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TUSAが教える
本当に自分に合ったフィンの選び方
ダイビングを楽しむうえでなくてはならない器材が「フィン」。でも皆さんが使っているフィン、本当に自分に合っていますか? 最初に購入したフィンを何となくそのまま使っている、フィンの選び方がいまいちよく分からない、という方もいるかもしれません。
今回は、ゴムから樹脂まで全ての素材を使用してフィンの開発に取り組んできたTUSAのアドバイスをもとに、「本当に自分に合うフィンは何か」を探っていきます。自分の足に合うフィンと出会えれば、水中を泳ぐのがもっと楽しくなることは間違いありません。脚力はもちろん、自身のダイビングスタイルに合わせて、「これだ!」というフィンを選んでみましょう!
1. フィンの素材を知ろう
フィンはどんな素材で作られている?
フィンの主な素材は「ゴム」か「樹脂」。「ゴム」は多くのダイバーの皆さんがご存じの通り、「弾力があって柔らかい」という性質があります。「樹脂」とは主にプラスチックやウレタンのことを言います。ひと口に「樹脂」といっても、軽さやしなり、反発弾性、耐久性など、用途に合わせて様々な特徴を持たせることができます。
<ポイント①>フィンの素材はゴムか樹脂。樹脂の方がアレンジしやすく、様々な機能を持たせることができます。
それぞれの素材の特徴は?
ゴムは、しなりやすく効率的に推進力を得られることが特徴です。各パーツの硬度や厚み、ブレードの長さ、重さを変えることで、様々な脚力に合わせたフィンを作ることができます。
一方、樹脂にはプラスチックとウレタンがあります。
プラスチック樹脂は、軽量で持ち運びが楽であることが特徴。また複数の異なる硬度のパーツを組み合わせることで、ゴムと変わらない反発弾性や推進力を生み出すことができるなど、理想のポイントを抑えたフィンを作ることができます。
ウレタン樹脂の特徴は、なんといっても反発弾性に優れ、推進力が途切れないこと。反発弾性が良いため、一蹴りでもグンッと進む感覚が得られます。
そのほか耐久性や発色の良さはウレタン樹脂がベスト。見た目が美しいまま、長く使えるフィンを作ることができます。
<ポイント②>素材によって、フィンのパフォーマンスは変わる!
左から、ゴム、ゴム、ウレタン樹脂、プラスチック樹脂
2. フィンの形状(機能)を知ろう
フィンの形状(機能)で注目したいポイントは?
素材以外でフィンを選ぶポイントは、①形状、②ブレードの大きさ、③ブレードの硬さ、④デザイン、⑤フィット感など。それらの組み合わせによって蹴り心地や扱いやすさが変わってくるので、自分の脚力や潜る環境に応じて、最適なフィンを選ぶといいでしょう。
一般的なノーマルタイプのフィンの形はこちら。
講習の時にもよく使われているため、蹴り慣れている方も多いのでは? バタ足の時も、あおり足でも、まんべんなく推進力を発揮できます。
フィンキックは、何回かキックを続けると、ぐんぐん泳げるようになります。でも「一蹴り目からビュンッと推進力がほしい!」「流れのある海でも、最初からしっかり進みたい!」、そんな方にはブレードに角度がついているフィンがおすすめです。
足への抵抗や負荷をできる限りなくしたい方は、足の甲付近に穴が開いているフィンを使ってみましょう。
そのほか、ドライスーツ着用時に小回りを良くしたい方や、1ダイブ疲れずに蹴り続けたい方は、ショートブレードのフィンを好んで選ぶ傾向があるようです。
<ポイント③>フィンの形状によって蹴り心地が変わります。どんなフィンキックをしたいか考えてから選びましょう!
フルフットタイプとストラップタイプは何が違う?
「フルフットタイプ」はかかとを覆うタイプのフィンです。つま先からかかとまですべてをフィンポケットが包み込むので、自分の足そのものの感覚でキックができます。特にボートダイビングの際や、沖縄など暖かいリゾート地ではよく使用されています。
「ストラップタイプ」はストラップの長さを変え、自分でフィット感を調整するタイプのフィンです。ビーチダイビングなど、ブーツを履いて移動するような場所で潜るときや、ドライスーツ着用時には、ストラップタイプを使用します。着脱や持ち運びが楽なため、ストラップタイプを好む方もいます。
<ポイント④>まずはフルフットとストラップ、どちらのタイプが良いか決めましょう!
最近注目の「バンジーストラップ」って何?
「バンジーストラップ」とは、その名の通り、ゴム紐のように引っ張ると伸びるストラップのこと。着脱時に長さを調整したり、バックルを取り外したりせずに、ストラップを引っ張るだけで簡単にフィンを着脱することができます。
ビーチダイビング時にフィンの着脱が早くなるのはもちろん、ボートダイビング時にも片手で素早くフィンを着脱できます。着脱が楽になるだけでなく、「バンジーストラップを使用することで足へのフィット感がより高まった」という声も。ボートダイビングとビーチダイビングの両方を楽しむ方にはいち押しのストラップです。
※TUSAは全てのストラップフィンにバンジーストラップを装着可
<ポイント⑤>バンジーストラップを使うとより快適になります!
持ち運びのしやすさなどもチェック!
