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南太平洋の奇跡
トンガホエールスイム
TONGA, Whale Swim

南太平洋の奇跡 トンガホエールスイム

ザトウクジラの親子がすぐ目の前に

南太平洋に浮かぶトンガ王国。
フィジーとタヒチの間に浮かぶ大小172の島々から成る国で、
12世紀頃までに広範囲にわたって南太平洋の島々にその名を轟かせていたという王国で、
ほかの島々が植民地化されていく中で、
トンガだけは1900年にイギリス連邦に組み入れられるまでは、
王様と酋長たちで統治していたという、夢の国である(1970年に独立)。
そんなトンガで今、世界中のクジラファンを熱くさせている。
毎年冬(南半球にあるため、日本とは真反対の季節で、日本の夏)になると、
南極海からザトウクジラが北上、トンガの周辺で子育てをしているというのだ。
これは見逃せない!

ホエールスイムエリア

トンガタプ本島でも親子愛あふれる行動が見られる

お腹は真っ白! 小さな子どもクジラや赤ちゃんクジラは好奇心旺盛で、目の前でいろいろなパフォーマンスをしてくれる

トンガでのホエールスイムといえば、ババウ(ヴァヴァウ)諸島が有名。
確かにホエールスイムのオペレーターも30数社ほどあり、非常ににぎやかだ。
一方、首都ヌクアロファのあるトンガタプ島でもザトウクジラは見られる!と、
現在公認オペレーターの2社がホエールスイム&ホエールウォッチングツアーを開催している。
まだオペレーター数が少ないのでゆったり見られるし、国内線に乗らなくてすむので、リーズナブル。
また欠航になることもしばしばある不安定な移動が少ないので「帰れない」というトラブルに巻き込まれなくてもすむ(実際は帰れることになることも多いのだが、そのドタバタ劇に巻き込まれずにすむ)。
好奇心あふれる子クジラを、あるときは支え、あるときはいなす母クジラ。
そんな親子愛に満ちたクジラの世界をぜひ見に行ってほしい。

南極とトンガを結ぶ絶妙な海流

日本では冬になると、小笠原諸島や沖縄の島々、奄美大島などでホエールウオッチングが盛んになるが、南半球トンガ(ヌクアロファ)の緯度は南緯21度9分と、沖縄などと似たような緯度にある(トンガのほうがやや赤道に近いが)。
海水温も冬とはいえ、最も低くなる8月の平均水温が23.8℃と温かいので、繁殖や子育てには理想的なのだろう。
また、南半球の海流を見てみると、オーストラリア南部沖の南極から上がってくる海流がちょうどトンガを目指して流れており、トンガのすぐ北で今度はオーストラリア東部を通って南極に戻る海流もある。
ザトウクジラにとっては、行きも楽々、帰りも楽々な環境にあるのではないだろうか。

トンガタプ島

最初に南極方面からやってくるのはトンガタプ島とエウア島の周辺

南極からやってくる海流が、ザトウクジラを連れて最初にトンガに入るのがこのトンガタプ島であり、その南東にあるエウア島。
その大半がここで過ごすことになり、ほかのクジラたちはさらに北を目指すという。
2006年に《ディープブルーダイビング・トンガ》が調査を始めて以来、10年以上にわたり、トンガタプ島の周辺に滞在するザトウクジラの数がどんどん増え続けているとか。
南太平洋の楽園トンガは、海の中も楽園なのだろう。

ホエールスイムシーズン

7月頃から10月頃が狙い目

冬の間は南極近海の栄養分豊富な海で、たくさんの栄養をたくわえてきたザトウクジラが繁殖や子育てのために北上し出すのは毎年5月頃だといわれる。
そして出産を終えたお母さんクジラと赤ちゃんクジラが泳ぎだすのが7月頃から。
まだ泳ぎもおぼつかない赤ちゃんクジラが、お母さんの泳ぎを真似て尾ビレをしならせて一生懸命泳ぐ姿は、目の中に入れても痛くないほどかわいらしい。

