「おいしい空気」でダイビング
沖縄 ケラマ諸島 座間味島
feat.東亜潜水機
ダイビングに必ず使う圧縮空気(※)。自分たちが吸う空気にはとことんこだわりたいもの。今回は海にも空気にもこだわり続けている、座間味島の老舗サービス《ダイブイン浜》の宮平洋一さんにお話を伺いました。
※近年はエンリッチド・エア・ナイトロックスなどやテクニカルダイビングで混合ガスを使用することがあり、空気も含めて「圧縮ガス」と呼ぶことが増えています。また、タンクのことを「シリンダー」と呼ぶダイビング教育団体もあります。
※2024年3月現在の情報です
世界が恋する座間味島
座間味島はケラマ諸島のほぼ中心にあるサンゴ礁の島
白砂が広がる海底に広がる枝状サンゴにパープルのハナゴイが乱舞するスポット「ウルノサチ」
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
沖縄県の那覇の西約40kmの海上に浮かぶケラマ諸島には大小20の島々があり、5つの有人島があります。座間味島は諸島の西側、座間味村の中心地で、島と那覇間を毎日高速船とフェリーが結んでいます。高速船なら1時間余りと、意外に近い離島といえます。
座間味島の面積は約16.8平方kmで、車なら1時間足らずで一周できそうな小さな島(周遊道路はありませんが)。陸地は平たんな部分は港前の座間味地区と西の阿真地区、東の阿佐地区ぐらいで、ほとんどが標高100m前後の山林。海岸線は入り組んでいて北側は急峻ですが、南側は古座間味(ふるざまみ)ビーチに代表される美しいホワイトビーチと沖に続くサンゴ礁が見事です。北側の海中もサンゴ礁が発達しているうえに、入り組んだ地形が水中にも達していて、冒険的かつ神秘的なダイビングスポットがあるのも特長です。
プロの水中写真家が愛した島は今、海外ダイバーも急増中
カクレクマノミなど日本のクマノミ人気は座間味島から生まれたといっても過言ではないはず
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
座間味島は沖縄本島からわずか40kmという近距離にありながら、手つかずの美しいサンゴ礁が多く群生しており、サンゴ礁をすみかにする魚や海の生きものが多く、しかもダイナミックで神秘的な洞窟など地形スポットもあることから、沖縄でレジャーダイビング事業が始まる50年以上前から島にダイビングサービスができ始め、ダイビングスポットが開拓され続けている“ダイバーズアイランド”です。
日本の水中写真のパイオニアといわれる水中写真家・舘石昭さんや日本のフィッシュウオッチングのパイオニア、益田一さんをはじめとする水中写真家たちが「水中フォトスタジオ」と呼び、通ってはその魅力を撮り続けた島でもあります。
現在は、その魅力に気づいた海外からのダイバーも急増中。陸の素朴な魅力も加わり、ハイシーズンは日本人がなかなか予約ができないと悲鳴を上げるほどになっています。
まさに世界中のダイバーや島愛好家が愛する座間味島、なのです。
一年中楽しめる海
水温が低くなってくるとウミウシも増加。クサイロモウミウシにも会えるかも!
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
座間味島には、島を中心に諸島内の内海、諸島の外側の外海にオリジナルスポットも合わせると100以上ものダイビングスポットがあります。そのほとんどへボートで出かけるため、ボートダイビングが主流です。スポットまでは近いところなら10分足らず、遠くても30分以内で行けるので、1ダイブずつ島に戻るか、天気のいい日は休憩時間に無人島のきれいなビーチに上陸することも。の~んびりダイビングをして過ごせるのも座間味島の魅力です。
魅力と言えば、一年中潜れるのも魅力です。北風に弱い沖縄の島々ですが、ケラマ諸島内にいくらでも風除けができるスポットがありますし、流れも穏やかなところが多いので、初心者でも楽しめます。水温は冬場は20℃を切ることもありますので、準備をする際に《ダイブイン浜》などに問い合わせるといいでしょう。
また、冬のケラマ諸島海域にはザトウクジラもやってきます。水中でクジラの鳴き声が聴こえたり、運が良ければダイビング中や那覇-座間味島の往復の船上でクジラがジャンプするシーンが見られることも!
