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地球の海フォトコンテスト2019
自由部門 上位入賞

グランプリ(舘石昭賞を同時受賞)

Together Up
牧島有季子/東京都

オリンパスTG-5 UWL-24M52R ISO1600 モルディブ -6㍍

ナイトマンタダイビングを終えエグジットしてからも、まだ船尾のほうでグルグルしているマンタを放っておけず、我慢できずに海へ飛び込んだときの1枚です。夜の海の中。幻想的な光をバックにマンタを撮影したいという一心で無我夢中に潜り続けました。今までは本格的に水中写真と向き合ったことがなく、自己満足の世界でした。今回このような素晴らしい賞をいただけて、もう少し水中写真を勉強してみようかなと思いました。また、貴重な経験をさせてくれた《M'sダイビングアドベンチャー》と《横浜カンパニー》、壮大すぎるモルディブの海を案内してくれた《ブルーKサファリ》の皆さんに感謝の気持ちを忘れず、これからもダイビングライフを満喫させていきたいです!

審査員作品評

福永友保
群青一色だけのグラデーション。モノトーンの作品ですが、とても強いメッセージを感じます。天からのスポットライトに向かう巨大エイ。静かなる動き。ただ音がないということではなく、静寂の中で昇っていくわけです。昇天、すなわち歓び。それが、この作品が私に与えたメッセージです。

高砂淳二
ナイトダイブなのでしょうか、たぶんライトに照らされているのだと思うのですが、画面上部だけが光っていて、マンタとコバンザメがそこに向かっていく。それは水面なのか、もしかすると宇宙に向かっていくのではないかとも思えてきます。被写体はおなじみのマンタですが、とても幻想的な作品となっています。このシーンを縦位置で捉えたところも素晴らしいなと思いました。

準グランプリ

緑盃
藤田貴美子/兵庫県

ニコンD850 AF-S VRマイクロニッコール105㍉f/2.8G ノーティカムD850 Z-330 f5 1/250秒 ISO50 沖縄県・石垣島 -10㍍

これが初めてのカサノリ撮影です。このときは透明度が悪くて動けず、1時間近く粘るはめになりました。最初はどう撮っても『人魚の盃』とは到底見えない代物(笑)。でも粘った結果、絞りをギリギリまで開放すると、撮りたい方向性が見えてきました。さらに思い切って一部を切り取ってみると、肉眼では見えなかった瑞々しいディテールが現れて感動しました! デジタル一眼レフでマクロを撮り始めて約1年半、生命の色彩の素晴らしさに無限の可能性と魅力を感じています! 一人でも多くの方にダイビングと生命の素晴らしさを伝えられる作品を創っていきたいと思います。

審査員作品評

福永友保
緑の美しさ。ハーフトーンを後ろに侍らすことで、極端な色を出さずに、白と緑のグラデーションだけで作っているという点が秀逸です。今までに出現していない、新しい見方。この人は絵心もあって、右上から左下の角にスッと斜めに配置しているところもいい。こうするとシャープというかスマートさが感じられるものなのです。

高砂淳二
これは海藻ですね。ダイバーなら多分よく目にしているんだろうけど、それを「撮ってみよう」「うわぁ、キレイ」と思う感性が素晴らしいです。しかも、一部分だけ切り取って。たぶん自然光で撮っていると思うのですが、周囲の明るさと被写界深度の浅さ、全体に青っぽくかぶった感じで明るめに仕上げています。撮影者が水中で感じたものをきちんと写真に乗っけていて素晴らしい。より感覚的で、技術などを感じさせず、だからこそいい雰囲気に仕上がっていると思います。

第3位

シャコガイに魅せられて
三尾母孝恵/福岡県

ニコンD810 AF-S VRマイクロニッコール105㍉f/2.8G ネクサスD810 Z-330 f11 1/125秒 ISO100 鹿児島県・屋久島 -12㍍

マクロレンズ越しのシャコガイの奥深い色彩が好きです。同じ場所に戻ってくるセボシウミタケハゼもシャコガイに魅了されているように思え、シャコガイのきれいなグリーン発色とハゼの気持ちが表現できる写真になればいいなあと思いました。これからもマクロレンズでしか表現できないものを撮っていきたいと思います。カメラの指導でお世話になった屋久島の《もりとうみ》さん、撮影の基本から教えていただいた奄美の《Relax》さんに感謝いたします。

