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地球を潜ろう! ダイバーになろう!
第31回「マリンダイビングフェア2023」ナビゲーターは、世界で活躍する自然写真家 高砂淳二さんに決定!

高砂淳二

「マリンダイビングフェア2023」の公式ナビゲーターは、昨年に引き続き自然写真の世界最高峰「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」自然芸術部門で最優秀賞を受賞された高砂淳二さんに決定! 今回はどんなイベントに? 見どころ、押さえどころをお聞きしました。

テーマは「地球を潜ろう! ダイバーになろう!」

マリンダイビングフェア2023

編集部(以下、編):いよいよ2023年4月7(金)~9(日)日に「マリンダイビングフェア2023」が開催されます。今回のテーマは、「地球を潜ろう!」、そして「ダイバーになろう」です。コロナで自粛していた国内外の旅行に行く方が増えてきましたね。

高砂淳二さん(以下、高砂): 2023年は、コロナ禍の前やそれ以上に世界中の海を潜ろう、ということで「マリンダイビングフェア」がそのきっかけになるといいですよね。「地球を潜ろう」というのは、もちろん海のことですが、僕は、これからは「地球を感じる」感覚で潜ってはみてはどうかと思うんです。地球の表面積の3分の2を占めているのは海で、生命の起源でもある。あらゆる生命がひしめいている所だし、海の中にいても海の外、例えば海には川をつたって森の鉄分が山から流れ込んでいるとか、そういうつながりにまで意識を広げていくのもいいんではないかと思います。海を潜りながらも地球を感じることで地球のことをもう一歩理解できる、地球の気持ちがちょっとわかってくると思うんです。どこかへ潜りに行くことで、常に陸上も旅することになるわけですからね。

:確かに、環境問題もいろいろと気になるところですね。ステージでは海洋プラスチックの問題など、環境問題に関するプログラムも予定されていますよね。

高砂:海洋プラスチックは世界中で問題になっていますが、それに一番近い位置にいるのはダイバーです。潜っていない皆さんはニュースでは聞くでしょうが、ダイバーは本当にいろいろな所を潜っているので、海辺に浮かんでいたり、漂っているプラスチック、あるいは生物に影響を及ぼしている状況などを見られるわけです。海の生き物の気持ちになれるダイバーだからこそ、そういう問題をどんどん発信していけるといいですよね。また、日本沿岸でも温暖化だけでなく森からの鉄分が不足していて磯焼けになっているとか、温暖化によるサンゴの白化など、世界中でいろいろな問題が上がっています。サンゴの生息域もまた変わっていってますから、ダイビングで、あぁこの辺りにこんなサンゴがいるのかっていう発見もあるでしょうね。これからは実際に潜っている海だけでなく、周囲の環境や関連性に少し意識を広げることで、地球が今置かれている状況やつながりが分かってくるかもしれません。一方でサンゴについては高水温に強いものも見つかっているようですし、自然には私たち人間が計り知れない強さもあります。大切にしていきたいですよね。

マリンダイビングフェア2023

:「マリンダイビングフェア」は興味のあるブースを見て回りやすいようにゾーン分けされています。「海外ゾーン」では、前回よりさらに多くの海外エリアの出展が予定されていますよね。パラオ、タヒチ、マリアナ、フィリピン、インドネシア、オーストラリアなどなど(予定)。

高砂:世界中から最新の話題が集まるので、私も楽しみにしています。海外からの出展が増えるのはうれしいいですよね。まだ円安で日本から海外に出るのにためらいはあるし、飛行機に乗ることで二酸化炭素を出すからエコじゃないなんて声もあります。ただそうやって自粛しているだけじゃあ、なんのために生まれてきたのかなって思うんですよね。海外でもどこへでも様々な海に潜って体験して感じて、そうすることで自然保護の意識を高めていけばいいんじゃないでしょうか。

:ところでこれまでに潜られた海で印象的だった海はどちらですか?

