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感動の一瞬はこうして生まれた…… フォト派ダイバー必見!
水中写真家 作品探訪

水中写真で必要な色の再現にこだわり
誰もが撮れる水中撮影機材の開発に関わってきた最大の貢献者

清水 淳 Jun Shimizu

清水 淳

E-M1MKⅡ/ヤシャハゼ
カメラ:OLYMPUS E-M1MKⅡ
レンズ:OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 50mmMacroF2.0+EC20&MMF3
ハウジング:OLYMPUS PT-EP14
補助光:RGBlue System03 Premium Color
ハゼ好きです。ハゼ撮影の醍醐味はハゼとの駆け引きです。私は寄りたい。ハゼは嫌がる。でもさらに寄る。アプローチが悪いと巣穴に逃げられる。比較的深度の深いところでぎりぎりの攻防が楽しい。マクロ撮影はフラッシュを使わずに色温度が優しいRGBlueのツインライトを使う。暗くても見やすいし、優しく鮮やかに仕上がる

多くのダイバーが手にするカメラ開発に貢献し、
水中撮影モード搭載を当たり前にした男

誰もが撮りやすい水中カメラTGシリーズにも大きく貢献

マリンダイビングWeb編集部(以下、編)-清水さんは1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種に至るまですべてのオリンパス水中モデル機のチューンテストを行ってきたと伺っています。今、多くのダイバーが手にしているTGシリーズもそうですが、最新のTG-6は、本当にカメラが撮らせてくれる!という感動モノです。ここに至るまで、どのようなことに気を配り、どのような点が改良ポイントとなってきたのでしょうか?

清水 淳さん(以下、清水)-突然に性能が良くなったり、一気に水中性能が上がったのではないのです。十年間で、少しずつ改良されました。カメラ自体の性能アップが一番の要因になりますが、一番にこだわった点は「水中での発色」と「誰にでも簡単に水中撮影が楽しめる水中撮影モードの開発」です。 世界中の海で使われていますので、日本では伊豆、和歌山、沖縄でメインテストを行い、海外ではモルディブやインドネシア、メキシコなどいろいろな環境と使われ方でテストしてきました。新製品が出るたびに性能が上がってくるカメラに対して、そのカメラが持っている性能をフルに引き出せるように、カメラの仕様が決まった時から開発者の説明を聞いてアイデアを探ります。そしてそのアイデアをカメラが実行できているか、毎日海で撮影して調整を進めていきます。気の遠くなるようなテストと結果報告と修正プログラムの確認作業の繰り返しです。それが私の仕事です。

清水 淳

カメラ:OLYMPUS TG-6
ワイドコンバージョンレンズ:AOI UWL-400
ハウジング:OLYMPUS PT-059
補助光:OLYMPUS UFL-3×2
TGって極接近の超マクロに強いって、みんなが思っているけど、ワイド撮影に強いのもTG-6の特徴です。今ではTG-6専用のワイドコンバージョンレンズがサードパーティーで作られていて、画像端がケラれたり、周辺画質が低下したりといったハンデがない。一昔前のデジタル一眼より画質も取り回しも良い。それでワイド撮影の楽しみと水中発色の良さが感じられる作品を撮るぞーってことで開発最終段階で撮影した作品。背景の青の発色と真っ赤な魚の仕上がりを見ていただきたいです。

ハウジングに黒色を採用している理由

-操作ボタンや持ちやすい形、防水ケース(ハウジング)を黒にこだわったことなどについても、どのような思いがあってのことか教えていただけますか?

清水-片手で持った時に自然と親指と中指&薬指でホールドできるグリップの形状と押しやすい位置にシャッターボタンがあるように、オリンパスさんの開発デザイナーと何度も打ち合わせとテストを繰り返します。3Dプリンターで試作を繰り返して最終デザインを決めていきます。
黒い樹脂で作成しているのは、レンズから通ってくる光以外をシャットアウトするためです。TG-6をハウジングに入れて撮影する場合に、カメラについているレンズリングを水中用に交換するのを知らない方が意外に多いです。もったいないことです。

水中で使うのに最高のミラーレス一眼

-既にオリンパスでは生産終了してしまいましたが、ミラーレス一眼のOM-D E-M1 MarkⅡもオリンパスミラーレス一眼の最高峰だっただけあって、ピント合わせの速度他、デビューした時の衝撃が忘れられません。このカメラの水中モードや防水ケースの工夫は清水さんのアイデアが盛り込まれているかと思うのですが、まだ中古はあります。その魅力を教えてください。

清水-まだ新品のハウジングを販売用に数台持っています。今までのOLYMPUS製の中で最高傑作といって過言では無いです。カメラ自体の水中撮影性能が抜群に良いです。水中の発色がTGほどコッテリしていない上に、彩度の奥行きが深いのが特徴です。
鮮やかなのにディテールがしっかり残る。そしてシャープ。
ハウジングも水密に関してほぼパーフェクトです。最新のハウジングのようにバキュームリークセンサーはありませんが、よくわからないけど水が入ってくると言った納得できないリークはありません。
大型のダイヤルと見やすいピックアップファインダーがこの価格で手に入るならまだまだ欲しい方は多いはずです。私も4台所有しています。