審査員作品評

福永友保
これは上位作品の中で特に気に入った作品です。シャコガイの外套膜をクローズアップしたそうですが、全体に抽象的画のようで、ベージュをベースとして濃淡だけで表現している。そこがおしゃれです。一応、端っこに魚がいるのですが、あまり目立たないので、全体の雰囲気を損なうこともありません。

優秀賞

入賞作品のうち、特に審査員の心に響いたもの、または最後まで上位入賞を競った作品です。

銀河鉄道
市村賢二/神奈川県

ニコンD810 AF-Sマイクロニッコール60㍉f/2.8G ED MDX-D810 YS-D1×2灯 f20 1/200秒 ISO200 静岡県・大瀬崎 -2㍍

審査員作品評

高砂淳二
去年も深海性の魚類を被写体にしたモノクロ作品で上位入賞された方ですね。今回も方向性は同じですが、印象は異なります。ひとつには、今回は水中の浮遊物がいっぱい写り込んでいます。それがマリンスノーっぽくて面白い。スーッと伸びたリュウグウノツカイの姿、まるで雪が降る暗い空を飛んでいるようです。タイトルからすると、撮影者は雪ではなく星に見立てたようですが、いずれにしてもカラーではこの雰囲気は出ません。モノクロならではの効果をよく理解されている方だと思います。

星空の下で鏡像
冼美卿/Ann Sin/香港

キヤノンEOS7DMarkⅡ EF100㍉F2.8LマクロIS USM ノーティカム7DMKⅡ Z-240 f32 1/250秒 ISO320 フィリピン・アニラオ -1㍍

審査員作品評

福永友保
まるで夢の中のシーンのようで幻想的です。水面に浮いているカニの幼生、そのリフレクションが水面に写っているという状況のようですが、そんな知識は戸棚にしまって、私の第一印象を言えば雪だるま。水面に写り込んだ光を撮影者は星に見立てましたが、雪が降っているようにも見える。だからカニの子供が雪だるまとなるわけです。

Magic Stick
Kinder Cai/中国

ニコンD850 AF-Sマイクロニッコール60㍉f/2.8G ED ノーティカムD850 Retra f22 1/60秒 ISO400 フィリピン -8㍍

審査員作品評

福永友保
これは棒の先端にカイダコが乗っているのかな? まず被写体がかわいいし、面白い。とてもユーモラスな感じ。バックを真っ黒に落としているので、まるで空中に浮かんでいるようです。でも、「宝物のような被写体を見つけたぞ!」というだけで終わらず、見つけた被写体を自分なりに表現しています。そこが素晴らしい。ただ、この作品は縦位置にするほうが面白かった。きっと生態的な知識がアートのジャマをしているのでしょう(笑)。

活発なアシカ
Chang Chia-Chi/台湾

ニコンD810 トキナーAT-X 107 DX FISHEYE10-17 F3.5-4.5 ネクサス f4.3 1/500秒 ISO200 南アフリカ -2㍍

審査員作品評

高砂淳二
「ガオー!」ですね(笑)。瞬間的な驚きのシーンを、落ち着いて完璧に捉えました。顔の辺りや口の中、ヒゲ、微妙な色も出ていますね。水深は浅いようですが、ストロボを当てているのだと思います。だから立体感も出てくるし、また濁った水の中でも、これだけ近くで撮ればくっきりクリアとなります。

Hello
寺本英仁(島根県)

パナソニックG9Pro M.ZUIKO DIGITAL ED7-14㍉F2.8PRO プルーフ 自然光 f5.6 1/320秒 ISO800 東京都・御蔵島 -5㍍

審査員作品評

高砂淳二
これはかわいい! 興味津々という顔でのぞきこんでいる。イルカってフッと近寄ってきて、こんなふうに立ち上がってのぞきこむような姿勢をとりますよね。それを縦に撮っているから、水面と海底も見えていて海の深さを感じられます。後ろのイルカたちも効いています。また、きっと撮影者が優しい気持ちでアプローチしたからこそ、イルカもこんな表情を見せてくれたんでしょうね。

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