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地球の海フォトコンテスト2019
ビーチフォト部門 上位入賞
グランプリ
水面の光
土田陽介/群馬県
ニコンD800 AF-S ニッコール 70-200㍉ f/2.8G ED VRⅡ f16 1/1600 ISO100 宮城県・女川
宮城県の女川の海の水面の輝きを、複数のフィルターを組み合わせて撮影しました。表現の幅を広げるため、NDフィルターを使ったスローシャッターや流し撮り、多重露光などいろいろ試して工夫していたところ、偶然にも曜変天目茶碗の模様のような面白いものが撮れました。どのような評価を受けるか応募してみたところ、グランプリという想像以上の結果に正直驚いています。昨年と今年で、それぞれ別の部門の異なる審査員の方に、ワイド・マクロ・望遠と異なるレンズを使った作品で高評価をいただけたので、今後もさらに技術の引き出しを増やしながら高みを目指して精進したいと思います。
審査員作品評
高砂淳二
ブルーを帯びた光のキラキラがいいですね。とても印象的で不思議。こういった作品が応募されるのは大変うれしいです。水面の光で露出が抑えられ暗くなったのかもしれませんが、これは昼か夜か、そもそも本当に海なのか、星空すら連想させます。不思議な模様のようで幻想的、心の中の風景のようにも見えてくる。いろいろ想像できて楽しいです。
写真は「在るもの」をそのまま写すものではありますが、撮り方や状況によって見た感じとまったく違うものに仕上げることもできます。この作品は先に自分の世界を造り上げておき、そのイメージを1枚の写真の上に表現したのかもしれません。
準グランプリ
マンタに乾杯
沢口達也/東京都
オリンパスOM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL11-22㍉ F2.8-3.5 モルディブ
この作品はクルーズのナイトマンタダイビングの後に撮影したものです。みんなで食事を済ませて談笑しているところに、『まだ船尾にマンタがいますよ』とガイドさんからの声。急いでカメラを片手に船尾へ向かうと、みんなで撮影会が始まりました。マンタが浮上し、ゲストさんと最接近した瞬間に乾杯! 今後も自身の感性を磨き、感動できる1枚を撮れるよう精進して参ります。このたびは私の作品を選んでいただき、誠にありがとうございました。
審査員作品評
高砂淳二
インパクトがありますね。マンタってちょっと前までは出会っただけですごくうれしい被写体だったのに、今はあちこちにマンタスポットがあり、ついには宵の口にボート上からワインを飲みながら会えるのですね(笑)。しかも、おなかに触れそうなくらい近くで。
水中を照らしている光が女の子にも当たって、全体がブルーのトーンで気持ち良さそう。モルディブの夜を楽しんでいる雰囲気がよく伝わってきます。シャッターのタイミングも実にいい。マンタと女の子、両方ポーズがバッチリで、構図もピタッと決まっている。ナイトダイビングもいいですけれど、こんな楽しみ方もあるんだなぁ。今度ぼくも体験してみたいです。
優秀賞
入賞作品のうち、特に審査員の心に響いたもの、または最後まで上位入賞を競った作品です。
茜色の中の気になるあいつ
青木康成/神奈川県
オリンパスE-3 ZUIKO DIGITAL ED12-60㍉F2.8-4 f4 1/25秒 ISO400 モルディブ
審査員作品評
高砂淳二
絵作りの上手な方ですね。夕景の中にサギが2羽。きれいなシルエットで、特徴のある形や姿勢がよくわかる。手前と向こうで距離はありますが、意識し合っているようにも見えます。そこに波が斜めに入ってきた瞬間を捉えたのはお見事。いい構図です。
エキジット
岡本憲/静岡県
ニコンD850 AF-S VRマイクロニッコール105㍉f/2.8G ノーティカムD850 f10 1/200秒 ISO100 静岡県・井田
審査員作品評
高砂淳二
これはまた詩的な写真です。タイトルを知らずに絵柄だけで選んだのですが、これはエキジットのときの視線なんですね。サンセットダイブなのか、長時間潜っていて夕方になってしまったのか、いずれにしても情景が目に浮かぶようです。上がってみたらこんなに夕日がきれいで、ねっとりと波がうねって穏やかな海。見た人の感覚がとてもよく伝わってくる写真ですね。
くすぐったいですよ
神保多周/愛知県
キヤノンEOS7DMarkⅡ EF70-200㍉F1.4L f4.5 1/250秒 ISO100 南アフリカ
審査員作品評
高砂淳二
今回、南アフリカのペンギンが何枚も応募されていましたが、これは断トツにかわいい。ペンギンそのものはもちろんですが、見てください、この仕草。2羽で胸と胸をくっつけ合って、片方は頭にクチバシをチョコンと乗っけているみたい。タイトルにもちょっと笑ってしまいました。それと、撮影者はペンギンに合わせて目線を下げていますね。腹ばいの状態なのではないでしょうか。だから表情もよくわかるし、背景の山の稜線もいい感じ。ボケ具合も絶妙で、アングルや構図をよく考えていますね。
真夏の背くらべ
鳥海貴之/埼玉県
ニコンD810 AF-Sニッコール200-500㍉f/5.6E f8 1/1000秒 ISO400 佐賀県
審査員作品評
高砂淳二
ジャンプしたところだと思いますが、一所懸命に伸び上がっているようですね。それを両隣にいるムツゴロウとカニが見守っているようで面白い。いい瞬間を撮りましたね。撮影地は干潟と思いますが、泥に這いつくばって撮ったのでしょうか。望遠レンズだろうからハウジングに入らないだろうし、カメラは無事だったのかな。リスクをおかした甲斐がありました。お見事です。
ブルーライトオセ
原澤宏/埼玉県
ペンタックスK-5 50㍉マクロ f9 20秒 ISO400 静岡県・大瀬崎
審査員作品評
高砂淳二
水面の光はナイトダイビングの水中ライトでしょうか、きれいなブルーですね。岬に並んでいるショップもいい感じにライトアップされ、向こうの空の明るさ、木のシルエットもきれいです。時間帯がいいのかな、空とショップと海の光の強さのバランスがちょうどいい。どこか露出がとぶと急に絵にならなくなっちゃうものですが、これは気持ちよくまとめました。いいシーンを撮ったと思います。ただ、タイトルがちょっと昭和っぽいかな(笑)。