フィンを選ぶ際は、ダイビング中の快適さだけでなく、移動時の持ち運びのしやすさもチェック。飛行機によく乗る方や、電車を使用される方にとっては、フィンが軽いことも重要です。樹脂(特にプラスチック)フィンは陸上での軽さNo.1です。
またフィンをもっとコンパクトに収納したい方には、TUSA HyFlexシリーズの「SWITCH」や「Vesna」がおすすめです。ブレードとポケットを分離できるタイプで、長さが2分の1になるので、軽器材だけならリュックに収納もできてしまいます。
※取り外したネジはフィンに付けて持ち運ぶことを推奨しています。
<ポイント⑥>軽さ重視ならプラスチック樹脂フィン。コンパクトに持ち運びたいならブレードとポケットを分離できるフィンを選びましょう!
3. それぞれのフィンの特徴を知ろう
上記のようなフィン選びのポイントを踏まえて、それぞれのフィンの特徴を知り、自分に合ったフィンを選びましょう。最も大切なのは、自分の脚力にマッチしていて、快適にダイビングを楽しめるフィンかどうかということ。
ということで、「マリンダイビングWEB」編集部が、TUSAの代表的なフィン4種類を実際に試してみて、それぞれの特徴を確認してきました。ぜひ皆さんのフィン選びの参考にしてみてください。
●フィット感、抜け感、推進力!満足度No.1のフィン
SWITCH(スイッチ)
SWITCHを履いてまず感じたのが、足へのフィット感がとても良いこと。フットポケットがしっかりと足にフィットするだけでなく、バンジーストラップによる足の締め付けも心地よく、水中でキックをするときも快適です。またしっかりとした蹴り心地がありながら、大きなベントホールが設けられていることで水の抜け感もよく、グンッという推進力がありつつも足への負担は少ない感じ。ダウンキック、アップキックだけでなく、切り返しのタイミングでも推進力が衰えず、中級以上のダイバーにおすすめのフィンといえます。
【素材】ウレタン樹脂
【形状】角度・穴 有り
【タイプ】バンジーストラップタイプ
【その他】ネジを外すことでポケットとブレードを分離可能にしたフィン
●軽い!しかも、しっかり進む!便利で使い勝手の良いフィン
SOLLA(ソラ)
ブレードに3種類の素材を使い、長く柔らかいのが特徴。水中でキックしてみると、プラスチックフィンとは思えないほどフィンがしなり、フィン全体でしっかりと水を包み込んでいる感覚があります。キック時のフィンのブレも少なく、脚力がフィンの先端まで伝わっているイメージで、非常に良い蹴り心地。中層をグングン泳ぐ際にも、流れの少ない場所でゆったりと泳ぐ際にも、どちらにも適している感じで、初心者から中級者におすすめです。
【素材】プラスチック樹脂
【形状】穴 有り
【タイプ】ストラップタイプ
【その他】東京工業大学と推進力評価に関する共同研究を行い完成したフィン
●やっぱりゴムフィン!まずはこのフィンから試してみて!
KAIL(カイル/ストラップタイプ)
SWITCHやSOLLAに比べて、ブレードの長さが短めで、水中での取り回しがとても楽だったのがKAIL。しっかりと推進力はありながら楽にキックすることができるため、足への負担が少なく、1ダイブ最後まで疲れずに蹴り続けられるというKAILのコンセプトにも納得です。脚力に自信のないダイバーでも快適にキックすることができるので、初心者からおすすめのフィンといえます。
【素材】ゴム
【形状】ノーマルタイプ
【タイプ】ストラップタイプ
【その他】ゴムのデメリット「耐久性」を克服した新開発ゴム仕様のフィン
●ずーっと泳ぎ続けたい。心地よさNo.1のフィン
KAIL(カイル/フルフットタイプ)
こちらはKAILのフルフットタイプ。ストラップタイプと同じく、短めのブレードでキックがしやすいうえ、足をしっかりと包み込むタイプのため、よりダイレクトに脚力がフィンに伝わっている感じがあります。フットポケットがローカットなこともあり、足へのアタリがよく、フィンずれもしにくそうです。水面もキックがしやすく、スクーバはもちろん、スキンダイビングやスノーケリングにもおすすめです。
【素材】ゴム
【形状】ショートブレードタイプ
【タイプ】フルフットタイプ
【その他】「1ダイブ最後までしっかり、楽に蹴りきれるフィン」がコンセプト
モニター会などで実際に試してみることがおすすめ!
フィン選びの際は、ウェブサイトやパンフレット、あるいはインストラクターなどから情報を得ることも大切ですが、一番は実際に自分で使ってみること。そのためには、各地で開催されているモニター会などで、いろいろとフィンを履き比べてみることがおすすめです。ぜひ皆さんも実際に使ってみて、自分に合うフィンを見つけてくださいね。
4. 自分のスキルや目的に合わせてフィンも使い分けよう
ややもすると「ダイビング器材=一生モノ」と考えて、最初に買った器材をずっと使い続ける人も多いかもしれませんが、ことフィンに関しては、「自分のスキルや潜る環境などに合わせて買い替えるもの」という認識を持つことがおすすめです。前述のとおり、どのフィンが自分に合っているかは、脚力や潜る環境によって変わってきます。当然それは、ダイビングを楽しんでいるうちに変わってくるものでしょうし、脚力や環境に合わないフィンを使っていることはストレスになり、せっかくのダイビングを十分に楽しむことができない恐れも。改めて、今自分が使っているフィンが本当に自分に合っているのか、モニター会などを通していろいろなフィンを試してみる機会を作り、ご自身のダイビングスキル、潜る環境に合わせて最適なフィンを選んでください。