ダイブイン浜が勧める座間味島のダイビングスポットBEST5
ケラマ諸島のダイビングスポットは内海と外海に大きく分けられます。おいしい空気にこだわる《ダイブイン浜》では内海23カ所、外海5カ所ほどによく潜りに出かけています。サンゴ礁、地形、マンタ狙い、ウミガメ狙い、回遊魚など大物狙いと目的もさまざま。
《ダイブイン浜》の宮平洋一さんは、特にケラマらしい、サンゴが白砂の海底に点在する癒しの海と、魚や生きもののフィッシュウオッチング、ユニークな生態ウオッチングがお得意。自身も一眼で水中写真を撮るほどの腕前で、上手な水中写真の撮り方を伝授してくれることもあります。
そんな洋一さんにオススメのダイビングスポットBEST5をお伺いしました。
1位 阿真ビーチ前
真っ白なサンゴ砂に大小の根が点在。デバスズメダイの舞いはずっと見ていられます
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
ただただ癒されるポイント。ずっと眺めていたくなるような白い砂地にサンゴとデバスズメダイたち。癒されます。
2位 ボツボツサンゴ(ブツブツサンゴ)
スポット名の由来となったコモンシコロサンゴに代わってミドリイシの群生がスゴイことに
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
ここ数年のサンゴの成長状態がすごく良く、サンゴとその上に数多くの魚たちが群れていて本当にキレイです。
3位 浜中(アダン下)
深場のキンメモドキが群れる根にユカタハタやマクロ生物がびっしり
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
浅瀬にはデバスズメダイ、深場にはキンメモドキとユカタハタ。生物の数も多く、マクロにするかワイドにするか悩むポイントです。
4位 新田洞窟
晴れた日は水中に太陽光のカーテンが!
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
言わずと知れた洞窟ポイント。写真で見るよりも実際はもっとキレイです。
5位 小(コ)アゲナシク
どこまでも美しいサンゴ礁が続きます
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
座間味港の向かいに安慶名敷島前にあるサンゴポイント。浅瀬に広がるサンゴの種類も多く、とにかくキレイ。
ケラマ諸島は生物の宝庫!
おすすめスポットとは別に、洋一さんは座間味島の魅力はまだある!と熱く話してくれました。
「座間味島といえば、ウミガメといわれていますよね。サンゴ礁が豊かなだけに5~6月はサンゴの産卵も見逃せません。また、マクロ生物もとにかく多いので、昔からプロの水中写真家が座間味島によく潜りに来て撮影されていたのも当然でしょう」
アオウミガメだけでなくタイマイの姿もよく見かけます
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
神秘的なサンゴの産卵にも立ち会えるかも
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
インドカエルウオの幼魚のイエローバージョンは特にオススメ
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
「夏のわずかな時期のみ会えるインドカエルウオyg(幼魚)の黄色ver。ひと夏で大人と同じ黒色に変化してしまいますが、黄色い個体の子は本当にキレイです」と洋一さんもベタぼめする、インドカエルウオの幼魚。生態系の豊かなケラマ諸島ではほかにもたくさんの種類のかわいい幼魚が見つかります。
イロブダイの幼魚はよく見かける
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
ハナビラクマノミの幼魚がピンク色のイソギンチャクに!
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
おいしい空気にこだわるダイブイン浜
座間味港の玄関口にある老舗店
港のすぐ目の前にある3階建ての《ダイブイン浜》
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
ロフト付き洋室があるほか、6畳・8畳タイプの和室がある。各階にトイレ・洗面所付き
写真/ダイブイン浜
《ダイブイン浜》は座間味港のすぐ目の前、船を下りたら荷物は預けて、歩いて行けるところにあります。
1960年代から座間味島で最初にダイバーを案内した、初代船長、宮平信一さんが始め、2代目の宮平安弘さんが1970年代から本格的なダイビングサービスを展開。同じ建物内に宿泊施設もあり、ダイビングと一体型の便利で快適な座間味島ダイビングを提供してくれます。2022年には民宿部門が50周年を迎えました。現在は3代目の宮平洋一さんと兄弟の宮平智也さんが館内をWiFiにしたり、リニューアルするなどして、心地のいい空間をつくり上げています。
《ダイブイン浜》のある日の夕食。品数が多くてお腹パンパンに
写真/後藤ゆかり
ダイビングガイドは宮平洋一さん(右)、操船は宮平智也さん(左から2人目)が担当
写真提供/ダイブイン浜
ダイビングへは平型の和船タイプですぐ!