高砂:潜り始めた最初の頃ですが、オーストラリアの南にエスペランスという所があるんです。西オーストラリアのパースにわりと近い海で、その時はスノーケリングだったんですが、なんというかもう水がないんじゃないかっていうくらい透き通ったキレイな海で、その印象は今でも忘れられないですね。パース周辺の海はまぁ濁りもあるんですが、エスペランスで水中に入ったときは「うわぁ、すごい、水のないところに浮いてるぅ」って感じでホントに驚きましたね。それが僕にとっての透明度のいい海の原点だったなぁ。今思えば、ロタとかのほうが透明度は高いのかもしれないけどその時の体験は圧倒的でした。

ダイバーになれば、もう一つの世界が見られる!

マリンダイビングフェア2023

:もう一つのテーマは「ダイバーになろう!」です。

高砂:僕も潜り始めて40年になりますが、最初に潜り始めた頃から今でも思うんですが、目の前に海が広がっていても、実際にマスクを付けて潜ってみると、そこには全く別の世界が広がっているんです。あぁ、こんな世界が見れちゃった~、得しちゃった~っていう感じですよね(笑)。目の前にあるのに全然知らなかった~という感覚。僕はまだ潜っていない人には「もう一つ、まったく違う世界があるから絶対にやってみたほうがいいよ」って言ってるんですよ。

:「スクールゾーン」や「PADIビレッジ」でノンダイバー向けの相談コーナーが設置され、ダイビングの始め方や始める前の不安、疑問をなんでも聞けるんですよね。

高砂:ノンダイバーの方にはぜひもう一つの世界を体験してほしいですね。

:「ダイビング器材メーカーゾーン」もありますから、最新器材やそれぞれの器材のカラーバリエーションもその場で見ることができますね。

高砂:僕らが始めた頃はかなり地味でしたが、今は器材もカラフルで楽しいデザインになりましたよね。

最新の水中撮影機材が見られるのはここだけ!

マリンダイビングフェア2023

:去年に引き続き、フィッシュアイ、AOI、SEA&SEA、イノンなどカメラメーカーも多数出展されます。実際にカメラやハウジングを手に取ることもできるんですよね。

高砂:そうですよね。ヨドバシに行ってもなかなかこうはいかない! 撮影機材はダイビングしていない販売員に聞いてもなかなか分かりませんからね(笑)。水中に特化したメーカーが一同に会するのは「マリンダイビングフェア」だけでしょう。水中撮影機材を見て聞いて、触って質問する最大のチャンスです。皆さんの人生にとって大きなチャンスを秘めているイベントなのかもしれません。

ステージで水中フォトコンテストの授賞式も!

:高砂先生が審査委員長の「日本水中フォトコンテスト」の作品公募が始まりましたが、その授賞式が4月8日(土)の「マリンダイビングフェア2023」の閉場後に同会場の特設ステージで開催されます。

高砂:ぜひ、自然や海の素晴らしさを伝える作品をどんどん応募してください。ご自分では自信がなくても気軽にたくさん応募していただきたいです。写真で何かを表現するのはおもしろいですよね。フォトコンテストは写真がうまいとかヘタのものさしで決まるわけではないんです。自分はこう思った、感じたというのがきちっと作品に入っていれば、審査員の心に刺さりますから。

マリンダイビングフェア2023

:最後に一言、メッセージをお願いします。

高砂:とにかく来て見てほしいですね。会場は池袋で、全然、海ではないんですが(笑)、会場に入れば海の底まで見られますから(笑)。海の情報が充実しているし、知識をもったプロフェッショナルもいます。海を楽しむ器材も見られるし、始める方法もわかります。潜る人も潜らない人も、ぜひ見に来て感じて何かを持ち帰っていただきたいですね。
みなさん!東京・池袋サンシャインシティの「マリンダイビングフェア2023」会場でお会いしましょう!!

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