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東日本大震災から11年。再生は続く。
三陸ボランティアダイバーズの「いま」に注目!
-supported by 東亜潜水機-

三陸ボランティアダイバーズの「いま」に注目!~

2011年3月11日。東北地方を襲った地震と津波。海外でガイドをしていた佐藤さんの地元は岩手県。佐藤さんは震災後すぐに帰国し、海の復興を目指すボランティア団体「三陸ボランティアダイバーズ(以下、三ボラ)」を立ち上げました。
11年以上の月日が流れたいま、あの日を忘れない。そんな気持ちも込めて、これまでの10年とこれからの10年についてお話を伺いました。

ゼロからのスタートと出会い

今回お話しを伺った、三陸ボランティアダイバーズ/代表理事の佐藤寛志さん

今回お話しを伺った、三陸ボランティアダイバーズ/代表理事の佐藤寛志さん

震災直後に帰国したものの、タンクもダイビングの器材もなにもありませんでした。4月上旬から海に潜り始めたのですが、最初は内陸のショップからタンクを借りていました。とはいえ、それも長くは続けられずSNSを使って全国各地のダイバー仲間に助けを求めました。

そんな中、静岡県三保のダイバーズプロアイアンのオーナーが、復興支援としてコンプレッサーを提供してくれました。それが東亜潜水機との出会いです。昭和55年製の水冷の移動式コンプレッサー。電源さえあればどこでも空気充填ができる。岩手県の陸前高田を拠点に、北は大船渡や大槌、釜石で潜り、南は宮城県女川まで行く時があったので、持ち運びできることはとても助かりました。

そして、東亜潜水機の頑丈すぎるほど頑丈なコンプレッサー。震災直後は道路の補修もされておらず、三ボラ復興活動のパートナーとして頼りになる活躍をしてくれたのを鮮明に覚えています。東亜潜水機は、メンテナンスや修理でも大きな支援をしてくれました。長く支援活動ができているのもそのおかげです。

東亜潜水機の水冷移動式コンプレッサー

震災直後から三陸の海で活躍してくれている東亜潜水機の水冷移動式コンプレッサー。これがなければ、復興活動は一向に進まなかったと佐藤さんはお話されていました。

東亜潜水機の高圧コンプレッサーについてはこちら

復興から再生へ

三ボラ活動10年の際に、毎日新聞(岩手版)に掲載された紙面

三ボラ活動10年の際に、毎日新聞(岩手版)に掲載された紙面

活動を開始した2011年、とてもじゃないですが海に潜るなんてできませんでした。津波によって削られた海岸が海を濁らせ、視界は0m。そして水面は鉄骨が飛び出し、瓦礫だらけの海。足元に何があるのか確認しながら少しずつ撤去を行なう。そんな日々が続きました。

いまでこそ、海に潜れるようになっていますが、当時はダイビングと呼べる状態ではありませんでした。3-4年はそんな状態が続いていましたね。海に入れば何かが落ちている。そういった状況でしたので。

瓦礫撤去がひと段落した後は、漁場の回復作業に移りました。地元の漁師さんと一緒になって海藻を植えたり、海藻を食べてしまうウニの除去作業等、震災前当たり前のそうにあった豊かな海を取り戻す為の活動です。

これまで復興支援ダイビングに協力してくれたボランティアダイバーは約8,000名。ご協力いただいたみなさんにはとても感謝しています。関東や関西から自分の器材を持って三陸に来ていただけて、本当に勇気をいただけました。おかげ様で、いまでは県外のダイバーより県内のダイバー比率が増え、地域一体となって活動を継続できる状態になっています。

ウニが海藻を食べつくしてしまうのを防ぐ事も大事な再生作業です。

ウニが海藻を食べつくしてしまうのを防ぐ事も大事な再生作業です。

多くのボランティアに支えられています。

多くのボランティアに支えられています。

ブルーカーボンの活動につながる活動です。

ブルーカーボンにつながる活動です。

稚貝の放流も再生活動の一環。

稚貝の放流も再生活動の一環。

少しずつ海が生き返る様子は感動!

少しずつ海が生き返る様子は感動!

三陸の「いま」

地域一体で三陸の海を守っていく

東日本大震災がなければ...と思うかもしれませんが、海の復興課題には別の大きな要因があることがわかってきました。それは「水温上昇」です。三陸の海は冬になると例年、水温は2-3℃、それ以下になることもあります。ただ、近年は7-8℃になっていて水温が上昇しています。冬の水温が上がると、ウニの活動が停止しない為、若い海藻を食べ尽くしてしまうのです。

瓦礫を撤去し、海藻を植えても、冬場のウニの活動を防止しなければ豊かな海には戻りません。地球温暖化をすぐに止めることはできませんので、いまやれることはコツコツと再生作業を諦めず繰り返し続けていくしかありません。

嬉しい変化だと、自治体(*)や教育機関、地域住民も一緒になって海の再生に乗り出してきてくれたことです。10年続けてきて良かったと、心の底から感じています。いまでは自治体の予算でダイバーになる費用を一定確保してくれていたりし、地元の高校生がダイバーになったりしています。その子たちと一緒になって、海の再生活動に取り組んでいます。

他にも、自治体と共催で「三陸水中フォトコンテスト」を開催しています。3回目になる今年も11月5日(土)と6日(日)に開催される予定です。ぜひ遊びに来てください!

三陸水中フォトコンテストの開催概要はこちら

(*)岩手県大槌町ではダイバー育成も積極的に取り組んでいます。

活動の結果が実り、豊かな海へ戻っている所も。

活動の結果が実り、豊かな海へ戻っている所も。

支えてくれた皆さんとともに未来へ!