写真/宮平洋一(ダイブイン浜)
自社でこだわりの空気を製造
《ダイブイン浜》が大事に使っている東亜潜水機のYS-75コンプレッサー
タンクにエアを充填する洋一さん
写真/ダイブイン浜
《ダイブイン浜》では創業当時から空気の充填を行っています。《東亜潜水機》のコンプレッサーも時代に応じて性能のいいものを使っているとのこと。洋一さんは語ります。
「YS-75は、故障も少なく短時間でチャージができるうえ、電気制御版で冷却水量の低下・冷却水の温度上昇など自動で制御してくれますので、作業するスタッフの勘に頼らず安定し安全な作業ができています。また、何かトラブルが発生した時などもすぐに対応していただき、大変助かっております。
皆さんも東亜のコンプレッサーでチャージした、クリーンな空気で座間味島の海を潜り、楽しんでいただきたいと思います」
※YS-75については、下記に紹介があります。
■ダイブイン浜
〒901-3402 沖縄県島尻郡座間味村字座間味97
TEL:098-987-2013
E-mail: kerama@diveinnhama.jp
画像提供/ダイブイン浜
ライター/後藤ゆかり(MDWebデスク)
おいしい空気で安心ダイビングを!
画像提供/東亜潜水機
東亜潜水機とは
《ダイブイン浜》が愛用しているのは定置・水冷式コンプレッサーで人気のスタンダードモデル「YS-75」。これを開発製造しているのが、東亜潜水機です。大正13年に創業した日本で最も古い潜水機器メーカーになります。長年、消防や自衛隊の救命救助用コンプレッサーや、潜水作業用コンプレッサーの開発を手掛ける圧縮空気のプロフェッショナル集団です。
ダイビング業界でも「東亜潜水機の空気はおいしい」「東亜潜水機のコンプレッサーは充填が早い」「東亜潜水機のコンプレッサーは壊れない」と言われる日本のトップメーカー。皆さんがダイビングをするときの空気も、東亜潜水機のコンプレッサーで充填した空気かもしれません。
パワフル、静粛・低振動、コンパクト。全モデルに独創の技術が息づいています
●YSシリーズ 移動・空冷式
充填場所を選ばない機動性に優れたモデル。モーター駆動のユニットと、電源を必要としないエンジン駆動ユニットがあります。
YS-75A
パワフルなモデル。写真はモーターセット
YS-55A
災害現場でも迅速な充填が可能なエンジンセット
●YSシリーズ 定置・水冷式
YS-85V
大量の高圧ガスの使用に適した大型モデル
YS-85
幅広い分野で活躍するベストセラー
YS-75
実用性の高さが魅力のスタンダードモデル
YS-55
経済性に優れたコンパクトモデル
YSシリーズは、あらゆる不活性ガスを対象とした、水冷給油式コンプレッサー。ゆとりの吐出量と扱いやすさで圧倒的な納入実績を誇る、高圧コンプレッサーの決定版です。
長年大きな支持を得ている理由のひとつに、騒音・振動を抑え、滑らかな運転を実現する静粛・低振動性能があります。
また、ゆとりの吐出量を持ちながら、サイズが小さいこともYSシリーズの魅力です。
さらに、誰にでも扱えるわかりやすい操作を基本理念として開発されており、メンテナンスは一段と容易になっています。
用途に応じて動力ユニットや運転制御が選べますので、自由なシステムが構築できます。
全国の消防署、海上保安庁等の官公庁やダイビングショップ、大学等の各種研究機関、メーカーで幅広く活躍していることでも、その高機能・高性能、使い勝手の良さを証明しているといえます。
圧縮されたガスのエネルギー配分を安定させるレイアウトにより、静粛・低振動が実現
コンパクトなので設置スペースを問いません
高圧コンプレッサーの新規導入・メンテナンスのご相談はこちら
東亜潜水機株式会社 東京工場
〒116-0003 東京都荒川区南千住4-1-9
TEL.03-3803-2253
FAX.03-3803-2255
Email: info@toa-diving.co.jp
URL:https://www.toa-diving.co.jp/