赤ちゃんクジラは息継ぎが短いため、頻繁に水面に出てくることもあって、一緒に泳げる確率も非常に高いのだ。

10~11月、南極に向けて再び帰る頃までホエールスイムは可能。
ぜひこの時期を狙ってホエールスイムにトライしたいものだ。

生まれたばかりの赤ちゃんクジラがお母さんに泳ぎ方や息継ぎの仕方などを教わりながら泳ぎ回っている

一日のスケジュールとオペレーター

公認オペレーターが2社ある

トンガタプ島でホエールスイム&ホエールウオッチングをするためには、ボートで連れていってくれるオペレーターを利用しなければならない。
トンガタプ島には公認のオペレーターが2社《ディープブルーダイビング・トンガ》と《ホエールスイム・フィッシュ&ダイブツアーズ》あって、両方ともダイビングサービス。
それぞれシーズン中はホエールスイム&ウオッチングツアーを開催している。
ちなみに、トンガタプ島にもエウア島にもオペレーターが少なく、一度に集まるボートは多くても3~4隻程度。
この少なさも、毎年トンガタプ島&エウア島でザトウクジラがたくさん見られることの要因なのかもしれない。

ディープブルーダイビング・トンガ
Deep Blue Diving Tonga

老舗のダイビングサービスが新オーナーになって運営されているサービス。
港から徒歩でも行ける便利な場所にあり(車で1分足らず)、 サイズの違うボートを3隻所有。ホエールスイムには40フィートクラスのアッパーデッキ付きの大型船にテンダーボートを曳いてツアーを開催。シャワー・トイレ完備で、屋根付きなので、快適。
店内も海をモチーフにしたかわいらしいペイントで、ハッピーな気分に。 エウア島に、《Eua Oceanview Accommodation》というロッジ風の宿泊施設とダイビングサービスもある。その名のとおり、オーシャンビューで、ロッジのテラスからザトウクジラが見えることも。

《ディープブルーダイビング・トンガ》のスタッフ陣。海とクジラを愛する素敵なガイズだ

「キウニア」号。大きい分、スピードはゆったりだが、のんびり楽しむのにぴったり

お店の壁にはウミガメやエイ、ハリセンボン、タツノオトシゴ、クラゲなどが。 サージョンフィッシュの色が違うのはこちらの固有種を表している!?

ホエールスイム・フィッシュ&ダイブツアーズ
Whale Swim Fish & Dive Tours

ニュージーランド人が経営・運営するホエールスイム、ダイビング、フィッシングのサービスで、24フィートの快速スピードボートを3隻所有。 1隻のボートに最大8名定員。屋根が一部にしかなく、トイレもないが、ほとんどのポイントへ30分以内で到着できるのが魅力。

《ホエールスイム・フィッシュ&ダイブツアーズ》のスタッフ陣。中央がニュージーランド人のオーナー

スピードボート。定員いっぱいになるとキツキツなので、モノを上手に収納して快適にクルージングを楽しもう

朝はゆっくり出発

スタイルがはそれぞれで異なるのだが、《ディープブルーダイビング・トンガ》を例にすると朝10時頃出発し、ザトウクジラを探しながら海へ。ザトウクジラ発見!となったときは、その周辺で1時間近くスイムをし、再び別の場所へ……。といったことを繰り返しながら、ホエールスイムやウオッチングを楽しみ、午後4時ぐらいに港に戻るといったスタイル。
ザトウクジラにたくさん出会えた場合、途中からコーラルスノーケリングに出かけることもしばしば。

日曜日はお休み

トンガは敬虔なクリスチャンが大半を占めるキリスト教国。
日曜日は国民の多くが礼拝をするため、ほとんどの商店がお休みになるのはもちろん、航空会社も休業に(つまり、エアが飛ばない)。さらに、ホテルのサービスまでもが人手不足で行き届かなくなる。もちろん、ホエールスイムツアーもお休み(2016年から日曜営業禁止となっている)。
日本からの旅行を考える場合、トンガで日曜日が重ならないようにするのがベストといえる。
一緒に教会に行って、ローカル気分を味わうのもいいけれど……。

ホエールスイム方法

ブリーフィングはしっかり聞くこと

ホエールスイム&ウオッチングツアーでは、出発前に、安全に楽しむためのブリーフィングが行なわれる。残念ながら日本人スタッフや日本語スタッフがいないので、すべて英語でのブリーフィングとなるが、難しいことはほとんどないので、ゆっくり話してもらえば大丈夫。
基本的にはクジラに触らない、尾ビレの後ろや上、下には入り込まないなどといったルールやマナーが説明される。ブリーフィングにはジェスチャーも入るから安心だ。
なお、ホエールスイムはスノーケリングのみ。スクーバダイビングで潜るわけではない。
ウエットスーツ着用であれば救命胴衣を着用する必要はない。