10年続けてきて、良い方向に進んできていますが、ほんとうに辛い時期もありました。震災直後はボランティアの方も多かったですし、世間も復興に目が向いていました。それでも、5-6年経過するとパタッと興味がなくなったかのように支援の熱が冷めていく感覚です。

「まだ海の復興は終わってないぞ!」
「まだ東北は戦っているぞ!」

寂しくて孤独になりそうな中、諦めずに続けてきました。なぜ続けてこられたのかと問われると、まず「他にやる人がいない」「やるしかない」という使命感ですね。辞めたら終わってしまう。そんな崖っぷちでした。もちろん、地域で若いダイバーが育ち、仲間が増えたことや、先輩ダイバーに励まされた事、同じ復興を志す仲間や、多くの支えはありました。

そして、これまでずっと私を海に潜らせてくれた東亜潜水機のコンプレッサーです。命のパートナーです。東亜潜水機は、機械メーカーではなく、心がこもった魂のメーカーなんですよね。急なトラブルでも、修理のお願いに行くと毎回、社長や職人さんが一丸になって、油まみれになりながらすぐ直してくれて。「がんばれよ!」って応援してもらえて。私一人ではなかったことは強い支えになりました。

いま三陸の海に潜るのは、過去の復興ではなく再生の段階に入っています。とても楽しいと思いますよ。数cmの昆布の種苗を植えると、3か月後には2-3mにまで成長しています。海の再生を感じることができます。

ボランティアダイバーの募集はまだまだ終わっていません。これからの100年必要になると思っています。ぜひ一度、三陸の海に遊びに来て欲しいです!

■特定非営利法人 三陸ボランティアダイバーズ
代表理事:佐藤寛志
副代表理事:早乙女祐基
   理事:越智隆治
   理事:竹林真
   理事:森和太
   監事:大場誠司
共創の仲間:漁師の皆様、地域住民の皆様、ダイバーの皆様

〒022-0101岩手県大船渡市三陸町越喜来甫嶺40-2
みちのくダイビング リアス

《三陸ボランティアダイバーズ》のホームページはこちら≫

雪解け牡蠣 写真:佐藤寛志

雪解け牡蠣 写真:佐藤寛志

佐藤寛志。1974年岩手県花巻市生まれ。NPO法人三陸ボランティアダイバーズ理事長、みちのくダイビング「リアス」オーナー、海外でダイビングインストラクターとして活躍。震災直後に帰国し、漁師とダイバーとの二人三脚で海底清掃や漁業再開へ向けた取り組み、心の復興をテーマにした写真展を開催するなど、三陸の海の復興に尽力。第一回「環境省グッドライフアワード最優秀賞」受賞、第4回「エルトゥールル号からの恩返し 日本復興の光大賞18」受賞

おいしい空気で安心ダイビングを!

画像提供/東亜潜水機

東亜潜水機とは

三ボラが復興支援活動で重宝した水冷移動式コンプレッサーを開発製造しているのが、東亜潜水機株式会社です。大正13年に創業した日本で最も古い潜水機器メーカーになります。長年、消防や自衛隊の救命救助用コンプレッサーや、潜水作業用コンプレッサーの開発を手掛ける圧縮空気のプロフェッショナル集団です。
ダイビング業界でも「東亜潜水機の空気はおいしい」「東亜潜水機のコンプレッサーは充填が早い」「東亜潜水機のコンプレッサーは壊れない」と言われる日本のトップメーカー。皆さんがダイビングをするときの空気も、東亜潜水機のコンプレッサーで充填した空気かもしれません。

パワフル、静粛・低振動、コンパクト。全モデルに独創の技術が息づいています

●YSシリーズ 移動・空冷式
充填場所を選ばない機動性に優れたモデル。モーター駆動のユニットと、電源を必要としないエンジン駆動ユニットがあります。

YS-85V

YS-75A
パワフルなモデル。写真はモーターセット

YS-85

YS-55A
災害現場でも迅速な充填が可能なエンジンセット

●YSシリーズ 定置・水冷式

YS-85V

YS-85V
大量の高圧ガスの使用に適した大型モデル

YS-85

YS-85
幅広い分野で活躍するベストセラー

YS-75

YS-75
実用性の高さが魅力のスタンダードモデル

YS-55

YS-55
経済性に優れたコンパクトモデル

YSシリーズは、あらゆる不活性ガスを対象とした、水冷給油式コンプレッサー。ゆとりの吐出量と扱いやすさで圧倒的な納入実績を誇る、高圧コンプレッサーの決定版です。
長年大きな支持を得ている理由のひとつに、騒音・振動を抑え、滑らかな運転を実現する静粛・低振動性能があります。
また、ゆとりの吐出量を持ちながら、サイズが小さいこともYSシリーズの魅力です。
さらに、誰にでも扱えるわかりやすい操作を基本理念として開発されており、メンテナンスは一段と容易になっています。
用途に応じて動力ユニットや運転制御が選べますので、自由なシステムが構築できます。
全国の消防署、海上保安庁等の官公庁やダイビングショップ、大学等の各種研究機関、メーカーで幅広く活躍していることでも、その高機能・高性能、使い勝手の良さを証明しているといえます。

圧縮されたガスのエネルギー配分を安定させるレイアウトにより、静粛・低振動が実現

圧縮されたガスのエネルギー配分を安定させるレイアウトにより、静粛・低振動が実現

コンパクトなので設置スペースを問いません

コンパクトなので設置スペースを問いません


高圧コンプレッサーの新規導入・メンテナンスのご相談はこちら

東亜潜水機株式会社 東京工場

〒116-0003 東京都荒川区南千住4-1-9
TEL.03-3803-2253
FAX.03-3803-2255
Email: info@toa-diving.co.jp
URL:https://www.toa-diving.co.jp/

YS-75