダイビングスポットがいくつも開拓されています。
ラグジュアリーなリゾートホテルからシティホテル、ペンションタイプの宿泊施設までお好みで選べるほか、レストラン、ナイトクラブ、スパなどお好みの過ごし方が選べる楽しい島です。
タヒチヌイで人気No,1のビッグスポット「ホワイトバレー」ではさまざまなサメが
透明度抜群で魚影の濃いタヒチイチ。リーフ上をわさわさと魚たちが群れ泳いでいる
タヒチ島は大小の丸い島がくっついたような形をしています(実際2つの島が地殻変動でくっついたのです)。パペーテのある大きなほうは北側にあり「タヒチヌイ」と呼ばれます。小さなほうは「タヒチイチ」と呼ばれ、南側に位置しています。タヒチイチは同じタヒチ島でも別世界のように静かで自然にあふれる離島のようなところ。ダイビングサービスはどちらにもあり、潜るエリアは異なります。お好みのエリアに滞在して潜るといいでしょう。
●タヒチヌイ:ホワイトバレー
タイガーシャークが見られることで注目されているシャークスポット。ほかにオグロメジロザメ、ブラックチップ、ホワイトチップ、ナース、レモンの6種のサメが見られるサメ天国です。バラクーダやギンガメアジなどの回遊魚やヒメフエダイ、ヨスジフエダイなどの群れも多数。
●タヒチヌイ:ラ・ソース
海底に散らばる岩礁の小さな穴から淡水が湧き出ている様子がおもしろい。色とりどりのさまざまなサンゴが群生していて、ウミガメやナポレオンの姿も。バラクーダやトビエイなど人気の大物も姿を見せる。
●タヒチイチ:トンバン・パペアリ
ストンと落ちたドロップオフがダイナミック。壁にはウミウシもいろいろ。棚の周りではノコギリダイ、ヒメジなどが群泳。ポリネシアではあまり見られないクマノミが生息。
ボラボラ島 - Bora Bora
フォトジェニックな景観がここそこに
「どこを撮ってもフォトジェニック」と訪れた誰もが感嘆する、ハネムーナーに大人気の島。パペーテから直行便で約50分。外洋の蒼の世界からラグーン内のソーダブルーまで海の色だけでも変化に富んでいて見ているだけで心が湧き立ってくるはず。島の中央にそびえる緑のオテマヌ山との対比はほかにはない、風景美をたたえています。ラグジュアリーなリゾートホテルが多数あり、老舗ホテルには世界で最初につくられた水上バンガローも(改装を重ねていますが)。
ハネムーンアイランド、リゾートアイランドとして人気のボラボラ島ですが、海の中にはダイバー垂涎の魚たちがズラリ。迫力のあるエキサイティングスポットから癒し系の水族館風なスポットまでバラエティもたっぷりです。
浅瀬にはブラックチップリーフシャークが多く、スノーケリングも楽しめる
ダイビングスポットは外洋とリーフ内のラグーンに開拓されていて、ボートで15~30分。日本人経営のダイビングサービスもある。
●タプー
大型(メス)のレモンシャークやブラックチップリーフシャークのほか、ナポレオンフィッシュやオオカマスの群れなどが見られる外洋スポット。水深も最大25mで潜りやすい。
●アナウ
ボラボラを代表するマンタスポット。サンゴが群生するリーフにクリーニングステーションがある。ウミガメやマダラトビエイの姿も。
ライアテア島 - Raiatea
ボラボラ島の東に位置する、古代ポリネシアの故郷といわれる神聖な島。パペーテから飛行機で約45分。昔は「ハバイイ」と呼ばれていたという。タプタプアテアと呼ばれるポリネシア最大のマラエ(遺跡)はかつてポリネシアの宗教、政治の中心だったそうです。現在も立ち入り禁止地域となっていて、文化を大切に守る人々の姿勢に尊さを感じずにはいられません。観光化があまりされていませんが、リゾートホテルもあり、ダイビングをはじめとするウォータースポーツやトレッキングなどアクティビティも盛んです。
老舗ダイビングサービスにより、20カ所ほどのダイビングスポットが開拓されています。
タハア島 - Tahaa
美しすぎるラグーンに浮かぶ《ル・タハア・バイ・パールリゾーツ》の水上バンガロー群
ライアテア島の北に位置し、ライアテア島と同じリーフに囲まれている小さな島。パペーテからはライアテア空港へ行き(約45分)、そこから船で島に渡ります。別名バニラアイランドと呼ばれるほどバニラ農園が多く、その甘い香りが島に漂っています。自然豊かで小さな村しかない素朴な島ですが、ダイビングサービスが1つあって、外洋とラグーン内周辺に10カ所ほどのダイビングスポットが開拓されています。ライアテア島方面のリーフを潜ることもあります。ナポレオンフィッシュや大型のサメ類、ギンガメアジの群れなど大物系のダイビングが楽しめます。