わかりやすい英語で表情豊かにブリーフィングをしてくれるスタッフのおかげで、言葉の心配もほとんど不要

笑顔が素敵なトンガ人スタッフも

ザトウクジラについて手書きで書かれているボードが船上に

グループ分けしてスイミング

《ディープブルーダイビング・トンガ》の場合、ホエールスイムツアーは母船がテンダーボートを引っ張って出かける。
ザトウクジラのいる海域に着いたら、あらかじめ分けてあったグループで行動。
1つは母船、1つはテンダーボートからスイミングへ。
途中、ある程度時間が経ったら、テンダーボートと母船のグループで交代し、公平性を保つようにしている。
ゲスト4名につき1名のガイドがつくようになっているのも心強い。

フィン、マスク、スノーケルの「3点セット」を着けてデッキに座り、「GO!」がかかったら、できるだけ水面に衝撃を与えないよう、そろりと入り、泳いでいく。
ガイドが一緒に入ってクジラのいる方向へいざなってくれたり、船から指示を出してくれたりするので、一度や二度は見失うことがあっても、かなりの確率でザトウクジラと一緒に泳げるチャンスは来るはずだ。
ガイドを超えて泳ぐのはNG。安全のために守ろう。

ウエットスーツや3点セットは借りられる。ウエットは半袖半ズボンタイプでサイズはやや大きめなので、寒がりな方、小柄な方は自分のスーツを持っていくといい

港に停泊している《ディープブルーダイビング・トンガ》の「キウニア」号。屋根が付いているので、ウオッチングのみのゲストにも人気

1グループはこちらのテンダーボートを利用。途中で交代ありだが

ザトウクジラが見つかったら、すぐにでも行けるようにスタンバイ

「GO!」という声とともに、エントリーしてガイドの進む方向へ!

また、水面を泳ぐだけでなく、スキンダイビングをして水中で一緒に泳ぐことも可能。
「わぁ~、目が合っちゃった!」なんていう体験もたくさんできるかも。
生まれたばかりの赤ちゃんでも体長4.5mぐらい、母親ともなれば体長15mはある、ザトウクジラ。
あまりにも雄大な生き物と一緒に泳げる奇跡のトンガ。
永遠にこの海で人間がクジラと泳いでいくためにも、マナーやルールを守っていきたい。

スキンダイビングで海中を下りていくと、ザトウクジラに遭遇! こちらがウオッチングしているだけでなく、向こうもしっかりダイバーのことを見ているのだ

ホテル&食事

ダイビングサービス周辺はトンガタプ島の中心地

ホエールスイムに出かける港やダイビングサービスがあるのは、実はトンガタプ島の中心地に近い場所。
のんびりとした港町の雰囲気ではあるが、ちょっと歩けば大きなショッピングセンターがあったり、レストランがあったりと、食べるのにも泊まるのにも困らない。

トンガの通貨はトンガパアンガ(TOPまたはT$)。1TOP(T$)=約48.13408円(2017年6月5日現在)。
ミネラルウオーターが500mlで1TOP(約48円)、ビール330mlが3TOP(約144円)と、ほかの南太平洋の島々に比べると、食べ物、飲み物に関してはリーズナブルだ。

港の近くの街歩きで見つけたウォールアート。かわいい

《Deep Blue Diving Tonga》の近くの《フレンズ》というカフェは、 料理もおいしいと評判。朝7:30~22:00営業で、朝食から夕食までバッチリ食べられる

フェリーターミナルの近くにある《ファカパレフア・ロング・ショッピングセンター》。パンや飲み物などを買うのに便利

果物や飲み物がズラリと並べられたバラック造りのお店。いかにも南の島といった雰囲気。タロイモの袋詰めがハンパではない……

宿泊施設

南太平洋に浮かぶトンガタプ島は、トンガ王国最大の島。
ヌクアロファは政治、経済の要で、街は意外と(失礼!)都会で、整然としている。
緑も多く、落ち着いた雰囲気で、アフターダイブに散策するにはもってこい。
宿泊施設も、現代的な設備が整った海辺のリゾートホテルからゲストハウスまでいろいろ。
規模はあまり大きくないところが多い。