清水 淳

E-M5MKⅢ-1
カメラ:OLYMPUS E-M5MKⅢ
レンズ:OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 8mmFisEyeF1.8
ハウジング:AOI-UHEM5Ⅲ
補助光:OLYMPUS UFL-2×2灯
この夏に撮影した新作。渡名喜島で撮影したんだけど、水中で蛍光グリーンに見えるサンゴがあって、那覇のガイドたちの間で凄いって盛り上がっていた。私もこの夏だけで10回以上訪れた。渡名喜島のブルーは比較的透明度が良いことと濃いブルーに仕上がるのが特徴。順光で撮影すると痺れるほど気持ちの良い青色に仕上がる。蛍光グリーンと濃い目のブルーとダイバーの吐いた白い泡。かっこいい! E-M1MKⅡのハウジングを元にバキュームリークセンサーを搭載した新型ハウジングが使いやすい。

最初は作業ダイバーとして水中撮影をしていた

-ところで清水さんは沖縄で《マリーンプロダクト》というダイビングショップも経営されています。沖縄の出身なのかと思ったら埼玉県ご出身とのこと。そもそもダイビングを始めたきっかけは? 水中写真家になろうと思ったきっかけは何だったのですか?

清水-ダイビングを始めたきっかけは、37年前にスキーのインストラクターをしていて、スキー場のペンションが欲しかったんです。そこで潜水作業はお金がたくさんもらえるってことで最初は作業ダイバーでした。作業現場での撮影から作品を撮るようになりました。その後、富士写真フイルムさんのバックアップでミニラボ&スタジオの経営で写真基礎を学び、やがて水中写真を教えるダイビングショップの運営へと変わっていきました。フィルム時代にはSEA&SEAさんのテクニカルアドバイザーを務めていました。その後OLYMPUSさんから声がかかり今に至ります。

今は水中ストロボの企画開発中

-ところで、今、開発中の水中カメラはありますか? 企業秘密でしょうけれど、どんなカメラが出てきそうか、教えてください。

清水-カメラに関しては、現在抱えているものはありません。ですが、水中ストロボは取り組んでいます。OLYMPUSカメラ向けの水中ストロボですが、すごく小さくて操作が簡単なのに正確に必要な光量を提供する、それでいて大パワー。発売時期は言えませんが遠くない将来です。

ダイブクルーズで“水中写真講座”も開催中

-清水さんはフォト派ダイバーのために、撮影三昧のダイビングツアーやクルーズを開催されているそうですが、実際どのようなことをされているのですか?

清水-1泊2日で慶良間や沖縄本島周辺をダイブするのですが、35人乗りのクルーザーをゲストさん8名で運航します。船上に空気の充填装置があるので、1日に4ダイブ水中撮影教室を受講しながら水中撮影を楽しみます。
ダイビング前に撮り方のコツや明るさの調整、フラッシュの使い方など実際の撮影データを紹介してインストラクターと一緒にダイビング&撮影をします。エキジット後すぐにアドバイスを差し上げて、さらに良くするにはどうすれば良いか?などを繰り返します。楽しいですよ。
私も乗船して一緒に撮影して「撮って出し」をお見せしています。楽しいですよ!

マンツーマンでの撮影講座は成果大で大好評

-今後、フォト派ダイバーのためにこんなことをしていきたいですか? 今後の予定を教えてください。

清水-最近、「清水淳のマンツーマン撮影教室」を始めました。今までは海外ロケや開発テストが多くて、皆さんと一緒に撮影して直接アドバイスする機会がセミナーや撮影会など、大勢の方を相手にした状況がほとんどでした。
ここ約2年コロナ禍にいてマンツーマンで教える機会があり、その方々は理解のスピードや満足度がかなり高かったので、要望に応える形で始めました。
それとは別に、テクニカルダイビングに少しだけ足を踏み入れました。ハゼ撮影が好きで比較的深い場所で撮影をしていますが、もう少しその場所にいたい!っていうことが多く。深いところでのハゼ撮影では安全に水面に戻ってくるために今はシリンダーを2〜3本持って行く事が多くなりました。
今後は同じ要望を持つ撮影者のためにフォローができたらって考えています。

-ありがとうございました。テクニカルダイビングは撮影にも便利ですよね。マンツーマン撮影教室も参加したいです。今度スケジュールをチェックしますね♪

清水 淳
Jun Shimizu

PROFILE
しみず じゅん
1964年生まれ。
水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。
また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。
執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、オリンパス社/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビング誌/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。
オリンパスデジタルカレッジ講師、全国各地でのフォトセミナーイベントでの公演依頼も多い。写真家としての創作性を生かして個人の写真展の他に生徒さんやグループ展の企画も得意とする。
公益社団法人日本写真家協会会員。

清水 淳

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