フアヒネ島 - Huahine
ライアテア島の東に位置する南北2つの島から成るフアヒネ島。2つの島はタヒチ島と同様に「ヌイ(大きいという意味)」と「イチ(小さいという意味)」と呼ばれています。パペーテから飛行機で約40分。
この島は訪れた人が皆、魔法にかかるといわれるほど、タヒチの昔ながらの良さ――島人の温かさや自然の豊かな恵みを残しており、原始からの営みを体験した気分になれます。美しいラグーンと透明度の高い外洋にダイビングスポットが開拓されていて、水路スポット「アバピティパス」はハンマーヘッドシャークにも会えるビッグスポットです。たいていのスポットが港から15~20分にあり、ボートダイビングを楽しめます。
モーレア島 - Moorea
ターコイズブルーのラグーンに囲まれている島
タヒチ島の北西に位置し、切り立った山々が連なる景観はフランスの古城のよう。パペーテからはプロペラ機で約15分。高速フェリーでも約30分。とても近くて手軽に美しい景観が味わえるためか、リゾートホテルも多い。周囲約60kmのハート形をした島の周りをサンゴ礁が取り囲んでいて、その内外にダイビングスポットが開拓されています。6~9月はザトウクジラが島周辺にやってくるので、ホエールウオッチングも盛んに。
●ティキ
北西部の沖にあるシャークスポット。オグロメジロザメやレモンシャークなど体長2m前後の大型サメに会えます。水深20mでウオッチングすることになるので無減圧潜水時間に注意しましょう。
●キャニオン
外洋に面したスポットで、巨大な谷のような地形が冒険気分満点。そんなキャニオンを進んでいくと、レモンシャークをはじめとするサメの仲間やウミガメなどが登場。モーレア島を代表する人気スポットの一つ。
ヌクヒバ島 - Nuku Hiva
タヒチ島の北東約1,500km、赤道に近いタヒチ最北に位置するマルケサス諸島。その中心島がヌクヒバ島です。パペーテから直行便で約3時間40分。中心島といっても都会とはかけ離れた自然の豊かさが味わえます。緑に覆われた高い山、紺碧の海と、そこにいるだけで心が癒されるはずです。
ダイビングは歴史こそ長くはありませんが、島自体が太平洋の巨大なオアシスかのごとくたくさんの魚や生きもののよりどころになっているのです。それを狙ってイソマグロやメカジキといった大型回遊魚やマンタ、トビエイなど大型のエイ、さらにさまざまなサイズのサメやイルカなどが駆け巡っています。ワイルドでエキサイティングなダイビングを体験できるでしょう。
ルルツ島 - Rurutu
ザトウクジラの親子。ルルツ島はザトウクジラの島として人気
パペーテから南へ約600km、直行便で約1時間30分のオーストラル諸島にあるルルツ島。そびえ立つ山、渓谷や高原の美しさは息をのむようです。以前はラグーンだったところが隆起した洞窟には鍾乳石や石筍もいろいろ見られます。この島の魅力はなんといっても7月半ば頃から現われるザトウクジラ。南極から出産や子育てのために北上してきて10月末頃まで島からでもクジラのブリーチングや潮吹きなどが見られます。
ザトウクジラを尊重してホエールウオッチングは行われますが、近づいても水面でのんびりくつろいでいる時などは水中にそっと入って周りを泳いだりすることも可能です。
タヒチの島々への旅 基本情報
国名
フランス領ポリネシア
ビザ・パスポート
パスポートの残存期間は、帰国時に有効期限が3ヵ月以上あればOK。観光目的での90日以内の滞在に関してはビザは不要。
入国について
下記ページにて入国情報をご案内しております。
状況により情報がアップデートされますので、渡航の際には予めご確認を頂きますよう、お願いいたします。(2023年3月現在)
入国について≫
時差
日本より19時間遅い。
言葉
公用語はフランス語とタヒチ語。ダイビングサービス、ホテルなどでは英語が通じる。
通貨
フレンチパシフィックフラン。タヒチの空港にある銀行や両替所で、日本円から両替できる。
電圧とプラグ
ホテル客室の電源は220V/60Hz、丸穴2ピンのCタイプがほとんど。コンセントにアースがついているものが多いので、携行する変換プラグの種類に注意。
(デスク/後藤 ゆかり)