タノア・インターナショナル・デートラインホテル
Tanoa International Dateline Hotel

ヌクアロファのウォーターフロントにある全122室の、トンガ最大級の4ツ星ホテル。
フィジー、サモア、ニュージーランドなど南太平洋でインターナショナルホテルを展開するタノアグループのトンガのホテルで、 南太平洋で幅広く知られる「カヴァ」を飲むためのボウル「タノア」からその名が来ている。
ほかのタノアホテルと同様、ここもカンファレンスやウエディングも可能とあって、 世界中からゲストが集まってくる。
荘厳かつ風通しの良いエントランス、広々とした敷地内には、自然も豊かで、レストランやスイミングプールなど施設も充実。

楽しく快適な南の島ライフを満喫できるだろう。

■客室数/全122室(スーペリア、スーペリア・コートヤード、エグゼクティブ、オーシャンビュー、エグゼクティブスイート、オーシャンビュースイート、プレジデンシャルスイート)
■客室設備/エアコン、冷蔵庫、ミニバー(一部)、コーヒー&紅茶セット、ドライヤー、電話、WIFI、テレビ、バスタブ(一部)、キッチン(一部)、セーフティボックスなど

観光名所

絵本から抜け出してきたかのような不思議の世界

王様によって統治されている、世界でも数少ない、南太平洋では唯一の王国、トンガ。
街には絵本から抜け出してきたかのような、かわいらしい建物が立っていたり、そうかと思えば、大自然がつくりだしたダイナミックな景観があったり。
一周100kmあるかないかの島なので半日以上あれば、島内めぐりに参加するのもいいかもしれない。
パッケージツアーでは半日観光、終日観光も付いているので、ラクチンだ。

王宮(The Royal Palace)を海から撮った写真なのだが、赤白に統一された三角屋根の建物がかわいい。王様は公式行事の際だけこの王宮に宿泊され、普段はほかにお住まいとのこと

王宮から南へ徒歩約5分、広々とした公園のような一角にあるのが王家の墓。中央にはトゥポウ1世やサーロテ女王など、トンガ王国の歴史を作ってきた王様、女王の墓碑もある。中は立ち入り禁止

とんがった屋根が特徴的な、ヌクアロファの中心地にあるバシリカ教会。1階はレストランや土産店もある

王家の墓の近くにあるフリーチャーチオブトンガ。石造りの三角屋根が印象的

ヌクアロファの中心地にあるタラマフマーケット。トンガ人の胃袋を押さえる食料のほか、土産店などもあり、観光客にも人気。貝殻のアクセサリーなどもあるので、チェックしてみては

ビジターセンターで展示されていたのは「ヘイララ・バニラ」。ババウ諸島のある村を支援するための援助プロジェクトとして誕生したもの。ヘイララはトンガの国花で、ガルシニア科の植物。トンガやソロモンに分布する。この製品はバニラを使ったもので、バニラポッド、バニラエクストラクト、バニラシロップ、バニラペースト、バニラシュガーなどがある

古代ポリネシアの巨岩文化を物語るハアモンガ・ア・マウイの遺跡。柱の2本の高さは5m、幅4mもあり、上に横たわっている石は長さが6mもある。1200年頃、第11代トゥイ・トンガによって国王のすむ敷地の門として造られたといわれるが、どうやって運ばれてきたのかなど謎が多い

フファンガルペのナチュラルアーチ。トンガの言葉で「鳩の門」を意味ように、小さなアーチが海へと続いている

ホウマのブローホールまたはマプ・ア・ヴァエアのブローホールといわれる。太平洋の荒波が打ち寄せる南海岸にあり、満潮時に打ち寄せる波が石灰岩の通気孔を通して打ち上げられる潮吹き穴。水柱の高さは南太平洋で一番豪快といわれる

トンガへのアクセス

ニュージーランド経由でトンガタプへ

残念ながら日本からトンガへの直行便はないので、どこかの都市を経由して行くことに。
便利なのはニュージーランド航空で成田からオークランドを経由して行く方法。
成田-オークランドが所要時間約10時間35分、オークランド-ヌクアロファが約2時間55分。
まあ近くはないけれど、これだけでトンガの人になれるのはありがたい。

ほかに日本からパプアニューギニアのポートモレスビーへ飛び、ポートモレスビーからフィジーのナンディ経由で行く方法や、ソウル(仁川)-ナンディ経由で行く方法も。
成田-ポートモレスビーが約6時間50分、ポートモレスビー-ナンディが約6時間10分、ナンディ-ヌクアロファが約1時間20分。
成田-ソウルは約2時間半、ソウル-ナンディは約10時間10分。

いずれにしても、エア代が結構かかることはご了承を。

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