上手くなる!水中写真
撮っただけで満足していたらもったいない!
地球の海フォトコンテストに挑戦
Vol.2 撮影の基本ポイントを学ぶ
今年も「地球の海フォトコンテスト2017」の作品募集が始まりました。
フォトコンテストと聞くと、ちょっと敷居が高いというか……私なんかが応募してもいいの?と不安に思う人もいるかもしれません。しかし! 水中写真を始めたばかりの人でも、入賞のチャンスはあるんです! そこで、「マリンダイビングWeb」では4カ月にわたって入賞のコツを伝授。第二回目のテーマは“撮影の基本ポイントを学ぶ”です。
第二回
撮影の基本ポイントを学ぶ
コンテスト初心者さんはビギナー部門に応募しよう!
初めてのフォトコンテストで、どの部門に応募すればいいのかわからないという人も多いだろう。そんな人は、まずはビギナー部門に応募してみよう。水中写真を始めて5年以内の人なら、誰でも応募可能だ。もちろん、水中写真歴5年以内であってもネイチャー・環境部門、自由部門に応募することはできるので、実力派ビギナーはぜひチャレンジしてみよう!
撮影機材に関しても、コンパクトデジタルカメラ(以下コンデジ)を使用している人が7割近くもいる。高いカメラでないと入賞を狙えないというのは大間違い。過去にも、コンデジでグランプリを受賞した人が数多くいるのだ。
撮影前に知っておきたい準備ポイント
撮影に行く前日までに、必要なものの事前準備をしっかりしておこう。いざ撮影しようとしたときに、バッテリーがなかった……というのは、悲しいことによくある話。そんなことで、千載一遇のチャンスを逃してしまってはもったいない。必ず、前日に充電をしておくこと。事前に充電していても、自然と放電してしまうこともある。充電は“前日”がポイントなのだ。 もうひとつ、忘れてしまいがちなのがハウジングのOリングのケア。Oリングを外して溝を綿棒などで掃除しておこう。水没の原因となるゴミなどが付着していないか最終確認をし、グリスを塗ってカメラに入れたら、隙間にシリカゲルを入れて完成!
グリスは米粒1/4個分くらいを指先にとり、Oリング全体になじむようまんべんなく塗ろう
これだけは用意したい! パッキングリスト
- □カメラ本体
- □光ファイバーケーブル
- □予備のカメラバッテリー
- □アーム
- □SDカードなど記録メディア
- □Oリング用グリス
- □ハウジング
- □綿棒
- □シリカゲル
- □エアブロア、カメラ用タオル
- □外部ストロボ、バッテリー
(※コンデジ、外部ストロボで日帰りダイビングを想定)
動く被写体の捉え方
水中で何か被写体を狙おうとすると、どうしても動き回る生物が対象となることが多い。一生懸命、カメラで追いかけ回してみたものの、いざ取れた写真は残念……という経験をした人も少なくないだろう。フォトコン入賞への近道は、基本の撮影術を学ぶこと! まずはピント合わせからおさらいしよう。
バラクーダやギンガメアジのように中層を移動する被写体は、自分も泳ぎながらの撮影となる。ピントの合った写真を撮るためには、脇を締めて上半身を安定させ、できるだけ動かさないことがポイント
まずはピント合わせをマスター!
ピント合わせの基本スキル「半押し」を学ぶ。「半押し」とは、シャッターボタンを最後まで押し切らず、半分の深さまで押して、ピント合わせを行なう操作のこと。デジカメのオートフォーカスは、シャッターボタンを「半押し」すると起動する。このスキルは、動く被写体を捉えるうえでとっても重要となってくる。
●STEP1
まずはシャッターレバーの押さえ方。ここでのポイントは、左の写真のようにシャッターレバーを指のハラで触れること。指の先端で押そうとすると、力がうまく入らないので手ブレの原因となる。デジカメを持つときは指先だけでなく、手のひら全体で包むようにして、カメラを安定させることがコツ。
●STEP2
次に、半押しの深さまでシャッターを押す。すると、カメラはフォーカスエリアに収まる範囲にピントを合わせ、ピントが合うとランプや音で知らせてくれる(写真は緑色の枠が点灯)。この動作がピント合わせの第一歩! ダイビング中に、グローブをはめている人は、その感覚に近づけるためにグローブをして練習してみるといい。
●STEP3
ピントが合わせられたら、すぐにシャッターを押し切る。素早くシャッターを切らないと、カメラと被写体の間に距離がずれてしまい、ピントの合っていない写真が生まれてしまう。このときに一番気を付けたいのが、人差し指だけを動かして静かにシャッターを押すこと! このようなピントの合わせ方を「シングルオートフォーカス」または、「ワンショットオートフォーカス」と呼ぶ。
オートフォーカスの仕組みを知ろう
上で説明した「シングルオートフォーカス」は、動かない被写体を撮影するときに有効なオートフォーカス。では、“動く被写体”を狙うにはどうすればいいだろうか? それには「コンティニュアスオートフォーカス」と「追尾オートフォーカス」の二つの方法に挑戦してみよう!
コンティニュアスオートフォーカス
「コンティニュアスオートフォーカス」とは、半押しをしている間、フォーカスエリアの枠内に入ったものにピントを合わせ続けてくれる機能のこと。ピントを合わせたい部分を枠内に収めさえすれば、被写体との距離が変わっても、自動でピントを調整してくれる。
操作方法
●ミラーレス一眼
OLYMPUS PEN Lite E-PL7の場合
OKボタン
↓
ライブコントロール
↓
AF方式
↓
C-AF
半押ししている間、被写体との距離が変わってもピントを合わせ続けてくれる「コンティニュアスオートフォーカス」
コンティニュアスオートフォーカス設定に変えてみよう
追尾オートフォーカス
「追尾オートフォーカス」とは、撮る前にロックした被写体を画面のどこに移動しても、その被写体にピントを合わせ続ける機能のこと。初めに正確にピントを合わせたい位置にロックすることがポイント! 水中でのピント合わせの確率がぐんと上がる。
操作方法
●コンデジ
OLYMPUS STYLUS TG-3 Toughの場合
追尾オートフォーカス画面までの道のり
MENUボタン
↓
AF方式
↓
自動追尾
ロックした被写体を画面のどこに移動してもピントを合わせ続けてくれる「追尾オートフォーカス」
追尾オートフォーカス設定に変えてみよう
過去の入賞作品はコチラ!
地球の海フォトコンテスト2017作品大募集!
応募締め切りは……
2017年1月20日(金)必着!
皆さん奮ってご応募ください!
地球の海フォトコンテストに関するお問い合わせ先は……
「地球の海フォトコンテスト2016」事務局
TEL:03-3222-0317 FAX:03-3222-0310
受付時間:月~金 9:30~18:00
Emailでお問い合わせ:photo-con@marinediving.co.jp